2020年2月20日 (木)

泥縄力学 インダクタンス測定の為にhp-4274aを修理するの巻き2

202201下段(実際には中央)の升目に切られた左から2升目が「ノアの箱舟」でフレスコ画に勢いが無く、又絵画全体が縮こまっている。最初に書き始めたのはここで弟子達も手伝っているが、その弟子たちがまるでなっていなかった。それとミケランジェロの構想にスケール感もない。次の「ノアの燔祭」で構図のスケール感が出て、アダムに至ってはダイナミックに変り、天地創造の最初の部分はミケランジェロが躍動している。よって天地創造は逆から描いたから良かったのでしょう。弟子たちをクビにしてミケランジェロ1人になり、覚悟が出来たから傑作が生まれ、1人プロジェクトxの誕生となる。そして我が1人プロジェクトxは泥縄力学で、hp-4274a lcrメータの修理にじぐるっている。

202202ここで又してもcpu狂人の域で、hp-4274aのmpuが6800となれば、直せないと6800の使い手としたら名折れだ。だいたいがクロックが1mhzの1μsecの時代でsh risc cpuの1/(50~100)と遅い。画像の1が前回までのオシロスコープの破損によるチェックのしくじりだが、めげずに次の2と3へ進む。

202203データバスは8bitでアドレスバスは16bitと8bitマイクロコンピュータの原点になる。例の引き出しの足を作らないものものだから4274aをひっくり返して、データバスとアドレスバスを調べる。

202205アドレスバスはokだがデータバスがngと分かった。r/wでトリガしてデータバスを見ると、high、low共に不安定極まりない。これはデータバスが何処かとぶつかっているのだ。

202204念のためmpu端子で6800のデータバスを見る。波形のhigh、low共に安定している。こうなりゃあチップセレクトがマズイ、だいぶ絞れてきた。

202206チップセレクトラインはこれだけのシステムになると相当に多く面倒だな。cpuボードを引きずり出してチェック配線を付ける。mpuボードの右半分がオシロtds3012の誤解でチェック済み。実は左半分にicを交換した痕がベタベタあり、ハンダ付けも妖しかったので前回のamp研究会で名工ミルトさんにハンダ補強してもらった。だからこの基板を修理した御仁もかなり核心に近づいていたと思う。

202208赤丸印のチップセレクトはsn74ls138nで、随分使い慣れたicだが手持ちは無い。ここでramとromの切り替えを行っている。


202209お~、なってこった。u16のromセレクタの出力が全部lowだ、これじゃあromとramはぶつかってmpuは暴走する。ls138の15pinと7pinを良く見れば、僅かだがhaighに上がりかかっている。sn74ls138nを交換すれば直る?もう1つの問題はチップセレクトの先のromで、壊れていれば万事休す。ここにソフトウエアが書き込まれておりそれが壊れたとなれば、それは無理とゆうもの。但しhpからオブジェクトをもらえるならばrom焼きして直せる。sn74lsシリーズのdipicの手配をするがかなり無い。dipの14pinや16pinなどとうに使っていないから無いし、あってもべらぼうに高い。昔74ls00なんかが床に転がっていて踏むと捨ててしまうような身分だったが...ここで詰んでしまうか?その先へ行けるか?

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2020年2月18日 (火)

泥縄力学 インダクタンス測定の為にhp-4274aを修理するの巻き

202181_20200218032401先ずはlcrインピーダンスアナライザの元祖「general radio company 1650-b」の登場、使い方が面倒でお蔵入りしてあった。乾電池を入れて動作させるも不調か?使い方に問題があるのか?分からなく、やはり面倒で止めた。仮に壊れていても回路図があるから問題ない。これらがlcrメータとして登場する前の1960年代までのインピーダンスブリッジ測定器となる。続いては主題のhpなどのlcr測定器で、現在は高度なアナライザ機能を持ち合わせたインピーダンスアナライザとなる。

202182全くの泥縄力学で、altecスピーカシステムのネットワーク用カルダスコイルを作るためにインダクタンスの測定器を修理しているのだから、一体何時になったら終わるのだい?hiokiの3531の代替でオークションでhp-4274aを入手した。この手の骨董機器はくじ引きみたいなもので、大当たりもあればスカもある。今回は「動作確認していない」のコメントに大いに期待してくじ引きしたが、スカの大ハズレでした。たいていは電源が壊れていて難なく修理できるのだが...しかしこの基板群を見た時、お代をドブに捨てたコトなど吹き飛んだ。何とも美しい。

202183そこで当然サービスマニュアルを入手する。お~っ、我がロボット制御の原点mpu(モトローラではcpuと呼ばずmpuと呼ぶ)mc6800ではないか、素晴らしい!これこそがロボットベンチャーの起源でモトローラ=日立のhd6800となる。隣組(静岡の呉服屋)の島正利さんの作ったインテル4004から始めて8008に進み、8085に変わる時代に日立はモトローラとくっ付き、こっちも6800に宗旨替えした。

202184基板を抜くとあっちこっちに修理した痕が見られ、終いにギブアップしてお払い箱にした、と理解した。これは修理に難航する。cmos ramバックアップ用のバッテリーが液漏れ事故で、基板は腐食してパターンがやられている。既にバッテリーは新しいモノに交換してある。

202185マザーボード側のアルミセパレータ板まで腐食は及んでおり、このアルミセパレータは強引にねじ切って撤去した。


202186こうゆうシステムの場合足ゲタになるダミーボードが必要、ただ44pinの2倍の88箇所の更に2倍のハンダ付けは本末転倒でやらない。そこで各タイミング信号にリード線をハンダ付けして引き出し、オシロスコープで観察する。但しデータバスやアドレスバスを引き出すのは事実上不可能になるから一考の必要あり。

202187先日のamp研究会、名工ミルトさんとt-mon君に手伝ってもらって公開修理をした。マイクロコンピュータのタイミングを調べるには強力なトリガ機構がオシロに要求されて、tds3012を持ち出した。ch1は破損したはずだが動作している、直ってしまったか?画像のように波形のngが見事に分かり修理に邁進し、終いにはこの回路の設計不良とまで判断する大活躍のtds3012、だが待てよ、同じ波形を入れるとch1はデタラメ表示でch1は絶対に使ってはいかんのだ。そこで壊れたオシロの対策でtds3014の中古のオシロを手に入れて...ん?泥縄力学の深度は益々深くなり。

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2020年2月16日 (日)

無意識力学 スピーカネットワーク考3

202161長年開発者をやってきたが無意識力学の最たるものが電源トランスで、音は電源が出しているに気付くまでは身分最下位だった。終いには電源トランスは邪魔者だと敵にされてしまい、オーディオアンプにもトランスレスが登場した。このトランスレスは有を無にする訳で、無になってしまうと音の比較のしようがないから主流にはなれない。さてスピーカネットワーク考は凄い事態になってきたので、手持ちのコアでペアを組めるモノに非常召集を掛けた。上左はWestern Electricのレピーティングコイルの中身で、コアは多分通常の鉄板を型で打ち抜き積層したもので、現代のトロイダルコアの巻き構造とは本質的に違う。流石にコアは古過ぎで退場願った。右の巨大はおなじみタムラのpr7808sを解体したコアで,勿論使えるが重過ぎで退場願った。最後は北村機電のrコアの登場、オーディオに良いと評判で使ったが音は別にだった。サイズから北村機電のrコアに決めた。

202162北村機電は信州茅野市にあるコアメーカで、長い対称テーパ電磁鋼板をグルグル巻いてrコアとゆう優れものを発明した。北村にしてもモガミにしても双信にしても、頭脳明晰だが如何にも理屈っぽい信州人の気質が作らせたように思う。rコアは北村機電の特許だからrコアトランスのコアだけは北村に作ってもらうしかない。1986年ロボットが売れ始めた当初はユニオン電機のカットコアmhタイプだったがrコアを知り、全面的に切り替えたが謳い文句ほど効率は良くなく発熱はユニオンと大差なかった。構造は画期的で凄いが、丸でない無理とコイルの無い区間から理屈上漏れ磁束が出る?2次巻き線はボビンの表面側で、これをグルングルンと勢いを付けて巻き解く。

2021632次巻き線を全て撤去するとこうなり、ここが1次2次の巻き線セパレータになる。


202164このセパレータをノミとハンマーを使い割って撤去する。すると1次100v巻き線が現れる。この巻き線もグルングルン巻き解いてしまう。


202165これでrコアの登場です。解いたポリウレタン線の量の多さにたまげてトランスとは随分ゲインの低いビジネスと思い、トランスだけで大企業にはなれない現実を感じた。うーん、この形状には無理がある。巻き線の合理化を無視して円形にコアを巻けば優れもののトロイダルコアが出来て、これこそオーディオに貢献すると思うのだが。

