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2017年11月13日 (月)

虚々実々力学 トランス結合古典管回路3

Orcadxdos版orcadのトラブルはとんでもない方向へと進み、実に劇的な2~3週間でありました。orcadにも限定版のフリーウエアがあり、先ずは使ってみることにした。早速ダウンロードしたがorcad liteのヴァージョン17.2は64bitでなければ動作できず、xpでは無理と諦めてしまった。

Bschx続いて登場が水魚堂さんの回路cad”BSch3v”で、その強力さに脱帽!windows支配下ではオペレーションが統一されているため、マニュアルを読む必要もなく即cad化できて超便利。ただ余りにも見事過ぎてcad熱は冷めてしまった。

Orcadlite_2長年使い慣れたorcadがどうも気になり調べていくと、orcad lite に16.6とゆう旧ヴァージョンがあり、これはxpで見事に動作し早速作画してみた。使い慣れたorcadはdos時代のオペレーションでも全く問題なく使え、やはりorcadか!と瞬間思った。しかし真空管のライブラリーも見当たらないし、制限付きでは”BSch3v”より不便を感じてしまい、orcadはもう卒業しよう。

Ltxそこで登場がAyumi's Lab.さんの「電脳時代の真空管アンプ設計書」で、spiceを主体に真空管回路をシュミレーションしているので、これは使える!早速フリーウエアのリニア・テクノロジー社LTspiceをダウンロードしてみた。巷では真空管回路の実績も多く制限もなさそうなので、よしこれでいこう。

Trmdl_2LTspiceを動作させるにはいっとう重要なspiceモデルを作らねばならない。これについてもAyumi's Lab.さんの「電脳時代の真空管アンプ設計書」に懇切丁寧に書かれており、早速これを参考に結合トランスのspiceモデルを作った。パラメータは前回製作のトロイダルトランスの実測値と、新たな計算値とテキトー値を織り交ぜた。

Ist14結合トランスのトランジェントシュミレ-ションの画像で特段問題なし。

Acaこっちがac analysisのf特性になりフラットで、10khz程度のトランスではストレーキャップの影響も余り無く問題ない。gainは6dbで設計値通り。これで結合トランスspiceモデルの記述のチェックができ、まあ何とか大丈夫そうで、この先精度を上げていけばよろしい。

450a結合トランスのspiceモデルが出来たことで最初に戻り、デフォレストaudion 450の基本回路のcad化をする。

112schLTspiceはcadとspiceが合体しているから、余り深く考えずに作業を進められる。Ayumi's Lab.さんの古典管12a.incファイルを12a.asyファイルと記述変換して、ux-112aとしてspiceモデルを結合トランスに続いて作る。簡単は全てにメリットがあり、cx-345は既にあるから出力トランスのspiceモデルを作ればお終い。これで1930年のデフォレストの回路が最新cadで蘇った。cadで描いたって簡単なものは簡単で、小学生弟子のt-mon君に勉強してもらうのに丁度良い。

112atr 早速トランジェント特性のシュミレーションをする。ここではとんでもない波形の歪みさえ見当たらなければ合格となる。

Fc続いて肝心要のac analysisはf特性になり、どうせ聴こえないから...先日耳の良いパーカショニストのnakaさんが見えた時、低レベルの10,000hz出したが殆ど聴こえずお互いの耳f特劣化を嘆いた、とゆう訳で10hzから10,000hzまでをシュミレーションしてみた。今まではデータを取ったり計算したり難儀していたが、直感的目視ができるのはspiceシュミレータの最大のメリット。-3dbまでをf特とすれば40hzまでこの結合トランスで出せるから、1次巻き線のインダクタンスは10hでいける。gainは28dbで25倍、1v入力でシュミレーションしたが、低感度2v入力ならばいきなり55db出せるからcx-345では112aの1段ドライブでいける。cx-350で初めて112aの2段になる。この辺は音質には関係ないが、設計値の正確性の確認ができてLTspiceシュミレータの真骨頂!

GainxLTspiceシュミレータで一番の関心事は、トランスのインピーダンスを決める為のインダクタンス=巻き線数で、たんと巻くにはトロイダルコアの直径を大きくしなくてはならず、如何に少ない巻き数でインダクタンスを稼ぐかには磁束密度の高い、お代も高いコアを使わなくてはならない。しかし直流を流すため少々トロいコアの方が磁気飽和しなくてよろしい。そのためのシュミレーションがこれ。22.5db-5.5db=17dbとcx-112a単体のgainが出る。gain計算式はA=-μRp/(rp+Rp)で、これが17dbは7.1倍でμの8.5に対して十分に良い値で、結果トロイダルトランスの1次巻き線は10hでいく。

Dcamp次がトロイダルトランスに流れる直流で、これもクランプメータもどきの電流検出コマンドがあるのであえてcx-112aのカソードに10Ωの抵抗を付け、更に交流バイパスで巨大なコンデンサを付けて検出した。10hzで5maと飽和には程遠い。

Fftana

fftアナライザの機能も備わり、高速フーリエ変換(fast Fourier transform)で周波数分析をしてみる。基本波1khzに対して2次高調波は2khzで如実の表れ、真空管アンプの特徴と言える。まあfftで見れるのは凄いが、音質とは直接的でないから気にしない。

Thdxついでにフーリエ解析コマンドで全高調波歪率(thd)までlogで出てしまうから、これはもう驚き!thdが1.9%と出て大きいと言えば大きいが、これもたいした問題じゃあない。だけどタダでここまでやってしまって、良いのだろうか?...
ここまでが虚々力学。

345anax_2

おまけです。
カニンガムcx-345パワー管をドライブ段に使ったらどうなるだろうか?それがこれでgainは22.5dbに下がり13倍となるが、低域は20hzと延びてラインアンプには案外良いのかも知れない。しかしドライブ段にしてはgainが不足する。

345fftcx-345ドライブ段の高速フーリエ変換(fast Fourier transform)で周波数分析をしてみた。基本波1khzに対して2次高調波2khzは-20db、その他は-40db以下で、まあ良いでしょう。

345thdxcx-345ドライブ段の全高調波歪率(thd)は1.3%と出て、cx-112aドライブ段より良いのだから真空管の内部抵抗の低さは歪み率に現れ、amp工房実験機のラインアンプcx-350がイケてる要因を見た。

Cx112112aは1925年rcaより低周波出力管としてデビューする。同等管のカニンガムcx-112aは特性の優れた球で、トランス結合古典管回路の必需品に思える。当時は出力管で200mwの大出力?でやっとまともに音が出始めた球になり、μは8.5もありしかも重要な内部抵抗が90vで5,600Ωと格別低く、ドライブ段にはもってこい。

Tst重た~い電源トランスをゴロゴロ用意して+b電源や-c電源を作り、cx-112aを動作させて設計値の確認をしようと準備した。これが実々力学となり、虚々実々な現代力学であなたならどっちをとる?あんぷおやじ流儀は両方だが、spiceモデルの精度が上がればもう年で重た~いものは持ちたくないから、シュミレータだけにしたい。

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