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2017年7月11日 (火)

振動力学 水晶粒防振電源トランスを作る 設計6

0画像出展:wikipedia
イタリアの北部、カッラーラ(Carrara)の大理石産出現場にミケランジェロは8ヶ月間も閉じこもり”ただ私は石の中に見えるものを掘り出すだけ”と名言を残した。思うに見たって見えないから、見えないからこそそこで創造活動が行われ、彫るべきモノを心の中に見出したのだろう。8ヶ月間が長いか短いかは分からないが、凡才のわれ等は執念深く時間を掛けることにおいてはミケランジェロに負ける気はしない。かくしてトロダルトランスの磁気抵抗、透磁率、自己インダクタンスを呪文の如く唱えて睡眠不足の幽霊状態になっている。

1_2計算上は間違っていないΦ1mmポリウレタン線を200ターン、トロイダルコアの断面にへばりつくように巻いて、たったの13μh!

。。

2_2ならば全面に巻いたろ!
Φ0.5mmポリウレタン線を執念で巻いた1300ターン、トロイダルコアの断面にへばりつくように巻いて、たったの1mh!

3先週の日曜日の夕方、名工ミルトさんが”トロイダルコアに巻き線してみたがアドヴァイスが欲しい”と持ち込む。何とこっちで究極を考えているカルダスマルチストランドワイヤーを巻く方式に同じだ。インダクタンスは330mhあると言う。仮に330mhだとインピーダンスは120Ωとなり、このまんまトランスにすると830maの励磁電流で非常識と言われるが、あんぷおやじ流儀では合格とする。

4_2こっちのhiokiのlcメータにかけると520mhと出てインピーダンスは200Ωとなり、このまんまトランスにすると500maの励磁電流で一層合格となる。理由は cello performance amplifier がa級の75wアンプで電流の垂れ流し状態であの音を出しているから、トランスの効率が悪くて電流を垂れ流しても音さえ良ければ許容できる。

5_2これを見たらもうトランスは出来ると確信し、巻き数で9:2に分割してもらった。まだ実機には程遠いがac20vを印加するとしっかり2/9電圧の4vが出力されて、トランスの体を成した。余りにも凄いので素晴らしい!と褒めると謙遜して”数式が分からないから工夫して巻いた”との返事。かの万能の天才ダ・ヴィンチだって無学の徒と言い残して数々の天才を後世へ伝えた。

6_2遂にブレークスルーで暫し考えた。タムラのトロイダルコアは断面が長方形の上に厚い絶縁紙を巻きエッジの部分はRを付けてある。ここだ!ミルトさんの巻いた線は絶縁電線でトロイダルコアの断面にへばりつくように巻いてもRが付きコア断面から少し離れている。

77太陽電池スマートグリッドをやった時のトロイダルコアを観察すると、コア断面は楕円形状になっているから、ギリギリ力一杯巻いたってエッジ部分は自然にRがつく。だいたいが平面巻きなど無く、何重にも巻くから自然にR状態になり、さらにボビンに円形すらあり、巻き線は円でなければならないのだ。

8画像出展:北村機電
昔お世話になった北村機電さんのRコアトランスは実に良く出来ていてコア断面が円形になっている。でありますからこれを現在の楕円コアにするのではなく、円形にすれば理想のトロイダルコアになる。これなんか完全に円形巻き線となっている。

Mg0そこで磁界分布について調べると論文が出てきた。参考文献:フェライトトロイダルコアに関する電磁界分布の一解析法、法政大学電気電子工学部、小林、早野、斉藤各氏。
ご覧のように磁界の分布は円から楕円形の軌跡を描きトロイダルコアの断面にへばりつくように巻くと、電磁界分布からわざわざ避けるように巻いたことになる。これだ、この線を追っかけよう!

7_2 後は平面対向巻きにしてどれだけインダクタンスが取れるか、どれだけトランス結合係数が取れるか、になる。以前のエントリーで水晶粒防振トランス究極モデルの構想図を描いたが、これは理に適っていてにわかに現実味を帯びてきた。但し断面は長方形だが、それも間違いで正方形が正解となる。それと磁気抵抗を疑っていたがそれも間違っていたから、こうなりゃあたたみ掛けてラインアンプ用のΦ450mmで重さ20kg~30kgもする、水晶粒防振電源トロイダルトランスを作ったろ。結局の所自然の支配下のテクノロジーでもある訳だから自然の法則から逃れられず、古典管の水滴型ガラスバルブ、トランスの円形巻き線、やっぱり自然の法則なのだ。オルフィレウスの永久運動機械についてアイザック・ニュートンは”永久運動機械を作るものは無から有を得ようとしている”と切り捨てたが、電源トランスは必ず有でそれを改良することは優を得ることになり、きっと面白いことが起きる。

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