2018年4月25日 (水)

古典力学 フランケンシュタイン実験室の電源スイッチ 了

0総合病院の待合室は我らのような団塊で溢れかえり、生涯競争の原理の中に置かれているような気がする。明治38年の夏目漱石最初の作品「我輩は猫である」の初版本、まさか!復刻本はレキシントン盤の復刻盤と似たようなもので、雰囲気だけは当時を伝えている。さて忠実に再現したものだから、何やらの規則に則りページが閉袋になっている。でありますから、この本を読むにはタイから買ってきた民芸品の水牛ペーパーナイフが活躍するのであります。シリシリ切りながら読んでいると、隣で読書していた女性が声を掛けてきた。
「何をなさっているのですか?」
「あ、これ漱石の初版本で閉袋を切らないと読めないのです」
「あら素敵!私も漱石は持っていますが初めて知りました」

2名工ミルトさんがピカピカに磨いたフランケンシュタイン実験室の電源スイッチを届けがてら、コーヒーを飲みにみえた。昭和42年、半年の現場実習を終えて職場に配属された。執務職(設計)だが先ずは現場のベテランのお供をして、各種電気機器のメンテナンスに飛び回る。当時の大型モータは巻き線型誘導電動機で2次側回路をスリップリングで引き出し、抵抗の切り替えで電流を調整しながら起動していた。その電気室は電気屋しか入れないから、この剥き出しのフランケンシュタイン実験室の電源スイッチが沢山使われていた。
1_2この古臭い電源スイッチの方が音が良いのだから参ってしまう。ミルトさんがナイフと受け刃の勘合具合に「実に滑らかで素晴らしい」と讃え、試すとポルシェタイプのミッションのようにグニャと入り、なんとも言えない品がある。銅の切削加工品に真鍮の部材をロウ付けして、ボルト部の強度を増してある。このたかが電源スイッチに開発者の英知が結集しており、時代は進化と言う名の下に如何に合理化するかで良い音を見失ってきた。現在リレーで電源を開閉しているメインスイッチを、ofc純銅板を貼り付けたフランケンシュタイン実験室の電源スイッチに交換して、水晶粒で埋めてしまおう。

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2018年4月23日 (月)

オリジナル盤力学 音の良いcdを作る!

1ここに3人のクリフォード・ブラウンが居る、果たして本物は誰でしょう?意地が悪いものだから、これがフラット盤の完全オリジナル盤です、どうでしょうか?これがビーズエッジの準オリジナル盤です、どうでしょうか?と全く逆を掛けると”フラット盤はさすがだね!”の回答を聞いて思わずニンマリする。実は我が耳ではフラットもビーズも似たように聴こえてしまい、大したこたあない。いずれにしても右2枚がレキシントン盤の本物、左がステューダーa810でオリジナルテープを回した45回転盤の復刻盤で、音は比べる方が気の毒になる。45回転盤だって1万円くらいもする高音質盤なのだが。ampex300とウエストレイクの真空管カッティングマシンが無ければオリジナル盤に近い音は出せないから、未来永劫オリジナル盤に匹敵する音は出来ない。レコードでさえこのありさまだから、cdは言わずもがな。

Lex0x_2我らjazzオーディオ5、60年代分厚い派と、現代録音の良い音派を分けて考えなくてはいけない。良い音派ならば現代録音のハイレゾの方が良いに決まっているから、こちらの方はもう解決済み。諦めきれないjazzオーディオ5、60年代分厚い派が問題なのである。なんとかレコードの再発盤やcdで代用が出来ないかと右往左往する。挙句道草食って大散財してオリジナル盤力学の軍門に下る。

0諦めきれない派の最後の手段がある。ampex300とウエストレイクの真空管カッティングマシンを用意して、オリジナルテープからレコードを作る...版権管理者からテープの保証を求められて、これは無理。それじゃあ仕方がない、これでどうだ!オリジナル盤のスクラッチの少ない上物盤、最高のカートリッジ、アーム、ターンテーブル、フォノイコアンプ、ad変換器でcdを作る。清水南高ラグビー部のobが常連さんで、レコードをcd化して聴きに持ち込んでいる。Sound Lab electrostatic speaker A1のcdシステムから分厚い音のcd音が聴こえてきて、ギョッとする。世界のjazzオーディオ5、60年代分厚い派へ”音の良いcdを作る!”プロジェクトに賛同を求めて立ち上げれば素晴らしいが、著作権の問題が...

