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2016年8月19日 (金)

素材力学 得体を知る編

300b近所の御大尽に修理費を値切られて損をしたが、300bppモノアンプ合計6台の点検修理に要した3年間に300bの音の評価は終わり、結果2a3で行こう!と方針が決まったから、損した分は見事に取り返した。もっとも判断基準はBLP 1507 The Jazz Messengers At The Cafe Bohemia, Vol. 1で、ケニー・ダーハムのトランペットが金色に輝き突き抜けるかどうかで決めているから、ご容赦あれ。さて300bや2a3の音質について調べると、年代や構造の違いで音はああなる、こうなるとなり、なぜ音は良いのか明快に示されず得体は知れない。素材なのか?構造によるものか?はたまた時代のなせる技か?

2sd218得体を知るためには先ずは見る必要がある。昔金田式で2sd218の音が良いとあり、何台かアンプを作ったが別にで使うのを止めた。前衛オーディオで解体した2sd218トランジスタがあったので、ウエハ表面のシリコンを撤去して見た。強いて言うならばコレクタの丸い部分が銅で出来ているから音は良くなる。しかしウエハのサイズはエラク小さく貧弱で頼りない。ボンディングワイヤーは勿論アルミ線でこれが悪い。アルミ電線は特高の送電線の重量対策に使う程度で音には最悪。

2sk175x我等日立組は2sd218などライバルのnec組を基本的に使わない。次に登場が日立の傑作power mosfet 2sk175で目的はモータpwmアンプ用、この辺りからオーディオ用トランジスタが段々怪しくなってくる。ボンディングワイヤーはアルミで業界の常識になってしまったが、オーディオを目指したならば音の良い銅線を使うべきだがmc(工場出荷価格)が100円程度とすれば、それは無理と言うもので結局トランジスタはオーディオに不向きのはずだが?

Mj15024x現在も活躍中で、トム・コランジェロやボンジョルノが使用したモトローラのバイポーラトランジスタmj15024の登場となる。ウエハチップは2sd218の4倍くらいで2sk175とは同程度、このトランジスタを使用したcelloのパフォーマンスは繊細この上ない音を出すが、ケニー・ダーハムのトランペットが金色に輝き突き抜けるコトはない。トランジスタ3態を見たが音の良い要素は余り感じられず、素材力学的にはむしろ悪い印象が残り、アプリケーション技術で音を良くしているのかも知れない。よって半金属のsiトランジスタアンプの方が、オーディオ技術力がモノを言う世界なんだろう。

2a3x素材力学的には圧倒的に真空管が良くrcaの2a3を見ると、ニッケルが主体で作られ銅線リードも使われている。ただし内部抵抗の高い問題によりタイヤのゴムチューブのようなエッジを持った低能率現代スピーカの駆動は出来ず、altecやjblの高能率スピーカに限る。手持ちのrcaの2a3は1952年製が多く、64年も前のデバイスが主役とは、いささか時代は何をしてきたのか?と疑問を禁じえない。能書きを言うあんぷおやじの横で、常連のy本氏が”あ、私の生まれた年だ!”と声を上げる。百聞は一見にしかずで、見たが見えずで得体は限りなく知れない。

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