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2013年10月31日 (木)

Tektronix SG505,AA501A 修理

Aa5001x正確には”Tektronix aa5001 Programmable Distortion Analyzer”となり、テクトロニクスの歪み率計である。

修理業務の再開にあたり、歪み率計に電源を入れて唖然とする。なんと歪み率計が2台とも故障!太陽電池プロジェクトに専念して、テクトロニクスの歪み率計は2年以上も無通電だった。

Sg5050_2sg505オシレーターは2台とも周波数が切り替わらず、更に出力が不安定で出力が出たり出なかったり。こんな古いテクトロニクスの歪み率計を修理に出したら、幾ら取られるか分からない。意を決して自前で修理することにした。

分解して内部に目をやると、テクトロニクスの技術の高さに脱帽する。筐体も安定して分解、組み立てできる事は素晴らしい。板金や樹脂成型品ではメカニカル精度が出難いのだ。

Sg5051高精度部品の塊でそのままオーディオプリアンプになりそう。周波数アジャストは2連のスペクトロール10kΩで、完全に壊れたらプリアンプのボリュームとして使おう。

Sg5052回路を追うと、周波数レンジ切り替え用3連のプッシュスイッチにたどり着いた。

やはりな、回路は信頼性が高く壊れる要素は無い。しかし機構部品はメカニカルだから壊れる可能性がある。赤丸印がc接点でnc(ノーマリークローズ)、no(ノーマリーオープン)共に動作できない。分かれば簡単な事だが、こんな3連スイッチの互換品など今時入手できない。

Sg5053そこで3連スイッチを基板から外して、分解修理しよう...
ところが基板から外せない。パターンが細くてハンダゴテで加熱中に損傷の恐れがある。これも無理、万事休すか?
ハッと閃いた!マイクロスイッチを取り付けプッシュバーで機構的にon/offし、ダメ接点とパラに接続すれば修理できる。早速rsへマイクロスイッチを手配する。

またハッと閃いた!そうだ3連スイッチの開口部のお尻(黄色丸印)から、弱いシンナーを流し込んでみよう。各スイッチへ2滴ずつ垂らして、スイッチをガシャガシャon/offした。おー、見事に接点が復活したではないか。これならば、オリジナルのまま修理が出来る。

Aa501aま、1980年代の歪み率計で接点がダメになっても納得。歪み率計本体aa501aも分解して、n連スイッチにシンナーを垂らして同様の作業をやる。

一連の作業を終えて、Tektronix sg505,aa501aの古典測定器のウイークポイントはn連スイッチにあると見た。同様なトラブルの方はトライしたら如何、但しシンナーはまずかろうで、接点復活材にすべきでしょう。

Aa5001xx全く泥縄式で反省しきりだが、何事も作ってしまおう精神があれば、たいていのコトはできる。テクトロニクスの測定器は、絶対的安心感から長年使い続けているが、修理費は結構高くて自前で修理できれば、誠にあり難い。

教訓:微弱な接点は、たまに通電して接触面の活性化をしておかないとトラブルの元になる、でした。

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2013年10月30日 (水)

Lexington盤の15枚

Lex0xブルーノート・レキシントン盤の棚は、わずか15枚しか入らない。

この枠組みがないと際限なくレコードを集めてしまう悪い癖で、はなっから15枚と決めた。

なんだい、たったの15枚と言われてしまうが、jazzオーディオで何十年も聴き続けているリファレンスは、なんと10枚にも満たない。だからこれに厳選レキシントン盤の15枚が加わって、jazzオーディオ謎解きには十分すぎる枚数なのだ。

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2013年10月26日 (土)

怪しいレキシントン盤

Lex01カフェ・ボヘミアのジャズ・メッセンジャーズ Vol.2
Kenny Dorham (trumpet) Hank Mobley (tenor saxophone) Horace Silver (piano)Doug Watkins (bass) Art Blakey (drums)
格安のこのレコードはかなり怪しいレキシントン盤で、分析してみよう。

Lex02アドレスは Lexington ではなく 47west  だが、良く見ると blue note records のロゴが違う。

Lex03
こちらがアドレス 47west の場合の、正しい blue note records のロゴ。

Lex04重要なレーベルは確かに Lexington 住所だがdg(深溝)が無い。dgが無くて®無しも逆に奇妙で、結論は1960年代もだいぶ後になり登場した復刻版で、レーベルは昔の在庫を使ったのではないか?ジャケットは新規プリントでロゴも新調した、と考えられる。

一番重要な音は若干の濁り(音がキタナイ)があり、結局買い直し候補となってしまった。

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2013年10月21日 (月)

謎めいたjazzオーディオ

Ampxxjazzオーディオで、いばるなら良くも飽きもせず続けられたコトくらい。ただ、努力したからといって必ずしも凄い音になるとは限らないし、報われない所は現代社会によう似とる。

続けられた理由は”謎めいたjazzオーディオ”の世界で、その謎解きはアカデミックでない所が大変よろしく、ゲリラ的戦法が唯一通用するテクノロジーの世界である。

日々のカイゼンで(たまには改悪もある)少しずつ謎解きが進むが、謎解きはエンドレスシーケンスで寿命が...