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2018年4月20日 (金)

素材力学 オイル含浸高耐圧紙コンデンサを作る11

0近頃はプチレコードブームのようです。要するに物事は揺れ戻しが起きるのが常でその現象と捉えているが、”レコード=音が良い”はどうも決め付けたがる人間の特性で、物事はそんなに単純ではない。もっと言えば、良く作られたcdの方が音が良いに決まっている。長年商品のレコードプレーヤの開発に携わってきたが、あの回転ムラはどうしようもない。出来ない訳は勿論無いが、如何せんコストが掛かり過ぎる。サーボ制御をやれば直ぐに分かるが33rpmの安定制御は結構難しく、cdになれば最低でも250rpm位で随分と楽になる。”レコード=音が良い”のは真空管式録音機、カッティングマシンで作られたオリジナルの時代に存在し、その音の分厚さはcdでは到底及ばない。現代録音ならばcdに決まっている。

1ドクターストップは掛かったが団塊最後のやせ我慢で、オイル含浸高耐圧紙コンデンサを作るを再開した。紙管はΦ350mmを用意した。手作りトースカン様なケガキ治具にサインペンをつけて、紙管を1周回しカットラインをケガく。大きな紙管の正確な切断は難しい。

2高さ方向は150mmとした。無造作にノコで切るとケガキ線を外れてしまうから、先ずはケガキ線に沿って浅くノコ歯を入れて、ガイド溝が出来たら一気に切断する。

3ofc純銅板は0.2mm厚とした。作業性を考えて薄くしたが音の良さなら気持ちは厚くしたい。但し上手く出来たあかつきにはコストの問題も出てくる。ofc純銅板を使用すれば、ジャンセンのオイル含浸ペーパー銅箔 pure copper コンデンサと素材では同等になる。

4ofc純銅板0.2mmを紙管に密着させて巻きつける。何時も思うが高級なスシ桶に見えて仕方がない。ここまでは作業も楽に進みマイナス極の出来上がり。

5ここからが難儀でオイル含浸作業となる。全部作ってからオイルへ漬ければいいじゃあないか!となるでしょうが、その程度ではオイル含浸しない。素人細工で絶縁油をハケで塗りながらコンデンサペーパーを巻いていくが、これがズレズレでそれを平行にしようとすると気泡と皺が入り、手は油だらけでもうイケません。設計時に描いていたイメージとはかけ離れるが、最後は力技で強引に仕上げていく。

6 ひと回りコンデンサペーパーを巻いたら2回り目のコンデンサペーパーを同様にハケで油を塗りながら巻く。プラス極のofc純銅板を油を塗りながら巻くが、簡単にコンデンサペーパーに穴が開いてしまい、ここは作業方法の改善を考える。穴の開いてしまった部分にはコンデンサペーパーを切って、パッチを当てる。

7苦心惨憺、世界初の一重オイル含浸高耐圧紙pure copperコンデンサの出来上がりである。純銅電解コンデンサと同様に表面はテーピングを施し油の蒸発防止と絶縁を兼ねる。この程度の密閉では油は蒸発してしまうが、湿式だから一定期間が過ぎたらメンテナンスで解体してリフレッシュすれば良い。

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2018年4月18日 (水)

修理力学 ジャンセンオイル含浸ペーパー銅箔コンデンサを修理する了

0豊かになると無我夢中の純粋な時代を忘れて大勘違いを起こし、やがて弾ける。最近の高学歴は特によろしくないようで、勉強のやり過ぎは何か大切なものを学んでこないような気してならず、よって高学歴でない方は自信を持った方がよろしい。かくして絵ばっかり描いていた我が身を自己弁護するのであります。「愚行の輪」シリーズがライフワークで、その中の「再生のアイロニー」が画像の絵になる。稚拙な絵だがこの時代はモチーフに事欠いた。ピラミッドの写真から細密に写せばいいのだが、著作権が絡み想像でテキトーに描いた。現代はそこは便利でネット上で写真を販売している。それを購入すればたいていのモノは迫真に表現できる。ただ緻密繊細細密に描いても50年近く前に描いたこの絵のイメージを超えられるかは分からない。この表現がjazzオーディオの根底にあるから、paで音の悪いjazzライブは必要としていない。Sound Lab electrostatic speaker A1からカラバッジオの血のしたたるような色が出せればそれが究極で、コンデンサ作りに老体ムチ打っている。

1ひねもす耐電圧試験機をのたりのたりと作っている。ちょっと前なら徹夜でも何でもして直ぐに完成させるが、今は気を長く持つフリをして我慢している。それでも耐電圧試験機が完成して、3,000vのメタライズコンデンサを被試験コンデンサに接続して動作テストする。テスターは1,200vレンジに接続してac2次側のrms電圧を読む。被試験コンデンサの電圧は高抵抗で1/4の分圧回路を作り、オシロスコープで読み取る。動作テストは無事終了でいよいよofc純銅オイル含浸ペーパー銅箔コンデンサの製作に入る。

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2018年4月16日 (月)

古典力学 フランケンシュタイン実験室の電源スイッチ

5名工ミルトさんは時々とんでもないものを見つけてくる。”ナイフスイッチをオークションで落札したがどうでしょうか?”と質問してきた。”あ!それは良いですよ、長年h社の電源スイッチで使っていたがすっかり忘れていた、ナイフと受刃をofc純銅にすれば理想の電源スイッチができる”と説明した。昨日そのナイフスイッチを携えてコーヒーを飲みにみえた。そのナイフスイッチは戦前か戦後間もない頃のスイッチで、あのフランケンシュタイン実験室に出てくる電源スイッチみたいで、たまげた。ナイフスイッチはナイフと受刃の接触不良で加熱し、焼き鈍し現象でなまくら刀になってしまい嫌われ、ブレーカにその座を奪われた。

