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2016年12月31日 (土)

素材力学 鉄と戦う!5

Rafa同じく火災の間にある”カールの戴冠”に移る。パトロンのローマ教皇ユリウス2世のお陰で仕事は潤沢にあり、大きな工房も構えた。順風満帆だったはずだが1520年37歳の若さで亡くなり、天才とは寿命と芸術性の取引を常に突きつけられている。1960年代の後半、水木しげる先生も工房を構えてゲゲゲの量産を始めるが、ラファエロは500年も前に既に芸術へプロダクション制を導入していた。さてamp研究所の目指すものは、このプロダクション制へのアンチテーゼで1人プロジェクトxを実践する。最大のメリットは作品に満遍なく血が通い密度が高い、他人が入るとどうしても密度は下がる。ここが現代マスプロダクションの踏み込めない領域となる。

Ori古典管出力アンプの出力トランス(opt)の実験を重ねている。ノグチの普及品オリエントopt、同じくノグチのファインメットopt、しんがりはプライトランのトロイダルopt、これを水晶粒防振構造若しくは非防振構造でテストする。直ぐに答えは出るが、プレートチョークのように品種によるいやらしさが出ず、お代を含めたそれぞれの事情通りに鳴ってくれる。例えばカニンガムcx350の場合、3.7kΩ負荷時1次側には55maも流している。2次側には3wも出れば600maも流れるから、巻き線の銅には十分な電流が流れ、鉄のいやらしさが減少しているように思う。画像のノグチの普及品オリエントoptを完全解体して水晶粒防振構造にすると、途端に繊細で優雅な音になるから不思議だな。このトランスはパーカショニストnakaさんの2a3パワーアンプに搭載した。

Met続いてノグチのファインメットoptをテストする。このトランスは某アンプ作家が絶賛していたファインメットトランスで、日立とその褒め言葉に後押しされて導入を決めた。ファインメットやアモルファスは評価が分かれ、音が痩せるとか低音が出ないなどあるが、正にその通りで焦る。しかしそれはそのように表面ヅラはしているが実はレンジが広く100hz~200hzの低音域が聴感上フラットですっきりしているからそう感じていたのだろう。それが証拠にピアノの左手は沈み込みジルジャンは伸びやかで良い。しかし音にいっとう嫌いなヒリツキ感があって暗雲漂い、どうしたものかと思案する。

Priそこでamp工房のリファレンストランスであるプライトロンのトロイダルの登場になる。ハデさはないが音にねばり感としっとり感があり良いと思うが、日本での評価はイマイチ。このトランスで全アンプをまかなえれば問題は無いが、円安で高額となりお足を掛けず良い音を聴きたいamp研究所では少々無理がある。それともう1つ大きな問題がありトロイダルトランスが樹脂で固められ、完全解体できないから水晶粒防振効果が薄い。タムラのトロイダルのようにノミとハンマーを振るえば良いのでしょうが、ダメにしてしまう危険があり断念した。聴き込めば聴き込む程良いトランスだ。

Met2さて、上画像にあるようにノグチのファインメットoptを完全解体した。ファインメットと鉄心を拘っている割には、リード線が日立電線の工業用の音の悪そうなスズメッキ線で、モガミのofc線に交換しトランスのポリウレタン線引き出し部に直接ハンダ付けする。続いて鉄缶に入れて水晶粒細目を充填する。水晶粒防振構造なったファインメットトランスをカニンガムcx345パワーアンプへ組み込む。ほーらヒリツキ感は無くなり素晴らしい、人間ってチットのことはまあいいかとしがちだが、トランスリードを交換しただけで激変する。但し完全解体しないと出来ない技で、更に水晶粒が直接トランスコイルを押さえて防振するからワイドレンジに粘りと陰影が加わり、まあ及第点となる。

Pieta画像撮影:あんぷおやじ
なんせ黒山の人だかりに押しの押されのでストロボを使えない撮影はブレブレで、ようやく2,3枚の写真が使いものになった。彫刻家の安田 侃さんが500年前の彫刻を見て”もうやることが無い!”と言わしめた、ミケランジェロ若干24歳の作品ピエタ像。イタリアルネッサンス期に多くの天才が現れたのではなくて、現代も多くの天才は存在するが、あとは時代の後押しがあったかどうかで、天才を露出させるか埋もれてしまうかする。その時代の後押しは豊な現代社会では中々得られない。我らamp研究所には天才級など1人も居ないが、原資豊でない分、きっと時代の後押しがあって誰にも出来ないjazzオーディオが生まれると信じている。
来年こそは...

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2016年12月29日 (木)

素材力学 古典管フィラメント考3

Rafaラファエロ・サンティ(Raffaello Santi)はシスティーナ礼拝堂の天井にへばり付いて、天地創造の天井画を描いている(1508年~1512年)ミケランジェロを尊敬の眼差しで見つめていた。署名の間の次にボルゴの火災の間へ入る。違う!まったく違う!ラファエロ・サンティの絵ではない。筋肉質はミケランジェロ画風で、おおいにたまげて天才でも他人のマネをするのか?見た瞬間に思った。帰国後調べると、ラファエロ工房の弟子たちが描いたとあり何となく納得はするが、聖母のラファエロとは似ても似つかない。弟子達がミケランジェロフリークの師匠ラファエロを喜ばせようと、あえてミケランジェロ風表現したのか?ラファエロが指示したのか?謎は続く。
Cxカニンガムcx310トリタン管は煌々と火に見えてきて、ボルゴの火災画を思い出した。火となればトランジスタに非ず古典管となり、jazzオーディオの力強い表現になる。その正体はフィラメントから噴出する熱電子なのだ。昔、真空管はヒータで熱が出るから暖かい音がし、トランジスタは石だから冷たい音がする、とまことしやかに伝わってきて、一応専門家っぽく否定的な能書きを垂れたが見た目通りの真実もありで、物事は深くも浅くも考えるべき、だった。

2a3spxそうだ、熱電子だ!
名城大資料から引用「金属を加熱すると,表面から熱電子が出てくる。金属内の自由電子が,金属の表面から外へ飛び出すためには,その表面付近のポテンシャル障壁を超えるだけのエネルギーが必要である。常温の金属内で運動している電子のエネルギーでは不十分であり,電子は外へ飛び出すことができない。しかし,金属の温度を上げると,自由電子の運動エネルギーは増加し,十分高い温度では,相当数の電子が十分な運動エネルギーをもち金属表面から飛び出してくる。その結果,熱電子放出が生ずる。」

350_3酸化皮膜フィラメントはタングステン(抵抗率5.29 × 10-8Ωm)線の上にアルカリ土類金属の酸化物を塗布して出来ている。融点まで温度を上げてしまうと溶けて断線するため、融点より如何に低い温度で多くの熱電子を放出させるかが重要で試行錯誤が続いた。酸化皮膜の生成方法はタングステン線に炭酸バリウムや炭酸ストロンチウムを塩の状態で塗布し、真空管製造工程の中で1000℃に加熱して酸化皮膜を作る。
タングステン(融点3382℃)フィラメント本体
バリウム(融点717℃)酸化皮膜
ストロンチウム(融点771℃)酸化皮膜
トリウム(融点1827℃)トリタンのトリア
タンタル(融点2996℃)初期のフィラメント

310x_2アルカリ土類金属の酸化物であるバリウムやストロンチウムを塗布すれば、共に融点は700℃台で当然熱電子放出温度は下がる。タングステンは1000℃に耐えるのだから楽勝で、そこで信頼性の向上と長寿命化が実現した。とまあここまでは古典管フィラメント考は順調に理詰めを進めたが、ん?待てよ。飛び出している熱電子はバリウムやストロンチウムが出しているのか?タングステンが出しているにのか?はたまた両方か?素材力学上ここの素材は重要で、タングステン線は入手して音を聴くことが出来るが、バリウムやストロンチウムは怪しくなる。偉そうにしていたが、こんな基本中の基本が分からなくては何とも情けない。かくして古典管フィラメント考は暗礁に乗り上げてしまったかにみえたが...

50暮れから正月はほとんど休まない、客先が休みになれば本業から離れて自由に思考できる至福の時、これを寝ているのでは勿体なくてやる。かくして1人プロジェクトxは1人24時間営業の1人3交代となる。酸化皮膜の謎は癪なのでネットの情報をかき集め推論した。
”酸化皮膜が剥離落下したものは救済できない”
”フィラメントの過電圧は酸化皮膜の剥離を進める”
”酸化皮膜が剥離落下したもはプレート電流が流れない”
”タングステン陰極で多数の電子を放出させるためには高温の必要がある。酸化物の付着は仕事関数の低いn型半導体として働き低温で多くの電子を放出する”
”初期酸化バリウム、次がバリウムにストロンチウムの2元酸化物”
Cx310たったこれだけの情報だが答えが見え隠れする。酸化皮膜が剥離落下したものはプレート電流が流れないとあるから、上画像50がもし酸化皮膜が剥離落下しているとすれば、フィラメント7.5v、1.25aの定格では露出したタングステンの温度は低く、熱電子の放出が無くプレート電流は流れない、となる。ここで横道、オークションで酸化皮膜型古典管を入手する場合は、酸化皮膜の落下の有無も重要な手掛かりとなる。高価な古典管の場合はこれを質問するのも必要で、答えられないような出品者は用心した方が良い。

Oxixxxバリウムにストロンチウムの2元酸化物が低温で熱電子を放出させる源でこの音を聴いていることになり、直熱管に拘ってきたがタングステンフィラメントに電流を流し高温にして、表面の酸化皮膜から熱電子を放出させるのでは傍熱管構造と同じよう見えるが、違いは絶縁構造にあるだけか?

