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2017年7月31日 (月)

振動力学 水晶粒防振電源トロイダルトランス

00金田式の1980年代バッテリー駆動パワーアンプは誠に痛快で、乾電池ネオハイトップの数珠繋ぎでb級ならば70wも80wも出た。折りしもロボットが売れ初めて、他社との差別化はこのバッテリーアンプからもらったエネルギー効率の向上のテクノロジー思想で、以来一貫してエネルギー効率向上思想を原点に据えている。経営会議で力説したのは、直接的エネルギー効率の向上だけではなしに、使い勝手、サービス、メンテナンスも含めた間接的エネルギー効率の向上だった。金田式で妄信したり、音は良いの悪いのと聞こえてくるが、そんなのナンセンスで金田先生からもらった思想で自分流儀の音を作れば良い。

0xxそこでjazzオーディオに戻る訳だが、やはりここでも優先すべきはエネルギー効率の向上で、投資金額に対する音の良さがそれに値する。例えばタムラの金田式トロイダルトランスは55,000円もしたが音は別にで、今般成功した水晶粒防振電源トロイダルトランスはほぼ同額だが音は圧倒して、これこそがエネルギー効率の向上と言える。

1ここの所、暑さに負けて昼間は自宅で爆睡していると、名工ミルトさんから4、50分でそちらへ行きますが!と連絡が入り、慌てて徒歩で店に向かう。余談だが、愛車の花屋の車の冷却装置周りから水漏れが起きて遂にご臨終となった。30年も前の車だからもう仕方ない。持ち込んだのが上記設計図通りに製作した、水晶粒防振電源トロイダルトランスで、その仕様は素晴らしく、1次200v、2次18vx2、9.9vx2、4.5vとソニーCDP-337ESDの200v仕様電源トランス、これこそが電源密結合の秘密兵器なのだ。

2早速トランスの体を成しているかの検査をする。負荷抵抗は代表格巻き線の(18vx2)に47Ω抵抗を並列接続する。200v仕様で電源が間に合わないので、スライダックのmax130vまで上げる。ミルトさんの電圧降下法測定による1次インダクタンスは33hとあり、十分な値を示している。

31次電流検出抵抗はdealの10Ω1%を使う。1次電圧をスライダックmaxまで上げて電流を測ると185maと出た。

4この時の1次電圧は132.5vとなる。

52次電圧は22.5v、先ずは電圧比換算、200v/132.5v=1.51、1,51x22.5v=34vとなって、設計値36vの計測誤差も含めた誤差範囲。2次の負荷電流は1次負荷電流185maから換算すると、(132.5v/22.5v)x0.185a=1.1aで十分すぎる値になる。出来た!とエージングに入るが24w程度の負荷では、1次、2次巻き線とも熱の欠片すら無い。もっと凄いのは、トランスの唸りの発生する要因が皆無で、これこそが医療用に使え、サイレントトランスと命名しよう。このサイレントトランスは勿論特許構造だが、著作物としておく。又しても余談だが、オーディオ用電源アイソレーショントランスでブ~ンと唸りが出ても平気で作っているメーカもユーザーも、この振動で音を悪くしていると気付いて欲しい。

7ミルトさんの健闘を讃えながら”こんなに凄いことは力説して広めることは止めよう”と言うと、ミルトさんは”空しいだけ”とつぶやいた。ハイエンドオーディオに大枚投資して、金額換算なんかできやあしない。金額換算できないものを広める訳にはいかない。学術的権威で難しくしていることへのアンチテーゼで、難しいトロイダルトランスを四則演算だけで作れるように簡単化して大衆レベルに引き下げた。権威権力の威を借りても音はたかが知れている。

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2017年7月29日 (土)

振動力学 チャンネルデバイダ その4

1505xxお世話にもなっていたから悪くは言えないが、altecのa7の出物が出たから見においで、とオーディオショップの店主から連絡があった。もう30年以上も前のことになる。結構古いオリジナルでいっぺんで気に入り、しかし余り欲しがると高くなるので、まあまあじゃあない幾ら?と金額だけを聞いて帰った。何日か置いて、やはりa7は頂きます!と連絡すると、当初の金額から10万円ほどアップしてしまい、それじゃあ結構です!と断った。結局a7はその後も2度ほどチャンス到来だったが、縁は無かった。憧れ欲しかったのが288-16gと1505ホーンで、現在は1003bホーンでそれが実現できているから、高額にしたオーディオショップ店主には感謝している。

Kanetaxマルチアンプシステムなんて究極のオーディオシステムで、生涯縁は無いと思っていたが金田式はそれを容易く実現してしまった。バッテリー式で1980年代後半のことでした。まあ、音はオンケンを使ったこともありjazzにはチョット...で長生きしなかった。電源はバッテリーとrコアトランスの電源で、バッテリーの消耗には閉口した。
Cellowx次のマルチアンプシステムは毎度登場の金満のオールcelloシステムで、見事に失敗した。
6これに懲りてマルチアンプシステムは、もうやらん!と決めたが、同級生に口説かれた。そしてjazzショットバー、クレイドルのマルチアンプシステムは見事に成功した。
Multこうなりゃあ柳の下のどじょうで、amp工房もsae2600でマルチ化した。実につまらない音で長い時間を掛けて構築したものを、1日で解体した。
Kuraiまあ、これらに使ったパワーアンプはそれなりの名機で、問題はチャンデバにあると気付いた。オーディオシステムは直列接続だから、途中に入るモノが音楽性豊かにしてくれないと足を引っ張り、全てを台無しにする。でありますからチャンデバの機能は勿論のこと、音楽性豊かなバッファアンプを作らねばならない。よってパッシブフィルターは使えないことになる。kuraiman社長邸のチャンデバは凄すぎで、作って音出しした瞬間から空中に音が飛び散り位相特性は、いきなり合格!長年オーディオをやっているがこんなことは初めてで、水晶粒防振構造の賜物と理解している。通常は音色特性を完成させてから次に位相特性となるのだが。音色特性は純銅コンデンサやトランスなど音色を支配する部品を、次々と交換していけば良い。如何にチャンデバが重要かを思い知って調整中でありますが、もうやらない!アンプは増えるは、システムが桁違いに複雑化するは、で大変な重労働であります。

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2017年7月27日 (木)

振動力学 水晶粒防振出力トロイダルトランス編 2

Patamp工房メインシステムのパワーアンプは2a3シングルで、出力トランスにプライトロンのpat-3025-se-02を使っている。これのスペックは1次インピーダンスが2.49kΩ、直流抵抗が40Ω、インダクタンスが18hとなる。何社か試したが音の品格でこれに決めた。その能書きがふるっており、特殊な巻き線方法とコンピュータ解析と、数百にも上る試作品によってスペックを決めた、とある。我ら素人軍団はやたらと試作をするのが当たり前、しかしプロでしかも最強のコンピュータ有限要素解析を持ってしても人手による数百の試作なのだから痛快、それだけ磁気現象は難しいとゆうこと。面白い考察、シングルトランスのpat-3025の重量は5.4kg、一方プッシュプルトランスのpat-4006の重量は2.54kgと軽い。その理由だが、シングルはa級動作で直流を流すため磁気飽和から逃げるべくコアヴォリュームを2倍近くにして、磁気ギャップなど飽和防止をやっていないと推測する。