3電源のブレーカーで音の良いもの悪いものがあると騒ぎ、オーディオ用と称して高額なものが売られている。随分昔だが、こっちはブレーカも専門だから早速バラして音の良いブレーカを作ったろ!と息巻いていたが、画像の如く複雑怪奇で改造には向かない。問題の接点は黄色丸印の位置にあり銀合金になり、ここを純銅に張り替えれば良い。ただし両切りで2箇所接点もあるし、他にも改造箇所が多く面倒だ。

2_2電源密結合力学でマイ電柱の施設が注目されているが、原資乏しき方は現状の電源系統でベストを尽くせばかなりいい線いくと思うよ。マイ電柱施設の場合のポイントは、高圧開閉器、高圧ヒューズ、6kv/200v電源トランス、2次側ヒューズ、dv線など高音質のものにすれば効果は絶大になる。ミルトさんから”フランケンシュタインナイフスイッチが沢山あるからあげましょうか?”と言われ”1刃だけ下さい”とお願いした。この1刃を完全ofc純銅に改造する...ン?それなら最初からofc純銅ナイフスイッチを作れば良いじゃあないか!我が頭も柔軟性に欠けてきて、過去の遺物で音の良いものは多く存在していることを忘れている。

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2018年4月15日 (日)

修理力学 ジャンセンオイル含浸ペーパー銅箔コンデンサを修理する3

0待ち時間の活用方法で難しい本を読むことにした。吾輩は猫であるは難しい本でもなんでもないが、漱石の初版本は古語体で書かれており、漢字の20%位が読めない。読めないから何度も読み返して文脈から読み方を想像する。それを繰り返していると、終いに眠くなりウトウトして時間は消費される。明治38年の発刊だから112年前の天才漱石の始めての小説は面白く、芯のある雑穀米を噛んでいる味わいがある。音にもこの芯が大事なのだが、これは真空管式の録音機の時代の成せる技?

1x耐電圧試験機で2,000vを印加して耐えたジャンセンオイル含浸ペーパー銅箔コンデンサ修理品が4個も壊れてしまい、耐電圧試験機の電圧に問題があると想定して作り直すことにた。先ずは回路を描いてLTspiceでシュミレーションして動作を確認する。赤丸印が被試験コンデンサ、青丸印がオシロスコープのプローブで10MΩ、これでプローブに加わる電圧が1/4になるから2,000v印加で500vの値で測定できる。
2電源トランス(黄色丸印)は東栄変成器(株)の1次100v2次240vの5vaを4個とした。2次側を4個直列に接続すると960vになり、これの√2倍は1,357vとなり、2倍圧整流回路を通せば2,715vになる。スライダックで130vまで上昇させると、都合3,500vにもなり2,000v級コンデンサの耐電圧試験には問題ない。コッククロフト・ウルトン回路は段数による電圧降下で怪しくなったが、これならば間違いない。東栄変成器(株)へ夕方4時頃トランスを手配したら、間もなく発送しましたのメールが入り、このスピード感にはおおいにたまげた。

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2018年4月13日 (金)

素材力学 オイル含浸ペーパー銅箔 pure copper コンデンサ考

0長年聴いているエルネスト・アンセルメ指揮スイス・ロマンドオーケストラのファリャの三角帽子はキングのslc1138で、1962年に2,000円もした。給料が7,000円くらいの時代だから、恐れ入ってしまう。デッカ盤がオリジナルでjazzのレキシントン盤と国内盤との差くらいあるから、やはりオリジナル盤が良いに決まっているが、なんせ10万円もするのだから無理です。jazzはコルトレーンしか聴かない偏執狂だし、クラシックはショルティとアンセルメしか聴かない偏執狂であります。

3しかしなんでこの時代は素晴らしく芸術的なジャケットが出来たのだろうか?こちらがデッカのオリジナル盤sxl2296と同じcdのジャケットで、これも秀逸だが、やはり国内盤のジャケットの方が額に入れて飾りたい。Sound Lab electrostatic speaker A1は勿論クラシック向きで画像のcdを手に入れた。いくらA1やcdが良くなってもオリジナルレコードのエネルギーは出ない、出ないが位相特性や演奏者の位置まで分解してしまうコンデンサスピーカは、それはそれで凄い。
1その立役者がコッククロフト・ウルトン回路のジャンセンオイル含浸ペーパー銅箔コンデンサなのだ。耐電圧の関係でセラミックコンデンサを使うのが業界の常識だが、音は電源が出している理屈から、ここを銅コンデンサにすると次元の違う音になる。ただしジャンセンの銅コンデンサは無造作に選んではいけない。画像のものは白丸印の如く、copper で単なる銅箔(copper foil )の旧型になる。
4今般A1に使った0.022μf1,000vは赤丸印の如く pure copper の新型になる。ofc純銅(oxygen free copper foil )の銅箔を使われたのでは、これ以上を望む術は無い。でありますから、これからジャンセンオイル含浸ペーパー銅箔コンデンサを使われる方は、価格も似たようなものだから pure copper を確認して購入されたい。