Syukix_4しかし放出した熱電子の補充はタングステンが行うとなればタングステンの音でもあるが、その先延々と続く多種な金属の素材力学に支配される。まあ純粋に直熱管と呼べるのは、トリタンやタングステンやタンタルの金属露出フィラメントとゆうことになる。案外保守的で周期表からアルカリ土類金属は眼中になかったが金属元素に分類されおり、トランジスタのシリコンなどの半金属より身分が上で、一応味方としておこう。

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2016年12月27日 (火)

amp研究所2016最終日

Imtt12月25日はamp研究所の研究最終日だが、師走でnakaさんとミルトさんの2名のみ参加で2016年は幕を閉じた。
kuraiman社長氏は接待業の延長でお休み、ヴァイオレンス住職は正に住職飛んで回りお休み、dj tukaさんは休日返上の大忙し。最近は坂道を転がり落ちるか如く勢いで時間が過ぎ、気をつけていないと持ち時間の少なさを忘れてしまう。さて、当然メンバーが少ないから3相誘導電動機ddターンテーブルの実験機を前に、本年度総括の密談を始める。
”水晶防振構造ケーブルもアンプも既に商品レベルだが”
”インパクトある商品なら3相誘導電動機ddターンテーブルだね”
”早いとこ完成させてラスベガスcesへ持っていこう”
”cesで見城先生に英語で論文を発表して頂くのも良いと思います”
”dp80は止めて3相誘導電動機を先にやってよ”
”無理!無理!”
”3相誘導電動機ddターンテーブルビジネスは皆さんに託すよ”
”ようがす!”
450we300bからrca2a3をきっかけに徹底した古典管研究に没頭した。普通ならば何年か掛かる研究を1年で終えたが、古典管に大散財した。研究開発には勝負所があり、それが今!と判断して決着をつけた。最大の成果がamp研究所使用古典管の選定で、rca or カニンガムの245、345、250、350、171、201、301に決まる。
”we幻の252aは45万円+32万円でさ”
”無理!無理!”
”we 300aはペア100万円でさ”
”無理!無理!”
”2a3シングルプレートはペアで10万円以上なのね”
”無理!無理!”
”古典管とは骨董でそうゆう世界な”
”素では252aや300aに勝てないが、水晶で新しい表現を出せる”
Lamp_2カニンガムcx350を使ったラインアンプは凄いの一言だがプレートチョークを使ったせいで、音色が少々気に入らない。全く人生と一緒で何かを得ようとすれば何かを失うトレードオフが、jazzオーディオまで支配している。これは鉄との戦いで古典管研究以上に難儀するが、この未解決事件を解決しないと単にブランドによるトランス音が良いの悪いのになってしまう。まあ画像のような前衛オーディオになったのが自慢と言えば自慢か。
”進化が早すぎるよ!”
”アルミ削り出しkuraimanさんラインアンプ製作が随分昔のような”
”持ち時間が皆さんほど無いから仕方がないね”
”狂気のランアンプにパワーアンプにチャンデバの登場になるのね”
”この手法の最大の成果はフォノイコで現れるよ”
310水晶粒防振構造化は古典管の振動に弱いを見事に克服して、妙なる音を奏でる。古典管の場合トリタンであれば美しく光るさまを自慢げに見せたいし、デフォレストaudion-450ならば珍しいからこれ見よがし。全般的に古典管のナス管は鑑賞に値する美しさを持っているが、銅管に入れて水晶粒を充填し更に鉄缶に入れ、電磁と磁気の徹底したシールド処理で見た目は無骨になり、得体は知れない。
”水晶調達では苦労を掛けます”
”前回の水晶粒発注量は何と500kg!”
”販売店が転売じゃあないかと疑って困ったな”
”次の発注量は単位が変わり1トン~2トンになります”
”無理!無理!”

Milesx便利主義から派生したものは器用なんだけど重みが無い。画家の兄貴から”今時は油絵の具じゃあなくてアクリル絵の具だよ”と言われたが、ダ・ヴィンチもカラヴァッジオも描いた油絵の具しか、この期に及んでからやる気はしない。古典テクノロジーに惹かれる理由は本業がロボット&コンピュータエンジニアで、職業病からくる拒絶反応でmosfetもsicもrisc cpuも見たくない。鉄の謎解きや古典管の研究と平行して次なるamp研究所のテーマは、レコードジャケットの完全なる再現を油絵を通じて目指す。
”あんぷおやじ流儀であれば、完璧に描けるようになる”
”本当!”
”絵画学校ではやらないダ・ヴインチのスフマート技法を使う”
”小学校以来描いたことはないし”
”今更デッサンなんか面倒でやっていられない”
”デッサンはレコードのジャケットに方眼をあてて細密に描き取る”
”面白そう”
”それじゃあハンプトンホーズのワニジャケットが描きたいね”
”ようがす”
Coltrane相変わらずレコードとcdとの比較論争があり、レコードの方が音は良い派が大勢を占めている。これは比較の方法に問題ありで、レコードの音が良いとは限らない。例えばコルトレーン、インパルス盤オリジナルとcdを比較すれば誰でもレコードの方が良いとなる。現代ウイントンマルサリスがレコードとcdを出したとしたとすれば、cdに軍配が上がる。製作過程に問題があり真空管ampexで録音したコルトレーンをopampスチューダーでリマスターすれば、そこで1961年のjazzエネルギーは失われる。
”静岡オ-ディオラボではcdがlpを超えたと言う”
”正解でしょう”
”現代opamp録音ならば性能上cdの勝ち”
”レキシントン盤オリジナルは不戦勝でlpの勝ち”
”何に重きを置くかでlpかcdかを決めるべきでしょうね”

Chikuonミルトさんがわざわざ蓄音機とspレコードを持参して講演会を開いてくれた。希望で美空ひばりとドリスディを聴く。初めてとは嘘になり小学時代はこればっかりで、すぐにゼンマイが途切れ、ウニャ~ンとなる。格別これで感動したことも無いし驚かなかったから音楽にのめり込むのはずーっと後になる。その小学時代の蓄音機とはエライ違いで、コロンビア蓄音機は演奏時間も長いしワウフラも気にしない。
”鉄針だから煩いのかね
”サボテン針の音はまろやかになるよ”
”ウチそのサボテン栽培してまっせ”
”電気を使わなくても煩さいとは知らなかった”
”ホーン鳴きもするから、電気仕掛けと大差ないね”
”コンソール型の高級機なら違うのかも”
”風聞に惑わされず、自分の耳と感性で判断しよう”
現代オーディオの電気仕掛けが悪いみたいな風聞は吹き飛び、機械仕掛けでも音を飛ばせば似たような問題がある、と気がついた。古典管で言えば真空度の低いソフトヴァルブの時代に似ている。古いものが全て良いのではなくて、文明文化の進化曲線は富士山型をしており、必ず頂点を向かえその後降り、その前後に古き良きものが存在する。現代も過去も含めて良いものを選択する心眼は重要で、その心眼を養うために本物に多く触れ日々精進努力しないと益々文化的過酷になる時代に、操られ翻弄され我は失われるからご用心あれ。

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2016年12月25日 (日)

素材力学 古典管フィラメント考2

Atenaiヴァチカン署名の間にある”アテナイの学童”の本画像の著作権は、向かいの椅子によじ登り撮影した我にあり?映画アマルフィにも出演していたユーミン似の女史のサプライズで、ラファエロを見ることができた。画像の登場人物は哲学者ソクラテス、プラトン、アリストテレス、ヘラクレイトス、ディオゲネス、パルメニデス。数学者ユークリット、ピタゴラス、エウクレイデス、他にもまだ居るギリシャの偉人達。

2a3s_2 オークションで入手した古典管の半数近くは問題を抱えており、結果ショップから購入したお代と変わらなくなってしまう。メリットはショップに出ないような珍しい球や急ぎに便利で割り切っているが、何万もする2a3シングルプレートのフィラメントが1ヶ月で切れてしまえば、悪態も付きたくなる。人間が小さい、小さい!ははーその通りで、しかし落ち込んでいる暇は無く古典管フィラメント探求の旅に出る。

2a3大塚久著のクラシック・ヴァルブでも2a3シングルプレートフィラメントの材質についての記述は無かった。そこでネット調査をすると、引っ掛かった情報では「酸化皮膜 :2A3(1枚プレート)、WE211D/E、WE212D/E 」とあり、且つ上画像のように点灯状態が暗いから酸化皮膜型フィラメントに間違いないとした。

2a3heaterxxただ切れました!では余りにも納得できないので丹念に調査した。2a3のガラスを割ってしまえば簡単に分かるが、それはチトできんのでガラス越しに拡大鏡で睨めっこする。ようやく2.5v、2.5aの正体を掴んだ。画像のように10本のフィラメントが並列接続されてno1 Filament unitとno2 Filament unitを構成し、それが直列接続となっている。従って1ユニットは1.25vの2.5aとなる。その1/10が1フィラメントの電流値になるから250ma、電力は1.25v x 0.25a=0.31w、これがフィラメント1本当たりの電力となる。