Pt0そのプライトロンの電源トランスの巻き線画像が出てきた。なんてこたない、タムラのトロイダルトランスも似たようなモノで、こっちは巻き線方法を見てぎょっとした。コアの上下面に平たく巻いているから、我らのインダクタンスの測定法に問題があったのだろう。hiokiのlcrメータに頼りすぎた。一番簡単な電圧降下法によるインダクタンスの測定が、鉄心入りの大容量インダクタンスには向いている。

345出力トロイダルトランスの製作が可能?になって、俄然現実味は古典管カニンガムcx345シングルパワーアンプによる3相正弦波駆動のdp-80ターンテーブルなのだ。イマイチ筆が進まなかったのは真空管アンプにおける出力トランスの存在で、dp-80用なんて市販品には無い。それが自分で出来るようになれば補間作用が強力に働き、全てがテキトーで良くなる。目くじら立てて難解な数式を操り難しいのは、個々が独立していると相手に合わせなくてはならないからで、自分で全部作れば自分内談合で事は足りる。

Dp802そこで以前のエントリーdenon dpー80モータの可能性 から、実験データを引きずり出す。あんぷおやじのブログは難しい、と言われたりするが、このブログの目的のひとつにデータの整理があり、ココログを借りてやっているフシがありスマン!
そのデータから、
駆動周波数55hz
電源電圧±34v
駆動電圧22vrms
駆動電流0.13arms
トルクは十分すぎるほど出ている。

Dp806これらからインピーダンスを概算すると2次インピーダンスは172Ωでインダクタンスは0.5hとなる。カニンガムcx345出力トランスの1次インピーダンスは4.6kΩ、2次インピーダンスは172Ω、すると巻き数比は√4600/172=5.17となり、1700/5.17=330ターンと出る。電圧比では1次電圧140vrms、2次電圧25vrms、電圧比は5.6:1となり、巻き数比とほぼ一致する。まだ構想段階で、数値数式はテキトーで参考にはしないように。

Ttrxdp-80用カニンガムcx345の3chパワーアンプ及び200khz電流制御サーボアンプのトロイダルトランスは、電源トランスが1個、出力トランスが3個の合計4個となる。画像はトロイダルトランス1個分の水晶粒防振構造になるが、合計4個はターンテーブルメカの下部に水晶粒層を設けそこに入る。

35h0最近のトレンドは電磁鋼板の特性表を眺めることで、ここに小宇宙を見るような気がする。ロボット屋のモータ屋で磁石には随分拘ったが、電磁鋼板までは踏み込みたくなく避けていた。ラグビーファンだから新日鉄を支持し無方向性電磁鋼帯から選択すると、35h360となる。厚さは0.35mm、b50磁束密度は1.6t、ちなみに方向性になると1.8tとなる。磁化力hはdp-80の場合60maがmaxになるから80(a/m)となり、磁束密度は0.6tで最大値1.6tに対して十分な余裕が出来た。

337ソニーCDP-337ESD最強化手法は驚異で、緻密で細かい音をsn比良く拾う高額ハイエンドのcdpとは違い、色艶がつき音楽が躍動して聴いたことの無い音なのだ。これを体験しているのは名工ミルトさんとあんぷおやじだけ、理屈で考えればcdのデジタルデータを水晶粒防振して何で音が変わる?となるのでしょうが。いくら凄いパワーアンプを作ったとしてもcdやレコードプレーヤのセンサーから色艶素晴らしく拾えなければ、力の発揮しようが無い。とゆう訳で俄然dp-80用カニンガムcx345のトロイダルトランス設計へと、方針がグラつくのでありました。

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2017年7月25日 (火)

振動力学 水晶粒防振出力トロイダルトランス編 1

Vincixmj8月号に佐久間さんの記事が載っており、巻頭言に”沢山のオーディオの知識がどんなに音をだめにしたことか!”と一刀両断にされていた。知識は行き過ぎると権威となり、権威を振り回すようじゃあオーディオも含めてすべからくだめになる。高学歴の高知識に頭脳の大半を費やしてしまうと、オーディオの芸術の芸の部分には頭脳が回らなくなるのだろう。もっとも高学歴の高知識で「音の良し悪し測定器」が出来るならば、認めて従うけど。ダ・ヴィンチの無学の徒が指標で、科学と芸術の融合で世界を変えることが出来たのだから、大いに無学の徒(権威の無い独学)となりjazzオーディオに新たな道を切り開こう。
注:音の良し悪し=おとのよしあし、と教養豊かな方は読もう。

245さて無学の徒は水晶粒防振電源トロイダルトランスが上手く出来たものだから気を良くして、次は出力トロイダルトランスを作ったろ!と決めた。電源トランスほど簡単には出来ないが、難しいラッキョウの皮を1枚1枚剥いていくと終いには何も無い、が難解とされているものの正体ならば、喜んでラッキョウの皮を剥きやしょう。カニンガムcx345のシングルアンプの出力トロイダルトランスは、a級2wの出力とすると、1次インピーダンスは4.6kΩ、2次インピーダンスはアルテックのマルチだから16Ωとなる。すると直流電流は36maになり、2倍強の100maで磁気飽和をしないトロイダルコアを選ぶ。

1そこで無方向性か、方向性か、どっちの電磁鋼板が一番良いのだろうか?鉄心で音が変わる...理由はナニ?振動係数とゆう切り口から違いは推定できる。電源トランスの交流だけより、直流を流しその上に交流が乗る出力トランスの方が厄介だ。100maで磁気飽和しない鉄心は透磁率が低く磁気抵抗の大きい方が良い、と思わぬ検討結果が出てきて、磁気現象が苦手なあんぷおやじも電磁鋼板がたまらなく面白くなってきた。

2磁束密度B=μHでμは透磁率、Hは磁化力(a/m)となる。巻き数比は17でおおざっぱ1700ターン巻くとすると、数式はH=巻き数x電流値/(トロイダルコアの長さ)で、H=(1700x0.1)/1.287(単位は全てMKS系)132(a/m)となる。方向性の場合Hを132で追うとBは1.8T(テラ)となり飽和領域に近い、そこで無方向性を見るとBは0.8T(テラ)となり飽和領域までに俄然余裕がある。てっきり方向性になると思っていたが、磁気飽和から逃げる為に磁気ギャップを付けて磁気抵抗を増やして飽和を防いでいるくらいだから、透磁率は低い方が良い。まあやってみるか!