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2018年4月 8日 (日)

修理力学 ジャンセンオイル含浸ペーパー銅箔コンデンサを修理する2

1いきものや菊屋の次男坊が中国の友人と連れ立ってお茶をしに来た。その気の良さそうな友人の腕には殆ど宝石の例のフランクミュラーがあり、たまげた。venus sound中国の劉さんもそうだが個人レベルでは中国人とも親しいが、国家が絡むと難しくややっこしい。さて早朝だけが作業時間となって随分減ったが、その分思慮深くなりそれもありだな。ジャンセンオイル含浸ペーパー銅箔コンデンサを修理して、静電容量を測定する。

2銅箔を2巻き位切除しても容量が24nfでは全く問題ない。0.022μfが公称でそれより大きい。
3百均で小型のタッパの丸を購入した。それに修理済みのジャンセンオイル含浸ペーパー銅箔コンデンサを入れて、水晶粒を充填する。
4水晶粒が満タンになったら絶縁油kを入れる。絶縁油が透明で画像では分かりにくいが満タンにする。ここです!病院で閃いたアイデアは。世界初の水晶粒+絶縁油による高耐圧水晶粒防振オイル含浸ペーパー銅箔コンデンサの登場であります。
5密閉蓋をして完成、配線穴はシリコンコーキングして塞ぐ。
6再び静電容量を測定する。
7巻きの内側はオリジナルなので静電容量はドライと何ら変化は無い。オイル含浸高耐圧紙コンデンサを作るの巻きで得られたノウハウは、絶縁油により飛躍的に耐電圧が上がるコトで、ジャンセンの0.022μf1,000vのコンデンサを、2,000vの回路で耐えられるようにする。こうすれば例え破壊されても表面側の破損では修理可能で、自前のオイル含浸高耐圧紙コンデンサが完成するまでのツナギにはなる。

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2018年4月 6日 (金)

修理力学 ジャンセンオイル含浸ペーパー銅箔コンデンサを修理する

1総合病院は待ち時間が多く検査に出かけて1日仕事になる。ただ待っているほど気が長くないので紙とエンピツのハイテク装置を取り出し、アイディアをひねり回す。そうだ!壊れたジャンセンオイル含浸ペーパー銅箔コンデンサを何とかしたろ、と閃く。

2オイルコンのオイルを抜いてしまった為の事故で、幸い表面に近い所がやられているので巻き解く。絶縁紙、銅箔、絶縁紙、銅箔、絶縁紙、の順番になっているので巻き解き、銅箔に穴が空いて短絡している所まで解いて切除する。
3銅箔と銅箔の位置をずらせて切断する。同じ位置では切断面で短絡する恐れがある。再び巻いて更に外した絶縁紙を外周に巻いて木綿糸で縛って一応出来上がり。これには前哨戦があり、自前のオイル含浸高耐圧紙コンデンサを作るまで待てず、新規にジャンセンの銅オイルコンを大量に購入しようとしていたが、投資額の多い割には耐圧1,000vの壁で再び壊す恐れがあり躊躇していた。そこで修理をしたのだが、病院で閃いた内容はこれではない。

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2018年3月31日 (土)

ドクターストップ

Sakura遂にはドクターストップが掛かってしまいました。夜間作業は中止とし規則正しい生活を促されて、ブログの更新、開発は超スローペースになります。悪しからずご了承を。

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2018年3月29日 (木)

素材力学 オイル含浸ペーパー銅箔コンデンサ考

Macroこの時期待った無しのサボテンの手入れで忙しい。根が動き出す前の植え替えが鉄則ではあるが、毎年グズグズして遅くなりもう手遅れ状態です。5時ではまだ暗いがサボテンの植え替えを始めた。画像はサボテン工房の看板ウチワサボテンのマクロケントラの大株で、ジェット水流の洗浄で綺麗になるが微細なトゲが飛び散り、体中のいたる所に刺さる。足の先はもういけません、体が曲がらないから取れない。

1手入れを小休止して早朝の清々しさの中でコーヒーを飲む。早速ジャンセンとDuelund(デュエルンド)社のオイル含浸ペーパー銅コンデンサはなぜ音が良いか?に思いを馳せる。絶縁油は圧電素子ではないが単純にダンピング材なので共振点はあるものの、防振効果はある、そうだそれに違いない。先達の言うオイルコンは音が良いはこの防振効果によるものとすれば、オイルコンじゃあないただの銅箔コンデンサの音より良い!と説明がつく。絶縁油の効能は、①耐電圧の上昇、②静電容量の増大、③防振効果となる。

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2018年3月28日 (水)