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2013年10月20日 (日)

パーシー・ヒース

Ph1パーシー・ヒースはMJQで有名だが、ブルーノート・レキシントン盤の時代にも大活躍で、あっちこっちに顔を出している。

怪しい来客簿、MJQの一節
「あのね、貴方(色川武大)の短文の話を彼ら(MJQ)にしたらね、偶然だねえ、パーシー・ヒース(モダンジャズカルテットのベース奏者)がね、B29に乗って東京爆撃に参加してただってさ。ヒースの奴、ちょっとシュンとなってたよ」

日本におけるモダンジャズ黎明期、随分と戦争に翻弄されたjazzミュージシャンと聴き手のアヤでした。

余談:MJQ時代は余り聴かなかったが、バッパーだった時代の演奏と最終章のパブロ時代のミルト・ジャクソンは、腹にズキンとくるドス黒いバイヴがたまらなくいい。

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2013年10月19日 (土)

ウェスタンエレクトリック WE91Aリピーティングコイル奮戦記 その4

Rep0絵筆をノミに持ち替えて、ひたすら慎重にトランスの発掘作業をやる。だんだんトランスの構造が見え始めて、これはリングコアではないか。

1930年代にリングコアがあったとは驚きで、なんだい、トランスもたいして進化していないのか。

Rep1_2ピッチが飛び散り微粉が舞い、その微粉が熱で溶けるのかネバネバして扱いが悪い。

ノミの入れ方を間違えれば、コイルにダメージを与えてしまい、緊張が続く。

Rep2_2ある程度発掘した所で、リングコアを左右にゆすり剥ぎ取るコトにした。ノミを振るう事3時間、遂にリングトランスを掘り出した。

音の良し悪しの前にこの時代のテクノロジーに、興味が尽きない。ステレオ分の発掘が完了したのは、空が白み始めた頃になった。

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2013年10月15日 (火)

ウェスタンエレクトリック WE91Aリピーティングコイル奮戦記 その3

Arep0xリピーティングコイルの投入は、ウェスタンエレクトリックのサウンドマイスターではないが、うまく調整すれば魅力的なjazzを奏でられるはず。

このウェスタンの名器を使って”別に”ではすまなかろうと、鉄と質量の時代と振動対策の改造を始める。

Arep1x缶のサイドをこじ開けてハンマーで打しながら缶フタを外す。

おーっと、ピッチでしっかりと埋まっているではないか。リード線は綿巻きの鉄線に見える。


Arep2xたいていはこりゃあ無理だ!と諦めるのだが、それではウェスタンに取り組んだ意味が無い。そこで発揮が芸術家魂で、彫刻家に変身してノミを振るおう。

年代は歴史的と言えるほど古く、1930年代~1940年代と推測する。そしてリピーティングコイルのピッチ詰めは、コイルの振動防止と防湿でやったと思われる。

今回は防湿の必要がないので、振動対策のみを実行する。

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2013年10月14日 (月)

ウェスタンエレクトリック WE91Aリピーティングコイル奮戦記 その2

91ax91aは鋳物缶とプレス缶がある。ウェスタンエレクトリックを一生モノとお考えの貴方、迷わず高価な鋳物缶を選ぶべしデス。振動対策の観点から鋳物缶は素晴らしい。

あんぷおやじ流儀はどっちみちバラバラの解体で、プレス缶で十分なのです。

111x接続について111c用の資料が出てきたが、これを参考にしよう。

図からわかるように111cには静電シールドがついているが、91aには静電シールドはついていない。

91aの両サイドのリベットはプレス缶(鉄製)と端子盤の固定用でgnd端子、静電シールドは無いからどこへ接続しようか迷うコトは無い。

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2013年10月12日 (土)

ウェスタンエレクトリック WE91Aリピーティングコイル奮戦記 その1

Rep91acdの出力にウェスタンエレクトリックのwe91aリピーティングコイル(トランス)を追加して、音質改善の効果を確認する。

we91aを選択したのは、d4studioさんが使用していたのを見つけて真似しただけ。

インターネット上では様々情報が乱れ飛ぶが、自分で確認してみない事には始まらない。期待値は現在のレコードのように分厚い音がcdから出たならばシメタもの。

先ずはテストで画像のユニットにrcaのジャックをつけてcdに繋いだ。結果は”別に”で、プラスしてピアノなどがカンつき低音が痩せる現象だが、慌てない。あんぷおやじ流儀の振動対策を施してどうなるか?

続く...