Filament フィラメント線が0.1mm程度の径とすれば、線径対電流値でも安全設計とは言えず、更にである、10本の並列は製造上の均一性を問われ電流集中の問題もあり、切れ易さは潜在的に持っていたのだろう。画像の2a3シングルプレートはフィラメントがズタズタに切れて(黄色丸印)、しかし全部切れたわけではないので生き残ったフィラメントの抵抗値の低い順番に電流集中が起き、やがて全部切れる。これらの推論と経験からamp研究所では2a3シングルプレートの音は最高と認めつつも、構造上の欠陥から後ろ髪惹かれる思いで使用を断念した。

310続いてもう1つのフィラメントの切れた元凶カニンガムcx310について同様の調査をする。このフィラメントがトリタンであることは電球のような輝きで一目瞭然。2a3シングルプレートフィラメントの線径が0.1mmであるとするならば、2倍の0.2mmはあるように見える。

310heaterxcx310のフィラメントを同様に観察するとこうなる。これがm字型といわれる所以、mの頂点でフックで吊り上げマイカで固定をするのではなくて、ガラスビード支持方式(溶けたガラス棒にプレートやグリッドのステーを差し込む)手の込んだ作りをしており、マイカ構造かガラスビード構造かで音は分かれる。ここもガラスに拘ろう。問題は7.5vの1.25aで、仮に0.2mmや0.3mmに1.25aの電流を流すのもいささか心もとない。よって線径対電流値でも安全設計とは言えず切れ易さは潜在的に持っていたとして、切れた理由を弁護しよう。

310xxこちらがガラスビード支持の構造で対剛性は高いが振動吸収に弱く、2a3シングルプレートのマイカ板バネ性による構造は対剛性は低いが、振動吸収には強い。ところがamp研究所では水晶粒防振構造を取るため、ガラスビード支持構造に軍配が上がる。

300bh2フィラメントとその支持方式を見たところで、永遠の迷宮(銘球)we300bを見てみよう。フィラメント拡大画像からダブルm型の酸化皮膜型フィラメントで5vの1.2aとなり、線径対電流値は外観から全く問題ないように見える。これがウエスタンの底力で設計の信頼性が伺える。また固定方法はマイカ板バネ性による構造でこれも振動に強い。この安定感が音にも現れ見事だが、あんぷおやじ流儀の際どい日本刀の上を歩くような主義から外れ、幸にも300bから決別した。幸とはweは300bに非ず300aにありで、先日の落札でも300a 1本が何と35万円もしていたが安いらしい、無理!無理!巻頭に戻りアテナイの学童の示唆していることは、jazzオーディオは芸術だから哲学で良い、では済まされない話で、プラス数学的物理学的裏づけをどこまで深く掘り下げられるかにも掛かっている。

Amp 先日amp研究所の忘年会があった。あんぷおやじの性格上堅苦しい宴会の中、研究員の力で和やかに行われミルトさんの蓄音機の講演会もあった。来年度は小学2年生弟子のssin君の参加が決まり、amp研究所の平均年齢が大幅に若返る。小学生弟子2名に未来を託そう。蓄音機公演のミルトさんから、失ったものが大き過ぎて心がぽっかり空いてしまったと告げられ、もう1つのamp研究所の研究テーマ、レキシントン盤とインパルスコルトレーンオリジナル盤の精密なる油絵化を提案した。元々30号を50枚を描きあげてニューヨークのソーホーへ持ち込み個展を企んでいたが、著作権とゆう思わぬ伏兵にやられて断念した。個人が描く分には問題ないので、自分のオーディオルームは飾る1枚は自分で描こうと新たな企画。レキシントン盤時代は3色が基本だから、あんぷおやじの指導があれば最初の1枚から展示に耐えうる作品になる。心の隙間を埋めるには時間を掛けた創造活動が最適と持論している。がんばれ、ミルトさん!

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2016年12月23日 (金)

素材力学 鉄と戦う!4

Caravaggiox画像出展:wikipedia
カラヴァッジョの最高傑作はサン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会のコンタレッリ礼拝堂に掲げられた、”聖マタイの召命”と決めている。暗い時代を象徴しているのが黒色の多用で、そこへ希望の光が差し込む。絶望の淵に居る無頼カラヴァッジョであっても、キリストを描く時は光となる。今は何もかもが明るくなってしまい暗い所を見せたがらない時代だが、時々隠しおおせず露出すると、そのドス黒さに言葉を失う。時代は適度に暗く適度に明るいバランスを保つ必要があるのだろう。黒...いや鉄との戦いは露出するドス黒さに及んで、ひたすらあがいている。

3amp研究所は多士済々な顔ぶれで、時々感心してしまう。一番のクラフトマンがミルトさんで、家業の電気屋さんの技術を遺憾なく発揮してくれる。画像はミルト工房製作の2kΩ抵抗で、銅マンガニン線のバイファイラ整列巻きでインダクは無誘導抵抗並みの優れもの、且つ音はミルトさんのように優しい。これを4個製作して2個は本人が使い、2個はパーカショニストnakaさんが使う。
”制作費はお幾ら?”nakaさん。
”...”
”1個で1晩掛かっているから請求してよ”あんぷおやじ。
”いいよ、いいよ”奉仕のミルトさんに感謝でした。

7横道だが、
銅マンガニン抵抗線を使えばネットワークなんかで音の良い低抵抗は簡単に出来る。Φ1.0mmで0.56Ω/m@432円、10m巻けば5.6Ωで4,320円、海外製の高い銅抵抗を買わずに済む。芯はテフロンパイプなんかを使い、ofcリード線、水晶粒防振構造にしてケースはofcの銅で円筒を作る。

1前エントリー通りインピーダンス補正を加えて明るさと暗さを両立させようとしているが、さじ加減が難しい。思い余ってプレートチョークだけ、銅マンガニン抵抗だけ、とあがいてやってはみるが、今の音はローマは1日にして成らずの深い音をしており、逆に良くぞ出来ていると感心してしまった。ミルト工房製作の銅マンガニン抵抗が中和剤で、見事に鉄の黒さを緩和してくれている。

6無造作がいけない。
”無造作とは:大事なこととして慎重にするのでなく、手軽にやってのけるサマ”、画像の赤丸印jensenの銅コンデンサは割安分ケースがアルミホイルでm+aさんがアルミ臭いと言ったシロモノでリード線が銀、お隣のduelundの銅コンデンサはケースが硬質紙でそのまんま防振構造になって更にリード線はofcの銅、そうか、ここだ!

4jensenの銅コンデンサの銀リードは元から切断してofc線に交換、続いて最近良く行くマックのコーヒーカップへ銅コンデンサを入れて水晶粒を充填する。よくある話で戦う相手を間違えていた。鉄と戦うつもりが無造作と戦っていた。たかがこれだけでとんでもなく音質向上があり、しかし潜在的な黒は未だ残っている。巻頭に戻り、適度に暗く適度に明るいバランスを保つ必要があるのだろう、とすればこの辺で良いのかも知れない。

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2016年12月21日 (水)

