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2016年4月29日 (金)

振動力学 jbl375ドライバ防振構造化偏

1jbl375ドライバは2インチでサイズではaltecの288-16gを上回り、最強の中音域ドライバと認識している。常連のy本さんの375を防振構造とした顛末記です。構造はバックチャンバーを大きくしてグラスウールをギュウギュウ詰め構造にする、スロート部を水晶粒詰めにする、本体を水晶粒詰めにする、端子をofc純銅タイプにする、ボイスコイルから端子までをカルダスワイヤーにする、ドライバとスロート、スロートとホーン接続部に水晶リングを付ける、これらの構想の元に設計図を引く。

2本体はキャノン砲みたいな紙管を500mmの長さに切断する。振動板カバーは紙管にサイズが無いためエンビのパイプで作る。エンドブラケットは裏蓋、振動板部、スロート部の3箇所必要でmdfを糸ノコで丸く切断する。この仕掛けをジュラルミンなどの加工でやれば1本20~30万円くらいは掛かる大袈裟を、紙管方式でやれば2本合わせても10万円くらいで出来る。

3水晶粒振動対策が進むと砲金や真鍮などのnc旋盤削り出し工芸加工品は必要なくなり、見た目は貧弱だが防振効果は確実に得られて、してやったり。画像は塗装の完了した部組みで、紙とかmdfとかは分からなくなる。紙管に開けられた3個の穴は375組み付け後水晶粒を充填する為のもので、充填後は塞ぐ。


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3_2ドライバ後部ダイアフラム面の保護カバーはバックチャンバーの容量不足で外してしまい、アルニコの強力な磁力と戦いながら、ダイアフラムの保護で緊張な作業が続きます。

4出来上がりは375ドライバーとホーンスロート部までで500mmと巨大で何やら兵器?みたいな印象を与える。右に4本飛び出しているボルトでホーンと結合するが、このホーンの防振対策が3次元曲線の塊で難儀する。中域ドライバはjblにしろaltecにしろjazzオーディオにおける要で、ここの振動対策はどんな高価なパワーアンプを持ってしても不可能な業で、Van Gelder サウンドを輝かせる。 

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2016年4月27日 (水)

振動力学 denon dp-80スーパーターンテーブルソフトウエア編1

Ros16bitの遅い日立のcpu,300hでもサーボモータの高速電流制御が可能である論文を書いた。電気学会の論文番号RM-03-146で、購入できるはずだからサーボモータ制御に興味のあるオーディオマニアの方はご参考に。ソフトウエアを書き始めて40年近くになるが、一貫してアッセンブラ言語しか書かない。理由はf1並みの高速制御を一義としているからで、好き嫌いではない。さてシステム構築に欠かせないのがリアルタイムosで、日本にはエンベデッドosで世界に誇れるitronがある。ただitronを持ってしてもタイムスライスが1msecで、ターンテーブルの電流制御には使えない。そこであみ出したのがこのos論文になり、数行でタスクスイッチするから32bit,cpuであれば1μsec以内に切り替わる。

Prg1 タスクはスタート時にテーブル化登録しておく。タスクを処理速度の速い、遅いのカテゴリーに分類してから登録で、電流制御は100khzであれば常に起動が掛かる超高速タスク、速度制御は20msecくらいと遅くなるから低速周期タスク、マンマシンインターフェースのスイッチ操作やledランプ等もやはり遅いタスク、ストロボ点灯は正確無比が必要で、内部ターマーの割り込み処理になる。プログラムの構築で重要な作業がタイムマネージメントになる。

Prg0本プロジェクトでいっとう問題は速度検出機構になる。速度検出はエンコーダa相の立ち上がりエッジから次の立ち上がりエッジまでの時間をcpuクロック100μsecでカウントさせる。日立shcpuのタイマーカウンター機構は優秀で、ソースリストの如く立ち上がりエッジで割り込み設定しておくと勝手にカウントしてくれる。ここでも量子化誤差の1パルスは存在する。この速度検出データに多重のフィルターを掛けて速度信号をなましてやらないと、ワウフラデータは良くならない。

Cpu2余談だが、
マイクロコンピュータを使わないと現代ターンテーブルは制御できない。しかし問題はソフトウエアとゆう厄介なシロモノが付いて回り、また1つ技術を覚えなければならない。そして複合技術の頂点に立つのがソフトウエアとなる訳で、残念ながらここは避けて通れない。

5月29日追記
昨日パソコンが突然ダウンしてしまい、dp-80スーパーターンテーブルの打ち込んだソフトウエアが読めなくなってしまい、行程遅延はやむなし。xpの古いパソコンは呪いのように”使うな!使うな!新しく買え!”とさまざまな災いが襲い、長くモノを大切に使ってはいけないのかね、その点jazzオーディオはいい、altecのビンテージモノ、レキシントン盤の60年熟成モノ、これらの方が良いのだから...

