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2017年8月12日 (土)

素材力学 電磁鋼板の怪

Obe身内に世界を放浪している御仁が居り、エジプトのピラミッドの写真を撮ったから絵を描く時のモチーフにしたら如何?とプレゼントしてくれた。絵のモチーフの扱いには結構問題があり、人様の写真から勝手にモチーフでは著作権問題が生ずる。だから海外出張の時はアナログカメラ時代で数百枚、デジタルカメラ時代になったら数千枚もの写真を撮る。画像はエジプト、カルナック神殿のオベリスクの写真で、象形文字の完成度は高く芸術的ですらある。現代のスマホを操る若者の絵文字も似たようなもので、紀元前15、6世紀と現代が同じとは実に面白い。更にこの時代既に幾何学があり、円の面積の近似値、角錐台の体積を求める公式、半球の表面積を求める方式などがあり、トロイダルトランスの設計で用いる数式は揃っているから、驚きだ。

Mxxx さて大問題が電磁鋼板で、ファインメットトランスにしたら凄い音になった!アモルファストランスにしたら凄い音になった!には大いに疑問があり、鉄心が音を決めて、鉄心が音を出すのか?音が良くなったとすれば、なぜ?を解明しておかないと前進後退を繰り返して、オーディオの業界そのものになってしまう。だから以前から最後の戦いは鉄、と言い切っている。アモルファスでもファインメットでもトランスを作ることは出来るので、データを調べようとしたら磁化特性のデータが出てこない。アモルファス(赤丸印)は最大比透磁率が異様に大きく、しかし磁気飽和が直ぐに起きるから極めて使いづらく、この業界アマチアの我々には現状ではこの程度しか分からない。

30zh100x古典管カニンガムcx345シングルアンプの出力トランスにおいて、無方向性と方向性の2種類の電磁鋼板でどうするか決めていくしかない。最初に登場が方向性電磁鋼板で、新日鉄の呼び名はオリエントコアハイビーとなり、30zh100の板厚0.3mm(赤丸印)を使うと想定する。磁束密度は1.88tで占有率が95.5%となる。

30zh100xxカニンガムcx345のa級静止電流を36maとすると、この時の磁化力は80(a/m)となる。磁化曲線の赤丸印のポイントは透磁率が既に低く、磁束密度も1.88tに近づいて限界に近い。

35h360x次に登場が無方向性電磁鋼板で、新日鉄の呼び名はハイライトコアとなり35h360の板厚0.35mm(赤丸印)を使うと想定する。磁束密度は1.64tで占有率が95.0%となる。

35h360xx磁化力は80(a/m)となるから磁化曲線の赤丸印のポイントで、透磁率は十分に高く、磁束密度も1.64tの半分くらいで余裕がある。だけど出力トランスを作っているメーカは迷わず磁気飽和し易いオリエントコアハイビーを使う、なぜ?

1画像はファインメットの出力トランスで、水晶粒防振構造にする為に分解した。著名な先生絶賛のこのトランスは音が痩せてしまい、なぜ?ファインメットやアモルファスは、電磁鋼板にμ単位の薄板しかなく、なにやらこの辺に問題が?黄色丸印のギャップが2箇所存在する。

2xトランスコイル1次巻き線と2次巻き線を積層するから、ストレーキャップを盛大に生ずる。最大比透磁率は特に大きいから、巻き線数が少なくてもインダクタンスは大きくとれる。巻き線はシンプルでここにノウハウは無い。ファインメットやアモルファスの電磁鋼板は、お代が高く比透磁率も高いから小型になって、この辺にも問題が?

30xファインメットやアモルファスの活躍場所は、車などのdcdcコンバータやグリッドインバータの高周波で威力を発揮して、jazzオーディオには~チョット?電磁鋼板は怪しく、いや妖しく、磁気特性の良い方が音が良い、と誘導的にされてきたフシがある。画像のトロイダルコアは安くてとろい、失敬!無方向性電磁鋼板のハイライトコア35h360板厚0.35mmで作った。真ん中に置いたファインメットの出力トランスは3w、Φ450mmの出力トランスも3w、賢いアナタはこれをどう捉える。水晶粒防振構造を霊験あらたかとか、オカルトチックとか妖しいとみる御仁も多いが、あんぷおやじにしてみれば電磁鋼板も実に怪しく妖しげで、一体正解はあるのだろうか?

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