202166Φ350mmトロイダルコアは数に限りがあり、更に僅か4.5mhの288-16g用のコイルだからコアサイズの小さいものが良い。画像のように簡単に0.75スクエアvsfを20t巻いてvi法によるインダクタンスの測定をやる。30mhととんでもなく大きな値となり巻き数を減ずる。これは磁路長が短いため磁気抵抗が少なく大きなインダクタンスとなった。この磁気抵抗の低さから磁気飽和しやすく、これでoptも作っているようだがかなり難しいと感じた。

202167減じて再測定した結果がこれ。但し流す電流が0.5aで電流依存症のあるインダクタンス測定は再考の必要を感じている。本番ではカルダスケーブルの3.5スクエアを3tから4t巻しか巻かないから、どう考えても抵抗は限りなくゼロΩで配線が無意識の内にネットワークコイルになる仕組み。楕円とゆうより四角だからこれに均等に巻くには無理があり、やはりトロイダルに限る。次は更に小さくなり1mh以下を作らねばならない。

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2020年2月14日 (金)

無意識力学 スピーカネットワーク考2

202121ここ何年かはaltecスピーカシステムには一切手を入れていない。手を入れてないが音は驚きの進化で、それがオーディオ4種の神器を導入した古典管アンプやcdの開発の成果です。本来であればcx350トランスだけアンプが完成するまではネットワークに手を入れるべきではないが、カルダスケーブルの威力を試すべく実験をしてみた。jblの4550bkは分厚い特注ラスクの補強を上下に入れているため、上面で高さは1.8mとかなり高い。久し振りの高所作業は少々危うく、慎重を重ねて作業する。先ずは水晶粒専用の掃除機をラックの頂上へ置き、ネットワーク箱の水晶粒を抜く。

202122altec515bのwウーファのクロス周波数は600hzで、コイルは7.9mhとなる。ムンドルフのl200は線径がΦ2.0mmのポリウレタン線が巻いてあり1個3.9mh、これを2個直列に使用している。その配線を外してカルダスコイルへ接続する。勿論カルダスコイルはΦ350mmと巨大で、水晶粒防振が出来ないから正当な評価にはならない。

202123現状のムンドルフのl200がこれ。直流抵抗は0.41Ωと低く、これが2個直列だから0.82Ωとなる。空芯コイルだからこの程度の抵抗は仕方がない。最初は国産のコイルで次はsolen、現在はムンドルフとなっているが劇的な差は無いにしても、他のコイルよりは音が良い。

202124なぜかについては推測の域を出ないが、ofc純銅素材の違いと防振ワニスのかけ方の違いと思っている。ムンドルフで鉄心入りも登場して同じ3.9mhでも0.03Ωとずば抜けて抵抗が低い。電磁鋼板の嫌いな御仁には不向きだがこの直流抵抗の低さが、インダクタンス+抵抗のコイルの持つ宿命に何らかの答えがあると気付き始めている。

202125Φ350mmカルダスコイルをネットワーク箱の上に乗せる。このネットワーク箱の内部配線は全てカルダスケーブルでやってあり、当時随分苦労したことが思い出される。高所で狭い空間でのハンダ付けは結構大変で、時間が掛かってしまった。右チャネルのスピーカ1本だけで音出しする。

202127_20200214065001なんてこった!音が美しい、濁りの無いこの音は一体何だろうか?ウーファは高音まで音を変えてしまい、支配力は全帯域に及ぶのだ。急いで元に戻して全体をカルダスコイルにすべく準備に入る。元に戻すと音がひりついていて濁りが分かり、積極的に聴く気がしなくなった。プレートチョークや電源チョークから始まり各種トランス、これらの(インダクタンス+抵抗)のコイルの持つ宿命にどうやら答えが潜んでいるに違いない。カルダスコイルを作りながらそこの理論的解明を進めよう。

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2020年2月12日 (水)

計測力学 vi法によるインダクタンスの測定の確度

202127amp工房の測定器群は30台を越えてしまい、どう見ても測定器マニア状態であります。問題は殆どが古参測定器でガタガタの状態なのだ。低インダクタンスの測定が正確に出来ないものだから、hiokiのlcrメータ3531を持ち出した。通電するが画面がまるで出ない。いや~参った、この忙しい時に!1995年に大枚を出して購入、2005年にやはり液晶表示が消えて6万円の修理費をhiokiに払っている。一度メーカで修理しているにも係わらずの同じ箇所の故障は、設計不良としか言いようがない。

202131x古参測定器のスイッチング電源がガンで、これに使用している電解コンデンサはパルス電流でやられ、スイッチングトランジスタはスイッチング大電流による電流振動で物理的に破壊する。液晶表示の若干高めの電源が壊れて電圧が出ない。たいていは電解コンデンサの破壊で、黄色丸印の2個を交換したが直らない。次に赤丸印の負電源スイッチングトランジスタのエミッタ断線を発見して交換したが直らない。そこで外部から可変電源でマイナスを加えると-30v位で見事に液晶表示が出た。だが今度は自動起動が掛からなくなり測定できない、もうヤメにしよう。

202132この手の測定器の問題点はインダクタンスの測定で、lcrメータと称しながらも鉄心入りインダクタンスの測定は出来ない。そりゃあそうでしょうよ、散々トランスを作って気がついたが、流す電流で透磁率は変りインダクタンスも変ってしまい、結果測定できない。そこで一般的なvi法によるインダクタンス測定となるが、流す電流と印加する電圧は実際に則する必要がある。yewの精密電流計が入ったものだからシステムアップしてみた。

202133上画像のテスターによる電圧測定は何とも貧弱で、hpの34401aのデジタルマルチメータに交換した。これでvi法によるインダクタンスの測定が正確にできるはずだったが...

202134早速試作中のカルダスケーブルネットワークコイルのインダクタンス測定をやってみる。印加電圧は1.627vと出た。



202135流す電流は500maと決めており、500maになるまで電圧を序々に上げる。その電圧が1.627vとなる。
515b用7.9mhコイル、
1.62v/0.5=3.24Ω、
3.24/376.8=8.6mhと出た。
まあ抵抗値は殆どゼロでこれが正解でしょう。

202137念のためソレンの15mhのインダクタンスを測定してみる。


202138印加電圧は3.83vと出た。

202139この時の電流は500ma、これで計算してみる。


202136xソレンのコイルは公称2.4Ωの抵抗を持つ為ベクトル演算に変る。

2021392計算式は画像の通り。
√3.83^2-(0.5x2.4)^2 √14.67-1.44=3.637
3.637/376.8x0.5=19.3mh
15mhなのに19.3mhとは一体?まあ印加電圧が60hzでは低いことで精度が出ないのかも知れないが、vi法によるインダクタンスの測定も条件次第で妖しくなる。インダクタンスの測定とはかくも難しいものよ。

2021393hioki3531の代替はどうしようか?hp(画像のインピーダンスアナライザ400万円)だろうがテクトロだろうが高額出してもコア入りのインダクタンスは測定できないとなれば、この手の測定器は必要ないが、測定器マニア?は簡単に引き下がれない。とりあえずの静電容量測定はテスター並みの安いキャパシタンスメータでいけるから中華製でよしとして、インピーダンスアナライザの中古を探そう。

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2020年2月10日 (月)

無意識力学 スピーカネットワーク考1

202102音色力学のトランスだけのカニンガムcx350古典管パワーアンプ製作は一進一退の攻防状態で、思うようにはいかない。その主な理由が発明狂?にある。発明には常識を破壊する前衛芸術にも似た麻薬的な深~い魅力が潜んでいるのだ。さてその発明狂は又しても閃いてしまったが、これは単なる思い付きとも表現する。そのきっかけが画像のカルダス出力トランスで、駆動するスピーカを含めた1つのループにおいて「オールカルダスケーブル」にすると、次元の違った表現が出来る。カルダスケーブルを使用しても、インプットトランスやラインアンプ出力トランスでは威力を遺憾無く発揮出来ない。音色力学にはどうやら音色比重とゆう概念も付け加えないといけない。

202103もう一方でカルダス電源トランスはトランスの概念を取り去り、カルダスケーブルとゆう配線が無意識の内にエネルギー変換をしているとゆう仕組みを作った。それと同じ仕組みがaltec515b用のネットワークコイルに適応できると閃いた。カルダスケーブル3.5スクエアを10tから12t巻けば、クロスオーバー600hzの8mhを確保できる。このカルダスケーブル10tは最早ネットワークコイルとゆう意識は無く、単なるスピーカ配線なのだ。

202104これについてはスーパーコアの高透磁率のお陰で、今回エイ、ヤー、と4種類のトロイダルコアを作ったがラグビーのポジションと同じで、フォワードとバックスに見事に配置した。このΦ350mmスーパーコアはバックスのコアでえらく足が速い。通常は小さいカットコアなどに磁気ギャップを付けて磁気飽和を防止しているから、8mhでも100tも巻かなくてはならないが、たったの10tです。そこで実験の為に破壊大魔王の登場、水晶粒防振したΦ350mmトロイダルコアにΦ0.3mmポリウレタン線を苦労して2400t巻いたトランス巻き線を、ニッパでズタズタに破壊した。