0_3無学(独学)の徒は、はなっから権威など皆無であるが、水晶粒防振出力トロイダルトランスを検討していると、最低限の知識は要る。だから知識の必要性も認識しているが、その時が来たら勉強すれば良い。余談だが、ファインメットやアモルファスは方向性に比べて透磁率は何と10倍!しかし磁束密度は70%とダウン、これは一体?ファインメットもアモルファスも最近の車みたいなもので、高透磁率でアクセルをガンガン吹かし、コアギャップでブレーキを強烈に掛けてコーナリングする。マニュアル車で最適なギアになればこんなにややっこしいコトもない。しかしこのあたりにウエスタンの名トランスがなぜ中古でも100万円もするか、の秘密があるような気がしてきた。

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2017年7月23日 (日)

振動力学 水晶粒防振電源トランスを作る 設計了

0資料出展:JEF
日本の電磁鋼板は世界一で技術が盗まれたりしている。自動車で一番重要なマテリアル(material)は電磁鋼板で、ハイブリッド車も電気自動車も、燃料電池車も電磁鋼板で作られたモータとチョークコイルを使い、世界の電磁鋼板メーカを巻き込んで高効率電磁鋼板の開発にシノギを削ることになる。まあ、感覚的には電磁鋼板を大量に使うモータは安価な無方向性で、高周波チョークにアモルファス(青丸印)等の低損失が合っている。amp工房発明の水晶粒防振トロイダルトランスは、電源トランスとチョークコイルに安価な無方向性、出力トランスとmcトランスは少々高いが方向性(赤丸印)となる。トランス類はインダクタンスがどれだけ大きく取れるかが性能の良し悪しになるが、こっちは重厚長大にしたろ!流儀で直径が1mになったって構わない。スイスにあるcern(セレン)の素粒子加速器みたいなイメージで、大きなドーナツリングの中を磁束が光速移動してる、なんて夢があって面白いと思う。

1極めつけは、鉄心と巻き線のそれぞれが水晶粒で防振となる構造。今回はそこまで出来ないのでトロイダルトランスの内側と外側を水晶粒で防振する構造にした。設計編では紙管のΦ400mmに、トロイダルトランスΦ300mmを収め水晶粒を充填する。
2水晶粒を充填するが紙管の高さが足りない!コアの上下にmdfの12mmを貼り付けて巻いたため30mm近く高さが伸びてしまい、たまらず水晶粒がこぼれ落ちる。
3こぼしながらも水晶粒を満タンに充填する。内側の赤色水晶粒非充填区域には整流回路や定電圧回路を入れる。更に純銅電解コンデンサと一体化するアイディアは、下記の構造図のようになる。
4カニンガムcx350ラインアンプの電源部をこれに入れ替えると、凄すぎでしてやったり。良い録音はより生々しく再生され、音と音の間に更に音が緻密に埋め込まれて滲みが消えてしまい、益々jazzオーディオ道を誤りそうになる。コルトレーンは決して良い音で聴きたい訳ではなく、セルマー・マークⅥ、5スター・ミディアム・メタルのオットー・リンク・マウスピースと#4リコ・リードのコルトレーンテナーからリコ・リードのビリビリをはっきり出したいだけ。
Tori2こうなりゃあたたみ掛けて、水晶粒防振トロイダルトランスを全システムに導入したろ!我々設計屋は紙で答えを出す訳だから何枚書いたってお代は払わなくてよいから、惜しげもなく設計には時間を掛ける。本番製作編はΦ550mm純銅電解コンデンサとΦ450mmトロイダルトランスを使用し、パワーアンプやラインアンプ用の外部電源は、紙管のΦ600mm~Φ650mmを使い図のような構造にする。
6現時点で全てを水晶粒で防振する手法は画像の構造となる。鉄心にはインダクタンスが十分取れるように楕円型の紙のパイプを24分割して嵌める。この楕円パイプを2分割して3dプリンターで作るコトも検討してみる。各節の1分割毎に水晶粒を充填して1周させ、全周に水晶粒層を生成する。ここが最大のポイントであり難関になる。この上から必要な巻き線を施す。このトロイダルトランスを全方位的に水晶粒に埋め込んで理想の防振構造を達成する。
Tsd15emtのtsd15カートリッジ用のmcトランスは画像のΦ450mmだが断面積は30mmスクエアと予定されて、20~23dbのゲインとして巻き数比は100ターン:1500ターンとなり、今回のトラブルで1300ターンまで巻いた実績があり問題ない。問題はΦ450mmの巨大トランス2個をどう判断するか?になる。出力トランスは直流を流すためコアヴォリュームを大きく取り、磁気飽和と無縁にしてトロイダルコアにわざわざ抵抗成分のギャップなど付けない。また出力トランスの巻き数比は100ターン:2500ターン程度を予定している。勿論これらの全ては特許もんだけど、一応著作物としておく。本編にて水晶粒防振電源トランスを作る設計編は了とするが、新たな始まりでもある。

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2017年7月21日 (金)

振動力学 水晶粒防振電源トランスを作る 設計10

0何でも作る流儀としながらも、縁の無いのがスピーカとカートリッジになる。まあ、技術を持ち合わせていないコトも理由ではあるが。スピーカはaltecの強力なる信者で毛頭手を出す気はない。カートリッジでは貴重な経験をした。イケダ9の5n銀線巻きrexの音は凄すぎで、日本刀でバッサバッサ切るような迫力があり、これほどのカートリッジは類を見ない。しかしコルトレーンの再生には緩やかな遊びも必要で、emtのtsd15に決めた。スピーカやカートリッジは凄いモノも結構あるが、音の入り口と出口は芸術の芸の付く典型的な世界で、凄さや性能よりも如何に芸術するかの難しさがある。画像は現在停止中の初期イケダ9。

1_2何でも作る流儀は遂に電源トランスを作ってしまったが、超便利、超合理化、超高効率、超安価などクソくらえで(スマン職業病の反動)それらのアンチテーゼに位置する水晶粒防振トロイダルトランスは、大きく、重く、低効率、高価で、しかし確実に音質は向上する。まあ、amp工房のお粗末な研究室でもトロイダルトランスは出来るくらいだから、滅法面白い。1次にスライダックを入れて、maxのac100vまで序々に上昇させる。1次と2次には電圧計を繋いで電圧をモニターする。1次電流=励磁電流は抵抗10Ωを入れて、電流をモニタする。
3我々ロボット屋は電流検出も得意で電流センサーも作ったりする。今回はおおよその値が分かれば良いので、dealの巻き線抵抗10Ωを使った。
22次側を開放した無負荷状態で2次電圧をac100vに合わせる。
4この時の1次電流値を読むと276mvで、10Ωで割って27.6maと電流が出た。励磁電流は少なく合格、もっと電流が流れても構わない。これでインピーダンスが3.6kΩと計算され2πfLからインダクタンスを逆算すると、だいたい9hとなりhiokiハイテスタの測定値とはエライ違いだ。
5次に負荷抵抗470Ωを2次側に接続して負荷電流を流してみる。100v/470Ω=210maで容量が20vaと小さいが、古典管ラインアンプのb電源用だからこれでも十分。
6電流値は226maと出てほぼ計算どおり。
7続いて2次電圧波形を観察すると、とんでもなく汚い。これは公益事業法に則って電力事業を営む電力会社の責任だ!と言いたい所だが、空調機を始めとしたインバータ機器、太陽電池発電のdcdcコンバータにグリッドインバータ、全てが効率を追求した結果だから仕方がない。
91トランス類は重ね巻きが基本でトランス内部は温度上昇が問題になり、ポリウレタン線のディレーティングが起きて規格値まで電流は流せない。所が水晶粒の防振構造は放熱機能もあり規格値の電流が流せて、Φ0.6mmで3aは流せる。よって300va程度のトランスまではΦ0.6mmとなり、巻き線も随分楽になる。viola のリファレンスパワーアンプbravo(ブラボー)みたいなアンプは作らず、せいぜいカニンガムのcx350古典管パワーアンプになるから、ステレオ分でも100va程度の1aとなってΦ0.4mmでもいける。