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2016年4月25日 (月)

振動力学 denon dp-80スーパーターンテーブルのワウフラ考了

Blpブルーノートのレキシントン盤は文化遺産でもあるからレコードに偏芯があるからといって、よもやセンタースピンドルの穴を開け直す訳にはいかない。よって偏芯は諦める。次にレコードのソリだがレキシントン盤は200g以上の重量があり分厚く、これは一応フラットとして扱いソリは考えない。

Impulse 問題は粗悪になったimpulse盤のコルトレーンで薄くペラペラでソリも多く見られる。この場合は画像のような防振構造の錘を載せると、音質とソリの両方が改善される。とまあ、この程度がレコード自身の問題からくるワウフラの改善になる。

Wofワウフラ測定法にも都合の良い仕掛けがあり果たしてどうなのだろうか?画像の目黒のワウフラメータmk-617は、denonの開発時に同じ測定器を準備して欲しい旨要求があり揃えた。wtd(ウエイテッド)とunwtd(アンウエイテッド)があり、wtdにするとワウフラrms値を積分して更に平均化してしまい、美しく値は整えられる。これをunwtdにすると、とてもじゃあないが提出できる値ではなくなる。またrms以外にpeakがあり、このレンジも同様になる。また時々使う手だが、マランツ立会いの時レコードの端面を軽く手で叩いて偏芯除去の神業を使いチャンピョンデータを...マランツさんスミマセン!だからワウフラメータを使うより、denon ad1レコードの最内周の3khzを耳で聴いて調整した方が安心感がある。

Dcsvm じゃあどうすれば良いのだい、となる訳だがワウフラ測定は従来の方法にしておき、回転ムラの除去に新方式を試してみる。新方式と言ったって2000年に失敗した方式の改善版になるが。画像の如くa,b相にz相のロボット用エンコーダパターンを厚手のギンカールに印刷して、反射型センサーで検出した。貼り付ける位置と印刷精度でa相の時間のバラツキが許容範囲を超えてしまった。今回はdp-80に新たにz相のみを追加して、a,b相は磁気センサー信号を使う。z相位置から全周のデータを取り込み、回転偏芯量を割り出し補正を掛ける。この方式で失敗する可能性は偏芯位置の経年変化変動にあるが、機械モノはそこまで不安定ではない。ターンテーブル回転ムラ除去の解決策にこの程度のアイディアしかないが、やってみる価値はありそうでワウフラ考は了とする。

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2016年4月23日 (土)

振動力学 denon dp-80スーパーターンテーブルのワウフラ考1

Tst1 ターンテーブルの不安定要素の中で我々の努力である程度解決出来るワウフラについて、もう一度考察してみる。毎度ながら、まあ良いか!と誤魔化している所が多々あり反省しきり、最終章の開発は出来た時が納期だから時間を掛けても問題ない。画像の如くワウフラ測定用のレコードは商売柄沢山持っているが、混乱するからどれか1枚に決めなければならない。ワウフラ=ワウは10hz以下の周波数変動を言い、それ以上をフラッターと言う。

Tst2画像のレコードはマランツのターンテーブル開発時にワウフラ測定用として支給されたdenon ad1で、その後もこれに決めて測定を続けている。ワウフラ3要素はターンテーブルの回転ムラ、レコードの偏芯、レコードのソリとなる。この盤はa面の最内周に3khzのワウフラ測定バンドが刻まれているなるから偏芯に対してはシビアで、ソリに対しては甘い。偏芯やソリがワウフラとなればレコード盤自身の問題が2/3を占めているから、ターンテーブルの回転ムラを0.01%にしてもワウフラから逃れられないことになる。

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2016年4月21日 (木)

振動力学 スーパーターンテーブルで解決できるか?

Dacdでレコードの音が出せるはず?と20年間daコンバータを作り続けたが、根本的に無理と分かりdaコンバータの製作は卒業した。cdやdaコンバータの問題ではなくリマスターにおける問題でcdは悪くない、と結論付けた。しかしレコードがcdにどうしても太刀打ちできない問題に、絶対的安定性がある。

Ansermet 特にルビジュウムクロックなどの原子時計を使いダブル打ちした時間軸の安定性は、正確無比な指揮者エルネスト・アンセルメが2人もいるようにさえ思える。だからピッチを気にするミュージシャンなどはレコードでなくてcdになるのも分かるような気がする。あんぷおやじ流儀は”jazzオーディオはピッチよりもエネルギーだ!”と自分に言い聞かせて進んできた。

Blp しからばレコードの不安定性とは何か?これは要素が多すぎて一概には言えないが、カッティングマシンの安定性は?レコードの加工精度は?これについては今更どうしようもなく不安定さが残ってしまう。我々の努力でどうしようもある不安定性に、ターンテーブルにおけるワウフラ問題がある。dd方式のターンテーブルが出てから水晶でpllロックが掛かるから正確無比なはず、となった。昔使っていたdenonのdp-100の性能は、ワウ・フラッター0.003%wrms回転系、0.02%wrms JIS測定法と極めてよいが、1000個の磁気パルスと印刷精度ではこれだけの分解能は取れないと思うが。

Dp80_2 たいていのターンテーブルのワウフラ実測データはカタログ値より悪く、何を信用してよいか分からなくなる。dp-80スーパーターンテーブルの開発では量子化分解能が0.01%しか取れず、工作機械並みの高精度には出来ないから果たして不安定性は解決できるのだろうか?

