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2016年9月 6日 (火)

熱力学 真空管とラインアンプ編11

Lamp銀(ag)     420 
銅(cu)     398 
金(au)     320 
アルミ(al)     236 
真鍮(cu+zn)106 
ニッケル(ni)    91 
鉄(fe)       84 
水晶(sio2)     8 
空気        0.02
熱伝導率の良い素材の順番になるが、アンプの放熱器に使うならば2番手の銅が一番適しており、多く使われているアルミやジュラルミンは振動力学の点で使わない。アルミは設計構造によって結構強度が増し軽量で便利な素材には違いなく、ロボットでは殆どアルミが使われているが、オーディオには不向きな素材と思える。だが、何時しか主流となってしまった。画像は1996年にジュラルミンを削り出し加工したラインアンプの筐体で、20年の歳月を経て水晶粒防振構造をあみ出してからようやく生きた。

Airxラインアンプで一番温度上昇が気になる、レイセオンの6sn7gt銅防振管の表面温度を測定する。現状の動作点でプレート損失が2ユニットで3w、それにヒータ電力が4w、都合7wの熱エネルギーが発生する。先ずは空気にさらした状態でエージングして温度上昇の測定を行うと、飽和した状態で56.7度となる。勿論外温の影響もあり、31.5度を示していた。空気の熱伝導率は0.02。

Sio2続いて水晶粒を充填して同様の条件で温度を測ると、なんと44.7度しか上昇しない。空気の場合、冷却ファンを付けると熱伝導は大幅に改善されるが、まさか水晶漬けにすることで熱伝導が改善されとは、驚きで新発見なのだ。こんなコトは基本中の基本だが、イメージで捉えると水晶は石だからそれで覆えば温度は上昇すると感じてしまう。水晶の熱伝導率は8でこれが効いたのだ。であるから冷却ファンを使わない場合の冷却能力は水晶の勝ちとなる。資金が潤沢なロボット会社時代は一流の測定器を揃えて科学的に分析していたが、無い々尽くしでも知恵はあるから様々な科学的実験は可能で、要は”如何にやる気を持てるか!”で人生の面白さは変わる。

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