202105画像のこれは最初に作った傑作中の傑作のインプットトランスだが、Φ0.3mmポリウレタン線が音的にngでこれも躊躇無く破壊する。2400tの巻き線作業に2日も掛かったが、ニッパ切断除去はたったの10分で終わる。

202106これでΦ350mmスーパーコアのトロイダルが2個確保できた。altec515bは4本だからコアは4個必要だが、今回はまず右チャネルのみ改造してスピーカ1本で音の確認をすることにした。

202107低インダクタンスの測定は難しい。k工業のk氏から指摘を受けてベクトル演算する方式にしたが面倒で、yewの電流計と電圧計を入手して正確に測定した。60hzでは0.5a流すに1.5vと低く精度の出しようが無く、ソレンの15mhをリファレンスで使った。この測定法では概ね20%増の値となり校正した。

202101トランスばっかり作っているので「ブログ面白くねえや!」の声も聞こえてくるが、オーディオアンプはインピーダンス変換機のトランスで決まり、と決めてトランスの発明に余念が無い。コア材は触媒でケイ素鋼板やアモルファスが音を出すのではなくて、巻き線の素材材質と巻き数による抵抗勢力と、振動力学で音は決る。この抵抗勢力がキーポイントと踏んだ。いつの時代も抵抗勢力は問題で国家を揺るがしかねない。同様に音においてもインダクタンスの邪魔をするのが抵抗勢力で、ここの御し方に音の未来がある。

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2020年2月 8日 (土)

音色力学 トランスだけのカニンガムcx350古典管パワーアンプ製作22

202081x当社の社長はあんぷおやじよりも10も上だが、スマホを操り自宅の電灯からルンバタイプの掃除機まで遠隔操作をしている。パソコンを操らせても到底太刀打ちできないハイテク人間で、どうやら年齢とハイテクは余り関連性は無く、要はやる気とみた。分光器で光を分けて、こう分析すれば炭酸ガス量が分かるなど、難解な依頼に嬉々として取り組み、驚きの後期高齢者(失敬!)であります。こっちはハイテクの世界に居ながら、からっきしハイテクはダメで窮々としながらパソコンに振り回される。よって負け惜しみで、紙とエンピツは電池は要らない最強のハイテクと決めて、cx350仮アンプのブロック図を描く。描いて気が付き、青丸印のトランス2個はインピーダンスの整合性は取れないし2重でムダだ。赤丸印のトランス2重はこの間にチャンデバが入るため必須。

202082そこでmono結合トランスとcx350ラインアンプインプットトランスの合体をしよう。現在はテキトーに巻いてゲインは2.7倍、これを大きくしなくてはならない。先ずはofc純銅Φ1.0mmの不足で巻いたΦ2.0mmのムンドルフ2次側巻き線を、Φ1.0mmとの接続点まで解く。

202083全く在庫の無くなってしまったソレンのofc純銅ポリウレタン線は、遊んでいるΦ300mm電源トロイダルトランスを解体、巻き解いて調達する。

202084それを先のΦ1.0mmへ接続して巻き、2次側巻き数をおおよそ750tとする。更にもう1層750tを巻いて十分なゲインを稼ぐ。2次側巻き数はおおよそ1500t、これを1次側巻き数の300tで割ればゲインは5倍と出る。

202085インダクタンスと60hzのゲイン測定をやる。hpのオシレータで300Ω駆動はしんどいので、60hzをスライダックで調整して直接印加する。

202087そのデータがこれ。入力10.08vで出力55.98vは5.55倍のゲインを持つ。計算値との違いは巻き数のカウントをしていないせいです。これでインプットトランスの仕様とマッチした。音出しすると大幅なカイゼンだが、Φ0.3mmのフツーのポリウレタン線がofcにチェンジした効果のよる所が大きい。ソレンのofc純銅ポリウレタン線の在庫は全く無くなり入荷待ち...

202086名工ミルトさんは勝負師で「あんぷおやじー、ソレンの15mhは2人で100個必要!」目が点になる。「1個6,000円で100個では...」そこでm+aさんの登場、直接交渉してもらい特注扱いで安く作ってもらった。それが入荷したのだが全部で100kg近くにもなり、その重たいものをm+aさんに運んで頂き感謝であります。これで存分にトロイダルトランスが巻ける。

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2020年2月 6日 (木)

音色力学 トランスだけのカニンガムcx350古典管パワーアンプ製作21

202061ラグビーワールドカップ2015 Englandの時、オーストラリアのフランカー7番は素早く動きいつもボールのある所にもぐり込んでいる。その姿にラグビーの真髄「献身」を感じて、いっぺんでファンになった。そのマイケル・フーパーはラグビーワールドカップ2019 japanでは、オーストラリアのキャップテンとなって登場した。そのオーストラリアから突然メールが届く。海外からのメールはヤバイのが多く、しかし今回は何かを感じて開いてみた。日立精機のマシニングセンターvk-45のサーボアンプに関する問い合わせで、日立精機が無くなった事は世界中に迷惑を掛けている。静岡の加工屋さんでもそうだったが、日立精機を引き継いだ森精機では満足なサポートは出来ないようだ。副社長だった故h岡さんの恩義もあり、流石にオーストラリアまでは出張できないがここで居座ってできることはサポートしようと思っている。

202062さて話の遡りはインプットトランスの巻きです。アンプ(増幅器)とはゲインを持ったインピーダンス変換機と言える。このインピーダンス変換がクセモノで、トランスの場合増幅作用と同時に必ずインピーダンスも上がってしまう。それを下げるのが真空管と考えるべきでしょう。磁気増幅器から端を発しトランスだけで何とかならないかと思考錯誤したが、どうにもならなかった。インプットトランスは何倍もゲインを持ったインピーダンス変換機です。

202063画像のインプットトランスは1次にΦ1.0mmofc純銅ポリウレタン線を480t巻き、2次はΦ0.3mmポリウレタン線を約2400t巻いている。ゲインは4.9倍あり概ね設計値になっている。これでもかなり音質の良いインプットトランスだが、システム全体からから見た場合、Φ0.3mmのフツーの巻き線では音色がカイゼンされずウイークポイントになっている。

202064そこで最強のインプットトランスの実験をしてみた。ここにΦ1.0mmのofc純銅ポリウレタン線を800tで3層巻いたトロイダルトランスがある。これを全て直列接続して2400tとしておく。

202065その上に養生テープを巻く。続いてカルダスケーブル1.75スクエアをコアの内径側は間隔を無くして密に巻く。

 

202066これでカルダスインプットトランスの出来上がりです。1次がカルダス348t、2次がofc2400tで想定ゲインは7倍です。これはこれで商品になりそうな雰囲気がある。

202067早速cx350パワーアンプに組み込んで音出しする。上の緑のコイルのインプットトランスより遥かに色艶が付き抜群に良くなった。ただカルダスを投じた意味がフルには生かされていない気もする。この理由は屁理屈になるので止めておくが、カルダスケーブル巻きは出力トランスに一番音質のカイゼンがある。この実験は重要な意味があり、高価なカルダスケーブルがフルに生かされる場所の特定は、原資節約に繋がる。いずれ商品化を目論むが、その際は躊躇なくカルダスケーブルを潤沢に巻く。この手法はインプットトランス、ドライブトランス、mcトランスに適応する予定です。

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2020年2月 4日 (火)

音色力学 トランスだけのカニンガムcx350古典管パワーアンプ製作20

202041xamp研究会をお休みして孫娘のピアノ発表会へ出かけた。焼津市大井川文化会館ミュージコはピアノ発表会で3年通っている。小さなコンサートホールにスタインウエイのd274のフルコンが置いてあり、いつも感心する。それを弾くのだから恵まれた子供達です。演奏前に孫娘は「緊張する」と言い、家人は「失敗したっていいのよ!」と慰めたつもりだが、こっちは余分は言わず「大丈夫」と背中を押した。28番...と呼ばれて真夜中の火祭:平吉毅州 エチュードアレグロ:中田喜直 が始まる。家人が「あ、ピアノとケンカしている、あ~仲良くなった」と評していたが、我が家は伝統的に火事場のなんとか力で本番に強い。孫娘宅のヤマハのアップライトは鍵盤が重いが、スタインウエイは軽くてデカい音がするものだから、弾く速度は若干上がり気味で、しかしガンガン叩く奏法は、かくもスタインウエイd274と戦えリ。将来はjazzの方が向いているな~と密かに思った。障害の子と先生との連弾は「第9の喜びの歌」だったが、その1音1音のひたむきさに胸打たれて涙が滲んだ。これがうまい下手を超えた音楽の力と感じて、帰りの車中で孫達に「幾つになっても勉強だな~」とその話をした。

202042さて今回は少し話を戻そう。cx350ラインアンプ出力トランスの実験状況です。画像のΦ450mmトロイダルトランスの900t、2層の1次、900t、1層の2次ではインダクタンスが足りずこの段階では低音は出なかったものだから、別な出力トランスを作り入れ替え実験をする。