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2016年4月19日 (火)

振動力学 denon dp-80スーパーターンテーブル設計編了

Amp3dp-80はエディカレントタイプの3相acモータで、モータアンプはステレオでは足りず3個必要となる。歪み率が0.1%程度のアンプであれば形式には拘らない。例えば約束事でdaコンバータの出力を2vppに決めておけば、violaのブラボー3個とか(まさか!)真空管アンプ(マッチングトランスを付ける)とか、金田式dcアンプとか、自作のパワーopampとか、何でも良い。但し起動時は電圧を±40v近く振る必要があり、アンプの出力電圧だけは確保しなければならない。例として高圧opamp445をカタログのリコメンド回路とすれば図のようになり、これならば誰でも出来る。

Amp4 某社のターンテーブル開発時にはナショセミのパワーopamp lm3875を使用した。この方がopa445を使うよりかは随分楽になる。商品開発は原価低減が一義で、音が良いとか悪いとかは2の次で@数百円で買えるからこれに決めて他意はない。

Amp5個人的にはバーブラウンと長い付き合いで(adコンバータやdaコンバータ)opa541がお勧めだが、入力がfetのため電源マネージメントにしくじるとラッチアップ破壊するから必ずダイオードクランプの必要がある。cpuを使用した32bitボードでは電源がややっこしく、+5v,+3.3v,±15v,±40vとなる。

Dp806 dp-80スーパーターンテーブルプロジェクトの成否は速度信号の検出にあり、そこの見通しが付いたものだから出来たも同然となり、開発者の悪いクセでやる気が半減してしまう。
評価済みの結論から
まずモータ駆動用の電源電圧を±40vで固定する。次に3相交流の周波数を変えてみる。440hz、回転しない、330hz、回転しない。220hz、回転するが電流が少なくトルク小。110hz、問題なく回る。画像は55hzで、電源電圧±34v、駆動電圧22vrms、駆動電流0.13arms、トルクは十分すぎるほど出ていてシャフトを手で押さえるが止めることは出来ない。

Dp808 これは随分と意味深いことになり、denonの回路では電源電圧±140v、駆動電圧100vrmsのpwmとなっていて効率が悪い。完全なる120度位相のサインは駆動であれば何と電源電圧±34vで必要なトルクが出る。こうなりゃあたたみかけて、周波数を更に下げて様子を見る。周波数28hz、電源電圧±34v、駆動電圧22vrms、駆動電流0.25arms、驚きの柔軟性で電源電圧駆動電圧共に下げられる。上限100hz下限は10hzとしてブルーノートレキシントン盤を再生しながら最適駆動周波数、電圧、電流を求める。

Amp1 これは以前のエントリーでdenon dp-80モータの可能性 の内容の再掲になる。ターンテーブルの音を決める重要な要素は、振動を出さない、音圧振動を受けない、入った振動はいち早く大地へ逃がすになる。よって振動を出す元凶たるトルクリップルを下げるには駆動周波数を上げればよいが駆動電圧も上がってしまい、周波数を下げれば駆動電圧は下がるがトルクリップルが出やすなる。ここがdp-80スーパーターンテーブル開発の一番面白い所で、例えば±100v程度のサーボアンプを作れば800hzでも動くと思うし、ここ一番コルトレーンを聴きながら周波数を決めるとしよう。

Amp6 3相モータ駆動用のアンプは完成しており、バーブラのopa541を振動対策と放熱の観点からofc5mm純銅板に取り付け、ディールやオーマイトの巻き線抵抗で回路を固めて、最後は水晶粒で埋めてしまう。以上で設計編が終了となり、以降はdp-80の100khz電流制御デジタルサーボアンプのソフトウエア編となる。

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2016年4月17日 (日)

Rudy Van Gelder オリジナル盤の考察完結

Coltrane1impulse Rudy Van Gelder 録音のコルトレーンはお宝で、オリジナル盤は殆ど所有している。盤によってエラく音が違い”この盤の音は凄いぜ!”と自慢する盤もあったりしていたが、なぜかな?くらいにしか思っていなかった。先ずは画像の2枚について考察する。
1961年 米大統領ジョン・F・ケネディ就任
John Coltrane - Africa/Brass  (Impulse! A 6) Orange Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, May 23, 1961
John Coltrane - Coltrane "Live" At The Village Vanguard (Impulse! A 10) Orange"Village Vanguard", NYC, November 2, 1961
このアフリカブラスはブルーノートレキシントン盤時代に比べてjazzエネルギーが薄い。続いて、なぜヴィレッジ・ヴァンガードライブは輝かないのだ、と思っていた。ここで注目がレコードnoと録音年代、a6とa10で1961年録音となる。

Coltrane2 ”この盤の音は凄いぜ!”がこちらの3枚になる。
1964年 東京オリンピック
John Coltrane - Crescent(Impulse! A 66) Orange Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, April 27, 1964
John Coltrane - A Love Supreme(Impulse! A 77) Orange Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, December 9, 1964
1965年 ベンチャーズ来日
John Coltrane - Kulu Se Mama(Impulse! A 9106) Orange Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, June 10, 1965
コルトレーンでは何と言ってもa77の至上の愛でこれを基準に全てを考え、ブーンのハムも我慢して凄い音と演奏に浸る。a66のクレッセントは一連のバラッド集の中では圧倒的な音の良さを誇る。a9106のクルセママは以降に訪れるフリーの嵐の前兆で、凄い演奏と音にたまげる。ここで注目がレコードnoと録音年代、a66とa77とa9106で1964年と1965年の年録音となる。