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2017年7月19日 (水)

振動力学 水晶粒防振電源トランスを作る 設計9

0今年のインディ500マイルレースで佐藤琢磨さんが勝った。琢磨さんが所属するアンドレッティ・オートスポーツは、我々古いモータスポーツファンにはお馴染みのf1チャンピョンのマリオ・アンドレッティの息子さん、マイケル・アンドレッティがチームオーナーを務めている名門で、何台ものチームカーを要し、白人至上主義の世界で日本人が勝つことは奇跡みたいな出来事なのだ。琢磨さんは”自分を信じて戦った!”と名言を残したが、これが中々難しく自分を信ずることに疑心暗鬼になりがちで、それを除去するには限りなき努力をするしかない。かくして水晶粒防振電源トランスに限りなき執念を燃やす。

1一大事!
hiokiのlcrハイテスタ3531の取り扱い説明書には、「鉄心入りインダクタンスは電流に依存します」のたった1行しか書いてない。合点がいくと同時に今まで何をやっていたのか?大体が空芯コイルのインダクタンス測定で、あまり気にしていなかったのが失敗の元。磁化曲線から透磁率μ=B/Hとなり初期透磁率はせいぜい1x10-3乗程度、最大で7x10-3乗程度となってインダクタンス測定はどれだけ電流を流すかで大幅に違ってくる。いや、実は最初から分かっていた単純な話で、hiokiハイテスタではインダクタンスの傾向値が分かれば良い、とするのが正解。

2前回決まった手法はコアの上下に12mmのmdfを貼り付けて、mdfの角はRに削る。ここへΦ1.0mmのポリウレタン線をグルグル整列巻きする。このmdf=木は圧電素子で少なからず防振効果がある。今回から面倒で巻き数など勘定しないことにした。とにかくコアの外径Φ300全周に巻いて1/2にすればトランスの出来上がり。一応600ターン巻き透磁率は5x10-3乗とすると5hと出て、実際に透磁率はもっと大きいし巻き数も600ターンを超えるからインダクタンスは更に大きくなる。

3何度も巻いたり解いたりでΦ1.0mm線はキンクだらけ、これを布でしごいて出来るだけ滑らかになるように前処理するのが面倒だ。mdfの上下プレートに半周のケガキ線が入れてあり、そこまで美しく巻く。

4半周分のインダクタンスを測ると495mhと参考値が出る。

5続いて全周巻く。
最近は慣れたもので無駄な力を入れずサクサクと巻ける。昔モータ先輩の会社へ出入りしていた時代、技術部長を捉まえてもっと綺麗に巻いてよ!と随分無責任なコトを言っていたもので、自分で巻くようになってからは大変さが良く分かる。

6半周分のインダクタンスを測ると314mhとダウンした。理由は何となく分かるがたいした問題ではない。

7続いてトランス形態であったものを直列接続してインダクタンスを測る。1.15hと出て314mhの2の2乗倍で概ね合っている。hiokiのlcrハイテスタ3531の測定値は相対比較に使えば良い。遂に、遂に電源トランスは出来上がった!

Mx特性表出展:JEF
アモルファストランスやファインメットトランスの音は良い!と言われてもなぜ?が付きまとう。透磁率は相当に大きく巻き数は少なくなり、これは有利だがコアが厚く出来ず通常の1/10程度で電磁鋼板を巻くから、重ね数が大きくなり振動力学的には不利。この2種の電磁鋼板は高価過ぎて使う予定は無いから検討は進めないが、常になぜ?を探求しないとしくじるコトになる。amp工房では水晶粒防振構造の電源トランスになるから電磁鋼板は、電源トランスならば無方向性電磁鋼板のハイライトコア、出力トランスとmcトランスならば方向性電磁鋼板のオリエントコアで十分となる。ハイライトコアとオリエントコアの違いは主に透磁率で、2~3倍は違うから出力トランスのようにインダクタンスを大きく欲しい場合には巻き数が少なくて作業が楽になる。

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2017年7月17日 (月)

振動力学 水晶粒防振電源トランスを作る 設計8

Ascensionx1967年7月17日午前4時、ジョン・コルトレーンは肝臓癌のために亡くなった。当時の朝日新聞はjazz界の巨匠が亡くなったことを慌ただしく伝え、日本では後追い自殺者が出たことも伝えたが、これについては小さな記事で当時ですら余り知られていなかった。どこの誰かはとうに忘れたが、この事実を伝えていくことがコルトレーンフリークの責務と思っている。あれから50年の半世紀が過ぎた現代はコンピュータに支配されたデジタル社会になり、すべからく1と0で物事を評価しようとやっきになっている。この時代だからこそコルトレーンの最終章「Ascension Meditations Expression 」3部作の混沌が1と0の評価とは無縁に光を放つ。本日はコルトレーンを流し続けて冥福しますが、よくよく考えたら日常コルトレーンしか流さないamp工房でありました。

01x水晶粒防振電源トランスを作る設計編の割には実際にトランスを巻いて、設計とは言えないのじゃあないかね?いや設計計算は十分やり尽くし、見えない所の確認だから設計と言える。水晶粒防振リング(青丸印)をトロイダルコアの外周へ巻いて、その上から巻き線して美しく仕上がった。出来た!と300ターン巻きインダクタンスを測ると何と30μh、またしてもやってしまった。黄色丸印のコアエッジが鬼門でここの角度が最大の重要箇所なのだ。

1コアから離して円形に巻く基本はコアエッジの角度を、折り曲げた位置を0度として90度方向へ変化させなくてはならない。そこでmdfで10mm全方位的にギャップをつけるドーナツ板を作る。これに10ターン巻いてインダクタンスを測る。

2インダクタンス344μhはまあ悪くはないが少な目で、どうやらこの方式は決め手にならないようだ。この段階から本番と同じΦ1.0mm線で実際に巻く太さとした。

3そこで水晶粒防振構造を考えた初期にケーブルでやった方式、テープへ水晶粒を貼り付けグルグル巻く方式をやってみた。

4インダクタンスは550μhでベストに近く、将来はこの手法を発展させる。

5次にコアエッジの角度を90度方向へ変化させるべく水晶粒防振リングをコア断面上下に付けた。

6この時のインダクは554μhで値も十分に出た。最終結論はコアエッジの角度だけとなる。

Viola2なぜ、難解なトランスまで作るのか?viola のリファレンスパワーアンプbravo(ブラボー)を聴けば、アンプを製作しようとする意欲は失われる。原資豊かな方は迷わず鬼才トム・コランジェロの遺作を手に入れるべきで、アナログアンプの最終章と言える。駆動力と緻密さでは勝てないが、水晶粒で武装した古典管と純銅電解コンデンサと対向巻きトロイダルトランスとetc...これらのシステム総合力と、人後に落ちない情熱で音色と位相特性では勝てる可能性が出てくる。