202047dcs Elgar DAコンバータ用の電源トロイダルトランスが1個に集約出来たため、1個遊んでいる。そうだこれでΦ300mmの出力トランスを作ろう。1次側は巻き線を丸々残している。トロイダルΦ300mm、616t、100vrms、10Ω、86.2mv、i=86.2/10=8.62ma、z=100/0.00862=11.6kΩ、30.8hがインダクタンスで十分にある。これはΦ300mmの透磁率が高いことによる。Φ400mmでは900t、27.45ma、100v/0.02745=3.643kΩ、l=3643/6.28x60=9.7h、これの2層分は約20hしかないからだいぶ違う。

2020431次巻き線はそのままにして、2次側にカルダスケーブル1.75スクエアを巻けば直ぐに出力トランスが出来る。

202044cx350ラインアンプ用の出力トランスの出来上がり。Φ300mmトロイダルトランスは一般的にデカイが、あんぷおやじ流儀のトランスとしたら一番バランスが良い。これで出力トランスの商品化を考えたら良いと思いますが。

202045バイアスの調整は無しでプレート電流を測定する。43maで全く問題ない。

202046音出ししてガクッときてしまった。30.8hもインダクタンスがありながら低音が全く出ない、これは一体?トランスとはかくも妖しきものか。900tx2=1800tで約20h、これの低音の出ないのはインダクタンス不足と納得できる、しかし30.8hあってもダメかねえ~。インダクタンスと巻き線と音の関係が分からなくなり先達の設計を調べたら、周波数50hzにおいてインダクタンスは50h必要とあり、ここだ。要するに20hでも30hでもインダクタンスは少なくて土俵に乗っていなかったのだ、これで納得!

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2020年2月 2日 (日)

音色力学 dcs Elgar DAコンバータ電源トランス改良

202022ここに手垢で汚れて古ぼけた1枚のcdがある。レコードとcdを処分した時、伊勢丹裏の中古レコード屋スターダストの店主はこのma関連のcdを自宅に持ち帰ってくれていた。店主のs氏が中古レコード屋を廃業して掛川に帰る時「未だ持っているよ」と、売った時と同じお代で返してくれた。掛川に戻り介護職になるらしい。一度amp工房の音を聴きに来てくれたが、以来会っていない。maのcdは単なるモノだが人を繋ぐ媒体でもあり、良き仲間に恵まれたものだ。音色が大幅に進化した時にかけるcdがmaのcaramusで、久し振りに取り出して懐かしき昔を思い出した。

202021いやはやサウンドラボa1のコンデンサスピーカを越えてしまった。ダイナミックスピーカでじゃじゃ馬のaltecではきめ細かでシルキーな表現は無理と決め付けていたが、音色力学のトランスだけのカニンガムcx350古典管パワーアンプはコンデンサスピーカをも凌駕した。凌駕したがサウンドラボa1に同じ手法を施せば、またaltecを超えてしまうか。m+aさんが「これmonoでしょ、monoと言われなければ分からない」とたまげていたので、定位置でじっくり聴いてみた。なんてこったmonoでも楽器の位置が広がっているではないか!アンプの左右のバランスが狂っているなら妖しい事件も起きるが、cx350管アンプ1台でaltecシステム2台をmono接続しているのだから、これは一体...

202023dcsエルガーのアナログ電源±15v が不調で、てっきりofc純銅電解コンデンサがパンクして電圧が下がったものと判断して、本来のdcs内部電源に戻したら途端に音がつまらなくなり、音楽を積極的に聴けなくなってしまった。

202024トランスだけcx350アンプのトラブルが一段落した為、意を決してエルガーの電源の改修をすることにした。先ずは電源トランスを取り出す。


202025以前「dcs Elgar DAコンバータlocking対策」と称してpll ロック外れでエライ苦労をしてしまった。その時の後遺症でΦ300mmトロイダル電源トランスを2個も付けてしまった。いささか非効率的で先ずはトロイダルトランス1個へ集約巻き線をすることにした。勿論巻き線はofc純銅ポリウレタン線となる。

202026トロイダルトランス1個へ集約ができたので、続いてmj15024と15025で作られた安定化電源を繋ぎ更に負荷も繋いで負荷試験を行う。この試験ではofc純銅電解コンデンサの小容量に等価な電解コンデンサを付けてやる。こうしないと電源電圧の正当性が評価できない。案の定ofc純銅電解コンデンサの50μf(想定値)ではリップルが大き過ぎて±15vが低い電圧でリップルだらけ。

202027なんだいここだ!トラブルの原因は。元々低い電圧のリップルだらけがofc純銅電解コンデンサの容量減で限界を超えたのだ。トランスの巻き線電圧を上げてmj15024の電圧ドロップを大きくし負荷側に大容量の電解コンデンサを付けて対策完了。

202028トランス箱2個が1個になった。早速水晶粒の充填です。一時紫水晶を大量に購入したためそれが混じりごま塩状になってしまった。


202029x±15vの配線をdcsエルガー内部電源側からofc純銅電解コンデンサ側に切り替える。配線は単なるvsf0.75スクエアだが最低でもモガミのofc線にしておくべき。理想はカルダスケーブルにしたいが、ポリウレタン線の剥離が量的に尋常ではなくて無理です。

2020291これで作業は完了、電源トランスは1個でも±15vが安定したので以前の艶やかな音に戻った。通常のトランスに通常の電解コンデンサに3端子レギュレータ、これがどこのハイエンドメーカのdaコンバータの電源になる。これをofc純銅トロイダルトランスに電解コンデンサになるものだから音色のカイゼンは大いにありで、amp工房のdcs Elgar DAコンバータは最強と自負できる。

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2020年1月31日 (金)

音色力学 トランスだけのカニンガムcx350古典管パワーアンプ製作19

201290音色はofc純銅で決り!
簡単に申しているがここへ到達するのにさまざまな実験を繰り返し、その決定的が画像の最強のトランジスタの開発にある。ベアチップは日立製、ボンディングワイヤーはアルミ線で気に入らず切断して金メッキのコンタクトプローブの実験もしたがたいしたことはない。ベアチップは銀ハンダで5n純銀丸棒にハンダ付け、ここは熱量を必要とし相当に難しくベアチップを何個かダメにした。コレクタは先の5n純銀丸棒(熱速度がべらぼうに速い)、それを4nofc純銅丸棒へ高精度に勘合ネジ止めして放熱器も兼ねる。これだけやっても「音は別に」でいささか参り、音色の支配は半金属のシリコンウェハではダメと悟った。ここからが怒涛のofc純銅化に進むこととなる。但し銅では音がボケるが銅に徹することでブレークスルーがあり、いずれボケから自然で妙なる音色に変る。

201311ofc純銅化でcx350ラインアンプ用のトロイダルトランスが完成して、ヒアリングを繰り返している。3層巻いて1層目27.45ma、100v/0.02745=3.643kΩ、l=3643/6.28x60=9.7h、2層目、30.48ma、100v/0.03048=3.28kΩ、l=3280/6.28x60=8.7h、3層目、30.29ma、100v/0.03029=3.301kΩ、l=3301/6.28x60=8.76h、1層目と3層目を接続して1次側とし、2層目は2次側とする。1次インピーダンスは1層目9.7h+8.76h=18.5hとなり、60hzでは6.9kΩ、30hzでは3.5kΩと十分な値。高域は滑らかに伸びて素晴らしいが低音は抜けている。インダクタンスが18.5hあっても低音抜けとは、一体なぜだろうか?

201312そこで市販品の出力トランスやカタログを調べてみることにした。まずは2a3用の3.5kΩトランスのインダクタンス測定をしてみる。安物のトランスだが音はまあまあでコスパは抜群のモノ。外装ケースは撤去して水晶粒防振構造化可能にしてある。

201313そのデータがこれ。ac100vrms、12ma、100v/0.012=8.3kΩ、l=8300/6.28x60=22h、20hzのインピーダンスは2.8kΩと十分な値を示している。ここに注目です。

201314続いてファインメットの2a3用の3.5kΩトランスのインダクタンス測定をしてみる。某評論家のお勧めトランスだが音は痩せて困ってしまった。外装ケースは撤去して水晶粒防振構造化可能にしてある。

201316そのデータがこれ。ac100vrms、38.5ma、100v/0.0385=2.6kΩ、l=2600/6.28x60=7h、20hzのインピーダンスは0.9kΩとべらぼうに低く、音の痩せている原因か?ここに注目です。ファインメットを目の仇のように言ってきたが、持論の「コア材は触媒で直接音を出していない」からファインメットには何も罪は無かった。要するに高透磁率のコア材でインダクタンスは取れるのもだから小型にしたのが間違いで、上記フツーサイズのoptにすれば太い線が巻けて良い音に違いない。

201317だが益々分からなくなる。タムラのトランスは佐久間さんの所でじっくり聴いてきたが別段低音不足は感じなかった。所がカタログデータではf2003のインダクタンスは13hと小さく、20hzのインピーダンスは1.6kΩと小さい。まあ、こんなもので良いのかも知れないがこれがトランス作りの難しさで妙なのか。