ImpulseRudy Van Gelder は1959年にイングルウッド・クリフスへ天井の高い立派な録音スタジオを建設して、そのスタジオの使いこなし、機能するのに時間が掛かったのか?初期と後期では随分と音が違う。前エントリーのa30とかa32は1962年の録音で、進化の途中の音でかなり良くなっている。1964年頃から何かが違い、やたらとjazzエネルギーに満ち始めた。そこでコルトレーンは全て揃って正体はバレているため、試しに他のミュージシャンのレコードを入手してみる。
Sonny Rollins Quartet Impulse! A-91 Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, July 8, 1965
McCoy Tyner Quintet Impulse! A-79 Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, December 8, 1964
読みは的中して2枚とも凄い音とjazzエネルギーに満ちている。a79は1964年の録音、a91は1965年の録音、更に注目すべきはa79で至上の愛を録音する2日前に、マッコイ・タイナーがチョイ稼ぎに録音した?のかエルビンはコルトレーンの時ほどムキにはならないし、ヴァン・ゲルダーも気楽にマッコイのピアノにマイクを突っ込んだのか、やり過ぎ録音にたまげる。ブルーノートレキシントン盤の大砲みたいな音に匹敵が、1964年から1966年ヴァン・ゲルダーがインパルスを去るまでの録音にあり、大砲ではないがレンジが広がり新いjazzエネルギーに満ちている。その後のRudy Van Gelder の録音は追いかけもしないが、ag440とampexもトランジスタアンプ化してノイマンのsx64とトランジスタカッティングマシンとjazzエネルギーが失せた時代へ突入していく。更にしつっこくおまけ、インパルスのオレンジ盤でVan Gelderの刻印+イングルウッド・クリフスのVan Gelderスタジオ録音で選択すべし。

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2016年4月15日 (金)

Rudy Van Gelder オリジナル盤の考察

Blp1967年、コルトレーンの亡くなった年からjazzに転向してレコードの購入を始めた。インパルスとヴァーブはシール付きで売られており当時はレコードの盤による音質差など疑う余地もなく、ただ気泡でプツプツする問題や、やたらと歪んだ音にアメリカ製のいい加減さを呪ったものだった。Rudy Van Gelder の尖端恐怖症サウンドの追求を始めてから様々なコトが明快になった。なんだい今頃かよ!と言われてしまうが、あんぷおやじ流儀の1人プロジェクトxはやたらと時間が掛かるのだけは致し方ない。12インチと10インチでは防振構造の観点から音圧を受ける面は小さい方が良い、と思い試しにblp5034ホレス・シルバートリオのレキシントン盤を手に入れた。勿論安くはない。アート・ブレイキーのシンバルが竹やぶのようにサワサワと全編に渡り入って、青ざめる。同じ盤の12インチblp1520をかけると、ちゃんと金物シンバルになりまたエネルギーも桁違いで、10インチの音はなぜ情けないのだろうか?
BLP 5034   Horace Silver Trio, Vol. 2/Art Blakey-Sabu - Spotlight On DrumsHorace Silver (piano -2,3,5/8) Percy Heath (bass -2,3,5/8) Art Blakey (drums) "Sabu" Martinez (bongos, congas )WOR Studios, NYC, November 23, 1953
BLP 1520   Horace Silver Trio And Art Blakey-SabuHorace Silver (piano) Gene Ramey (bass) Art Blakey (drums)WOR Studios, NYC, November 23, 1953 
しまった!10インチ盤にはRudy Van Gelderの刻印が無い。

Van続いては正真正銘Rudy Van Gelder録音のコルトレーンで、有名なバラッドの登場。Van Gelder刻印付きでmono盤は何万円もするものがあり困ったモノだ。画像は共にmono盤で左がVan Gelder刻印付きオリジナル盤、右はbellsound盤。昔はオレンジレーベルならオリジナル盤と決め付けて失敗した。bellsound盤は歪っぽくて聴いていられず、無駄な投資をしてしまった。
John Coltrane Quartet Impulse! A-32John Coltrane (soprano,tenor sax) McCoy Tyner (piano) Jimmy Garrison (bass) Elvin Jones (drums)Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, November 13, 1962

Bellこちらはエリントン&コルトレーンの名盤で揃い踏み、左からVan Gelder刻印付きオリジナルmono盤、Van Gelder刻印付きオリジナルstereo盤、bellsoundstereo盤になる。bellsound盤はバラッドのような歪みこそないがjazzエネルギーが失せてしまい、別物のような感じすらする。monoとstereoは議論の分かれるところではあるが、ampex351のステレオの時代でトラックダウンでモノにしているからステレオで聴くのが筋と思う。第一Rudy Van Gelder の尖端恐怖症サウンドのステレオ録音は、圧倒的な空間の広がりで迫る。
Duke Ellington Trio And John Coltrane Trio Impulse! A-30John Coltrane (soprano,tenor sax) Duke Ellington (piano) Aaron Bell (bass) Jimmy Garrison (bass) Sam Woodyard (drums) Elvin Jones (drums)Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, September 26, 1962

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2016年4月13日 (水)

altec515bとjbl4550bkシステムの誘惑

515b金属素材はトーンコントロールの機能であるから実に便利で、プリアンプなんぞに付ける必要もない。銀線やプラチナは音を硬く締めてぼやけを消し去り、銅や金は音をふやかし低音はボワボワと被る。だからcelloパフォーマンスの時代はΦ5mmの99.999%純銀線で、altec515bとjbl4550bkのシステムは上手く鳴っていた。所がそのシステムはjazzに不向きで、純銅や純金を一義としたから、さあ大変!低音はボワボワと被り筋金入りのオーディオマニアには”なんだい、この低音は!”と言われるに決まっているから、現在は筋金入りをお断りしている?

