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2017年2月23日 (木)

電源力学 電解コンデンサ開発騒動記6

Bill今思えば、コルトレーンの亡くなった1967年に全てが決まってしまった。オーディオショップのレコード棚から睨みつけていたコルトレーンのクル・セ・ママ、オリオン座の隣にあったjazz喫茶5spotのk井マスターからガボール・サボを聴け!と言われ、オーディオショップのレコードコーナーからビル・エヴァンスに呼ばれた。
RLP 12-291   Everybody Digs Bill Evans Bill Evans (piano) Sam Jones (bass) Philly Joe Jones (drums) NYC, December 15, 1958
1. Minority
2. Young And Foolish
3. Lucky To Be Me
4. Night And Day
5. Epilogue
6. Tenderly
7. Peace Piece
8. What Is There To Say
9. Oleo
10. Epilogue
7曲目の”Peace Piece”はjazzじゃあねえ!とも言われたらしいが、エヴァンス・フリークは何でもok、オリジナル盤でもせいぜい2万円台でワルツ・フォー・デビイ(Waltz for Debby)みたいなことはないから安心しよう。思うところがあってamgからEverybody Digsのcdを降ろしテストする。銅電解コンデンサにするとベコベコの安物のcdプレーヤーでも、このレコードオリジナル盤より音色が美しくたまげる。音の悪い責任を安物のcdプレーヤーだとか、ボロいスピーカだとか、他人のせいにしない方がいい。全ては自分の不徳の致すところで、jazzオーディオの深さを見てしまった。

0組み上がった銅電解コンデンサの最強版、プラス電極もマイナス電極もofc純銅板1mmのモンスターである。オリジナルは至宝のフィリップス電解コンデンサ4000μf 200vで、ミルトさんと半分に分けたから2000μf となり、更に長過ぎで半分に切断して1000μf となる。それにマイナス極ofc純銅板平面による表面積減少を1/30として30μf が設計値、更に密着度ファクターを1/2とすれば15μf は欲しい。ところが静電容量がたったの3μf で考え込んでしまった。理に適わなくても前進するのが冒険者で、とりあえずコンデンサの体を成しているか調査する。

5直流電圧を恐る々上げながらラインアンプで使用する電圧150vにしてエージングする。オシロスコープの波形はリップルが大きく直流電圧との間に開きがあり、明らかに洩れ電流が大きい。洩れそうな所は全て養生してあり、疑問は残っても冒険者はまたしても前進するしかない、がこれを無謀と言う。

2マイナス極のみ銅板の電解コンデンサを外して、最強に入れ替える。水晶粒を今回も400kgくらい注文したらしいが入荷が無く、画像のように水晶粒の充填が完全ではない。音は直ぐに出て、これはもう事件です!何が違うってヒリツキ感が全く消えて実にまろやかで憂いに富んで、好事魔多しで3μf は容量不足でハムる。凄いものを聴いてしまった。しかし深夜では大きな音は出せない、翌日にしよう。

3仮眠して戻った早朝、さあ期待に胸膨らまして電源を入れる、ボッ!と大きな音がして何かが飛んだ。慌てて全ての電源を切り最強両面銅電解コンデンサ取り外し、片面銅電解コンデンサに戻した。この日はアンプラボ開校日で、研究者の皆さんへ消えてしまった音の常套句”とにかく凄かった!”と伝えるしかない。

0 最強両面銅電解コンデンサを解体するとプラス電極とマイナス電極の短絡が発生しており、その要因が銅の切り子など鋭利なゴミや電極のofc純銅版のバリで、電極同士を締め付けると絶縁層を破壊して短絡した、この時はそう思った。そこでofc純銅版のバリの除去や清掃など丁寧に作業して再び組み上げた。

1新たに組み上げて特性を取るが相変わらず静電容量は小さく、リップル電圧と直流電圧に差があり洩れ電流は大きい。テーピングなど仕上げ方法を変えたが変化は余りみられない。相当に丁寧に組み上げたからこれで良いだろうとラインアンプへ組み込み音を出す。来た~!この音だ、このふくよかな音を聴いたら元に戻れない。しかしやはり真夜中で大きい音が出せず、翌朝に期待して意気揚々と引き上げる。そして翌朝、自信を持って電源を投入すると、ボッ!と大きな音がして何かが飛んだ。これはもういけない!

22度も起きれば偶然ではなく方法論に問題があって短絡したと考え、分解して徹底した分析を行う。電解紙に焼き切れた痕がありここが短絡した箇所になる。その周囲も短絡予備軍のように緑青っぽく変色して、これが短絡の原因とみた。

3続いてプラス電極のアルミ箔を見るが電解紙と同様に短絡して焼き切れ、穴が開いている。大きな穴の周りは小さな黒点が見られ短絡予備軍がある。

4 一番外側に巻いたマイナスの電極にも短絡の痕跡があり、ここへ電気が飛んだ。

91最後に最内周のofc純銅板をプラスのアルミ箔を剥ぎ取り観察する。プラス電極のofc純銅板で電解液の滲みた箇所は銅を酸化させ、この画像のプラスアルミ箔(黄色丸印)に薄っすら黄緑掛かった箇所から銅イオンが誘電体層をすり抜け、マイナス極に到達し短絡したと結論付けた。

8マイナス極のofc純銅板方式は還元作用のみでまず問題なく銅電解コンデンサが出来る。プラス極をofc純銅板化する方式は、プラスアルミ箔に付着した電解液を洗い流し乾燥させ片面の誘電体を剥離し、アルミ箔とプラス極ofc純銅板の間に電解液ガスが入らないようにシールする、理屈上可能性は大いにありだが長期に渡り安定的に使用するならば、やはりマイナス極のみofc純銅板方式で妥協するしかない。しかしこれだけでも水晶粒防振構造化と相まってとんでもない音がするから、強欲はいかんのね。外形がΦ400mmとバカげたくらい大きな電解コンデンサの容量はたったの10μf だが、見事に凄い音がして滑稽で痛快な話である。

Billxx外は雨、
真夜中だが Everybody Digs Bill Evans から”Peace Piece”を遠慮なく大きな音量でかける。水晶粒防振構造化マイナス極ofc純銅板電解コンデンサは、これでもか!くらいに美しい音色を奏でる。それにしてもビクターの20bit k2 ビル・エヴァンスcdは厚みのある良い音がして、このk2リマスタエンジニアはたいしたものだ。まあ、ダテに24,000円も払ったんじゃあない。海外のものを持ってきてもこれだけの音は出ないし、ハイレゾで情報量を増やしても音の厚みとは直接的でないし、リマスタにおける音の厚みとは一体何処から来るのだろうか?

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