201318高域は結合係数を限りなく1に近づければ伸びやかになり、低域は出来るだけ巻き数を多くとればふくよかになる。但し直流抵抗分が大きいと音は痩せるから、太いポリウレタン線を多く巻くために大型のコアが必要になる。低域のカイゼンは簡単でΦ400mmトロイダルコアに900tの巻き線を1層追加して合計4層とした。1次を3層、2次を1層としたので出力は1/3になってしまった。予定通り豊かな低音が加味されてバランスの良い出力トランスが出来た。会社帰りに寄ったパーカショニストのnakaさんは「このような自然な音色は出せない、altecのジャジャ馬でサウンドラボa1の音を出しているようだ!」と感心していた。終活を止めて元気になったm+aさんは「声がたまらなく自然で凄い、しかし自分の所ではこうは鳴らない、くやしいからがんばろう!」と鼻息荒く帰っていった。純銅に支えられた音色力学の最大の特長は素直でナチュラルな音色となる。高額なハイエンアンプ(トランジスタ)ががんばっても音色だけは人造人間のようになってしまい、トム・コランジェロに勝つにはここの間隙しかない。

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2020年1月29日 (水)

音色力学 トランスだけのカニンガムcx350古典管パワーアンプ製作18

2012901ラガーディア空港で270ドル支払いボストンまでの往復のチケットを買う。シャトル便は便利で、席さえ空いていれば予約無しに乗れる。セイジ・オザワのボストンシンフォニーでもなく、マツザカのレッドソックスでもなく、清教徒の上陸した地でもなく、目指すはバークリー音楽院とjazzクラブ「The Jazz Workshop」でありました。A-9146 Gabor Szabo - The Sorcerer 1967、Jimmy Stewart, Gabor Szabo, guitar; Louis Kabok, bass; Marty Morrell, drums; Hal Gordon, percussion."The Jazz Workshop", Boston, MA, April 14 & 15, 1967、の中のただ1曲「Space」に全てを賭けてきた訳で、ハイエンド時代同級生は任せておけとcelloのパフォーマンスを入れたが無理で、それから20数年が過ぎてトランスだけのカニンガムcx350古典管パワーアンプの試作機で見えた!駆動力抜群のパフォーマンスアンプでもLouis Kabokのベースがボワボワして、音階を弾いているのが分からなかったが、それが見えたのだ。最近虎の子カニンガムcx350管を壊す試練にも遭い、どうやら音の創造主は無限の謙虚さを要求するようで貪欲に良い音になり過ぎた。戒めるは過剰な欲で本質を見失う。今、Gabor Szaboの「Space」が深い表現を湛えているのだから、大いなる感謝なのであります。

201292巻きあがったΦ400mmトロイダルトランスをΦ450mmの紙管へ入れるが入らない。理由は紙管の肉厚で7.5mmもある。早く音を聴きたいが為に新規の紙管の手配は時間がもったいない。そこで紙管の内側を剥いでしまう暴挙に出た。

201293トロイダルが何とか入ることを確認して紙管に底板を取り付ける。次に塗装で内側の水晶粒の入る所は最低限の塗装に止める。水晶粒の抜き差しで塗装が剥がれて紛れ込むのを防止する。

201294市販の出力トランスを抜いた状態のcx350ラインアンプの地下深くなったサマです。見えないが一番下がofc純銅電解コンデンサ、その上の見えているトロイダルが電源トランス、その上の白い壁がofc純銅電解コンデンサ、最上部はハムフィルターコイルとなる。他に見えているのはcx350負バイアス用フィリップス電解コンデンサに+b電源用の31df6と抵抗は1本も入っていない。

201296出来上がったΦ400mmトロイダル出力トランスを紙管に入れて配線する。次はお待ち兼ねの水晶粒充填ですが、トランスの外周の最大径の部分に水晶粒が入らない、これはまずい!仕方無しにΦ500mmの紙管を手配する。

201297出力トランスは1次2層、2次1層となるように結線した。


201298早速通電するがたいていは簡単だから問題は起きない。その時のデータがこれ。+b電圧は326vと低い、プレート電流は46.1maとカニンガム推奨値にほぼ収まっている。細かいヒゲが観測されてノイズレベルの高いことを示しているが、先ず音色で対策は後回しにする。

201299これが完成したΦ400mmofc純銅水晶粒防振トロイダル出力トランス。水晶粒防振の鉄則は紙管の上側に落し蓋を付けて水晶粒の上に乗せ、荷重を漬物石のように置く方式が必須です。画像はl社pd171のプラッターがゴロゴロしているので漬物石代わりに使った。

2012991音出しすると音が開放されて伸びやかで瞬間に凄さが分かる。これは小さいコアの塊で作られた市販の出力トランスでは出来ない芸当で、Φ400mmで20数kgとバカゲたサイズの成せる技なのだ。

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2020年1月27日 (月)

音色力学 トランスだけのカニンガムcx350古典管パワーアンプ製作17

201251今でも奇跡だったとしか言いようがない。撮影禁止のシステーナ礼拝堂はフラッシュの嵐で、警備員の「撮影は禁止です、止めてください!」の声をみんなが無視する。千載一遇のチャンスとばかりに慌ててカメラを取り出す。天井画の天地創造は描かれてから500年経って著作権は切れている。とゆうことはあんぷおやじ撮影の写真に著作権が生ずるコトか?ミケランジェロは天井画を結局1人で描いた。理由は弟子たちに任せておけないことで、一人プロジェクトxの先駆者と決めた。これだけの大きなシステムを1人で描くのだから、相当なシステムエンジニアだったと言える。あ、この話ではない。オーディオにおいても重要は一人プロジェクトxの行動で、タムラに特注のトランスを頼んでも企業の範疇でしかないから満足できずテクノストレスを抱える。音の探求者はトランスまで作れば他人のせいにできないから諦めが付き、例え音が悪くてもストレスは無いから気持ちは清々しい。

201252かくして今日もΦ400mmトロイダルコアタケノコ付きにソレンのofc純銅ポリウレタン線を巻く。「ラインアンプ出力トランスはパワーアンプの出力トランスより楽だわい」と気楽に巻いているがとんでもない苦労があるなど思いもしなかった。

201253先ずは1層目が巻けた。最近はデジタル巻き線で巻き数は面倒でカウントしない。とにかくトロイダルコアの内側が目一杯密になるように巻いてお終い。トロイダルコアは内径と外形が違うので画像のような巻き姿になる。

201254続いて全周に養生テープを巻き、その上に2層目を巻く。ソレンのofcコイルは名工ミルトさんから頂いた巻き線機に組み込み、これを握りギリギリと巻く。途中で休む時はガムテープで巻き線を固定する。これを怠るとバラバラと解けて悲惨な目に合う。

201255見込みでは約900tになりこれを3層巻く。流石にΦ400mmは時間が掛かり3層巻き上げるに1日を要した。

201256美しいでしょう、これで3層の巻き線が完了しました。Φ1.0mmのソレンコイルは太さも丁度良く気楽に巻ける。本来であれば1次2層、2次2層の4層巻きで巻き数比1:1を手抜きして2次を1層とした。よって巻き数比は2:1になりcx350管パワーアンプを繋いだ場合、ゲインが下がるコトになるが、まあいいか。リード線にはカラー収縮チューブを付けて、巻き始めと巻き終わりも表示する。

201257xxxデータは重要で必ず残すようにしている。1層目のインダクタンス大は内径が一番大きく巻き数の多さと交差磁束数の多さによる。9hや10h程度のインダクタンスはac100vでは小さ過ぎで、電流波形が若干歪んでいる。トランスで唸りなど生じて心配になったら、ac100vラインに10Ωの抵抗を付けてインダクを測定し電流波形の観測をすれば実態が明らかになる。

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2020年1月25日 (土)

音色力学 トランスだけのカニンガムcx350古典管パワーアンプ製作16

201218 昭和40年代の初めに日立清水へ最初のnc加工機が入った。大隈は自社のosp制御装置でfanuc(アメリカではファヌークと読む)は使っていなかった。一応担当課の主任にはお断りして(バラすとは言っていない)制御装置を見せてもらった。すると白いマイクロトランジスタのnandゲートだけが無数に並んでおり、回路はなんだい簡単ではないか!とヌカ喜んだ。ところが回路は簡単でも何をしているかさっぱり分からないのだ。分からないはずで、全てのロジックは赤のnandかnorで表現され、カウンターもメモリーも演算器もnandだけなのだ。1パターン化することで今日のコンピュータは進化してきた。この話には落ちがあり、基板を抜いたものだから動かなくなってしまい破壊大魔王の本領発揮、主任に報告すると慌ててメーカを呼んだ。とここまでは前置きでこれからが本題。