Parax問題はaltecやjblの一連のショートホーンで100hzから200hz辺りが数db持ち上がる。amp工房はもっと酷くて10db近くが持ち上がりこれが大いなる悩みの種なのだ。ならば正式なロングホーンといきたいが、犬の遠吠え的危険やjazzのエネルギー消滅の危険でこのショートホーンと決めている。

Se401xそこでjblはパラゴンの専用アンプにt型のノッチフィルターを組み込み込んでいる。画像のように抵抗2本とコンデンサ2本で構成してイコライザと称して100hzから200hzを急峻に落とし込んでいる。現代回路技術からすれば半導体インダクタのlcrグラフィックイコライザを作ればqが大きくとれて特定周波数を狙い撃ちできる。

4550bkx 常連のy本さんが”出るものを落とすのは良くない”ぽつりとつぶやき、そうだ出物腫れ物所きらわずでボンボン出したろ。このボンボン出して防振対策で低音の問題点を解決しないと従来の手法と同じで、新しいエネルギーは出せない。久しぶりにamp工房の見せられたもんじゃあない特性を引っ張り出して眺めつつ、フィルターの誘惑を振り切った。

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2016年4月11日 (月)

振動力学 denon dp-80スーパーターンテーブル設計編5

1余り好きではないがユニークな技術で注目していたシャープが、遂に陥落した。昔が必ずしも良かったとは言わないが、日本の製造業崩壊は体を張った団塊の企業戦士達が居なくなったのも要因の一つと思う。我等団塊生き残りのエンジニアは生涯現役で、テクノロジーに体を張り続けようとシャープ事件で意を決する。さてこちらは結構好きなdenon社(お仕事も頂いていた)のdp-80再生機構の話で、いよいよ速度センサー(以降磁気エンコーダor pgと記す)が佳境に入る。画像はそのテスト風景で左から、dp-80付属磁気エンコーダ(pg)基板、amp工房sh7145cpuボード、解体したdp-80となり、dp-80を手でぶん回して速度信号を調べる。

2プラッターの内側にコーティングされた磁気信号を磁気ヘッドで読み取り、付属のpg基板で交流増幅してトランジスタでデジタル信号に変換している。このpg基板を解析してみるが特段問題もなく、基板が完動品ならばそのまま使えば良いし、仮に壊れていても単なるアンプ基板だから簡単に修理できる。
21この回路図は昔dp-80の中古品をオーディオショップから購入したら、いきなりブン回りやっきりしてオーディオショップに”こちらはターンテーブルの専門家だから自分で修理できる、図面を送って欲しい!”と頂いた回路図で、3相交流モータ駆動部がpwmの単相駆動にたまげた経緯がある。赤丸印から磁気エンコーダのa相とb相の信号を引きずり出す。後日談があり、単に磁気ヘッドの位置が不具合で速度帰還が掛からず暴走していた。pg基板の電源はdc5vの単一電源で、opamp回路をいじるより音には重要だから、3端子レギュレータを外し、外部でmj15024トランジスタで安定化電源を作り供給する。更にこの基板にはストロボ用ネオン管点灯回路(100v)もあるが、高圧で危険なので使わないようにする。高輝度発光ダイオードで作れば良いが、自分自身の精度で発光させて自分自身で測定しているのだから世話はないね。
3磁気センサーの生信号が青色で20mvp-p、交流増幅器で増幅されてリミッターが掛かった信号が黄色で500mvp-pとなる。ここに拘るならばmmカートリッジ並みのゲインを持つアンプを、opamp若しくはトランジスタの差動アンプで自作すればよろしい。スイッチングトランジスタは我等日立族がいやと言うほど使った2sc458で、何とも懐かしい。
4_2 こちらが2sc458のコレクタで磁気エンコーダの出力となり、これをshcpuボードのa,b相エンコーダ入力へ入れてやる。通常の磁気エンコーダの90度位相差信号と似たような性能でロボットに使えるのではないか?と思うが停止時に磁気ヒステリシスで盛大に暴れてしまい、停止にも係わらず動いている状態でロボットには使えない。
5_2いっとう問題の磁気エンコーダが前エントリーで示したように滑らかに時間変化がするかだが、完璧とは言えない。回転の円芯度にも精度の悪さがあって若干バラツキが見られる。ターンテーブル制御の肝はこの時間バラツキをmaフィルターかEulerフィルターで処理する所にある。ここが工作機械並みの精度であればフィルターの次数が低くでき、サーボゲインが上がる。まあこの程度の精度であればワウフラ±0.05%程度は出せてemt927並みになるから問題ない。これで速度帰還部分の検証は終わりプログラミングが可能になった。40mhzの25nsec,cpuクロックではカウント数値が大きくなりすぎて無意味、仮に4倍の100nsecとした場合33rpmでは18,000パルスとなり量子化精度は0.01%程度で、ここからしてもワウフラ0.01%を出そうとしても無理、デジタルサーボでこの値なのだからアナログサーボではもっと無理々となって、デジタルも悪くない。

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2016年4月 9日 (土)