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2013年10月 6日 (日)

ジェームス・B・ランシング=JBL

Jblxあんぷおやじ誕生の年に、ジェームス・B・ランシングは自ら命を絶った。64年後の命日9月24日が過ぎてしまい、慌ててエントリーした。

根っからのaltec党ではあるが根っこは同じで、ジェームス・B・ランシングのランシング社がaltec社となり続いてjbl社となった訳だから区別のしようが無い。よってaltec党とjbl党は親戚と考えてよろしい。更にjbl社ではバート・N・ロカンシーの登場で、guassもtadの木下モニターも親戚と考えよう。なんだい、結局全部ではないか。

A2xしかしその元を正せばウスタン・エレクトリックとなり、更にグラハム・ベルのベル研となる。歴史はイモヅル式なのだ。

我がamp工房のスピーカの515bと288-16gの原点は、ジェームス・B・ランシングの開発で1945年頃に遡る。

かっては会社を経営していたので、負債が膨らんだジェームス・B・ランシングの心中察するに余りあるが、せめて命永らえたならばjblスピーカの名器がもっと多く誕生していたはずだ。あんぷおやじ流儀jazzオーディオは、ジェームス・B・ランシングで始まり、ジェームス・B・ランシングで終わった。

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2013年10月 4日 (金)

献身コルトレーン

Coltx天才アルト奏者チャリー・パーカーの前で固まってしまったコルトレーンと、固まらなかったマイルスはその後のjazz人生を大きく分けるコトとなる。

反骨マイルスと正反対が献身コルトレーンで、マイルスとは対照的に常に周りのメインバーに気を配り、常に聴衆に対して最大限の演奏を心がけた。

ニョーヨーク52丁目にバードランドがあった時代の貴重な画像で、左からトミー・ポーター(b)、バードランドのバードことチャーリー・パーカー(as)、ディジー・ガレスピー(tp)、右端ギリギリに写っているのがjazzジャイアントになるだいぶ前の、若干23歳のジョン・コルトレーン。

その後テナーに持ち替え17年、疾風の如きjazzを駆け抜けたコルトレーンの献身に対して、少しは報いる事ができただろうか?我がjazzオーディオ...

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2013年10月 3日 (木)

WOR Studios, NYC, その3

Monk0ブルーノート1500番台の住所は、年代別に3種類ある。
1954年~1957年
Lexington Ave., NYC.
1957年の1年だけ
47 WEST 63rd New York 23
1957年~1961年
47 WEST 63rd NYC

丁度jazzの分厚さが消えてきめ細やかなjazzになる分岐点を1961年頃として、1500番台の意義が存在する。

Monk00今回はblp-1510 Thelonious Monk - Genius Of Modern Music, Vol. 1を調査した。blp-1510の発売日は1956年の3月、住所はLexington Ave., NYC.

手持ちのblp-1510を調べると、レコード盤の住所はLexington Ave., NYC.だが、ジャケットの住所は47 WEST 63rd New York 23 となっている。エッジは玉縁でグルーブ・ガード付き、よって2ndと判断するが、レコード盤の住所Lexington Ave., NYC.は余っているレーベルを貼り付けてしまったからレキシントンになった。録音は1947年と1948年で古く、全てWOR Studios, NYC,となっている。

blp 1510 Thelonious Monk - Genius Of Modern Music, Vol. 1
Humph,Thelonious 
Idrees Sulieman (trumpet) Danny Quebec West (alto saxophone)
Billy Smith (tenor saxophone) Thelonious Monk (piano)
Gene Ramey (bass) Art Blakey (drums)
WOR Studios, NYC, October 15, 1947

Ruby, My Dear,Well, You Needn't,April In Paris,Off Minor,Introspection 
Thelonious Monk (piano) Gene Ramey (bass) Art Blakey (drums)
WOR Studios, NYC, October 24, 1947

In Walked Bud,'Round Midnight 
George Taitt (trumpet) Sahib Shihab (alto saxophone) Thelonious Monk (piano)
Bob Paige (bass) Art Blakey (drums)
WOR Studios, NYC, November 21, 1947

Misterioso,Epistrophy,I Mean You   
Milt Jackson (vibraphone) Thelonious Monk (piano)
John Simmons (bass) Shadow Wilson (drums)
Apex Studios, NYC, July 2, 1948

確かに1940年代後半の録音はナローレンジの香りがつきまとい一聴して分かるが、セロニアス・モンクのピアノなどナローレンジを打ち破って”ピキーン”とはじけ、「'Round Midnight」など、余りの美しさにゾクっとする。この瞬間jazzをやってきて良かったと思い、振動対策がオーディオの基本を実感する。 

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2013年10月 2日 (水)

唄えば天国ジャズソング

Budaix一関ベイシーマスターご推薦、色川武大先生”唄えば天国ジャズソング”の文庫本が、なんと初版本で手に入った。もっとも文庫本の初版じゃあ、たいしたコトはないか。

「それが午前中であれば、午後には色川サンの”ジャズ通”ぶりの凄さに、あなたはゾッとして、震えた手でタバコを何本も吸うことになるだろう。」
ジャズ喫茶「ベイシー」の選択の一節より。

p56で、初めて知った名前の南里文雄(tp)登場、p171で、良く知ったチェット・ベイカー(tp)の登場、以降は知ったjazzミュージシャンがチラホラ登場、それ以外の膨大は全く知らない。

登場人物数百人、登場曲数百曲、いやもっとか。これだけの情報が聴き込んで記憶に入っており、別段調べて本を書いたのではない。これは色川武大先生ご自身が申しているから、間違いはない。

タバコは吸わないから、震えた手でタバコを何本も吸うことにはならないが、この時ばかりは”jazz業界の人間ではありません!”と逃げ出すことに決めた。

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