素材力学 オイル含浸高耐圧紙コンデンサを作る10

10kw画像はプリウス補機モータ10kwで、外装は変更してある。この時期は超多忙で、暖かい日中はサボテンの植え替え、夜間はjazzオーディオに高効率発電機と、1人3交替は続くのであります。”こんにちは!”とサボテン公園のある伊豆からサボテンの購入に見えられた。なんであんぷおやじのサボテン工房へ来るのだい?となるのでしょうが、サボテン栽培の先達が続々とリタイアしてしまいモノが無い。そこでマニアの皆さんは珍種の多いサボテン工房へみえる。あ!この話ではない、n社の電気自動車に乗ってこられたので感想を聞くと”ヒヤヒヤものです”と言う。航続200kmだが実力値は100km程度らしい。2006年組ラグビー部の会長はお茶屋さんで、玉川の工場の行き帰りに使って山間部では50数kmと聞いた。電気自動車黎明期はとんだ精神的負担の掛かる事を、メーカは明らかにすべきと思う。ただ確実に化石燃料自動車からサーボモータ電気自動車の社会へと切り替わる時期が来た。

1JIS C 2101によると、
電気絶縁油試験方法は電極間ギャップを2.5mmに調整した直径12.5mmの相対する球電極をい毎秒約3kvの割合で電圧を上昇させ,試料油の商用周波数おける絶縁破壊電圧を測定する...となっている。今回入手の絶縁油kはその耐電圧が60kvもあり、凄い!ここでSound Lab electrostatic speaker A1以外のアンプやcdに使うために、コンデンサペーパーを1枚にして耐電圧の測定をやってみる。静電容量を測るとなんと1880pfしかなく、ダウンしてしまった。コンデンサペーパー1枚はストレスを掛けて穴でもあいたら困るので、締め付けトルクを若干弱くしている?トルクレンチでの締め付トルクの管理は必須でしょう。

2耐電圧試験は気持ちの悪いもので、恐る々電圧を上げる。コンデンサペーパー2枚の第2段階のデータと同レベルまで上昇させて様子を見る。高電圧300MΩ分圧で100vx31=3,000v、1枚でも3,000vに耐えている。

3そこで更に電圧を上昇させていくが、なんとスライダックの限界電圧まで耐えてしまった。ここまでくればコンデンサペーパー1枚の厚さ7μの問題よりも絶縁油の油膜の厚さになるのだと推測して、オイル含浸高耐圧紙コンデンサの耐電圧試験は終了する。コンデンサペーパーは2枚として、いよいよ本番の設計に入る。

4耐電圧試験機の解体をしていたらリーク痕を発見!オイルコンではリーク音まで消し去るから要注意です。画像ではズレているが2枚重ねで同じ位置となり原因も探るが、気分的にも2,000v耐電圧でいくべきと思っている。1個のコンデンサで4,000vの耐電圧は素人細工にしてはリスキー。よって2,000vで4段はコンデンサ8個となり、ガタイが素粒子加速器みたいに...

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2018年3月27日 (火)

素材力学 オイル含浸高耐圧紙コンデンサを作る9

0故郷の紅葉
コンビニは時代が時代だから無かったし、映画館なんか勿論無く近くの公民館での巡回映画だった。ラーメン屋も無いから飯田の町へ皆で食べに出かけ、1杯40円でこんなに美味いものが世の中にあるのかと、感動した。50数年が過ぎて過剰便利な社会になり、不便だった田舎暮らしが懐かしく思い出されるが、自由な発想や思想は当時に培われ、三つ子の魂百までと思う。かくして自由な発想でofc純銅オイル含浸高耐圧紙コンデンサの開発に、リキが入るのであります。

1_2 コンデンサペーパー7μを切断すると上手く切れない。且つ2枚重ねるが、薄過ぎて扱いに苦慮する。とんだ伏兵がいたもので厚さに自由度が欲しい。最初は絶縁油無し(ドライ)でofc純銅板を重ね、ネジ止めして静電容量を測ると800pfと出た。恐る々電圧を上昇させていくとac電源電圧で400vpに到達した時、キュルキュルと音がして絶縁破壊を起こした。被試験コンデンサに加わっている高電圧は、300MΩの分圧で60v、電圧換算で1,800vになる。電圧を下げ再び上昇させるがはなっから絶縁破壊でキュキュル音がして、一度絶縁破壊を起こしたものは復元せず、自己回復性ゼロ。これを解体してコンデンサペーパーの位置をずらし再組み立てすると正常に戻る。再び電圧を上昇させるやはり400vpで絶縁破壊して、絶縁油無しの限界値が分かった。