201212現代コンピュータがnand型とすれば、あんぷおやじ流儀のオーディオシステムはトランス型となる。複雑なロジックいやアンプ回路をトランスを使って簡単化して、更に1パターン化した。とりあえずcx350古典管は作れないから、いや作らないから後はひたすらトロイダルトランスを巻けばアンプが出来てしまう。単純化して自在に組み合わせれば複雑なことができて、あらゆる音楽的表現が可能になると想定した。最高傑作のΦ400mmトロイダルコア!自画自賛ですまん。タムラのpr7808sと大きさを比較して欲しい。

201213最高傑作とは重さでコアだけで16.5kg!もあり...まさか。い~やそうではなくて、断面積と直径(磁路長)と透磁率の比が黄金比で、トランスだけアンプを作る場合の切り札になります。トランス群の電源トランスも出力トランスもドライブトランスもインプットトランスもmcトランスも、全てに適応出来る。さてタケノコ作りの紙カットに入る。220mmx50mmとしたら名工ミルトさんは「50mmを35mmにして円弧補間を密にしたのね~」やられた。

201214タライ(100均一)へ水晶粒を入れてΦ400mmのトロイダルコアを立てる。おーッ、凄いや。水晶粒の量も沢山必要で埋め込まないと倒れる。以前の出力トランスはミルトさんに試作をお願いしたもので、当方Φ400mmは初挑戦です。

201215タケノコ紙の胴回りを220mmとしたので円としたらΦ70mmになる。このサイズであれば30mmx60mmに対して対角ギリギリだが、実際には余裕が出る。このような作業は設計では確立せず現物合わせとなり、図面に残しておく。

201216例の如く水晶粒(フィボクリスタルに配合してある)を充填するが、タケノコサイズがデカイので作業は楽に進む。最初に巻いたタケノコが上に向いたところで水晶粒を少し抜いてテーパ形状にしてマスキングテープで蓋をする。

201217これでタケノコ完了です。コア重量16.5kgに水晶粒約7kgを充填したから、この時点で24kgになって、だがまだ持てる。これにofcポリウレタン線を4kg巻くことになるから最終で28kg、ま~だ持てる。冒頭に戻り、水晶粒充填にofc純銅巻き線を巻く、これだけの単純な作業で分厚い音色表現が出来るなれば、こんなにありがたいことはない。単純は複雑で複雑は単純なり、単純なトランス巻きに無限の方法論が見えてきて、最終章はこれで十分に楽しめる。先日の当社幹部会議の席上で「著名な医師の話として、70歳を超えて生きながらえたならば先は結構長い...よって終活はヤメです!」とm+aさんの発言があり、一同我が意を得たりでありました。

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2020年1月23日 (木)

推論 銅総量の音色力学 了

20131_20200120215701自分が使っている妖しい言葉に「音の鮮度」がある。こっちもその辺の事情に自信が持てないものだから「プリアンプを取ると音の鮮度は上がるものの音は痩せる...」などと説明していた。この鮮度とはパワーアンプへ直結になる訳だから、理屈上そうなるに違いないと決めていた。絵画では鮮度不要を経験した。サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院にあるダ・ヴィンチの「最後の晩餐」は、技法の失敗からボロボロで鮮度などまるで無い。しかしその鮮度のまるで無い最後の晩餐から、時代の迫真が伝わって何か大事なものさえ表現できれば鮮度などどうでもよいのだろうと思った。今回の実験でその辺の事情がかなり明快につかめてオーディオのその大事なものとは、濃密な音色であることを再確認した。

201182cx350古典管パワーアンプの製作の合間に推論「銅総量の音色力学」を進めようとしていたが、合間どころではなくて中断して先を急いだ。mono合成トランスの1次巻き線にカルダスケーブルを50t巻いた。教科書では密に巻けとあるがターン数の少ない場合は画像のようになる。この際に等ピッチに巻く必要があり、ケガキ線を入れてから巻くのが正解です。

20118350tなど直ぐに終わりテーピングする。最初のカルダスワイヤーの間に次なる50tを巻く。これを密に繰り返して究極は隙間を無くし並列に繋げば変換効率の良いopt等が出来る。今回はこれでお終い。当社の社長とm+aさんがpadova休業日だからコーヒー持参で陣中見舞いに来てくれた。その時m+aさんに「このmono合成トランスがmcトランスになるのですよ」と説明した。

201184このカルダス50t巻きのインダクタンスの測定をやる。50tではインダクは少なく電圧もたいして掛けられないから注意が要る。

201185インダクタンスの計算式はインダクが少ないからベクトル計算をすべきだが、精度は要らないので従来どおりで計算した。ac16vrms、0.3098v/10Ω=309.8ma、16v/0.3049=52Ω、l=52/6.28x60=140mhと出て、60hzでは52Ωのインピーダンスを持つ。ac16vrmsの印加の波形はやや歪み掛かり、このトランスの1次電圧の限界値となる。現実には3vrms程度だから問題ない。

201186出来上がったmono合成カルダストランスをΦ450mmに紙管に入れて配線し、トランスだけのカニンガムcx350古典管パワーアンプの電源トランスの上に設置する、デカイ。一応水晶粒防振の準備もしておく。

201187dcsエルガーはアナログアンバランス出力を外し、バランス出力からmono合成トランスへ接続する。余談ですが、赤いデジタルケーブルはカルダスワイヤーの被覆を剥いた最強のデジタルケーブルで、名工ミルトさんも早速自作してたまげていた。

201188x人生と同じで、オーディオに「もしかしたら?」は無かった。思い立ったが吉日で1日で改造は終わる。銅総量チェックオーディオシステムはdp-80 cdpの後に、①のdcsエルガーdaコンバータ、②のmono合成トランス、③のトランスだけcx350パワーアンプのシンプルな構成となった。即音出しをすると「あ~音楽になっていない」音色が痩せてしまいコルトレーンが誠につまらなくなってしまった。ここに結論が出て「音色は銅の総量で決る!」ことが証明された。こんなムダな作業は2度としまい?上司から「1度の失敗はありえる、2度3度同じ失敗はするな!」と薫陶を受けてきたが、2度でも3度でも失敗して、い~や何度失敗しても構わない。オーディオに真実があるとして少しでもそこへ近づけるものなれば失敗など恐るるに足らずとな。
ウッ原資が...

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2020年1月21日 (火)

音色力学 トランスだけのカニンガムcx350古典管パワーアンプ製作15

201191名工ミルトさんがカラバッジオ展の案内パンフレットを持ってきてくれた。昨年末まで名古屋市美術館で開催していたもので「如何でしょうか?」と聞かれ「礼儀として現地へ赴く」と答えた。ジム・クラークの墓参りにはホッケンハイムf1サーキットへ行ったし、システィーナ礼拝堂のミケランジェロ鑑賞、ダ・ヴィンチの最後の晩餐鑑賞、共に現地へ赴いた。現地へ赴きしくじったのはjazzで、ヴィレッジ・ヴァンガードやスイート・ベイジルではコルトレーンやビルエヴァンスに会えなかった。コルトレーン親友のエリック・ドルフィは「音楽は消えて2度と現れない」と申しておりましたが、オーディオはそれを再現できて何度も聴いたろとなるでしょうが、それは無理とゆうものですよ。でありますから、カラバッジオの最高傑作は1602年に描かれたサン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会(San Luigi dei Francesi)のコンタレッリ礼拝堂にある「聖マタイと天使」と決めており、また展示の為の持ち出しは不可能でコンタレッリへ赴くしかなく、それがいい。

201192稀有なエヴァンスのピース・ピースにトランスだけアンプの凄さを実感しているが、トランス類が巨大でハムり易い。ハム除去のコンストラクションは二の次にして、先ずは誘導ハムか電源ハムかの見極めで回路で対処する。そのためにハムフィルターとチョークコイルのデータ取りと実験をする。

201193先ずはハムフィルターを作る。Φ350mmトロイダルコアにofc純銅Φ1.0mmを密に目一杯巻く。

201196xその時のデータがこれ。電流波形は綺麗なサイン波で申し分ない。ハムフィルターコイル、Φ350mm、ofcΦ1.0mm、目一杯巻き、直流抵抗 1.5Ω、ac100v電流11.3ma、z=8.85kΩ、l=8850/6.28x60=23h、インダクタンスは十分な値。

201197上のように目一杯巻くと800tほど取れてその場合のインダクタンスは十分あるが、前回のインプットトランスの2次側カルダス巻き線343tをチョークコイルとし考えた時のデータを測定してみた。

201198xその時のデータがこれ。電流波形は若干歪みインダク不足となる。チョークコイル、Φ350mm、1.75スクエア、343t、直流抵抗 0.6Ω、ac100v電流47ma、z=2.128kΩ、l=2128/6.28x60=5.65h、インダクタンスは少な過ぎで唸りが出る。ここで1つの結論が出る。トランスで唸りを生ずるのは1次側のインダクタンス不足で電流が歪んでおり、それに負荷が加わると更に歪み唸りが出る。負荷が加わっても1次側電流がサイン波であれば唸りは少ない。