古典力学 真空管の祖ディフォレストとs-21型ナス管の考察

2真空管の祖はディフォレストと決めており、フレミングの2極管にグリッドを突っ込んで3極管を発明してしまった天才である。時代を変革する大きな発明が起きようとする時は多くの人間の係わり合いにより成すものであって、決して1人の力ではできない。1919年にはrcaが誕生してuv-200/201を発売、翌年にはカニンガムも傘下に入りrcaカニンガムc-301を発売、ディフォレストは我等になじみの無いdvシリーズを開発するが商売は上手くいかず、1933年にはrcaに買収される。
1この前後にrca/ディフォレストの型番として僅かに真空管が世に出ている。思うにフレミングの2極管が無ければディフォレストの3極管も無いから、正統的にはフレミングを真空管の祖とすべきでしょうが、世の中を変えていった数値が3でその重みからディフォレストにしている。2ではなくて3なのだ。画像がrca/deforestブランドの250管で、ディフォレスト450になる。250管はrcaでux-250、カニンガムでcx-350、ディフォレストでaudion-450となる。
3_2そのaudion-450がオークションに1本だけ出品され、意地でも競り落としたが画像は白っぽくエミ減?まあいいか。ブランドが違えば音色も違い1本だけでは?となるでしょうが、上記通りカニンガムもディフォレストも製造元はrca(wh)となり問題ない。問題は1933年になるとナス管s-21型がst-19型のrca50に替わり、この構造変化が振動力学的に音を変えてしまった要因と踏んでいる。でありますから250管は1928年から1932年までの僅か5年間に集約される。今から古典管を始められる方はs-21型ナス管に重きを置こう。
7今般入手のaudion-450は赤丸印の如く管内に蒸着したゲッターのマグネシュウムが消耗して、白色化が始っている。まあ見た目には悪いが、どの程度能力が残っているかを判定するにはgm(相互コンダクタンス)を測定する。真空管試験器など無くてもプレート電圧を一定にしておいて、グリッドバイアスを変化させプレート電流の変化量を測定すれば直ぐに分かる。古典管の使用前に必ずやることにしている。オークションで入手する時は写真判定が重要で、白色化が始っている球は遠慮すべきだったが、ディフォレストなので無視した。
8ディフォレストのaudion古典管は画像のような種類があり、dvやdlのオリジナルシリーズではないからrca/deforestブランドものでしょうが、欲しくてもまずオークションでも見かけることは無いし元々少ないからしょうがない。赤丸印があんぷおやじ流儀で使う古典管で、01,10,12,26,450,71と馴染みの球ばかり。あれ!これって何処かで?そうなんです、ブルーノートレキシントン盤のオリジナルの拘りと同じで、オリジナル古典管はその時代の力を得て凄い音がする。
6 そのナス管s-21型とst-19型について振動力学的に考えると中々面白い。先ず、なぜst-19型にしたかの推論だが、ガラス管の強度を増すためと容易に想像がつく。450のs-21型はプレートが長くなり必然的に丸ボールから流線型のナスになり水滴の法則になった。自然の法則からすれば最古の丸ボールとナス水滴型が正解で、s-21型の方がst-19型より振動分布の均一性と寄生振動が起きにくい、などから音が良いとなる。st-19型はどう贔屓目に見ても自然の法則に反するが、なぜあのよう先端をすぼめてしまったか?且つ生産技術的にはガラス管の厚み均一性にも問題が出易いし、考えるとこれも面白い。デザインはより生態的であるべき、とゆう持論からするとst-19型のデザインは後退してしまった、となる。前にも書いたが、1965年、無線部のf君が自慢げに見せていた大型のナス管(多分国産のux-250)を、50年経った今頃研究しているのだから人生は全く分からない。
5さて、amp研究所への問い合わせなどありますが、現在は研究員を募集しておりませんので悪しからず。この期に及んではのんびりjazzオーディオをやりたい矢先に、ラグビー先輩からの話で世話役のnakaさんが募集した良き仲間達で、研究所として纏まり最初からチームです。空調機が2台とも工事不良のガス抜けで暖房が効かず鼻水垂らして夜なべをしていると、早朝にもっとがんばれ石油ストーブを届けてくれる。徹夜続きでフラフラ倒れていると、もっとがんばれ自然薯を届けてくれる。もっとがんばれ!...とな、ありがたーい研究仲間です。

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2016年12月19日 (月)

素材力学 古典管フィラメント考

Micjazzオーディオ表現3種の神器は、カラヴァッジョ表現の音色特性と、ダ・ヴィンチ表現の位相特性と、トリに登場がミケランジェロ表現の力特性となる。余談、この画像は2009年ヴァチカンのシスティーナ礼拝堂で奇跡的に撮影できたもので、ミケランジェロが描いてから536年が経ち著作権は無いらしい、ところが撮影したあんぷおやじの画像には著作権が発生する?どうでもいいことなんだけど。閑話休題、ミケランジェロ表現の基本は筋肉表現で、人間の持つ力強さを生涯かけて表現した天才で、jazzオーディオにおいても最後は力強さになる。音色から入り、位相を揃えて空間に音を飛ばし、そして最後に演奏の力強さを出し、この3種の神器を持ってjazzオーディオは高みに達する。

1古典管においてプレートやグリッドの素材は選択肢が少なく諦めるが、フィラメントが曲者でどのフィラメントがどうゆう音がするなど明快な音情報が無いから苦労する。ミケランジェロ表現の力特性の出所はフィラメントであり、熱電子を飛ばす言わば音の原点であるからして、その素材力学が重要となる。2a3シングルプレートの音の評価は高いが、なぜ?を追求しないと球交換だけのアプローチで終わってしまう。ところで画像の2本は肝心要のヒータが断線してしまい、ampラボの古典管墓場に展示してある。

22a3のシングルプレートはグリッド線より細い径のフィラメントを10往復してあり今の所詳しい材質は未調査だが、よく目にする酸化皮膜フィラメントは次の定義”酸化物陰極(oxide coated cathode)タングステン(融点3382℃)の上にアルカリ土類金属 (バリウム(融点717℃),ストロンチウム(融点771℃)など) の酸化物を塗布した陰極”でありますから古典管の酸化皮膜フィラメントの正体は、タングステンになる。

3次に登場がカニンガムのcx310トリウム・タングステン(トリエーテッド・タングステンは電球用に開発されたものを誤って真空管に使い成功した)フィラメントで、電球のように煌々と明るい。cx310をペアで入手して音を聴こうと古典管復活プログラムの最初、ヒータ電圧7.5vの50%の3.75vまでスライダックで徐々に電圧を上昇させている矢先、1本がか弱く光ってこときれた。拡大鏡で見ると吊り下げた直下で電球の切れたのと同じように切れている。素材力学上トリタンcx310の音を聴いて酸化フィラメントと比較したかったが、次のもう1本入手までお預けとなる。

6後日 gold seal のx-210を入手した。Dull Emitta管(ダルエミッター管)となっており、画像右のcx310トリウム・タングステンに対して黄色丸印の如くヒラメントの点灯は暗く、cx345などの酸化皮膜フィラメントと同じと見た。これは実に面白く、310=210の同規格としてフィラメントの違いと音の違いを評価できる。オークションでcx310のパチもんを掴まされた!とやっきりしていたが、善意に解釈すれば次なるチャンスをもらったことになる。

4しかしampラボとしたら善意だけでは研究員に薦められない、そこで1つの結論を得る。
2a3シングルプレートやcx310のような細い電球的フィラメント構造の古典管は使わず、250や245のような酸化皮膜フィラメントで、フィラメントそのものが太い材質のものを使う。他人の評価ほど当てにならないものはない。1つの流れを追っかけると、300bより2a3のシングルプレートの方が音が良い、その2a3より45の方が良い、では300bより45の方が音が良いのか?答えはnoでありyesである。これでは何を手掛かりに古典管を選択すれば良いのか分からない。全部試せば良い!そんな時間と原資は無く、そこの切り込みが素材力学であり振動力学となる。

Mic2圧巻はシスティーナ礼拝堂の”最後の審判”で、ミケランジェロ表現の力特性の最たるものになる。ざわめく観光客の煩さは消えて、ただ目の前に音楽だけが聴こえてくるような気がした。あの壮大さから比べたら我がjazzオーディオの表現力など小さい小さい、どうしたらミケランジェロのような真に強い力が出せるのだろうか?

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2016年12月17日 (土)

味覚力学 味も音も一緒と思う!

0xx過日、伊豆高原の定宿花吹雪さんへ食事と温泉に出かけた。さすがに20年も通っているとお姉さん方も代わられ、顔馴染みのお姉さんは1人だけになってしまった。

料理長も代わられ、ある時期は後退を感じていたが、今の若手料理長は中々いい、限られた予算内で創意工夫が見られ、細やかな気遣いも感じられて頼もしい。

1

先付 嶺岡豆腐

3

向付 金目鯛

2 吸物

4籠ずし

5 一の重

6二の重

7桜おこわ

8_2料理屋菓子

kuraiman 社長氏のブログライクな表現をすると、抜群のコスパ、大満足でした。
翌日はドリプラの和食屋へ、家人の希望だが何となく胸騒ぎがする。案の定、お代は高いし味は不味いの最悪コスパ、思わず悪態を付いてしまう。”こんなだから観光地清水(市)はダメなんだよ!”
常々味も音も一緒と思っている。
割烹”わかすぎで”美味いものを食べているから不味いものは直ぐに分かり、良い音を聴いているから悪い音は直ぐに分かる。しかしこれが案外難しく、原資豊かでも中々良いものに出会えないし、原資乏しくとも偶然出会えたりするから、人生何事もイーブンと思っている。

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2016年12月15日 (木)

素材力学 鉄と戦う!3

Vincix画像出展:wikipedia
毎度になるがサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の”最後の晩餐”の登場は、商売柄名画を持って音の表現に置き換えるのが一番正確と思っている故、ご了承くだされ。よく名画に対して”その瞬間を切り取って表現した!”と常套句を申すが、この最後の晩餐は切り取ったどころか、動いている。その動きとはダ・ヴィンチの編み出したスフマート技法の”物体は面の終わりなき連なりにより成り立つ”から、見えない背後まで表現したように動きを感じた。多くの名画をライブしたが、動きを感じたのは”最後の晩餐”が唯一なり。

0jazzオーディオの音楽表現もこのように終わり無き空間に音楽を動かそう。このダ・ヴィンチの表現が位相特性で、鉄と戦う!2 エントリーのカラヴァッジョの表現が音色特性と双璧を成す。しかし鉄との戦いはこの動きどころか、情けない話だが初期段階の音色特性でつまずいている。時々思うが、殆ど病的で実にネクラな研究がjazzオーディオで、天文学的発明をしたところで有名にもならないし、ノーベル賞も関係ない。しかし奇想天外な現在のラインアンプの、この勇姿を見よ!

01風邪気味のkuraiman研究員には気の毒をしてしまったが、電源トランスを入れる鉄缶に思うようなサイズが無く、ブリキ板を買って缶を作ることにした。このブリキ板がクセモノで手は切れるし、ハンダが上手く乗らない。しかし人格者のkuraiman研究員はもくもくと加工作業を続ける...