2続いて絶縁油をコンデンサペーパーとofc純銅板に塗る。含浸とゆうより塗るしかない。絶縁油付きのコンデンサペーパーは最悪で皺が入り気泡も入り、これは難しいぞ!厚手のコンデンサペーパー1枚でやりたいところ。絶縁油付きでofc純銅板を重ね、ネジ止めして静電容量を測ると2,300pfとドライに比べて4倍も出て、これも朗報。
3恐る々電圧を上昇させていき、ドライで絶縁破壊したac電源電圧400vpに到達したので電圧上昇を停止させて様子をみる。怪しい音など皆無で問題なくクリアして、絶縁油の効能の凄さを実感する。
4第1段階のデータをサンプルしておく。acピークで400v、高電圧は300MΩ分圧で64.4vx31=1,996v、まあ正確に測定できないが、見込みで2,000vには問題なく耐えている。
5更に電圧を上昇させていくが高電圧になり現状のプローブでは測定できず、ここで登場がhiokiの9322となる。ところが1/10のテクトロプローブ3012の波形と余りにも違いギョとする。そこで切り札のyewの701921高圧差動プローブを登場させるがこれも同様で、なんだい、サーボアンプのアッパーアームなんかは便利に測定できるが、波形の正確性と位相特性は全く怪しく、良い勉強をした。そこで約1/10の分圧回路を作り、1/10のフツーのプローブで測定出来るようにした。
6_2第2段階のデータをサンプルしておく。acピークで692v、高電圧300MΩ分圧で101vx31=3,131v、おー!3,000v超に耐えて素晴らしい。
7更に電圧を上昇させていくとスライダックの130v目一杯まで回し切り、これが限界電圧。
8電圧限界のデータをサンプルしておく。acピークで830v、高電圧300MΩ分圧で119vx31=3,689v、コッククロフト・ウルトン回路の電圧降下で4,000vまで電圧上昇は出来なかったが、絶縁油含浸コンデンサペーパー2枚重ねの耐電圧は4,000vまでいけると推測する。オイルコンは良い!と皆さん言われるが、ペーパーコンでは成り立たず、絶縁油を含浸させてはじめて成り立つ。ジャンセンの銅コンデンサ1,000vの0.022μfが小型だった理由も理解できた。

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2018年3月26日 (月)

素材力学 オイル含浸高耐圧紙コンデンサを作る8

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オイル含浸高耐圧紙コンデンサの耐電圧試験のために、コンデンサのモデルを作る。一応設計図を描いて基本検討をしてみる。ofc純銅板をクロス構造にして、高電圧のクリティカルな部分を減らしてある。

2ofc純銅板は電解コンデンサに使用した残材で80mm幅にした。表面はパーカショニストのnakaさんから頂いた#600でヘアライン加工を施す。これは絶縁油層を作るための工夫で、耐電圧試験機の段階からやっておく。

3mdf板材にofc純銅板をテンションを掛けながらネジ止めする。明らかにまずいのがmdfと純銅板の平面度と純銅板切断面のデコボコ、しかし第一段階は強引にこの悪い素材でやってみる。mj誌のk川さんからの情報にあるようにガラス板で押さえる方式が平面度が保てて良いが、自在な加工では難点がある。販売する訳でもないから平面度不足による不安定感には目をつぶることにした。

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2018年3月25日 (日)

素材力学 オイル含浸高耐圧紙コンデンサを作る7

1_2もう30数年も前になるが、
ロボットベンチャー黎明期の事務員さんは実に美しい声で、仕事も良く出来たからお客さんにも随分と好評でした。
052...と電話が入る。
登録してない電話は怪しい。
しかし鳴り止まない。
仕方なし受話器を取ると、
”amp工房さんですか?”
”はい”
”あの~紙やですが”
”あ!コンデンサペーパーの”
”はいそうです、実は紙の端にしわが拠っており...”
”いいですよ、もしかしてロールから切るのですか?”
”はい”
”それならば2mで切ってください、1mで悩んでいました”
”承知しました、2mで切ってお送りします”
実に美しい声で昔の事務員さんを思い出した。テレビ電話も良いけど声だけ電話は想像逞しくして、大いに結構です。かくしてofc純銅板と同じサイズの1.2mのコンデンサペーパーが手に入った。現物は昔の油紙みたいで、果たして絶縁油が含浸出来るだろうか?

2_2雨の中ゆうぱっくのお姉さんが”荷物です~”と重たそうに運んでくる。絶縁油の18リッターは比重からしたら結構重たい。ずぶ濡れに思わず”お駄賃です”とお店のクッキーを渡し労う。”うわ~嬉しい”と喜んでくれる。絶縁油とコンデンサペーパーが揃い、オイル含浸高耐圧紙コンデンサを作るの巻きは、いよいよ本番へ。

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2018年3月24日 (土)

素材力学 オイル含浸高耐圧紙コンデンサを作る6

1耐電圧試験機のスライダックでまた事故が起きる。電源を投入するとバチッバチッと音がして煙が少し出る。またか!とバラしてカーボンブラシの上に貼ったofc純銅板を外して、当たりを見るが問題ない。各部チェックをするがこれまた問題ない。再び通電するがまた同じ。そこで1次側にスライダックを追加して徐々に電圧を上げると、文字盤を止めているタッピングスクリュウから火花が飛び散り、しまったネジ(赤丸印)がコイルに当たって短絡していた。接着剤ではまずかろうと欲をかいた。

2Sound Lab electrostatic speaker A1のボコッで落ち込んでいる上にまたダメージで益々気が滅入るが、A1の音を聴くと少し元に戻り妙なる音にやる気が出る。A1は湿度の状態をモロに音で表現して、こりゃあ高度な湿度計だ。スライダックが正常になり、コッククロフト・ウルトン回路を作動させて出力電圧を見るが、予定通りの電圧が出ない。

