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2016年12月15日 (木)

素材力学 鉄と戦う!3

Vincix画像出展:wikipedia
毎度になるがサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の”最後の晩餐”の登場は、商売柄名画を持って音の表現に置き換えるのが一番正確と思っている故、ご了承くだされ。よく名画に対して”その瞬間を切り取って表現した!”と常套句を申すが、この最後の晩餐は切り取ったどころか、動いている。その動きとはダ・ヴィンチの編み出したスフマート技法の”物体は面の終わりなき連なりにより成り立つ”から、見えない背後まで表現したように動きを感じた。多くの名画をライブしたが、動きを感じたのは”最後の晩餐”が唯一なり。

0jazzオーディオの音楽表現もこのように終わり無き空間に音楽を動かそう。このダ・ヴィンチの表現が位相特性で、鉄と戦う!2 エントリーのカラヴァッジョの表現が音色特性と双璧を成す。しかし鉄との戦いはこの動きどころか、情けない話だが初期段階の音色特性でつまずいている。時々思うが、殆ど病的で実にネクラな研究がjazzオーディオで、天文学的発明をしたところで有名にもならないし、ノーベル賞も関係ない。しかし奇想天外な現在のラインアンプの、この勇姿を見よ!

01風邪気味のkuraiman研究員には気の毒をしてしまったが、電源トランスを入れる鉄缶に思うようなサイズが無く、ブリキ板を買って缶を作ることにした。このブリキ板がクセモノで手は切れるし、ハンダが上手く乗らない。しかし人格者のkuraiman研究員はもくもくと加工作業を続ける...

1”kuraimanさん、もう止めよう!”流石に0.25mmのブリキ板は手に負えず断念。そこで探すと塗料の空き缶で3リッターサイズがあり、とんでもデカイがやむを得ずこれにした。ごらんのように取っ手がありブサイクな鉄缶だが、

2直ぐに改造してしまうのがあんぷおやじ流儀で、カシメ状態の取っ手受け部を強引に剥がす。出来るだけ本体に傷を付けないように苦労する。既にチャンデバや2a3のパワーアンプのサイズが平面で600mmx600mmにもなってしまい、大きさは大問題でありました。

3続いてグリッドチョークを入れる茶用の鉄缶を調達する。ネットで見つけたショップへ発注、直ぐに届いたが何と静岡市の葵区で、なんだい隣町じゃあないか。この缶は良い、出来もしっかりしていて美しく何よりも安く、1個300円では作ってはいられない。これで磁気シールド用鉄缶に関しては全て解決した。

4プレートチョークは銅線で出来ているから銅の特性の音が柔らかくボケる、ではなくて硬く痩せるているから難儀している。これが鉄心のせいと思っているが、レンツの支配力で音にブレーキが掛かったり加速が掛かったりしている、とも推測できる。磁気現象については難しすぎで、音色特性の因果関係も推論の域を出ない。そこで今やれることは、全てのチョークコイルを防振構造にすることになる。

5早速入荷した鉄缶の加工に入る。上画像の黄色丸印チョークコイルを下画像の黄色丸印にように水晶粒防振構造化した。m+aさんの音色研究も進み、並列接続の補助的な部品も音色には重要な作用があるから手は抜けない、の言葉通り黄色丸印のチョーク類を防振構造化することで音の彫りは際立ってきた。だがカラヴァッジョ音色特性は未だ...

6昔も良くあったが技術的困難に直面すると答えが夢に出てきて...慌てて飛び起き真夜中でも出社して直ぐに答えを実験してみる。全勝とはいかないが、かなりの確率で困難な状況を打破してきた。以来後遺症とでも言おうか、習慣とでも言おうか、1人24時間営業はこうして生まれた。銅線のくせして音が痩せる、ひりつく、呪文のように唱えていると夢に出る。答えは電流か?

9そうだ電流だ!
真夜中だが居ても立っても居られず店へ出る。流している電流の大きさにより銅線の音は支配されるのだ。仮に200hのプレートチョークを使い、この時の交流振幅が±100vとしよう。jazzオーディオ上限の周波数を10khzとするとインピーダンスは12MΩにもなってしまい、次段駆動電流は8μアンペアしかなく、下手をしたら漏れ電流領域になる。±100vは出力管の励振領域の話でラインアンプでは更に1桁下がって0.8μアンペア、これは最早空気で駆動しているようなものだ。音のエネルギーの源は電流で電流伝送が基本になる。そこでインピーダンス補正のスイッチを付けてインピーダンスが高周波で上昇しないようにした。
Ftoku10khzなんか冗談じゃあない、100khzまで出るスピーカもありまっせ!ampラボには厳しい研究所入所試験があり、耳の感度を試験している。テクトロのsg505で周波数を可変してどこまで聴こえるかで決める。年寄り軍団はたいてい10khzまで、t-mon研究員なんかは20khzまで聴こえる。試験の合否は簡単で、確実に聴こえる10khzを出しておいて時々止め”ほーら、聴こえるでしょう!”と問い、思わず”うん!”と言ってしまったら不合格です。

7_3音の痩せや、ひりつき感はなくなり聴きなれた音になったが、面白くない。この手法は時間を掛けて理論的裏づけと実験による検証を重ねる。他所で聴いたトランス駆動やプレートチョークの、音色奇妙はここから来ていたと推測でき、分厚い音を求める場合真空管アンプだから電圧動作で良い、は成り立たない。黄色丸印がインピーダンス補正機構になる。

9_2ここで1つの結論に達し、ドライブトランスやプレートチョークは太い銅線で出来ているから、ニッケルクロムやカーボンで出来ている抵抗より音の悪い訳がない。いや必ず音は良いから、ドライブトランスやプレートチョークを使って音色が奇妙とかレンジが狭いとすれば、どこか使い方に問題があるのだろう。jazzエネルギーは太い銅線に多くの電流を流してこそ生まれる。しかし太い銅線を使って大きい抵抗を作らなければならない、とゆう大いなる矛盾と遭遇する。

8鉄のインダクにより周波数上昇と共にインピーダンスも上昇するから交流電流は流れ難くなり、ドライブトランスの2次側は規定の負荷抵抗にすべきだし、プレートチョークはゲインを稼ぐために徒にインダクタンスを増やすべきではない。佐久間式の支持者にでもなってしまうが、銅線を良いとすれば後はトランスの鉄心だけ、ここの音的解析が最重要と考える。コンデンサや銅は味方で気を許すが、鉄やコイルは一筋縄でいかず味方でもないから気は許せない。しかし人間と同じで一筋縄でいかない方が面白く、仲良くなったときの成果は大きい。鉄との戦いは今始ったばかりで、ターンテーブル用のacモータと一緒で最後の難関は磁気現象になるか!

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