Carav言いかえればホキ美術館にある現代アートのスーパーリアリズムがviola流儀で、サン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会にあるカラヴァッジオがあんぷおやじ流儀となる。そしてjazzオーディオの最終章は鉄との戦いで、鉄を制するものはオーディオを制すると言えよう。その鉄とはケイ素鋼板を使ったトランスとモータで、先ずはトランス類の開発をやる。最初の難関電源トランスが完成すれば、出力トランス、mcトランス、プレートチョークと全てのトランスの製作が可能となり、異次元のトランス群が出現することになる。そして最終章の最後に理想のターンテーブル用acモータを作る。

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2017年7月15日 (土)

振動力学 水晶粒防振電源トランスを作る 設計7

0x演奏のことだろうか?麻薬のことだろうか?ボクサー級のマイルスのパンチを浴びて袋叩き状態だった。見かねたセロニアス・モンクはコルトレーンに”サキソフォンを吹きたいからからって、こんなことまで我慢することはない。私のところで仕事をしてみないか。”(j.cトーマスコルトレーンの生涯より引用)早々とクリーンになっていたマイルスは、コルトレーンに麻薬と演奏の両方を何とかしてもらいたくてパンチしたのだろう。事実1957年に再びコルトレ-ンはマイルスバンドに復帰して、1959年には不朽の名作カインド・オブ・ブルーの録音に参加して歴史に名を残した。命日が近づくとコルトレーンに係わった人々にも思いを馳せる。マイルスも飛びっきり良い奴だった。

1飛びっきり良い御仁のミルトさんからΦ300mmトロイダルコアに半分巻いて1hが出そうと連絡があり、慌ててこっちも本業を放り出してトロイダルトランス設計に打ち込んでいる。先ずは執念で巻いた1300ターンを丁寧に解く。解いたΦ0.5mm線は再利用出来るようにボビンへ綺麗に巻いておく。

2円形に巻くのが基本でトロイダルコアの外径部に水晶粒防振リング(黄色丸印)をはめ込み、その上にΦ0.5mm線を11ターン巻く。
。。

3インダクタンスは660μhと出て、以前よりはすこぶる大きいがまだ少ない。

4次にコアの上下に水晶粒防振リング(黄色丸印)を付ける。この構造の方が巻き線の防振には優れている。

5インダクタンスは659μhと最初の方式と殆ど変わらない。インダクタンスが変わらなければ最初の構造の方が楽なので、水晶粒防振リングは外径のみとした。

6トロイダルコアは内径と外径に差があるため、内径にΦ1.0mm線が密になるように巻く。内径240mmだから内周は754mmとなり、Φ1.0mm線の仕上がり外径をΦ1.2mmとすると、630ターン程度は巻けてその1/2がトランス巻き線で約300ターンとなる。上記インダクタンスから1ターン当たりのインダクタンスは60μhとなり、300ターンでは18mhとなるがまるで少ない。まあ、あんな巻き方では誤差だらけだから、いっちょう本番巻きをやってみるか。Φ1.0mm線をギリギリと巻き、目標値は300mhとする。

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2017年7月13日 (木)

水晶力学 なぜ水晶なのか!

0清水港のドリプラ2Fにあるインド雑貨店には大小さまざまな水晶玉が大量に置いてあり、目を血走らせながら何度か買いに出かけた。プニャ~ンとシタールが流れ、ちょっと妖しげなインド香が漂い、これまたシバ神みたいな衣装をまとったエキゾチックな店の女子を捉まえて、
”水晶玉には超能力があってさあ~、音が浄化されるんだよ~!”
と自慢げに能書きをたれると、
シバ神は”は~?”とつれない。
シバ神は商売だから極めて冷静に水晶玉を売り、こっちは水晶熱に浮かされ神がかってほとんど怪しい。

2we300bはなぜ音が良いのか?2a3シングルプレートはなぜ音が良いのか?カルダスケーブルはなぜ音が良いのか?これらの疑問を聞いても誰も教えてくれない。仕方がないから自分で考え答えを出した。では防振構造になぜ水晶なのか?dr o崎研究所と合同で研究と解析を進めていたがdr先生が体調を崩され中断し、amp工房単独で研究を続けている。その答えは”圧電素子”なのだ。

4圧電素子のなんぞや?はネットで調べて頂きたい。問題はその圧電素子の種類に、石英(水晶)(SiO2)、絹、木材、エナメルとあり、ここが重要なのだ。頭脳明晰な彼方はピンときたでしょう。なぜ絹巻き線なのか?なぜエナメル線なのか?の答えがここにある。圧電素子=防振機能で絹巻き線の音の良さが証明され、これに気付いた絹巻き線の考案者は凄い。圧電素子=防振機能でエナメル線(ポリウレタン線)をクロス構造にしたカルダスケーブルは凄い。でありますから、amp工房ではアンプのケースにmdf(木材=圧電素子)を使っている理由もここにある。

3_2水晶粒の防振機能は鉱物水晶の持つ2種の物性によるもので、1番目は従来から知られている水晶粒同士が擦れて力学的エネルギーを効率的に熱的エネルギーに変換するもの、2番目が前述の圧電素子だから振動圧によって電気分極が発生し力学的エネルギーが電気的エネルギーに変換され、水晶粒群内部で電気的循環消費が行われるもの。実は2番目の物性が微振動に対してより効果的に防振すると推論している。

Leexクレイトン-ハミルトン・ジャズ・オーケストラで活躍し、カリフォルニア州立大学(California State University)の教授でもあるJames Ford(tp) ジェイムス・フォード(トランペット)さんがamp工房へリー・モーガンを聴きにみえた時”なぜ水晶玉なの?”と興味津々に聞くものだから、つい”ダイヤモンドなら100万$もしてしまい無理でしょう!”とジョークしてしまった。鉱物水晶は霊験あらたかでもないし、オカルトチックでもないし、極めて冷静に”圧電素子”なのだ。

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2017年7月12日 (水)

水晶力学 MJ 無線と実験 8月号

Mj8無線と実験を取り始めたのがジョン・コルトレーンが亡くなった1967年に遡り、オーディオも本格的に始めた年で、以来50年間オーディオ誌の中では一番のお付き合いをしている。当時はオーディオ黎明期でトラ技ですらオーディオをやっていたような時代で、オーディオ誌は百花繚乱の時期を迎えようとしていた。所が現在はただMJ一誌のみの厳しい時代になったもので、貴重なオーディオ技術誌と言える。

Mj81今般MJ編集部k川氏の依頼で、水晶粒による防振構造について執筆しました。粗原稿を見事にまとめて頂いたk川氏に感謝であります。この先も水晶粒防振のアプリケーションを次々と開発して、jazzオーディオの新境地を開いていきます。先ずはMJ誌の購読をお願いします。

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2017年7月11日 (火)

振動力学 水晶粒防振電源トランスを作る 設計6

0画像出展:wikipedia
イタリアの北部、カッラーラ(Carrara)の大理石産出現場にミケランジェロは8ヶ月間も閉じこもり”ただ私は石の中に見えるものを掘り出すだけ”と名言を残した。思うに見たって見えないから、見えないからこそそこで創造活動が行われ、彫るべきモノを心の中に見出したのだろう。8ヶ月間が長いか短いかは分からないが、凡才のわれ等は執念深く時間を掛けることにおいてはミケランジェロに負ける気はしない。かくしてトロダルトランスの磁気抵抗、透磁率、自己インダクタンスを呪文の如く唱えて睡眠不足の幽霊状態になっている。

1_2計算上は間違っていないΦ1mmポリウレタン線を200ターン、トロイダルコアの断面にへばりつくように巻いて、たったの13μh!