1”kuraimanさん、もう止めよう!”流石に0.25mmのブリキ板は手に負えず断念。そこで探すと塗料の空き缶で3リッターサイズがあり、とんでもデカイがやむを得ずこれにした。ごらんのように取っ手がありブサイクな鉄缶だが、

2直ぐに改造してしまうのがあんぷおやじ流儀で、カシメ状態の取っ手受け部を強引に剥がす。出来るだけ本体に傷を付けないように苦労する。既にチャンデバや2a3のパワーアンプのサイズが平面で600mmx600mmにもなってしまい、大きさは大問題でありました。

3続いてグリッドチョークを入れる茶用の鉄缶を調達する。ネットで見つけたショップへ発注、直ぐに届いたが何と静岡市の葵区で、なんだい隣町じゃあないか。この缶は良い、出来もしっかりしていて美しく何よりも安く、1個300円では作ってはいられない。これで磁気シールド用鉄缶に関しては全て解決した。

4プレートチョークは銅線で出来ているから銅の特性の音が柔らかくボケる、ではなくて硬く痩せるているから難儀している。これが鉄心のせいと思っているが、レンツの支配力で音にブレーキが掛かったり加速が掛かったりしている、とも推測できる。磁気現象については難しすぎで、音色特性の因果関係も推論の域を出ない。そこで今やれることは、全てのチョークコイルを防振構造にすることになる。

5早速入荷した鉄缶の加工に入る。上画像の黄色丸印チョークコイルを下画像の黄色丸印にように水晶粒防振構造化した。m+aさんの音色研究も進み、並列接続の補助的な部品も音色には重要な作用があるから手は抜けない、の言葉通り黄色丸印のチョーク類を防振構造化することで音の彫りは際立ってきた。だがカラヴァッジョ音色特性は未だ...

6昔も良くあったが技術的困難に直面すると答えが夢に出てきて...慌てて飛び起き真夜中でも出社して直ぐに答えを実験してみる。全勝とはいかないが、かなりの確率で困難な状況を打破してきた。以来後遺症とでも言おうか、習慣とでも言おうか、1人24時間営業はこうして生まれた。銅線のくせして音が痩せる、ひりつく、呪文のように唱えていると夢に出る。答えは電流か?

9そうだ電流だ!
真夜中だが居ても立っても居られず店へ出る。流している電流の大きさにより銅線の音は支配されるのだ。仮に200hのプレートチョークを使い、この時の交流振幅が±100vとしよう。jazzオーディオ上限の周波数を10khzとするとインピーダンスは12MΩにもなってしまい、次段駆動電流は8μアンペアしかなく、下手をしたら漏れ電流領域になる。±100vは出力管の励振領域の話でラインアンプでは更に1桁下がって0.8μアンペア、これは最早空気で駆動しているようなものだ。音のエネルギーの源は電流で電流伝送が基本になる。そこでインピーダンス補正のスイッチを付けてインピーダンスが高周波で上昇しないようにした。
Ftoku10khzなんか冗談じゃあない、100khzまで出るスピーカもありまっせ!ampラボには厳しい研究所入所試験があり、耳の感度を試験している。テクトロのsg505で周波数を可変してどこまで聴こえるかで決める。年寄り軍団はたいてい10khzまで、t-mon研究員なんかは20khzまで聴こえる。試験の合否は簡単で、確実に聴こえる10khzを出しておいて時々止め”ほーら、聴こえるでしょう!”と問い、思わず”うん!”と言ってしまったら不合格です。

7_3音の痩せや、ひりつき感はなくなり聴きなれた音になったが、面白くない。この手法は時間を掛けて理論的裏づけと実験による検証を重ねる。他所で聴いたトランス駆動やプレートチョークの、音色奇妙はここから来ていたと推測でき、分厚い音を求める場合真空管アンプだから電圧動作で良い、は成り立たない。黄色丸印がインピーダンス補正機構になる。

9_2ここで1つの結論に達し、ドライブトランスやプレートチョークは太い銅線で出来ているから、ニッケルクロムやカーボンで出来ている抵抗より音の悪い訳がない。いや必ず音は良いから、ドライブトランスやプレートチョークを使って音色が奇妙とかレンジが狭いとすれば、どこか使い方に問題があるのだろう。jazzエネルギーは太い銅線に多くの電流を流してこそ生まれる。しかし太い銅線を使って大きい抵抗を作らなければならない、とゆう大いなる矛盾と遭遇する。

8鉄のインダクにより周波数上昇と共にインピーダンスも上昇するから交流電流は流れ難くなり、ドライブトランスの2次側は規定の負荷抵抗にすべきだし、プレートチョークはゲインを稼ぐために徒にインダクタンスを増やすべきではない。佐久間式の支持者にでもなってしまうが、銅線を良いとすれば後はトランスの鉄心だけ、ここの音的解析が最重要と考える。コンデンサや銅は味方で気を許すが、鉄やコイルは一筋縄でいかず味方でもないから気は許せない。しかし人間と同じで一筋縄でいかない方が面白く、仲良くなったときの成果は大きい。鉄との戦いは今始ったばかりで、ターンテーブル用のacモータと一緒で最後の難関は磁気現象になるか!

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2016年12月13日 (火)

無帰還力学 3相誘導電動機のダイレクト駆動ターンテーブルへの応用解説

Sx資料出展:acサーボシステムの理論と設計の実際
amp学校改めampラボの研究員と、3相誘導電動機のダイレクト駆動ターンテーブルへの応用について議論した。3相誘導電動機をd-q座標変換して更にγ-δ座標変換した制御ブロック図で、青丸印の滑り制御が可能になれば3相誘導電動機も同期電動機となる。ところが赤丸印の速度検出機構が必要となり速度帰還が掛かるため、無帰還力学から外れる。ここが最大のポイントで3相誘導電動機を無帰還で同期電動機としたい。

0ミルト研究員がガラード401とテクニクスsp10の経験談をしてくれる。jazz本命のミルト研究員にとってsp10は線の細い音に聴こえ脱落、ガラード401は太い音で使ったが、結局のところemt930へ大枚叩いた。これは性能の良いddよりも性能の悪い無帰還の方が音が良い1つの例に過ぎない。画像のモータは左から無帰還pd171でベルト駆動用、速度帰還dp3000ダイレクト駆動用、今回研究テーマの工業用3相誘導電動機0.65kwで、モータの大きさを比較しよう。

2あんまりとっぴな研究テーマで理解し難い研究員も居るようで、画像にて解説することにした。3相誘導電動機のロータから出ているシャフトにプラッター嵌め込みようテーパシャフト(黄色丸印)を取り付ける。実際にはロータのシャフトを直接加工してテーパをつけるから、こんなには長くならない。

4_2この画像はプラッターを取り付けた状態。ddターンテーブルの場合出力トルクばかりに意識を集中しいるが、ターンテーブルで一番重要な要素に慣性比がある。容量の大きなモータを使えば必然的にロータは重くなり、ロータそのものの慣性は大きくなる。プラッターを砲金なんかで作って重くする方法は、対制御性のおいて片手落ちで難しくしている。でありますから3相誘導電動機の3kwとか5kwなんか...ひょうきんな!良いのではないでしょうか。

8慣性比の参考で、本画像のプラッターをdp3000に載せるとこうなり見事にアンバランスとなる。大体が機構とゆうものは見た目でたいていは分かるはずで、直感を大事にしよう。駆動モータロータ慣性の数倍の慣性のプラッターまでなら制御系も楽になり、1:1とか1:0.5など本当は完全にモータの支配下におきたい。

1こちらの画像はプラッターのイメージで、プラッターはカップ状態のものを鋳物で作り旋盤加工してカップにする。そのカップの中には水晶粒の小粒でaaクラスを充填して、プラッツター面を防振構造化する。カップ容積を20リッターとすれば、水晶詰め重量は30kg強でプラッター全体では40kg程度になるから、ddとした場合慣性比からモータ容量3kwはあながちあてずっぽうでもない。

5サーボ剛性はなにもpid制御だから必要な訳でもなく無帰還にしたってどこかでかような作用は起きているから、サーボ剛性は上げるべきでロータシャフトとプラッタースピンドルは太くて直結し高剛性とする。サーボ剛性を悪くする駆動方法にベルト駆動やアイドラ駆動があり、サーボ剛性の高いdd駆動の方は滅んでしまったが、これらは生き残り皮肉なものよ。この事実を、よーく考えて欲しい。

6側面から見た画像でこれを見ればどうゆう構造かは一目瞭然。はなっから作ればとなるでしょうが、時間が足りないしステータのスロットのワイヤカットだけでも20万円位は掛かり試作費用も惜しい、でありますから市場品を使うと決めた。二足三文で市場に溢れている産業革命の遺産を使うところに大いなる意義がある。でこれを入れる鋳物箱は水晶粒を充填すれば200kgはザラで、総重量は300kgから400kgにもなる。

7ターンテーブルは無帰還型に限り、アンプ類は古典管無帰還型に限る。無帰還型の良さには気が付いているはずだが、余りにも無芸で権威もないからやりたがらない。金田式で使い始めたdp3000やdp80のacモータの入手は難しくなるが、ampラボでは研究員分は確保してあり、3相誘導電動機無帰還型が完成するまでは、sh2a cpuによる世界最速のサーボアンプ200khz電流制御で回すことにしている。無帰還型推奨は、決して我田引水ではない。

