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2017年2月 1日 (水)

解剖力学 電解コンデンサ解剖

Tosimayasumasax国営放送で凄い画家の絵を観た。スペインのグラナダに怒(ド)リアリズムとでも表現したら良いのだろうか?日本人画家の戸嶋靖昌さんが25年間も在住していた。1996年にグラナダを旅した時にはまだ居られた訳だから、今頃知るとは残念で遅きに失した感がある。本物の絵を観た訳ではないが、プラド美術館で観た暗いリアリズムのゴヤよりも、重苦しい迫力を感ずる。”汚い色を使いこなせないと本当の美の表現はできない!”と言われていたようで、ピンと来た。そうなんです、ブルーノート1950年代の美しくなく痩せ易いゴリゴリ音を上手く使いこなせないと、jazz黄金期の真髄に迫ることはできない。戸嶋靖昌さんの怒(ド)リアリズム的jazzオーディオ表現が、表面的には何もかもが綺麗に明るくなり過ぎて、闇を隠そうとする現代にこそ必要と思う。

1アンプラボでは”狂っていますね!”が最近の挨拶になっており、余人をもって代え難しは狂気の世界で、そこまで探求しないとそんじょそこらのjazzオーディオと同じになってしまう。今回の狂いは電解コンデンサになる。電解コンデンサを悪者のように扱う人々も多いが、このコンデンサしか電源と蜜結合できないから何とかするしかない。そこでsae2600に使われていたGEの電解コンデンサ9800μf100vを解剖して、謎を解き明かそう。

2端子の付いている側からノミとハンマーを使いゴムシール部分をアルミケースから剥がしにかかる。もっと電解液がベタベタしているかと思っていたが、大したことはなく解剖も案外楽だな。但しノミの入れ方を間違えるとコンデンサの破壊につながるから、慎重且つ大胆に解剖を進めよう。

3期待していたコンデンサ引き出し線はアルミでがっかりした。要するにこの種の電解液に耐える金属はアルミになりコンデンサ本体の金属箔、引き出しリード線、端子、これらはかような条件で全てアルミとなっていた。電解コンデンサのm5のタップの切られたネジ部がみんなアルミで音を悪くするのになぜ?と長年疑問を持っていた。

4 更に解剖は進みアルミケースを縦に切り始める。名医とは言い難しの乱暴な解剖に我ながら目を背ける。アルミケースを開いてコンデンサエレメントを抜き出そうとしたが、どうやら底部で接着してあるようだ。結局はズタズタに解剖してコンデンサエレメントを取り出した。

5アルミ箔と電解液を浸した紙をグルグル巻いて電解コンデンサは作られている。少々だが電解液に触れるとピリピリと違和感があり、取り扱いには注意しよう。右側の黒い丸やコンデンサエレメントの黒はゴム系の絶縁及び防振材で、これが溶け出して底部に張り付いていた。

7完全に解剖が終わった電解コンデンサで所要時間は1時間、たったこれだけで多くの事情が理解できた。フィレンツェ時代のダ・ヴィンチは夜な夜な死体置き場に通い、禁止されていた人体の解剖を行い名画の原動力にした。100冊の専門書を読むより、1回の解剖で明らかにされることの多さにたまげる。

Tosima2生涯を通じて富や名声に重きを置かずそれらに無縁で、800枚もの絵を残された。亡くなった後にその膨大な絵画が発見されて評価が高まり、孤高の芸術家の生き方をされた。芸術家のブームも作られているのか?仕掛けられているのか?フェルメールの時も、モネの睡蓮の時も...幾多もあったが心を動かされることはなかった。しかし戸嶋靖昌さんの絵画にはダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、カラバッジオ以来に心は動揺し動かされた。jazzオーディオ表現の新たな指標(近くでは荒削りだが、離れると分厚く音が浮きあがる)の登場に近づきつつあったコルトレーン魂が遥か彼方に遠のき、又してもスタート点なのか?描きつくされたはずのリアリズムもまだスタート点であることを示唆し、清貧とゆう2文字が似合う21世紀孤高の天才画家が、日本人であったことに感謝し誇りを持とう。

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