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2017年2月15日 (水)

電源力学 電解コンデンサ開発騒動記覚醒編

2開発や発明に長く携わっていると人間の力の凄さを感ずる貴重な経験も、ままある。しからばどのような人間が如何にして力を発揮したかのプロセスが興味深い。まあ、ドクターとか高学歴とか鳴り物入りで来られた優等生は枠からはみ出さず案外ダメだったりして、ごくフツーの成績のエンジニアが突然覚醒してはみ出したりするから、面白い。こっちは開発や発明の責任者だから成功させなくてはならないプレッシャーがあり、誰にでも任す訳にはいかず、共同研究者の認定基準を持っており未だに変わっていない。第一義に好奇心旺盛と奇想天外 、第二義に合理性であります。好奇心旺盛と奇想天外は自称持っているが(真に持っている人は少ない)、合理性を持ち合わせていないと遊ばれてしまい、コトは成就しない。この遊んでしまう開発者や発明者や研究者を、うんざりするほど見てきた。

66過日のkuraiman社長氏宅、まあこんなものか?としていたが、粘ってもう一度仕切り直しで音像定位の調整を丹念に行う。電源周り改造のエージングも進み、突然jazzが覚醒した。それまで殆ど居眠りをしていた名工ミルトさんが、食い入るように聴いているではありませんか。50年も聴き続けているガボール・サボのgypsy’66は2度と聴けないような迫力で、新たな才能を発見したような興奮に包まれる。しかしgypsy’66のcdがamp工房のインパルスオリジナルレコード盤より良い音では、考え込んでしまう。

3_2共同研究者の認定基準を持った名工ミルトさんは、ガボール・サボのgypsy’66の2度と聴けないような音に覚醒したか?帰りの車中、次々とスーパー電解コンデンサ開発のアイディアを噴出させる。”一番外側のマイナス極ofc純銅板に分厚い1.5mmを使い、純銅板エンドの双方をL型に曲げそのL型同士をofc純銅ボルトも作り締め上げる!あのofc販売業者にはofcの丸棒もありネジを切りetc...”こりゃあ凄いや、あんぷおやじも唖然、電解コンデンサのギャップも見事に調整できるし、マイナス極のofc純銅板1.5mmはとんでもない音を出すに決まっている...人は時として覚醒するもので、ここで開発者の値打も決まる。

5翌日ガボール・ザボのgypsy’66を注文しました、と名工ミルトさんが訪ねてくる。そこで再びスーパー電解コンデンサ開発のアイディアが伝えられ、”最内側と最外側にofc純銅板を配置して全体を包み込み端面をハンダ付けすれば電解紙が密閉されて電解液の蒸発は無い”又しても凄いアイディアだ。そう来たか!ならば至宝のフィリップス電解コンデンサ1989年モノで勝負しよう。

6その場でニッパ1丁でサクサクと解剖を始める。思わず歓声をあげ”これだ!”電解コンデンサの表面のボコボコはコンデンサエレメントを固定する為で、パラフィンなどの軟弱な固定材を使用していないから振動力学的に最高の音を出していたのだ。実に単純だが巧妙な仕掛けにたまげて、思わず日本のコンデンサメーカに”もっと出せよ!アイディア”となってしまう。

Caravjazzオーディオはこうあるべき!こうじゃあなければならない!などの常識は一切捨て去ろう。余りにも進化したデジタルテクノロジーは何でも手に入り、何でも出来ると錯覚させてしまう21世紀、常識とゆう錯覚した安住の地からは本物は生まれ難い。恐れず非常識とゆう衣をまとって突き進もう。サン・ルイジ・ディ・フランチェージ聖堂のコンタレッリ礼拝堂にある、1600年にカラヴァッジオによって描かれた3部作、聖マタイの召命、聖マタイと天使、聖マタイの殉教のうち、画像の”聖マタイと天使”が最高傑作と決めて常にjazzオーディオ表現の指標としている。400年もの長きに渡り人々を感動させ続けるものが本物で、そこに現実と幻想を観る。そしてコルトレーンの現実と幻想、この幻想にこそ我らの思いが込められる。

922月11日にマイナス極をofc純銅板にしたものが完成して”音はアルミ臭さが大幅に減り、太くなり低域が沈み込みやや甘くボケて純銅の音色特性そのものが出てきて苦労は報われた!”としたが、あれから5日が経ち遂に覚醒した。ビル・エヴァンスの高音質ではない普通のcdでもピアノはカキーンと深くはじけ、ジルジャンは染み渡り、ベースはゴンゴンと沈み込み、これが半分ofc純銅板電解コンデンサの威力かと思い知らされる。電源が音を出している信念で探求してきたが、その最重要部品が電解コンデンサだった。トランスやプラグやダイオードや金ヒューズや、それらよりも圧倒的に音を支配している。言い換えるならば、アルミ箔電解コンデンサは如何に音を悪くしていたか!となる。

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