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2_2ならば全面に巻いたろ!
Φ0.5mmポリウレタン線を執念で巻いた1300ターン、トロイダルコアの断面にへばりつくように巻いて、たったの1mh!

3先週の日曜日の夕方、名工ミルトさんが”トロイダルコアに巻き線してみたがアドヴァイスが欲しい”と持ち込む。何とこっちで究極を考えているカルダスマルチストランドワイヤーを巻く方式に同じだ。インダクタンスは330mhあると言う。仮に330mhだとインピーダンスは120Ωとなり、このまんまトランスにすると830maの励磁電流で非常識と言われるが、あんぷおやじ流儀では合格とする。

4_2こっちのhiokiのlcメータにかけると520mhと出てインピーダンスは200Ωとなり、このまんまトランスにすると500maの励磁電流で一層合格となる。理由は cello performance amplifier がa級の75wアンプで電流の垂れ流し状態であの音を出しているから、トランスの効率が悪くて電流を垂れ流しても音さえ良ければ許容できる。

5_2これを見たらもうトランスは出来ると確信し、巻き数で9:2に分割してもらった。まだ実機には程遠いがac20vを印加するとしっかり2/9電圧の4vが出力されて、トランスの体を成した。余りにも凄いので素晴らしい!と褒めると謙遜して”数式が分からないから工夫して巻いた”との返事。かの万能の天才ダ・ヴィンチだって無学の徒と言い残して数々の天才を後世へ伝えた。

6_2遂にブレークスルーで暫し考えた。タムラのトロイダルコアは断面が長方形の上に厚い絶縁紙を巻きエッジの部分はRを付けてある。ここだ!ミルトさんの巻いた線は絶縁電線でトロイダルコアの断面にへばりつくように巻いてもRが付きコア断面から少し離れている。

77太陽電池スマートグリッドをやった時のトロイダルコアを観察すると、コア断面は楕円形状になっているから、ギリギリ力一杯巻いたってエッジ部分は自然にRがつく。だいたいが平面巻きなど無く、何重にも巻くから自然にR状態になり、さらにボビンに円形すらあり、巻き線は円でなければならないのだ。

8画像出展:北村機電
昔お世話になった北村機電さんのRコアトランスは実に良く出来ていてコア断面が円形になっている。でありますからこれを現在の楕円コアにするのではなく、円形にすれば理想のトロイダルコアになる。これなんか完全に円形巻き線となっている。

Mg0そこで磁界分布について調べると論文が出てきた。参考文献:フェライトトロイダルコアに関する電磁界分布の一解析法、法政大学電気電子工学部、小林、早野、斉藤各氏。
ご覧のように磁界の分布は円から楕円形の軌跡を描きトロイダルコアの断面にへばりつくように巻くと、電磁界分布からわざわざ避けるように巻いたことになる。これだ、この線を追っかけよう!

7_2 後は平面対向巻きにしてどれだけインダクタンスが取れるか、どれだけトランス結合係数が取れるか、になる。以前のエントリーで水晶粒防振トランス究極モデルの構想図を描いたが、これは理に適っていてにわかに現実味を帯びてきた。但し断面は長方形だが、それも間違いで正方形が正解となる。それと磁気抵抗を疑っていたがそれも間違っていたから、こうなりゃあたたみ掛けてラインアンプ用のΦ450mmで重さ20kg~30kgもする、水晶粒防振電源トロイダルトランスを作ったろ。結局の所自然の支配下のテクノロジーでもある訳だから自然の法則から逃れられず、古典管の水滴型ガラスバルブ、トランスの円形巻き線、やっぱり自然の法則なのだ。オルフィレウスの永久運動機械についてアイザック・ニュートンは”永久運動機械を作るものは無から有を得ようとしている”と切り捨てたが、電源トランスは必ず有でそれを改良することは優を得ることになり、きっと面白いことが起きる。

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2017年7月 9日 (日)

振動力学 水晶粒防振電源ユニットを作る 了

0次男坊の生きものや「菊家」が清水(市)の七夕祭りに露店を出したので、陣中見舞いを兼ねて何十年ぶりかに七夕へ出かけた。シャッター街になってしまった清水銀座は、どうせ人出もたいしたこたないと決め付けて出かけたが、昔と同じ位の人出と賑わいで清水(市)もまだまだ元気だ。たいていは通行人か傍観者で露店を眺めるが、露店に入って内側から通行人を眺めるのは、中々できない経験で面白い。

1さてkuraiman社長氏の水晶粒防振電源ユニットの製作も佳境で、mdfで箱の製作に入る。トランス5個で50kg位になるから箱の強度が問題で、内側に角材を入れて更に接合面に接着剤を塗布して補強する。

2猛暑なのだが早朝5時は清々しく、ハケを握り一気に黒塗装をやる。早朝5時は高齢の方の散歩人が結構居て、黒塗りに悪戦苦闘?している姿をジロジロ見てはいくが、声を掛ける人は居ない。

3赤丸印の隙間に細目の水晶粒を充填していく。この隙間をあけるのに結構苦労した。

4水晶粒が中々入らないので細い棒を使いゴリゴリ押し込む。充填が完了したところで粘着力の弱いテープで仮蓋をしておく。本体箱に水晶粒を充填しながら、この仮蓋テープは徐々に剥がし、外部の水晶粒と一体化する。

5これが配線中の水晶粒防振電源ユニットの勇姿。動かすがとてもじゃあないが一人では出来ない。

6最後にfurutecのgtx-dを取り付ける。残念ながら水晶粒の充填はkuraiman社長氏宅になるから、水晶粒無しで音出しすると雑味感無い音にこれはいける。アイソレーショントランスの役目は電源に混入する高周波ノイズを除去するのだが、電源との密結合を阻害するので案外難しい。高周波ノイズはトランスのコイルで減衰するから入れるべきだが、結合容量によってスルーしてしまうから痛し痒しで、結局の所市販品ならばトランスの構造を理解してから使うべき。

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2017年7月 7日 (金)