あ!我田引水の余談です。
中学時代だから50年以上も昔になるか、伊那八幡で教育者のh沢先生が農業を営んでおり、親父の友人の関係から農繁期には修行に出向いた。h沢先生はご夫婦で教師をされており、退官後は地域の問題児や施設の子らを一定期間預かり、農業で実践教育をされていた立派なご夫婦でありました。h沢先生のお子さんは医学博士で足の裏博士として有名になり、静大の教授をされていた。さて6月の田植えの終わった時期、段々畑の横を流れる水路に遮蔽板を入れて自分の田に水を引き込むわけだが、暗黙のルールが農家の間であり、日によって替えていた。ところがある日、h沢先生の田へ引き込む遮蔽板が投げ出されて、他の田に水が引き込まれていた。それを見たh沢先生は怒って他人の遮蔽板を投げ捨てた。暫くは夜討ち朝駆けでその抗争は続き、立派な教育者にしては驚きの言動と行動に少年の心は点になった。”我田引水”とはそうゆう重きことよ。

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2016年12月11日 (日)

素材力学 鉄と戦う!2

0画像出展:wikipedia
カラヴァッジョフリークならば誰でも知っている傑作”キリストの捕縛”で、長年行方不明になっていたミステリアスは現在アイルランド、ダブリンのナショナル・ギャラリーに展示されている。絵の描かれた1602年はダ・ヴィンチもミケランジェロも既に亡く、ルネッサンスからバロックへ移った時代になる。この”キリストの捕縛”の甲冑の鉄の色を見よ!このような音色を出したい。陰影彫り深く、分厚く躍動し、超リアルだが簡単には見せず思慮深く、何処を切り出してもアナログ的で人間臭く、コンピュータ的ではない。

1その手立てが鉄として信念はゆるぎないが、難しい。鉄はリアルだが思慮浅きで銅と違い簡単に見せたがり、単細胞的でそこが困る。そこでコアの種類、コアヴォリューム、銅線の線径と巻き数の検討を重ねる。コアの種類は一般的なオリエント、一番支持している日立のファインメット、続いてアモルファス、パーマロイとあるが、替えるなら我田引水日立のファインメットで行く。

2

10hで300maのチョークコイルを入手する。線径の測定は忘れたが結構太くなり、チョークコイルの解体も随分と楽になった。例の如く水晶粒防振構造化の為にカバー類は外し、コイル表面の紙とテープ類もコイルに傷を付けないように、慎重に剥がす。

3チョークコイルはモロにレンツの法則の洗礼を受けてしまい、これがクセモノだろうか?分からないコトが多く思慮が深まる。チョークコイルは磁界を発生させるから磁気シールドが必須、磁気シールド用の鉄缶にチョークコイルを入れて水晶粒を充填する。磁気シールド!なんてこたあない単なる茶筒で、10個も買えば1個300円程度のシロモノ、本番では電磁シールドも付加させる。

4この磁気缶詰(奥の黄色丸印)をカニンガムcx350のラインアンプのプレートに接続する。ラインアンプはゲインを下げたい位だから丁度良く、プレート電流もグリッド負バイアスを調整して20maとする。単細胞から多細胞に変化して中々よろしい、なんだいインダクタンスを下げればレンツの支配力も減り銅的な音になるのか?調子に乗ってcx350のグリッド抵抗10kΩ以下と指示があるので、むき出しの20h(手前の黄色丸印)をグリッドリーク抵抗に置き換えた。

5更に調子の乗り出力負荷抵抗も80h(黄色丸印)のグリッドチョークを付けてしまい、このラインアンプは電源回路以外でディールのニッケルクロム線抵抗は使わなくなった。電源部もルート上では定電圧トランジスタだけで、全ての経路は銅のみとなった。

Cuc_2随分とjazzエネルギーが出てよろしく、小音量時の明快さは特筆モンで、煩さもだいぶ小さくなり、こうなりゃあDuelund rs Cuコンデンサに交換して水晶粒防振構造にすれば目処は立つ。鉄を使いインダクタンスを利用して音を出すと副作用の方が大きく、しくじり易い。おまけに抵抗のお代とは比較にならないほど高く、かなりリスキーで、しかしゲージュツとは創造と破壊の繰り返しであるから致し方ない。銅は軟らかく最初から寄り添ってくれて味方だったが、鉄は硬い分跳ね除けられてしまいまだ味方ではなく、鉄との戦いは続く...

おまけ:水谷豊さんの長年のファンで唯一テレビを見るのは(殆ど録画だが)相棒で、大麻女将と、よう分からん若モンのせいで再放送も無くなり、酷い目に遭っている。たいていは豊になると人間をしくじるようで、世に言う所の成功者こそ、映画ライムライトの名言”All it needs is courage,imagination, and a little dough,人生は情熱と想像力と、そして僅かなお足があればいい”を肝に銘じて欲しい。

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2016年12月 9日 (金)

素材力学 鉄と戦う!

Vincix画像出展:wikipedia
悲劇とも奇跡ともとれる技法はテンペラ画法で、壁画であれば通常フレスコ画法になる。悲劇とは描いて僅か100年でテンペラ画故に崩壊してしまい、奇跡とはその崩壊によって新しい表現が生まれ普遍となった。ネットに出てくるレオナルド・ダ・ヴィンチの”最後の晩餐”の画像は概して暗く、実際の色調はこの画像のようにかなり明るく、壁画全体がダ・ヴィンチの編み出したスフマート技法のように穏やかに霞んでいる。

1このように手法を間違えると悲劇が起こり、amp工房でもプレートチョークやグリッドチョークで悲劇になるのか?いや、一度崩壊させて、崩壊の奇跡から新しい表現が生まれるか? これらの現象を持って前衛と表現しよう。ことの発端は画像の銅マンガニン線で抵抗を作った所から始る。画像は名工ミルト氏の力作で、2kΩを丁寧に整列巻きしたものをofc銅の筒へ入れて水晶粒防振構造にした。音は伸びやかで流石に銅族の音になった。

2プレートチョークの音はジルジャンを浮き出させ、ベースの弦の揺らぎを見事に表現し、ピアノは高く弾けて申し分ない。申し分ないが聴き込んでくると幾分投げやりで品位が無く煩い。コアヴォリュームをアップしてインダクも減らし、ゲインを下げよう。

3鉄缶はハンダ付けが容易で前回ハンダシールしたものを外し、新たに20hを解体してコイルをむき出しにしたプレートチョークを入れて作り直す。若干煩さは消えて上品さが少し復活した。有名なトランス結合アンプの音もwe系の音も分厚さはあるが、音色が少し奇妙になり鉄とはそうゆうものか?

4そこで次なる手法に出る。名工ミルト氏にお願いして、銅マンガニン線抵抗を紙管へバイファイラ巻きの整列巻きで2kΩを作ってもらう。マックのコーヒーは黒っぽい色の付いた不思議な飲み物でたまげるが、蓋を付けて販売している。そうだ、これだ!と飲みかけの不味いコーヒーを捨てて洗い、2kΩの銅マンガニン抵抗を入れて水晶防振構造を即席で作った。

5現在テスト中のカニンガムcx350ラインアンプの右チャネルのみマック抵抗に交換して、左は20hのプレートチョークのままにして音質の比較を行う。バド・パウエル、ブルーノートmonoのcdと、ビリー・ホリディ、ヴァーブmonoのcdを使い左右の音の違いを聴き比べる。

Budxxタイミング良く水戸帰りのパーカショニストnaka氏が土産を携えて登場。早速テストに参加してもらう。このバドはレキシントン盤で耳ダコ状態に聴き込んでいるから比較に自信を持って使う。naka氏曰く”ハイエンドならマック抵抗、jazzバリバリならばプレートチョーク”それじゃあ貴殿のラインアンプは名工ミルト氏製作の銅マンガニン線抵抗に決めます、と結論付いた。

Billex続いて翌日は相棒のm+a氏の登場。このビリー・ホリディのcdはお宝モンで、一時cdが大暴落して叩き売り状態の時10枚組が3,000円でアメリカで発売され手に入れた。m+a氏曰く”一聴はプレートチョークが良く聞こえるがクセっぽく、マック抵抗が緻密クリーミーで表現が見事”これで結論はついた。名工ミルト氏の銅マンガニン線抵抗の勝ちである。m+a氏が続けて”このプレートチョークのクセを他で取る方法があればね...”この言葉を待っていたのだ、さすが音マスターと決めている耳実力者である。あんぷおやじ流儀は最初からこうなるコトを想定しており、耳確か人2人が同じ結論では...それじゃあ鉄と戦おうじゃあないか!最後にm+a氏が”しかし良く鳴っていますね!”と言う。”これがカニンガムcx345の音で、2a3シングルプレートには敵わないが、原資豊でないampラボではこれで十分です。”と続けた。

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2016年12月 7日 (水)

