振動力学 スーパーターンテーブルで解決できるか?
cdでレコードの音が出せるはず?と20年間daコンバータを作り続けたが、根本的に無理と分かりdaコンバータの製作は卒業した。cdやdaコンバータの問題ではなくリマスターにおける問題でcdは悪くない、と結論付けた。しかしレコードがcdにどうしても太刀打ちできない問題に、絶対的安定性がある。
特にルビジュウムクロックなどの原子時計を使いダブル打ちした時間軸の安定性は、正確無比な指揮者エルネスト・アンセルメが2人もいるようにさえ思える。だからピッチを気にするミュージシャンなどはレコードでなくてcdになるのも分かるような気がする。あんぷおやじ流儀は”jazzオーディオはピッチよりもエネルギーだ!”と自分に言い聞かせて進んできた。
しからばレコードの不安定性とは何か?これは要素が多すぎて一概には言えないが、カッティングマシンの安定性は?レコードの加工精度は?これについては今更どうしようもなく不安定さが残ってしまう。我々の努力でどうしようもある不安定性に、ターンテーブルにおけるワウフラ問題がある。dd方式のターンテーブルが出てから水晶でpllロックが掛かるから正確無比なはず、となった。昔使っていたdenonのdp-100の性能は、ワウ・フラッター0.003%wrms回転系、0.02%wrms JIS測定法と極めてよいが、1000個の磁気パルスと印刷精度ではこれだけの分解能は取れないと思うが。
たいていのターンテーブルのワウフラ実測データはカタログ値より悪く、何を信用してよいか分からなくなる。dp-80スーパーターンテーブルの開発では量子化分解能が0.01%しか取れず、工作機械並みの高精度には出来ないから果たして不安定性は解決できるのだろうか?
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