振動力学 レコード弁別能力編1

Libon良い音を作る手法に2通りが考えられる。第1は本人の耳が高性能である、若しくは仲間の耳が高性能な場合でその耳でシステム構築をする方法、第2はあんぷおやじ流儀で駄耳だがシステムを高感度にして簡単に音の良し悪しを弁別する方法。駄耳は所詮たいしたことはないから議論にも乗らないが、問題は耳の良い御仁で神経質なほど細かい判別はつくが大きな判別に誤りがある場合にはしくじる。celloパフォーマンス時代がその典型で、割り箸シンバルにプラスティックサックスの鼻ラッパにプラスティックのペンペンベースで、jazzは完全に不向きだった。さて本命のブルーノートレキシントン盤の再評価を行った。1952年頃まではworスタジオ録音が殆どで、ハッケンサックのヴァン・ゲルダースタジオ録音ではない。ここが問題でworスタジオの場合はrca77マイクとかwe1142マイクにaltecマイクと想定でき、リボンタイプになっている。

U47mic 史実によるとヴァン・ゲルダーはいち早くノイマンのコンデンサマイクを使い始め、worスタジオの連中にも教えていたらしい?worスタジオはヴァン・ゲルダーの録音技術にはとても敵わないとブルーノートから手を引いたようだ。1949年からノイマン社はアメリカでコンデンサマイクの販売を始めて、丁度ampex200そして主流になるampex300の開発時期に符合する。このマイクの違いがブルーノートレキシントン盤の評価に大きく立ちはだかっていた問題に思える。

Rexここに2枚のレキシントン盤がある。左はBLP 1520   Horace Silver Trio And Art Blakey-SabuHorace Silver(piano) Gene Ramey (bass) Art Blakey (drums)WOR Studios, NYC, October 9, 1952 
worスタジオ録音で、クレジットにはヴァン・ゲルダーがリマスターとなっている。右はBLP 1539   Horace Silver - 6 Pieces Of SilverDonald Byrd (trumpet -1,2,4/6) Hank Mobley (tenor sax -1,2,4/6)Horace Silver (piano)Doug Watkins (bass) Louis Hayes (drums)Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, November 10, 1956 ハッケンサックのヴァン・ゲルダースタジオ録音になる。blp1520のエネルギーは最強でblp1539を圧倒する、ならばworスタジオの勝利かと思うがこれはリボンマイクとコンデンサマイクの違いと捕らえるべき。但しwor録音はレンジが狭く歪っぽくてピアノの音色に奇妙も感ずるから、簡単にはworの方が良いとは言えないがjazzエネルギーは凄まじい。

Rex3更にBLP 1518   Horace Silver And The Jazz MessengersKenny Dorham (trumpet) Hank Mobley (tenor sax) Horace Silver (piano) Doug Watkins (bass) Art Blakey (drums)Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, November 13, 1954 はハッケンサックのヴァン・ゲルダースタジオ録音で、同じハッケンサックのblp1539よりエネルギーは凄い。ここまでくると想像でしかないが、この時代頃まではコンデンサマイクとリボンマイクを併用していたのではないだろうか?blp1539時代は完全にコンデンサマイクになりレンジは広がったが分厚さは減少した、と考えるべきだろう。

Rex4 おまけだがBLP 1507   The Jazz Messengers At The Cafe Bohemia, Vol. 1Kenny Dorham (trumpet) Hank Mobley (tenor sax) Horace Silver (piano) Doug Watkins (bass) Art Blakey (drums)"Cafe Bohemia", NYC, 1st set, November 23, 1955 はヴァン・ゲルダーのライブ録音で、ケニー・ダーハムのトランペットの突き抜け具合はレキシントン盤の中で最強で凄いのだが、カフェ・ボフェミアのハウスピアノがスタインウエイじゃあないのか?名手ホレス・シルバーが弾いてもベコベコピアノで音が悪い。ライブ録音にはこうゆう状況もあるからそれを承知で入手され、音の良し悪しは2の次としよう。レキシントン盤尖端恐怖症サウンドのうるささに出会ったらシメタ!と思わなければいけない。やがてこのうるささが防振対策により音楽エネルギーに変換されて分厚さを増す。

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2016年4月 7日 (木)

振動力学 スーパーターンテーブルアーム錘編

0謎めいて
見えない宇宙の果てまで行って謎を確かめて安堵すると、その先にまた宇宙が広がり更に謎は深まる。オーディオも同じで音が進化すると更に倍返しで謎は深まり、謎解きに寝食忘れる。誰も気が付いていないが、なぜ音が良いかの謎は余りにも身近にあるものだから宇宙の探索ほど重要視してい。しかしこの謎は宇宙に匹敵するほど難解で、永久に解けそうにもない。ただ宇宙の謎解き300億円に比して、音の謎解きはたったの3万円のアーム改造費で見ることが出来る、音の宇宙なのだ。

1 ビル・エヴァンスのヴィレッジ・ヴァンガードライブは地下鉄の音が聴こえる聴こえないで一喜一憂しているが、別に地下鉄の音が聴こえたからといってエヴァンスのピアノが輝くこととは関係ない。エヴァンスのピアノを輝かせるのはsme3012アームの改造で、日々輝きが増している。黄色丸印右の2個は金線接続部の水晶粒防振構造で、今回は左の錘について改造する。

2物体の抽象化論
あんぷおやじ流儀は具体的な名前を消し去り得体の知れない物体の再構築で抽象化を一義としている。smeアームの取り付け部水晶粒防振構造は、アーム回転ベアリングも水晶粒で埋めてしまってカタチは定まらず、気分により変化する抽象化構造となっている。赤丸印3個はアームパイプへ水晶粒を充填したりemtのtsd15カーとリッジに水晶粒を充填して重くなり、継ぎ足し々したため実に不細工で振動減衰も一体感がなくて怪しげである。