3ここで登場がLTspiceシュミレータで、早速パラメータを打ち込んでシュミレーションしてみる。電源電圧をrmsで100v、0-peakで140v、これの2n=8倍だから1,1120vが計算値だが700vにもならない。こりゃあコッククロフト・ウルトン回路が初期のものでマズイに違いない。

4メタライズドppコンデンサ0.068μfに交換して新たに組み上げる。テフロン基板を作り部品の表面を信越化学のシリコンで覆った製法より簡単で、直ぐに出来てしまった。早速通電するが似たような状況で、こりゃあ本腰を入れなければこの問題は解決しない。

5_2逆に同じ状況をLTspiceシュミレータで作ってみた。負荷抵抗を何と35kΩにしたら、リップル付きの680vでほぼ再現した。回路屋さんのアナタならお気付きでしょうがLTspiceシュミレータではコッククロフト・ウルトン回路の電圧降下までシュミレション出来ない。そこで出力端に300MΩの抵抗を付けてオシロスコープを接続して測定した。プローブの内部抵抗が10MΩで(10/310)x1,120v=36v、実測で35vとなり電圧の出ていることは分かった。結局入力インピーダンスが10MΩ程度のプローブでは負荷電流が流れすぎて、電圧降下を起こして測定できない。まあこれで耐電圧試験機は出来たとしよう。

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2018年3月23日 (金)

素材力学 Sound Lab electrostatic speaker A1幻の音再び

0xx深夜の雨はSound Lab electrostatic speaker A1を大音量で出せて、してやったりと意気揚々としていたが好事魔多し、低音がドン!からボコッ!と歪んで青ざめた。段々昔を思い出しA1を壊してしまったと誤解したのもこうゆう現象の重なりで、長雨で多湿になるとコンデンサフィルム構造体からのリーク、コッククロフト・ウルトン回路からのリークなどで、コンデンサフィルムに伝わるエネルギーが失せているようだ。それが証拠に小音量では全域に渡って音が出る。やっぱりあの音は幻か...

12kvx_2多湿でエネルギーが失せた場合、高電圧バイアスを上げるしかない。現状のコッククロフト・ウルトン回路では対応出来ないので、段数を6段まで増やして(1,000v銅コンデンサは48個にもなり、困った)シュミレーションしてみた。これで12,000vまでは出せるが、電源密結合から遠ざかりトレードオフが頻繁に行われ人生と同じで思うようにはいかず、どうやら仕切り直しの時が来たようだ。落とし所は?
いずれにせよ、コンデンサスピーカは呼吸する生物!

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2018年3月22日 (木)

素材力学 オイル含浸高耐圧紙コンデンサを作る5

0xDuelund(デュエルンド)社の銅コンデンサcastシリーズの中身の拡大画像があった。この織り方は初期の油入り高圧ペーパーコンデンサと同じで、手法としたら古来からあり興味深い。現在は巻き取り機で円筒にグルグル巻く方法が主流となっている。この中身を見ながら、どうしたらDuelund社の銅コンデンサを超えられるか繰り返し考察している。純銅電解コンデンサの主たる部材のアルミ板をofc純銅板に交換してしまう素材の力を借りた劇的な変化は、銅対ofc純銅では期待できない。銅箔からofc純銅板の変化は当然あるが、大きく音が変わる訳ではない。もっとも小さな変化だが、無限の変化とも言えるのがjazzオーディオの世界。紙とオイルに関しては音の変化はあると推測するが、今回初めて製作するため現段階では論じ得ない。残された期待値は一重巻きで、コンデンサの内外共に水晶粒で防振構造にするからここで勝負になる。

2_2次に音の秘密を探る意味でも、絶縁破壊したジャンセン銅コンデンサを解体して構造を調べておく。興味深いのは銅箔の表面から3枚目位に打痕が付き、外側に穴が空いて部分放電が起きて破壊、それより内部は正常であった。構造は+極と-極をずらせて同時に巻いて端面を潰してハンダ付けしている。フィルムと思ったが透明な紙で、破ると断面に繊維質が出てきて紙であることが分かる。これは紙とフィルムのハイブリッドと思われる。オイルの含浸度は然程高くなく油紙といった程度。絶縁紙は2枚重ねで耐圧1,000vとしている。手触りで厚みは分かるから、当方の7μが入荷したら比較して枚数を決めればよい。この解体により重要な手掛かりが得られた。

1_2続いて耐電圧試験機の準備に入るが高電圧発生のトランスが無い。そこで2個のトランスをカスコード接続して何とか420vrmsを作り出した。ピーク電圧は600vになりこれで計算すると、vo=2nxvpで4,000v=2nx600v、n=3.333となり、コッククロフト・ウォルトン回路は4段になる。4段で4,800vまでをスライダックで可変できれば検査できる。

4毎度ながら高電圧を測定するプローブが無い。hiokiの9322では差動入力dcで2,000vまで、入力インピーダンスは9MΩと厳しい。9322測定プローブの能力でコッククロフト・ウォルトン回路の定数を決めなければならない、奇妙な作業となる。