振動力学 水晶粒防振電源ユニットを作る2

0新東名の新清水インターチェンジを下りると宍原で、初めて来た人は山ん中でたまげるに違いない。ここから甲府に向けて52号線をひた走ると中部横断自動車道の増穂インターチェンジへ到着し、後は楽になる。ところが六郷に新インターチェンジが出来ており、これで一般道の走行距離が50kmと大幅に短縮された。六郷で乗り、駒ヶ根高原の「こまくさの湯」へ向かう。昔、駒ヶ根に事務所を持っていた関係でこのパブリック温泉は仕事場になっていた。人生最大のピンチ負の時代にはよく各地の温泉を訪ね歩き、鼻下まで深々と湯船につかり温泉の気を目一杯吸い込むと少しずつ勇気が沸いてきて...やはり温泉には神様がいらっしゃるようだ。

1オーディオの神様はどうやら電源にいらっしゃるようで、時々姿を現しコルトレーンのリードを噛む歯軋りが聞こえる。かくして現在考え得る最強の電源ユニットを作っている。kuraiman社長氏電源ユニットのコンセントは(壁コンセント)はfurutecのgtx-dで、定価はなんと16,500円もする。高いので1個口なら安かろうと調べると、これまた13,000円もしてたまげた。勿論パナの安物にofc純銅板を巻いた手作りも考えたが、kuraiman社長氏のオーディオ装置はリファレンスにしておくべきと、furutecにした。
2そこで2個口を1個口の2連にしてしまおう作戦に出た。分解すると銅のバスバーで2個口は連結されており、この中央を切断すれば分離され、1個口の2連になる。このシリーズは金メッキ品とロジュウムメッキ品になるが、金箔は食べても大丈夫だから金メッキ品にした。
3純銅でできているから切断は楽なもので、ご覧のように2分割できた。これで1個口の2連になり16,500円/2=8,250円となり、これでも高すぎるがなんぼも売れないオーディオ用だから仕方がない。しかしコンセント歯等の各パーツは組み立て時にゴリゴリ押し込むのではなく、ポルシェタイプシフトのようにグニャと入り、作りは一流品でやはり日本製は世界一と思う。
4_2出力コンセントが完成した所でncwトランスの仕上げ改造に入る。ベース改造は粗取りでこれからが本番の改造になり、更にトランスをボツにする危険が伴う。黄色丸印部分が1次コイルと2次コイルの隙間で、ここにセパレータの樹脂が入っているから出来るだけ除去する。赤丸印は2次コイルと鉄心の間の何重にもなるテーピング材で、除去する。
5_2黄色丸印の樹脂セパレータ部は細いノミを持ち合わせていないので、マイナスのドライバを使いコイルに傷つけないように打ち砕きながら奥へ進む。赤丸印の多重テーピング除去は最大の難関で、僅かな隙間へ糸ノコを通してコイルに傷をつけないようにゴリゴリと切る。
6_2取り出した多重テープとゆうよりクッション材(赤丸印)は振動絶縁のために使うような素材で、テープより分厚い。黄色丸印2箇所に穴が開き、ここへ水晶粒細目を充填して仮蓋をしておく。このクッション材もそうだが、オーディオにおける防振と振動絶縁をごっちゃまぜにしているからややっこしい。防振は振動エネルギーを熱又は電気エネルギーに変換して消費させる。振動絶縁は外部に対して振動を伝えないから振動そのものは内部で消費される。このクッション材やゴムなどの軟体動物では防振効果は薄い。

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2017年7月 5日 (水)

振動力学 水晶粒防振電源ユニットを作る

0_2先ずは宣伝です。
無線と実験MJ8月号(7月10日発売)にオーディオアイデア集の特集があり、水晶粒防振構造について執筆しました。僅か3ページですが水晶粒防振構造解説のダイジェスト版でノウハウ満載の力作です。無線と実験は1960年代から購読し我がjazzオーディオ人生と完全同期であり、オーディオの栄枯盛衰を記録し続けてきた貴重な技術誌です。是非ご購読ください。

01さてkuraiman社長氏のチャンデバ完成に合わせて、水晶粒防振電源ユニットの製作をやっている。その電源ユニットの主役がアイソレーショントランスで、この選択が難しい。某メーカのトロイダルが良い、某メーカのRコアが良い、いやカットコアだ、いやアモルファスだ、選択の基準は何を持ってしたら良いのだろうか?あんぷおやじ流儀は如何にコイルの防振が出来るか、と如何に1次2次コイルの分離が出来るかの理詰めで決めている。
1_2以前のエントリーから「随分昔になるが省エネが叫ばれていた時代でn大学のt研究室に通っていた頃、新方式の画期的なトランスNo Cutcore Winding Transformerが本当に省エネにつながるか研究室では懐疑的な意見が多く、それでncwトランスについてはすっかり忘れていた。」トランスでは駄物的扱い(失敬!)ncwトランスがあんぷおやじ流儀ではベストなのだ。黄色丸印のように1次と2次コイルに大きなギャップがあり、赤丸印のようにコイルが広範囲に剥き出しになる。
2残念ながらメーカ製をそのまま使ったのでは本領発揮できず、どうしても改造が必要になる。なるがこれが難工事で、もうやらない!指のマメは破れるし右腕は肩まで上がらなくなるし、顔には樹脂破片が刺さるし...作業は樹脂製のボビンを金槌で叩き割るところから始まる。
3続いてミケランジェロなりきりモード。イタリアの北部、カッラーラ(Carrara)の大理石産出場において石の中に見えるものをただ掘り出すだけ、ミケランジェロの名言を呪文のように唱えてハンマーを振るい続け、コイルを傷付けないように掘り起こす。
4ここが最大の難関のコイルボビン切断作業になる。ノミで割っただけではコイルとボビンが綺麗に仕上がらないので、4箇所あるコアとコイルの出口のボビンをコイルが剥き出しになる寸前までノコで切る。正に神業で合計20箇所、もうやらない!
5この状態でようやくベース改造は終わる。しかし研究室中に樹脂の破片が飛び散り、とんでもなく凄いことになっている。
6こちらの黄色丸印が1次と2次コイルの分離風景。ここに全てがあり、これだけのギャップは理屈ぬきにストレーキャップを小さくし、下手な静電シールドも要らない。更にこれだけ広くコイルがむき出しになっており、ここを水晶粒で防振構造化する。
7_2
なぜもうやらない!
かって、1個の改造に半日を要し合計5個の改造は飽きっぽいあんぷおやじには無理。まあ、あんまりお勧めはできませんね!ノミ作業、ノコ作業はしくじればトランスをボツにしてしまう、けどこの効果は絶大で、amp工房のCDP-337ESDの電源はこの方式にしてあり、隠し味なのだ。

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2017年7月 3日 (月)

振動力学 水晶粒防振電源トランスを作る 設計5

0箱根の森は急な霧の発生で殆ど前が見えなくなり、運転は少々危険だが幻想的な景色に浸れる。ポーラ美術館では開館15周年記念でピカソとシャガール展を開催しているが、毎度ながら観ない。開館15周年であれば2002年の開館だから、謎めいたjazz喫茶amp工房と大差無い。そうか、開館当初から我等は訪れていたことになり、ガラス張りのピカピカが段々森の力で埋もれていく姿を目撃している。さて15年、実に革新的な15年で、ロボット制御では世界最速タスクスイッチ機構をあみ出し200khz電流制御を可能にし、jazzオーディオでは水晶粒3次元接触防振構造を発明した。この水晶粒3次元接触防振構造は、殆どの方法論が確立され安定的に音質カイゼンが可能となった。