3 そこで、錘自体を水晶粒にしたらどうだろうか?突然電灯が点くが如く閃いた。サボテン工房でサボテン種子管理用に使用している透明プラスティック容器を分捕ってきて使った。smeアーム錘部分はΦ9.6mmでここに勘合するよう木のパイプを作り、プラスティック容器の側面にネジ止めして、容器の上部は水晶粒充填用の窓を開ける。画像のように容器が大きすぎで水晶粒を充填しても満杯にならず防振効果は薄い。先ずはこの状態で音だししてみると、ヴァン・ゲルダー録音ではないビル・エバンスのピアノがはじけて、やっぱりそうかリリシズムなんかじゃあなくて自己との戦いが出てきた。

4 さじ加減
さじ加減とはいい加減とも相通ずるところがあり、ガリレオの湯川先生の忌み嫌う非論理的思考に他ならない。あんぷおやじも運動力学が専門で非論理的は忌み嫌うが、論理的で解決しない場合には非論理的を持ち出すしかない。こんどは容器が小さすぎでアーム後方に水晶粒容器をずらしアーム露出部が長く出てしまい、さじ加減に限界があり湯川先生のように床に計算式を書くしかない。音は上画像の長い容器と殆ど変わらず被害はないが精神衛生上良くないので、機会を改めて銅の薄パイプで作り直す。針圧調整は特許モンで容器上部に開けられた窓から薬品調合用の子さじで水晶粒を出したり入れたりする。
これが本当のさじ加減...

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2016年4月 5日 (火)

Rudy Van Gelder の尖端恐怖症サウンド

Vanニュージャージーmit本社の社長はあんぷおやじになぜか?親切にしてくれて、感謝でありました。海外初めてのゴルフは社長のご招待で、日本のコースよりは随分楽に感じた。逗留先のニュージャージーのホテルから夜はニューヨーク観光に出かけていた。よって未だにニュージャージーは好印象を持ち続けている。そのニュージャージーに初期ハッケンサックと後期イングルウッド・クリフスにルディ・ヴァン・ゲルダー氏はスタジオを持ち、尖端恐怖症サウンドを作り続けた。ルディ・ヴァン・ゲルダー氏には聞きたい事が山ほどあり、夢だがニュージャージーのイングルウッド・クリフスを訪れたいと漠然と思っていた。しかしこの1枚の写真から尖端恐怖症サウンドを紐解くも、想像逞しくして良いのかも知れない。

Ampex300taperecorderx先ずはampexの300テープレコーダが2台あり、これが全ての原点で、洗濯機に使うような無骨で大型のヒステリシスシンクロナスモータ駆動、録音再生は勿論真空管アンプ、直ぐに磁気コーティングが剥がれてしまうような短命で危険極まりないスコッチの録音テープ、これがブルーノートレキシントン盤のエネルギーを作り出した。ampex200は30インチの高速だったが、ampex300になって15インチと7.5インチになり、コレトレーンのテープを見ると7.5インチで、え!19cmでは我々の録音速度と変わらないじゃん、とjazzエネルギーはテープを高速で回すモノでもないことを知った。
6045
ルディ・ヴァン・ゲルダー氏の頭上のモニタースピーカを見て欲しい。ほーら、altecの604コーナータイプを逆さまに取り付けているではありませんか!だから言ったでしょ菅原さん、Rudy Van Gelder jazzはaltecだって。ここまでくるとかなりの合点がいき、604でモニターしながら音作りをしているから低音が出ず、ついベースマイクのフェーダーを上げたに違いない。altec 604 type bass reflex corner enclosure は、38cmの604を入れる箱にしては小さすぎバスレフにしている所も問題で、しかし時代はこれで良かったのかも知れない、いやきっと良かったのだ!
127amp 我田引水は否めないが、トム・コランジェロのviolaのブラボーと戦うには駆動力やキメ細かさを諦めて(勝てっこない)色艶と張りに賭けて真空管アンプになるのだ。そこで登場がルディ・ヴァン・ゲルダースタジオのモニターアンプでaltec127(6l6pp)となり、この骨董真空管アンプが今でも高額で取引されている。ampex300、スコッチテープ?altec127アンプ、altec604、これがRudy Van Gelder の尖端恐怖症サウンドの謎解きで、わざわざニュージャージーまで行く必要は無いと決めた。amp工房jazzサウンドはRudy Van Gelderが尖端恐怖症サウンドを与えてくれたコトに感謝しつつ、今後も進化を続けRudy Van Gelder館とならん。肝心要の録音マイクについては研究が進んでいないので、いずれまた稿を改める。
Osc おまけになるが、バッチボードの上のラック最上部にはオーディオオシレータが見えて、ルディ・ヴァン・ゲルダー氏も各種周波数を出力してテストしていたのだ。このオシレータはヒューレット・パッカードのmodel200-bでオーディオ帯域は完全にカバーしている。
Hpこのプレートに呪術的なpalo altoの名前が出てくる。我等半導体エンジニアのメッカであるシリコンバレーの総本山で、この地にノーベル賞物理学者ウイリアム・ショックレーが居座ってから現代テクノロジーが始ったのだった...