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2018年3月21日 (水)

素材力学 オイル含浸高耐圧紙コンデンサを作る4

Tomoema jazz clubは巴川の川沿いにあり、少し上流へ行くと直木賞作家の村松友視さんが良く通った金田食堂がある。その隣の今は無き料亭玉川楼を挟んで、巴川製紙が大きな工場を構えている。昔は赤色の液体を平気で巴川へ垂れ流しをしていたが、いつしか消えた。コンピュータ紙時代には隆盛を極め(傍からはそう見えた)最近は落ち着いている。まあ隣組みと勝手に決めさせてもらって、巴川製紙の技術研究所の論文を読んだ。これが滅法難しく、なるほど優秀な研究者が技術研究所に居たからさまざまな特殊紙で名を馳せたのだ。最初の資料は紙にオイルを含浸させた時の誘電率の変化でかなり上がる。

Tomoe01960年代に消滅した、オイル含浸高耐圧紙コンデンサを作る手掛かりが殆ど見えない中、1982年の巴川製紙の技術論文が宝物のように見えてきた。清水市出身の村松友視さんもそうだが、清水(市)はやはり凄い人々の街なのだ。巴川製紙のクラフト絶縁紙にオイルを含浸させた時の耐電圧が載っており、大いに参考になる。赤丸印は巴川製紙と住友電工の開発のppフィルムクラフト絶縁紙のものだが1mmで120kvに耐えるのだから凄い。これから試算すると50μは1/20で6kvとなり今回目論みの4kvには該当する。オイル含浸は誘電率の向上と耐電圧の向上と、2つの重要な役目だった。

1_3オイル含浸高耐圧紙コンデンサの構造設計をするに当たり、材料の寸法で制限されてしまう問題がありここがジレンマなのだ。まさかコンデンサペーパーの1ロールなんかしくじった時のことを考えれば購入できない。更に巴川製紙で言うような高密度の紙の入手もアマチアには無理があり、耐電圧においては相当なディレーティングの必要がある。もしディレーティングで2kvと出たら現状と同じ4段とし、コンデンサ8個でいく。とりあえずご覧の設計図として、オイル含浸紙は7μを3枚~数枚重ねて考える。

2次に静電容量の計算をする。120mmx1200mmの電極面積は144,000mm^2、距離は0.05mm、誘電率は2.8で計算すると0.07μfと出て、かなり実現的な値となる。真空管アンプのカップリングコンデンサならば7μ1枚で耐えるから計算すると0.5μfと出て、これはいける!もしこれらが現実となればamp研究員には朗報であり、高価なDuelund社のコンデンサを買わなくて済む。開発に一層のリキが入るが、巴川製紙が絶縁紙の研究をしていたなど塀の外から見たのでは分からなく、感謝でしかない。

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2018年3月20日 (火)

素材力学 オイル含浸高耐圧紙コンデンサを作る3

0外は雨、深夜の雨は恵みの雨でSound Lab electrostatic speaker A1を大きな音で鳴らす。この妙なる音色を理解するには耳を必要としており、繊細緻密な音にならされた耳には理解できないのかも知れない。A1の進化の過程を目撃しているamp研究員には分かっているが、出ないはずのaltec soundをここから出したろ!と思っている。分厚く繊細に、これがSound Lab electrostatic speaker A1に与えられた使命なのだ。それには音の良いコンデンサが鍵となる。

C0資料出展:日新電機技報
我国では1970年代の初めにpcb(ポリ塩化ビフェニール)の使用は禁止となり、アメリカよりも早かった。h社で電力業務に携わる中pcb担当に任命されて、使用状況の把握と処分方法が決まるまでの厳重な保管場所の確保、各部署からの問い合わせで忙しくしていた...とまあ油入コンデンサとは因縁浅からぬ間柄なのだ。コンデンサの進化の歴史は効率の進化の歴史で、高効率小型化へ進化すれば当然音は悪くなる。画像上段が所謂ペーパーオイルコンデンサで、紙の素材で随分と性能が変わった時代だが音は良い。その間にpcbの登場となるが、開発の初期段階でpcbは無く途中から効率向上の賜物で開発された。JensenとDuelund社のCopper Foil, Paper-in-Oil Capacitorは画像中段の構造となる。下段が現在の油入コンデンサでフィルムの表面をザラザラにしてオイルの含浸を可能にしたが、紙ではないから失格。よって今回開発するオイル含浸高耐圧紙コンデンサは上段の最古の構造とする。

1xコンデンサの開発を難しいと捉えるか容易と捉えるかだが、粘れば必ず出来ると思っている。ただ問題はコンデンサを作るだけではなく、音の良いコンデンサだから難しい。JensenとDuelund社はCopper Foilだがこっちはofc Copper Foilで勝ち、JensenとDuelund社はグルグル巻きだがこっちは一重巻きの水晶粒防振構造で勝ち、外形と容量では負け、2勝1敗だが果たして結末は?

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