音色元年と古典管選択基準

Fleming ”あんぷおやじ君、君は真空管の発明者をフレミングかデ・フォレストの、どちらと思うかね?”
見城先生から質問を受ける。
”はっ!勿論デ・フォレストです。理由はフレミングの2極管では片手落ちで、グリットを突っ込んだデ・フォレストの奇想天外に拍手です!”と答えた。
画像:フレミングの2極管特許アメリカ合衆国特許第803,684号。
史実:1906年、アメリカ合衆国のリー・ド・フォレストが制御「グリッド」を加えた真空管「オーディオン (Audion)」を発明。フレミングはアイデアを盗用したとしてド・フォレストを告訴した。間もなくド・フォレスト自身やエドウィン・アームストロングがその三極管を改良し、電子アンプに使われるようになった...
3極管発明者のデ・フォレストもスーパーヘテロダイン発明者のエドウィン・アームストロングも成功と失敗そして最後はお気の毒で、人生はイーブンを史実が証明しているように思え、あんぷおやじ流儀も成功と失敗で状況は痛いほど分かり、映画ライムライトの名言”All it needs is courage,imagination, and a little dough,人生は情熱と想像力と、そして僅かなお足があればいい”を肝に銘じている。

450画像はデ・フォレストのオーディオン450でrca時代の50管。1906年にデ・フォレストが3極管を発明したとすれば、今年で何と110年にもなる。当然初期のものは性能が悪くたとえ音が良くても使えない。その系譜を辿ると1928年にrca ux250が登場して他社の50系も誕生、続いて45系も誕生、1933年になり2a3シングルプレートの登場、we300aの登場で頂点を迎える。

Cx3502a3シングルプレートの音の素晴らしさは経験済み、300bは聴き込んで納得済み、だが300aは未見で音の素晴らしさは情報でしかない。ここで重要なことは1933年の年号で、音色元年になる。300aから300bに代わり音質は落ちた、2a3シングルプレートから2a3の2枚プレートに代わり音質は落ちた。性能の向上は音質劣化を引き起こす二律背反で、全てが整うなど史実を見てもあり得ない。

Cx345でありますから、古典管のターゲットは1933年の前後に製造した古典管と自ずから決まり、シングルプレートが必須(300aも300bもシングルプレート)、もっとも1933年前後製造は必然的にシングルプレートとなる。テープレコーダはampex、古典管はカニンガムとrca、共にアメリカ産でjazzはアメリカだから必然的にこうなる。とゆう我田引水から導きだされた答えは、出力管カニンガムcx350とcx345、rcaであればux250とux245となる。2a3シングルプレートは音色はno1だがフィラメントの断線から、恨みを抱いている!電圧増幅管も同様の選択になるがμが8程度で、6sl7なんかのμ70から大幅に落ちてここの解決策は暫く続きそう。

Coltnane古典管マニアでもないし、jazzオーディオは総合力学であるから古典管に全ての責任を負わせる訳にはいかない。かくして古典管の選択が終わり、後は如何に古典管から妙なる音色を引きださせるか、如何にコルトレーンを躍動させるかに掛かっている。コルトレーンも同じく成功と失敗であり、失敗とは余りにも真面目にjazzをしたため芸術へと昇華させてしまい、その代償が40歳の短命であった。

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2016年12月 5日 (月)

無帰還力学 3相誘導電動機ddターンテーブルの考察 了

Carav画像出展:wikipedia
真面目1本やりで、傍から見れば面白くもなんともないあんぷおやじは、放蕩で無頼で真面目でないミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオが大嫌いでありました。この絵を見てほしい、中性的でなんとも粘っこくいやらしい。それがいつしかやられて...今はカラヴァッジオフリークになってしまった。そのいつしかとはフィレンツェのウフィツィ美術館でカラヴァッジオの本物を観た時で、本物力の凄さをマザマザと実感した。

Im1_2このような体験は幾つかあり、本題の3相誘導電動機も同様に大嫌いでありました。理由は既エントリー通りで、今ではターンテーブルの救世主とさえ思える。金田式もdp3000へと移りやがてdp80やdp100のacモータタイプになると思うが、これらacモータをもってしても勝てないのがemt927であり、この3相誘導電動機の研究はそのemt927を凌駕してjazzオーディオの新境地を開くためである。

1_3あ!嫌いが支持側に回ったもう1つに鋳物がある。これも仕事の関係で嫌いになったが、オーディオで振動防止の効能が分かると支持側に転んだ。鋳鉄の主たる鋳物を、ねずみ鋳鉄と呼ぶ理由は次の通り。「炭素1.7%以上6.68%を含む鉄-炭素合金のことで、通常ズクと呼ばれ、炭素の他にも、けい素、マンガン、りん、いおうなどの元素を含んでいる。鋳鉄はもろいので衝撃に弱く、したがって鍛造や圧延等の熱間加工には不適であるが、他の炭素鋼に比べて融点が低くて鋳造しやすく、且つ機械加工が容易であり、しかもその価格が安い...ねずみ鋳鉄とは、破面が灰色、つまりネズミ色であったことに由来する。」 このねずみ鋳鉄はそれ自身がもろい材質から、高剛性でありながら振動を吸収できる唯一の素材であった。所が水晶粒防振機構はこれを大幅に超えた。

2_2今回は摩擦のお話、摩擦が無くなれば(空気摩擦も含めて)起動時に33rpmでたたき出してやれば未来永劫33rpmで回転し続け、速度帰還がどうのこうの、pid制御がどうのこうの、全部吹っ飛んでしまう。とゆうか地球上のエネルギーバランスが崩壊してしまい、産油国は壊滅する。横道にそれた!このエンドブラケットに埋め込まれたベアリングが摩擦の元凶でいやらしい。

3 各種軸受の摩擦係数を調べると下記の通りで極めて興味深い。ターンテーブルにはメタル軸受けが一番合い滑らかで良い、ベアリングがボールの転がりでゴロが出るから具合が悪い、何となく伝わってきた軸受けの評価を調べなおしている。画像の左が深溝玉軸受で右が円筒ころ軸受となる。

軸受形式                       摩擦係数
深溝玉軸受                    0.00100~0015
アンギュラ玉軸受          0.00120~0020
自動調心玉軸受             0.00080~0012
円筒ころ軸受                   0.00080~0012
総ころ形針状ころ軸受       0.00250~0035
保持器付き針状ころ軸受   0.00200~0030
円すいころ軸受                0.00170~0025
自動調心ころ軸受            0.00200~0025
スラスト玉軸受                 0.00100~0015
スラスト自動調心ころ軸受  0.00200~0025
滑り軸受                         0.010~02
上画像右の円筒ころ軸受をシャフトに取り付けたら中と外が分解してしまい青ざめる、何と無知なロボット屋?いや高価すぎてロボットには深溝玉軸受しか使えなず、我がターンテーブル用で初めて使った。オレンジ文字に比較を示したが、円筒ころ軸受はベストで今回テスト中、emt927などに使われているメタル軸受けは滑り軸受けに該当し、ベアリングより一桁性能が落ちてこれは一体?

Kenjyo1amp学校は年末になると各自忙しく、本日はkuraiman社長氏と名工ミルト氏の2名で忙しく古典管の防振構造を作る。学校終了後にモータの世界的権威者の見城先生が見えるから、紹介したいと居残りをお願いした。見城先生はスコットランド人のチャールズ氏を伴って見える。用件はブリティッシュイングリッシュの録音やデータ処理についての打ち合わせで、名工ミルト氏が本職で対応していただき感謝でありました。こっちは先生の見えるのをてぐすね引いて待っており、この時ばかりとターンテーブル用モータ3相誘導電動機の可能性について矢継ぎ早に質問を浴びせ、失礼しました。画像の「小型モータが一番わかる」著書はモータの原理原則を知る上で実に分かり易い快著で、ターンテーブル用モータに興味をお持ちの方は是非ご購読を。

Kenjyo2先生は”もう自分たちのモータの時代でない”と言われていたことを思い出し”見城先生!先生が10歳若ければ無尽蔵に存在するこれら3相誘導電動機を持ってターンテーブル界に革命が起こせて、過去の遺物がオーディオでは最先端になります!”と思わず熱弁してしまった。上記先生の著書にもあるがスロット数と極数の関係を議論して、これからの3相誘導電動機巻き線変更の手法と、入手すべきモータ仕様の手掛かりを掴んだ。

8次にemt927で使われている凸極特性のリラクタンスモータについて議論する。リラクタンスとは磁気の通りにくさで磁気抵抗になり、カット面は磁気抵抗が大であり、回転力は磁気抵抗の低くなる向きに発生する。先生の結論は”同期回転しか出来ない便利なモータだが、凸極部分(カットしていない円弧部)でハンチング(振動)が起きる!”と言われ、実はロータの4面をカットした形状を見た時に感が働き、これはまずいぞと思っていた裏づけがとれた。

4リラクタンスモータは極数分、emt927は4個の凸極特性を持ち、1回転で4回の振動発生要因が存在する。従ってemt927がブレーキを常時掛け粘性負荷にしている理由が明快になり、3相誘導電動機ロータの誘導型と形状の真円が正解となる。

Kenjyo3続いて3相誘導電動機の超低速制御の問題点についての議論で先生が直筆で書かれ、現時点で動かさなくてもおおよその見当が付くまでに至り、さすが交流モータの権威者と感心しきりでありました。また3相誘導電動機を回しっぱなしにしておいて、dcモータによる電磁ブレーキで一定トルク制御をすれば同期電動機なるアイディアはいけるとお墨付きをもらった。さあ、問題はddにする周波数帯のトルクカーブがグラフ下のようになりトルク変動に対する回転変動が大きくなりワウフラを悪くする。ここを集中的に解決する方法をこの先検討する。久しぶりに技術論でスリリングを味わい、これだから研究者は止められない。