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2016年4月 3日 (日)

ビル・エヴァンスの大いなる不幸

Vang2ビル・エヴァンスの大いなる不幸とは、生涯クスリから抜け出せなかったことや1980年に50歳と早くして亡くなったことではなく、ルディ・ヴァン・ゲルダーとの邂逅が余りにも少ないことなのだ。画像はイングルウッド・クリフスのルディ・ヴァン・ゲルダースタジオでの貴重なA Simple Matter Of Convictionの録音風景、マイクの本数が少なく、シェリーマンのドラムセットに遮音の衝立が無く、天井が高く、これらがRudy Van Gelder の尖端恐怖症サウンドを生み出した要因なのだろう。

ビル・エヴァンス全作品のルディ・ヴァン・ゲルダー録音は以下の通りだが、リーダーアルバムは2枚しかない。
The Prestige All Stars - Roots  (New Jazz NJLP 8202)
Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, December 6, 1957
Sahib Shihab - Jazz Sahib  (Savoy MG 12124)
Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, November 7, 1957
Kai Winding/J.J. Johnson - The Great Kai And J.J.  (Impulse! A-1)
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, October 3, 1960
Oliver Nelson - The Blues And The Abstract Truth  (Impulse! A-5)
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, February 23, 1961
Bill Evans - A Simple Matter Of Conviction  (Verve V/V6 8675)
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, October 4, 1966
Bill Evans/Jim Hall - Intermodulation  (Verve V/V6 8655)
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, May 10, 1966

Bill1ビル・エヴァンスは半世紀近くも聴き続けているが、不幸に気が付いたのは極最近のことで、例えば画像の3枚Bill Evans - A Simple Matter Of Conviction  (Verve V/V6 8675)とBill Evans At Town Hall, Vol. 1  (Verve V/V6 8683)とBill Evans - Trio '64で、At Town Hallは音の良い盤と評価があり入手したがTrio '64と合わせて音は良くない。この中でA Simple Matter Of Conviction の録音は凄いはずだったが、ヴァーブ盤の作りからくる音の劣化で Rudy Van Gelder の尖端恐怖症サウンドは薄い。

Bill2 いっとう問題はエヴァンスフリークのお宝Bill Evans - Waltz For Debby  (Riverside RLP 399)の音がイマイチで、画像の左のA Simple Matter Of Convictionに敵わない。これを不幸と呼ばずして何と呼ぼう!昔 Waltz For Debby の音が悪いと言った御仁がおられ”何言ってんだい!”と開き直ったが、今となればそれも合点がいく。要するに音質の問題ではなくjazzのエネルギーに乏しい、と御仁は言ったのだと理解した。

BillA Simple Matter Of Convictionを教えてくれたのがjazzミュージシャンの駿河屋さんで、演奏はすごいぜ!だったが、最近は録音も凄いぜ!の片鱗が出てきて、ビルエヴァンスフリークのたった1枚の正真正銘イングルウッド・クリフスでヴァン・ゲルダーの手によるお宝録音となった。これがヴァーブでなくてimpulseだったらなー!と重ねて不幸を思う。

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2016年4月 1日 (金)

振動力学 denon dp-80スーパーターンテーブル設計編4

1位置と速度センサーの付き合いは長く、そして何時も思うようにならない曲者に苦労する。ストロボの縞々があまり美しいものだから、ついここから反射型センサーを使い速度信号を取ろうとしてしまった。画像左からシャープ反射型センサー(光変調付き)、コーデンシ反射型センサー2種(フォトダイオード&フォトトランジスタ)、アジレント反射型センサー(旧hp)の4種類を用意した。

2テストしたのは左2種のセンサーで、先ずはシャープ反射型センサーを動作させてみる。オシロスコープの波形のようにストロボの縞々文様を綺麗に1と0のデータに変換できて使えそう?となった。nc制御の場合はこのパルス数をカウントして位置速度信号にするからこの程度の信号が出てくれれば問題なく使える。所がターンテーブル制御はこのパルス幅を時間計測するために、パルス幅の精度が極めて重要となる。パルス幅精度でシャープ反射型センサーを評価すると、イマイチ精度が良くない。

3そこでコーデンシ反射型センサー(フォトダイオード&フォトトランジスタ)に付け替えてみた。シャープと違い反射量をモロにアナログデータとして出力するため付属に光変調とフォトアンプにコンパレータを追加しなくてはならず面倒だ。回転させながらアナログ波形を観察すると、かなり光量にバラツキがあり高精度は望めそうにもない。

4 そこでオシロスコープを長時間サンプリングにし光量を調べてみた。このうねったアナログ波形から読み取れるコトは、反射型センサーと縞々文様のギャップにうねりがあり、プラッター面に上下の編芯がある。アルミダイキャストで作られた薄物でΦ300mmもの円盤を、ヒキモノ(旋盤加工)にかけると中々精度は出難い。更にセンタースピンドルのテ-パにプラッターを勘合させる方式も、精度を悪化させる要因となる。金田式sp10に見られるこの光量補償帰還回路はこの編芯対策の苦労の表れと言えるが、高精度を狙うならば反射型センサーは断念するしかない。

5その判断をするためにシャープ反射型センサーに戻し、手でプラッターを50rpmくらいに回し、摩擦力で回転数が減少していく状況を作り、パルスの立下りエッジでオシロスコープに同期を掛け、次の立ち上がり波形(黄色丸印)がスムーズに後方へ動く(パルス間隔が延びる)かで決める。マランツとdenonでターンテーブルの開発を行ったが、いずれも円盤のスリットを透過型センサーで読み取る方式で、この精度はまあまあで使いものになった。それに比して反射型センサーは時々パルス幅が乱れ、これは使いものにならない。とゆう訳で反射型センサーの採用は断念した。

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