201199ハムフィルターを組み込んだ。入力コンデンサofc純銅電解コンデンサ26μf、ハムフィルターコイル23hで1.5Ω、出力コンデンサofc純銅電解コンデンサ6μfでかなり電源のハムはカイゼンされた。

2011991これを組み上げるとこの格好でハムフィルターがむき出しで具合が悪い。ハムフィルターやチョークコイルがΦ350mmもあり馬鹿げているとお思いでしょうが、インダクタンス23hで1.5Ωは優れもので、ちょと他では真似できませんよ。

2011992そこでΦ400mmの紙管を継ぎ足し水晶粒完全防振化した。かなりの完成度となりamp研究会では久々に古い水晶粒防振構造化したcdで、パーカッションチェックのcd「the musicians」をかけた。とんでもない音質の進化にパーカショニストのnakaさんが「深い表現...」とつぶやいた。

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2020年1月19日 (日)

推論 銅総量の音色力学

201231アンプを構成する素材に注目すると音の未来が見えてくる。先ずは出力素子の考察、駆動力はトムコ・ランジェロの開発したトランジスタアンプviolaのブラボーで決り、音色力はcx350を始めとした古典管で決まり。どんなにがんばってもトム・コランジェロには適わない。適うために高音質素材でトランジスタまで開発したが、足元にも及ばなかった。この行為からトランジスタはシリコンの半金属だからウエハを純銅にしない限りは音の良いトランジスタの開発は不可能と悟り、トランジスタアンプの開発は断念した。銅を含めた金属でできた古典管は非合理主義に貫かれた時代の傑作で、空気も含めて音色のよさを閉じ込めている。だから現代に真空管を作るならばofc純銅にすべきだが、誰もそれをやろうとはしない。

201232次なる素材はコンデンサの考察、ようやく気が付き始めた海外のメーカでofc純銅コンデンサが多く作られるようになり、良質のコンデンサが手に入いって福音だがなんせ高い。Duelund Capacitor 2.2uF 630Vdc CAST-PIO-Cu たった2.2μfでUSD $526.79もする。ただDuelund Capacitor を超えるものはないし、今までは必須コンデンサだった。

201233これもΦ300mmの紙管にofc純銅板1mmを張り-極を作る。その上にコンデンサペーパーを張りオイルを含浸させてオイルペーパーコンとし、その上にofc純銅板1mmを貼って+極を作る。更に水晶粒で防振構造にすればDuelund Capacitor を超えられると試作中。Duelund Capacitor の欠点は防振構造に限界がある。

201234そして極めて重要なトランスの考察、トロイダルコアで作られたトランス群は電源トランスも出力トランスもドライブトランスもインプットトランスもmcトランスも、太いofc純銅線を大量に投入すると、従来の詰まったトランスのクセが取れてofc純銅の力を知ることになる。画像はofc純銅6nの3.5スクエア、カルダスケーブルで作られた最強の電源トロイダルトランスです。

201235ここからが本題です。dcsエルガーの仕様に疑問を持ちスペックを調べた。そもそもの経緯は、トランスだけcx350ラインアンプのグリッド励振電圧が64vrmsもあってたまげて疑問を持ったことによる。mono合成トランスは2.5倍、インプットトランスは7.2倍、合計で18倍となる。64v/18=3.5vと出てエルガーから一体何ボルト出力しているか?スペックではmax6vとなっており納得した。さらにバランスの出力インピーダンスは2Ω以下と驚異的低インピーダンスでこれは使える。

201237現在エルガーはアンバランスで使用しているがこれを止めて、出力インピーダンスの低いバランス出力を使いgndは信号に使用せずxlrコネクターの2ピンと3ピンをmono合成トランスへ入れる。gnd同士は別接続しておく。

201238mono合成トランスは2次巻き線にソレンのofc純銅Φ1.0mmを800t巻いたものを3層持つ、これで合計ターン数は2400tとなる。1次巻き線はrchとlch用でカルダスケーブルを50tを2回路巻く。この50tがバランス出力インピーダンス2Ωに対抗させる。すると最大で2400/50=48倍と通常では考えられない倍率が成立する。仮に3vの出力であれば144vとなり、cx350管を軽々とドライブする。2次の3層はゲイン切り替えのためのものであり、cx350管の駆動電圧は144vも必要なく最終的には最適ゲインに設定する。

201236そうなんです、もうお気づきですよね。トランスだけcx350「ラインアンプ」は必要なく、直にトランスだけcx350パワーアンプの入力トランスポジションにmono合成トランスを入れれば、このアンプシステムは成立し万事メデタシ。従来ならば嬉々として大いなる期待を持ってこの方法へ進むところでしょうが、ハタッと閃いた。音色力学は「ofc純銅の総量で決る!」と推論してしまった。もっとも推論とは妄想とも表現されるそうだが。上にグダグダ書いたのは銅の総量の存在を示すためのものです。推論からトランスだけcx350「ラインアンプ」を止めてしまうとofc純銅の総量は少なくなり、音色力学は劣化成分が勢力を増して音質劣化が起きる?この推論はラインアンプの有無で長年議論されている謎の答えになるやも知れない。作業は簡単だから合間をみて実験をやろう。

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2020年1月17日 (金)

音色力学 トランスだけのカニンガムcx350古典管パワーアンプ製作14

201091奇想天外な事件が次々に起こる世相だが一番気になるのが気象問題で、温暖化で暖かいなどと言っていられない。トーレンスに事務所を出し年間を通じて訪問していたが、ロサンゼルスは冬も暖かく花々が咲いている。元々温暖な清水の地は益々温暖化でロサンゼルスみたいになってきた。今年の冬のサボテン工房の温室は昼間は50度まで上がり明方は2度位まで下がり、アリゾナの高地みたいな気候はサボテン達に最高の環境になる。そして冬には決して出るはずのないガラパゴスウチワ(ヘレリ)から新芽が出てしまい、ここに温暖化の身近な象徴を見た。異常気象は最早由々しき事態で人間同士の戦争なんかやっちゃあいられない、自然と戦争しなくてはならない時代なのだ。

201171もったいぶるな、さっさとやっとくれ!とお告げがあり、トランスだけのカニンガムcx350古典管「ラインアンプ」の試作を先行させることにした。パワーアンプとの違いは出力トランスだけになり、他は殆ど同じになる。先ずは高インダクタンスチョークコイルで失敗したΦ350mmトロイダルを、インプットトランスとして作り直す。今回は2重目のタケノコをやらず2次巻き線から始める。

2011721次側は概ねΦ0.3mmが2500t程巻いある上に2次側はソレンのofc純銅Φ1.0mmを巻くのだが、ちょっと冒険してカルダスケーブルの1.75スクエアを巻いてみた。一応巻き数は少ないので勘定すると343t巻けた。これで初めてカルダスケーブルのインプットトランスができた。

201173記録は重要で2次側のインダクタンスを測定しておく。1.75スクエア、343t、直流抵抗0.6Ω、ac100v電流47ma
z=2.128kΩ、l=2128/6.28x60=5.65h、インダクが少な過ぎで唸りが出るが、まあインプットトランスで100vも印加しないから良しとする。特筆すべきは直流抵抗で5.65hでも0.6Ωと小さい。

201174続いてインプットトランスのゲイン測定を行う。名工ミルトさんに作ってもらった1khzのcdをかけ、エルガーのボリュームを調整してmono合成トランスの最大値7.8vをインプットトランスへ入力して測定した。mono合成トランスは上海駿河屋さんから提供されたムンドルフL200を巻き解きながらギリギリと巻きつけてある。ofc純銅Φ2.0mmのポリウレタン線を300ターンを2層に巻いて、rch,lchの1次側としてある。2次側はソレンのofc純銅1.0mmが750ターン巻いてあるから、巻き数比は750/300=2.5倍となる。

201175インプットトランスの入力電圧7.8vで出力電圧64vrmsは、深いバイアスのcx350を申し分なく駆動できる。ゲインは何と18dbもとれて素晴らしい。スーパーコア(高透磁率)のせいで1次インダクタンスは140hと高容量だが直流抵抗は90Ωと低く、インプットトランスやドライブトランスとしては良い性能の部類に入る。

201176ここで6sl71段によるcr結合増幅段のcx350仮ラインアンプは解体して、トランスだけアンプへと舵を切り替える。ここに存在するものは電源の整流器31df6、-バイアス用フィリップス電解コンデンサと多回転ポテンショメータ、ここにのみ抵抗は存在する。しかし-バイアス電圧も調整が終わればトランスの巻き線に直付けしてこのポテンショは無しとなる。ofc純銅トロイダル電源トランス、市販改造品3.5kΩ出力トランスにしんがりを締めるのがcx350管となる。

