不自由な時代の自由な音
現代は何もかもが自由で、自由過ぎた時代こそ不自由であるコトを知れ!不自由な時代こそ自由があった、いや自由を作った。
上海駿河屋さんがフライトの前に立ち寄ってくれた。上海からベトナムホーチミン(旧南ベトナム、サイゴン)へ向かうと言う。
”あんぷおやじー、ブルーノートrex時代のバドのジャケットを見て欲しい。カラーはせいぜい3色で、アルフレッド・ライオンも売れないレコードに苦労したに違いない。”
”なるほど”
”それにさ、マイクはダイナミック型でレンジは狭いからルディ・ヴァン・ゲルダーはクリフォードにもっと強く吹け!チャリーミンガスに音を飛ばせ!と指示したのさ。”
”ああーそうか、それで音が分厚くなったんだ!”
まあそんな具合に想像するが、黒人開放運動の時代背景、感度の低いダイナミックマイク、豪快だけのampexテープデッキ、プアーなミキシングコンソール、不自由な時代だからこそ”I Have a Dream(キング牧師の名言)”が自由なjazzを形作ったのだろう。
”jazzは格闘技だぜ!”と言い残し、颯爽と上海駿河屋さんは飛びたって行った。
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