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2016年4月 3日 (日)

ビル・エヴァンスの大いなる不幸

Vang2ビル・エヴァンスの大いなる不幸とは、生涯クスリから抜け出せなかったことや1980年に50歳と早くして亡くなったことではなく、ルディ・ヴァン・ゲルダーとの邂逅が余りにも少ないことなのだ。画像はイングルウッド・クリフスのルディ・ヴァン・ゲルダースタジオでの貴重なA Simple Matter Of Convictionの録音風景、マイクの本数が少なく、シェリーマンのドラムセットに遮音の衝立が無く、天井が高く、これらがRudy Van Gelder の尖端恐怖症サウンドを生み出した要因なのだろう。

ビル・エヴァンス全作品のルディ・ヴァン・ゲルダー録音は以下の通りだが、リーダーアルバムは2枚しかない。
The Prestige All Stars - Roots  (New Jazz NJLP 8202)
Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, December 6, 1957
Sahib Shihab - Jazz Sahib  (Savoy MG 12124)
Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, November 7, 1957
Kai Winding/J.J. Johnson - The Great Kai And J.J.  (Impulse! A-1)
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, October 3, 1960
Oliver Nelson - The Blues And The Abstract Truth  (Impulse! A-5)
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, February 23, 1961
Bill Evans - A Simple Matter Of Conviction  (Verve V/V6 8675)
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, October 4, 1966
Bill Evans/Jim Hall - Intermodulation  (Verve V/V6 8655)
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, May 10, 1966

Bill1ビル・エヴァンスは半世紀近くも聴き続けているが、不幸に気が付いたのは極最近のことで、例えば画像の3枚Bill Evans - A Simple Matter Of Conviction  (Verve V/V6 8675)とBill Evans At Town Hall, Vol. 1  (Verve V/V6 8683)とBill Evans - Trio '64で、At Town Hallは音の良い盤と評価があり入手したがTrio '64と合わせて音は良くない。この中でA Simple Matter Of Conviction の録音は凄いはずだったが、ヴァーブ盤の作りからくる音の劣化で Rudy Van Gelder の尖端恐怖症サウンドは薄い。

Bill2 いっとう問題はエヴァンスフリークのお宝Bill Evans - Waltz For Debby  (Riverside RLP 399)の音がイマイチで、画像の左のA Simple Matter Of Convictionに敵わない。これを不幸と呼ばずして何と呼ぼう!昔 Waltz For Debby の音が悪いと言った御仁がおられ”何言ってんだい!”と開き直ったが、今となればそれも合点がいく。要するに音質の問題ではなくjazzのエネルギーに乏しい、と御仁は言ったのだと理解した。

BillA Simple Matter Of Convictionを教えてくれたのがjazzミュージシャンの駿河屋さんで、演奏はすごいぜ!だったが、最近は録音も凄いぜ!の片鱗が出てきて、ビルエヴァンスフリークのたった1枚の正真正銘イングルウッド・クリフスでヴァン・ゲルダーの手によるお宝録音となった。これがヴァーブでなくてimpulseだったらなー!と重ねて不幸を思う。

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