201177インプットトランスを上画像の上に置いたらハムが出てしまい、mono合成トランスと別紙管に収めた。余りにも巨大で誘導の影響を受け易く、回路のメドが付いた時点からハム対策はやる。試しにmono合成トランス出力で直接cx350管を駆動したら、ゲインは低いものの実にクリーミーな音が出た。インプットトランスはカルダスを巻いたとはいえ、Φ0.3mmポリウレタン線のマズイさが暴露されカルダス威力は減少した。これは重大な分岐点で、全てのコイルは太くなければならないのだ。そして前エントリーに繋がり「プレートチョークもグリッドチョークも電源チョークも純粋にインダクタンス成分のみで、直流抵抗は限りなくゼロでなければいけない」amp工房で使用するポリウレタン線はofc純銅Φ1.0mmを最低条件として、Φ0.3mmは使用禁止とした。

201178これがcr結合1段増幅器に使用していた部品群で、概ね20倍のゲインを持っていた。それが入力トランスに置き換わりゲインは約8倍と少なくはなる。Duelund Capacitorの音は良いだの、dealのニクロム線の音は若干落ちるだの、コパルの巻き線抵抗がどうたら...そう言った煩雑さが無くなり、ひたすら純銅の成分に神経を集中できる。

201179音出しをする。もう未知の世界への突入で音が良いの悪いのはどうでも良く、異次元の新しい音にただ々唖然とする。尊敬する真空管の祖リー・ド・フォレスト(Lee De Forest)1929年のaudion 450のトランスだけアンプにたまげ、1922年~1927年製のWestern Electric 7A amplifierの回路に未来を見てしまい、ここにトランスだけアンプの再現ができた。まあ温故知新のLee De ForestとWestern Electric 7A amplifierの回路だから、トランスだけアンプを実現しても新しくは無い。しかしそこから出る音は新しく、キリストの説法「新しいぶどう酒は新しい革袋に入れよ!」に反して「新しい音を欲するならば古い革袋に入れよ!」と相成った。

2011792ただこれはほんの序章に過ぎないことに後で気付く。昨年の5月19日の画像がこれ、1年も満たないうちにここまで来たのだから、早いとも遅いともいえる。トランスだけのカニンガムcx350古典管パワーアンプの製作を通じて最高傑作のトランスの姿が見えた。透磁率の低い厚手で鈍重な低学歴の無方向性電磁鋼板で作ったΦ400mmトロイダルコア(アモルファスやファインメットの高学歴電磁鋼板は嫌いだ!)に、1次側ムンドルフのofc純銅ポリウレタン線のΦ2.0mmを500tの3層~4層巻き、2次側カルダス1.75スクエアを400t以上巻く、これが全てのトランスに適応されて電源トランスも出力トランスもドライブトランスもインプットトランスもmcトランスも構造は全て同じで、巻き数のみ違うトロイダルトランスとなる。

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2020年1月15日 (水)

音色力学 トランスだけのカニンガムcx350古典管パワーアンプ製作13

201151パーカショニストのnakaさんとt-mon君が静岡avboxのm社長に「あんぷおやじはトランスを巻いている」と話したらしい。するとm社長は「日本でトランスを巻けるのは2人しか居ない」と言ったそうな。そうなんです、日本でトランスを巻けるのはあんぷおやじと名工ミルトさんの2人だからその話と辻褄が合う?余談だが、avboxは良いオーディオショップと決めている。何でも節操無く売る所が良い。店主の拘りがきついと希望の銘柄や機種が買えない場合もある。さて日本に2人しか居ないトランス巻き線職人に新たにnakaさんが加わった。上画像のトロイダルトランスを見て欲しい、フォノイコ用のヒータ巻き線トランスで16v2aを2回路巻いた。でこの小さな穴にポリウレタン線を通して巻くのは長い線をズルズル引きずりながら巻くから大変で、あんぷおやじ流儀のトランスはΦ300mm~Φ450mmにしているのはここの理由による。kuraiman社長氏もt-mon君もトロイダルトランスを平気で巻いているから、なんだい日本にはトランスを巻ける人間は5人も居るじゃあないか。オーディオの世界は「まことしやか」がまかり通り、アンタ実際に見たのかい、聴いたのかい。

201156チョークインプット電源の場合インダクタンスとして機能する臨界電流値(赤丸印)あり、あんぷおやじ流儀では青丸印のチョークインプットとコンデンサインプットの中間を使っている。この場合ac電圧の約1.2倍の電圧になる。何となく完全チョークインプイット方式(ac電圧x0.9)の方が良いじゃあないかと思い、テストしてみた。

201152にわかにチョークコイルの準備など出来る訳がなく、インプットトランス用で巻いたΦ350mmトロイダルトランスを使う。Φ0.3mmポリウレタン線が約2500t巻いてあり、スーパーコア(高透磁率)のせいでインダクタンスは140hと高容量、直流抵抗は何と90Ωと低く優れものです。参考までに、タンゴのチョークコイルMC-10-200Dでは10hで直流抵抗は95Ωもある。

201153Φ400mmの紙管を用意して例の如く水晶粒防振する。


201154cx350古典管ラインアンプ配線完了の図、右はアンプ部で左はチョークコイルと下にはΦ300mmトロイダル電源トランスとofc純銅電解コンデンサが入る。

201155早速音出しです。丸でだらしなく干からびた音は大失敗で、いささかショックであります。短絡的判断ならば古典管アンプにおけるチョークインプット電源はダメとなる。短絡的でなければこのチョークコイルの問題となる。思案が続いたがハッと閃いた。Φ0.3mmのポリウレタン線を2500tも巻けば直流抵抗が90Ωもあり、この抵抗成分が電源密結合を阻害している。しかしながら100hと大容量で2Ωなどとゆうチョークコイルは現実的ではなくて、無理となる。更に重大なコトに気付いた。プレートチョークもグリッドチョークも電源チョークも純粋にインダクタンス成分のみで、直流抵抗は限りなくゼロでなければいけないのだ。過去の失敗が全て説明が付いた。amp工房で使用するポリウレタン線はofc純銅Φ1.0mmを最低条件としよう。

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2020年1月13日 (月)

音色力学 トランスだけのカニンガムcx350古典管パワーアンプ製作12

201111955年、親友ソニー・ロリンズと入れ替わりコルトレーンはマイルスバンドへ参加が決った。その年の暮れから1966年初めにかけて、ラウンド・アバウト・ミッドナイトの録音がコロンビアスタジオで行われた。モンクのラウンド・ミッドナイトになぜアバウトが付いたのか?ここでのコルトレーンの評価は高いがどうもね。それがクスリのせいで1956年11月にマイルスからクビを言い渡され退団してしまう。外で修行してクスリも絶ったコルトレーンを見ていたマイルスは1957年11月に再びコルトレーンを迎え入れ、マイルスは飛びっきりいい奴だ、とまあこうなる。マイルスバンドの最高傑作はカインド・オブ・ブルーで、1959年の録音になる。うるさいドラムのフィリーに代わりジミー・コブ、カクテルピアニスト(失敬!)ガーランドに代わりビル・エヴァンスと名手が集まったカインド・オブ・ブルーは殆どエヴァンスの作曲による。この時のコルトレーンは自信に満ち溢れ、よどみなくフレーズが次から次へ流れて素晴らしい。冒頭のポール・チェンバースのベース録音はレコードオリジナル盤ではボヨヨーンとなって酷い録音だなと思っていたが、最近のcd再生ではしっかり音階が録音されていて、なんだい自分の装置が悪かったのか。

20112最近は音の激変でうろたえる場面が続いている。平常心でいられないほどの激変は麻薬みたいなものだ。2重目のタケノコが完成したので2次巻き線を始める。礎電線株式会社のΦ0.3mmポリウレタン線をΦ350mmのトロイダルコアに目一杯巻く。現在は午前1時、巻き線開始です。

20113最近はトロイダルトランスの製作も楽をしようが先に立ち、巻き数はカウントしない。第一Φ0.3mmの巻き数なんて何回勘定しても合いそうに無いない。Φ0.3mmの巻き線は隣と重なり易く神経を使いながら巻き、これで漸く1/4巻けた。

20114巻き々、ひたすら忍耐強く巻く。朝が白んできた時刻の7時に巻き上がる。連続で巻けば半日で仕上がる勘定になる。これで1次側のofc純銅ポリウレタン巻き線の完全水晶粒防振構造化と2次巻き線Φ0.3mmポリウレタン線の水晶粒防振構造化が終わり、素材か?防振か?の判断が付く。
20115早速性能を測定してみる。1khzの入力4.529vに対して22.01vの出力でトランスのゲインは4.9倍、設計値の5倍に近似で合格とした。60hzでも同様のゲインでf特は完璧。平面対向巻きではこうゆう高性能は出せなく、ひとえにトランスの結合係数の負うところ大なのだ。

20116早速試作機トランスだけcx350パワーアンプのvsfを巻いた仮のインプットトランスと交換して音出しをするが、心中穏やかでない音が出た。素材より振動力学が優先すると嬉々として結論付けた。これは朗報でハイゲインのトランス関係では、インプットトランス、ドライブトランス、mcトランスには全てこの手法が有効になり、高価なソレンofc純銅Φ1.0mmを購入しなくて済む。amp研究会では余りの凄さにオタオタしながら説明するのでありました。

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