Lxまたamp工房で研究中の各種モータを見てもらい議論した。某社ターンテーブルベルト駆動に開発したリラクタンストルクモータも、ロータ形状は真円だが内部の切り欠きで凸極特性は同じと判断された。どうりでこのモータでddの33回転まで速度ダウンしたら、ワウフラが急激に悪くなった理由が明快になった。

Dp80現状でddターンテーブル用acモータはデノンしかなく、denon dp80とdp100モータの開発について、oemメーカのシナノケンシへの指導は見城先生であり、実際の開発者はモータ先輩のn村氏だが原理モータをスイスから手に入れ先生の指導で研究をした経緯があり、エディカレントモータの歴史を垣間見た。日本における小型モータの黎明期は現在と違い、開発者にとって実にスリリングな良き時代だった。エディカレントモータは最高の滑らかさの回転だが、同期特性を持たないため速度帰還が必要で、究極のターンテーブルdd無帰還からは外れる。

Teslax最後に見城先生から”これら3相誘導電動機を使ったddターンテーブルの手法は大変面白く、イギリスやアメリカでは反響を呼ぶのでは?”と言われ”仰せの通りで、何らかの方法で海外へ情報を発信します”と答えた。amp学校の目的は単なるオーディオ技術の習得の場から、最古のモノを用いて最先端を成す研究機関へと変容しつつあり、現在のメンバー7名は研究員として位置づけられる。よって次回以降amp学校改めampラボとする。

Cara2画像出展:wikipedia
出所を隠し時代と共に歩んだ騎士団ベラスケス、時代に反発して時代と戦った無頼カラヴァッジオ、共に悩みの比重は同じに思え、絵画表現の比重も同じように見える。ベラスケス絵画の原点をカラヴァッジオとすれば、目指すべき絵画の原点はイタリアルネッサンスとなり研究を続けよう。目指すべきddターンテーブルの原点を無帰還方式とすれば、古典3相誘導電動機となり研究を続けよう。本編にて考察は終了で以降研究実務に入る...これは決して懐古趣味ではない!

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2016年12月 3日 (土)

オンビート、オフビートの法則

0”体で覚えなくちゃあ!”
パーカショニストnakaさんに教わる。オーディオでさんざんぼこついた”すみや”の音楽教室へ通うのもなんだし、30分も1時間も同じことを叩かせられるのも嫌だし...8ビートで4拍目の裏にバスドラを入れるオフビート、これがエラク難しく、まるでどこぞのロボットがドラムを叩いているようにギクシャクした動きで我ながら呆れるが、実はjazzに触れたい気持ちから出来ないコトを楽しんでいる。jazzはオフビートで裏へ裏へとリズムを刻み、引き算の音楽で黒人の虐げられたルーツを見るような気がする。

Mj15この引き算、所謂ヒケが上手く出来ないとオーディオアンプは失格で、オンビートばかりでは悲しみや憂いは表現できない。これが理論上可能はトランジスタアンプのdc(直流)タイプになる。そりゃあそうだ、最大の特徴がnpnとpnpがあることでマイナスもプラスも同じ状態だから、オンビートもオフビートも同じに表現できるはず。最高のアンプviolaのブラボーを聴けばそのサマが良く分かり、硬いスピーカのコーン紙でも揉み解すように鳴らす。所が繊細緻密駆動力までは良いのだが、色気や悲しみや憂いの表現には不足を感じてしまう。

245一方苦手が古典管でnpn真空管しかないからオンビートは得意でも、オフビートが苦手で駆動力も足りない、pnp真空管さえあればと何時も思う。しかし色気や悲しみや憂いの表現はトランジスタがいくらがんばっても到底追いつかない。これは一体?思うに、引き算のやり過ぎトランジスタに対して何時も”足りない!”古典管の方が表現が上手いのだろう。この”少し足りない”が全てにおいて必要な条件と最近は思えてきて、人生も同じだな。そして足りない駆動力はaltecやjblの高能率古典スピーカでカバーして、古典管を使い続ける。

Coltさてその悲しみや憂いの表現が少しは出来るようになったamp工房メインシステムで、コルトレーンのコンサート・イン・ジャパンのレコードを聴く。kuraiman社長氏の所で聴いたcdとは2a3シングルプレートと中国球の違いで音色は落ちるが、やっぱりレコードの方が良い。何が違うって、裏の表現(オフビート)が奥深い。結局の所cdはオンビートでレコードはオフビートでjazzオーディオを標榜するならばレコードに軍配が上がり、コルトレーンのコンサート・イン・ジャパンはcdで良いですよ!は撤回します。スマン!

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2016年12月 1日 (木)

素材力学 レオナルド・ダ・ヴィンチも使った鉄と銅

Vincixxx画像出展:wikipedia
無学の徒と言った万能の天才レオナルド・ダ・ヴィンチはミラノ公に使えた時、水門や戦車や機関銃の開発に携わり、本業の絵では活躍しなかった。思うに、天才にありがちな己の偉大さに自信が持てず、絵の売り込みを余りやらなかったのではないだろうか?ミラノ公のスフォルツァ城を歩きながら、イタリアルネッサンスのダ・ヴィンチに思いを馳せた。レオナルド・ダ・ヴィンチも使った鉄や銅は信用するが、当時無かったアルミや樹脂は余り信用しない。それにしても最後の晩餐には期待を裏切られて拍子抜けしてしまい、呆然自失で居ると真綿で首を絞められるようにジワジワやられて、気が付いたら素敵な金縛り状態になっていた。

1鉄心は嫌だの鉄はマズイだの産業革命の魂を嫌うjazzオーディオ人も居るが、鉄が無ければ音も出ないしターンテーブルも回らない。かくして鉄を積極的に使うjazzオーディオは嫌々ながらプレートチョークとグリッドチョークへと駒を進めた。何が嫌々かって、そりゃあ物理学者ラザフォードみたいに数学が苦手でして...周波数帯によってプレート負荷抵抗がコロコロ変わる怪しい挙動に抵抗があった。昔弟子のkouhei君にインストールしてもらったmatlabで数値解析をやればプレートチョークの挙動も見えるが、見えても信用できない。銅マンガニン線で抵抗を作ったら、もっと良い銅を!もっと太い銅線を!とアンプから言われてしまい重い腰を上げた。チョークコイルは何時ものように解体し、磁気シールドの鉄缶を用意する。

2この解体には意味があり、ノグチのpmc-80hのコイル太さを観察し先ずは見た目で判断、続いて水晶粒で取り囲み振動防止効果の向上を狙う。細い!そりゃあそうだ、80hなどとゆう大きなインダクタンスを得るには細線をグルグル巻かねばならない。コアが小さい!そりゃあそうだ、安いからな。これだけ細線はフィルム剥がしでコイルに傷をつけて、最悪は切断してしまうから細心の作業になる。

3リード線はモガミのofc線2516を使う、音が綺麗になりすぎる嫌いはあるが、内部配線にカルダスワイヤーを使うには工法で解決しなければならない問題が残っているからやむを得ない。鉄缶の蓋にはリード線の穴を開ける。

4毎度ながら作業のハイライトで土木作業員になり、水晶粒をスコップですくい上げてガンガン缶に詰める。このときプレートチョークが缶の中心に位置するよう水晶粒を充填しながら調整を行う。この粒の大きさは最適でないが、細目が最近は無く仕方がない。満タンに詰めたら缶を叩いて充填密度を上げる仕上げ作業をやり蓋を閉める。

5この鉄缶は扱い易く蓋を閉めたあと勘合部をハンダ付けしてシールしてしまうが、熱伝導が悪いため銅管と違い簡単にハンダ付けできる。プレートチョークに電流を流すと磁界が発生するため、鉄缶で覆い磁気シールドする。本番では更に銅管に入れて電磁シールドも施す。各シールドからアース線を出し1点アースさせる。

6ここまでの所要時間僅か2時間、黄色丸印が水晶粒防振構造プレートチョーク、カニンガムcx350のラインアンプのプレートチョーク電流を8maにして音を出す。我等の駄耳で瞬間に分かり、パーカショニストnakaさんが瞬殺1秒と表現したが今回もそれ。音のまろやかさが円筒になりジルジャンの音を先まで太くはっきり浮き出させ、驚きの激変でたまげる。しかし好事魔多しで煩い、毎度のことで煩くなりゃあシメタものでjazzにエネルギーが出る。

7上海駿河屋さんはプレートやグリッドのチョークコイルを昔から使っており、その音の余りの凄さに躊躇していた嫌いはあるが、先達のやっていることは大いに意味がある。ここで重要なことは素材力学の銅線で、プレートチョークを使ったから音が良いのではなく銅線を使ったから音が良いと考える。ディールの無誘導巻き線抵抗はニッケルクロム線で脱落、我々が考案した銅マンガニン線はまあまあで合格、プレートチョークは純粋の銅線だから合格、チョークコイルでインダクタンスがどうのこうの、鉄心がどうのこうの、など消し去る。もっと鉄を!もっと銅を!レオナルド・ダ・ヴィンチも使った鉄と銅のお陰で、また1つ大いなるブレークスルーをした。余談だがミラノには長逗留したい、ミラノファッションにもフェラーリ本店にも、もう興味は無く、ただ連日最後の晩餐を観たい...


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