1ひたすら努力をしていると創造主は間違いなく答えをくれる。それを信じて、トロイダルトランスの設計と検証を進めている。タムラトロイダルトランスのインダクタンスは実測で4.6hと出ているが、これを計算式にのせてみる。比透磁率だけは不明で当時のケイ素鋼板の状況を勘案して5000としておく。
タムラトロイダルトランスのインダクタンス計算
外径Φ126mm
内径Φ64mm
厚さ95mm
50v巻き数 116ターン
100v巻き数 232ターン
比透磁率μs 仮定5000
真空透磁率μ0 4πx10-7
透磁率μ=μsxμ0
μ=5000x4πx10-7=6.28x10-3
断面積s 0.031x0.095=0.003m2
磁路l  0.0795x3.14=0.25m
lm= 232x232x(6.28x10-3x0.003)/0.25
= 1014x10-3/0.25=4h...ok!
ほぼ計算通りでこれなら計算式を信用できる。

7ユニオン電機に重ね巻きが出来ない構造のトロイダルトランスの検討を依頼しているが、中々回答が無く相当に難航しているようだ。トランスの体を成していない、非常識、効率は最悪、等など従来のトランス設計法では実現出来ないのかも知れない。我等のトロイダルトランスをもう一度計算式にのせてみる。
amp工房トロイダルトランスのインダクタンス計算
外径Φ300mm
内径Φ240mm
厚さ60mm
参考巻き数 1300ターン
比透磁率μs 仮定5000
真空透磁率μ0 4πx10-7
透磁率μ=μsxμ0
μ=5000x4πx10-7=6.28x10-3
断面積s 0.03x0.06=0.0018m2
磁路l  0.285x3.14=0.9m
lm = 1300x1300x(6.28x10-3x0.0018)/0.9
= 19/0.9=21h...おかしい!
違い過ぎるも度が過ぎて21hが1mhは呆れる。

3そこで昨日のアンプラボでは再現実験をやってみた。コアをむき出しにしたタムラトロイダルトランスへ線径を変えて(巻きが大変だから)巻き線する。ここは名工ミルトさんの出番で、巻き線の汚さによる誤差を避けるため、美しく巻いてもらう。

4巻き上がったコイルのインダクタンスを測ると、60ターンで何と75μhと極小に出て、線径と巻き方でインダクタンスは大いに変わるコトが分かった。画像で巻き線が汚いのはミルトさん中座で、あんぷおやじが巻いたため。

5出展:
トロイダル・コア活用百科
トロダルコアのインダクタンス計算式でどの教科書にも出てくる一般式。この中で注目していたのがrmの磁気抵抗、rm=l/μs(at/wb)、大型のドーナツでは磁気抵抗が大きいと踏んでいた。巻き線の手法だけでここまで大きくずれるだろうか?やはり磁気抵抗の影響と考えるべきで、巻き線手法と合わせて研究を重ねる。
トロイダルトランスの設計者には笑われてしまうが、こんなにトロイことの積み重ねをやらないと音の良いトランスへ辿り着くことは出来ない。

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2017年7月 1日 (土)

振動力学 水晶粒防振電源トランスを作る 設計4

1その昔、金田式のタムラトロイダルトランスは10個も発注したが音が冴えなくて使えず、随分長い間身分は最低だった。所がこのトロイダルトランスを解体して水晶粒防振構造化したら、見事に身分は回復した。金田式の場合は部品に音色の良いものを使えば結構いける。また無線と実験の記事にミスがあり困ると苦情が出たりするが、たいした問題ではない。我々の世界では論文やその他技術書で全く再現性が無かったり、極限られた条件での再現性だったり、苦労が耐えない。その点金田式の再現性は素晴らしい。でありますから、金田式は自分のモノとして再設計するようなアプローチが正解でしょうね。

01水晶粒防振電源トランスのトロイダルトランスが余りにも計算値とかけ離れている為、高価なタムラトロイダルトランスpr7808sを解体して実情を調査するコトにした。ハンマーとノミを振るって解体するため、研究室中に樹脂の破片が飛び散り毎度ながら凄いことになった。過去にはしくじってノミでポリウレタン線を切ってしまったこともあったが、最近は慣れたもの。

2巻き解しも大変手間が掛かり...しかし巻き方にもノウハウがある為ノコでズタズタに切って剥がす訳にはいかない。面倒でも1本々丁寧に解き、巻きの状態を観察する。画像の巻きは2次側の6.3vと70vの細い巻き線は取り去り、55vの太い巻き線を撤去中。外側の巻き線は2次側となり、トロイダルトランスプレートの青丸印と黄色丸印で、ここでは巻き線に均等巻きが見られた。

3xx出てきました!
2次側巻き線全てを撤去すると、銅箔が1次と2次の間に巻きつけ電磁シールドを施してある。所謂静電シールドと称するヤツで、1次と2次の結合容量を減らす目的なのだが、この程度ではまるで効かない。ここの剥ぎ取りが結構苦労する。粘着テープも貼ってあるため、相当に腕力が要る。

4これが1次側100v巻き線で、お宝ノウハウがここに潜んでいると期待する。インダクを測定した後巻き解いたが、1次巻き線を50vx2として、その50v巻き線をトロイダルコア全面に均等2周させ、もう一方の50vの均等2周と平面突合せで、4ターンで一巻き分を構成している。ここだ!

550v一巻きのインダクタンスは80mhと十分大きな値を示している。60hzインピーダンス換算で約30Ω、フツーのトランスならば大問題だが今回のプロジェクトでは効率無視で問題ない。50v/30=1.7aととんでもなく励磁電流は大きいが、これで結構。

6その50v巻き線を直列に接続すると、何とインダクタンスは4.6hまで跳ね上がる。これだ!この状態の励磁電流は100v/1730=60maと常識値になる。トロイダルコア表面に全面ポリウレタン線を巻き詰めるコトで磁力を閉じ込め、インダクタンスは急上昇する。

71266495問題のトロイダルコアを露出させる。サイズは実測で外径Φ126mm、内径Φ64mm、厚さ95mmとなる。巻き数は50v分で116ターン、100vでは232ターンと出て、こっちで計算した200ターンにほぼ近い。

8当時は「タムラでトロイダルトランスを巻く職人さんが居なくなり、トロイダルトランスの製造が出来なくなる」とまことしやかに伝わってきたが、この巻き線は機械巻きだから職人さんの問題ではなかったと思う。地元の電子部品業者さんが入って購入し55,000円/1個は随分高いと思ったが、この丁寧な作りのトランスならば文句は無い。散々悪態をついてスマン、ただ電源トランスであるアプローチからゲージュツ品を作るとこのようになり、音の良し悪しとは関係ない。現在多くのオーディオ用トランスメーカは存在するが、コアの材質や巻き線の素材に走るのではなく、トランスの音はなぜ?をもう一度考え直されたら如何だろうか。

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