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2016年10月28日 (金)

カニンガム(cunningham)のcx 350を修理する

1本業のチームの中に機械加工屋さんがいる。日立精機のマシニングセンターの偏差値が大きくて、エラーで動かないとsosが入る。既に日立精機は会社が無く森精機が引き継いでいるが、nc制御装置となるとメンテナンスできない、そこであんぷおやじの登場となり何とかしている。日立時代は現場で解決出来ない難事件には時々出張っていたから、修理の勘はエラク発達した。その勘所が今になって役に立ち、いやな仕事でも一生懸命やっておくものだ。さて今回入手した50属のカニンガムcx 350の1本が不良で青ざめる。オリジナルux250は1928年の製造開始であるから、何と88年前に遡る。

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古典球は先ずヒータの通電電圧を50%、75%、100%として、時間管理でエージングさせる復活プログラムを実行する。ほぼ1日かけて85年の眠りから目を覚まさせるが、これを焦ると目を覚まさないコトもあるから慎重にしよう。大枚はたいて更に復活プログラムに手を掛け、挙句ブーンが出る、ガサゴソとノイズが出る、お宝に見えていたcx350が急にガラクタに見える。しかしこうなりゃあ何時も通りで、虫眼鏡で真空管の構造体を丹念に観察する。内部で断線や接触不良が起きていれば、これはもう往生するしかない。

3観察の結果内部構造体に異常は見られず、振っても妙な音もしない。こうなれば足だ!ハンダ吸い取り器で丹念に85年前のハンダを吸い取る。すると各足のステムからの銅リード線が辛うじて顔を出す。先の尖った細いヤスリで足内部のリード線を磨く、磨く。ついでに足そのものも磨く。十分に磨き終わったら再びハンダでしっかり付ける。真空管は内部と外部に分けられ、内部のトラブルは初期段階でフルイにかけられるから、経年劣化による外部の足のトラブルが相当数あるものと予想される。おまけだが管の頭部にgm値が書いてあるが、この球は記入が無く前のオーナーも不良と諦めていた節があり、不良も正常も混ぜて出てくるから警戒が必要。

4本当はステムからの銅リード線をむき出しにしてベースは撤去したい所だが、時代に敬意を表してそこまでの改造は控えている。ほーらご覧、見事に修理が完了してブーンやガサゴソは皆無となった。この1本をガラクタにするかスターにするかで夢中になって修理を行い、オールナイトになり流石にこの時間には大音量は出せないので音質チェックは日が昇ってから...古典球でノイズが出る、このようなトラブル時は諦めず足元を見よう、案外解決するかも知れない。

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