« 素材力学 オイル含浸高耐圧紙コンデンサを作る3 | トップページ | 素材力学 オイル含浸高耐圧紙コンデンサを作る5 »

2018年3月21日 (水)

素材力学 オイル含浸高耐圧紙コンデンサを作る4

Tomoema jazz clubは巴川の川沿いにあり、少し上流へ行くと直木賞作家の村松友視さんが良く通った金田食堂がある。その隣の今は無き料亭玉川楼を挟んで、巴川製紙が大きな工場を構えている。昔は赤色の液体を平気で巴川へ垂れ流しをしていたが、いつしか消えた。コンピュータ紙時代には隆盛を極め(傍からはそう見えた)最近は落ち着いている。まあ隣組みと勝手に決めさせてもらって、巴川製紙の技術研究所の論文を読んだ。これが滅法難しく、なるほど優秀な研究者が技術研究所に居たからさまざまな特殊紙で名を馳せたのだ。最初の資料は紙にオイルを含浸させた時の誘電率の変化でかなり上がる。

Tomoe01960年代に消滅した、オイル含浸高耐圧紙コンデンサを作る手掛かりが殆ど見えない中、1982年の巴川製紙の技術論文が宝物のように見えてきた。清水市出身の村松友視さんもそうだが、清水(市)はやはり凄い人々の街なのだ。巴川製紙のクラフト絶縁紙にオイルを含浸させた時の耐電圧が載っており、大いに参考になる。赤丸印は巴川製紙と住友電工の開発のppフィルムクラフト絶縁紙のものだが1mmで120kvに耐えるのだから凄い。これから試算すると50μは1/20で6kvとなり今回目論みの4kvには該当する。オイル含浸は誘電率の向上と耐電圧の向上と、2つの重要な役目だった。

1_3オイル含浸高耐圧紙コンデンサの構造設計をするに当たり、材料の寸法で制限されてしまう問題がありここがジレンマなのだ。まさかコンデンサペーパーの1ロールなんかしくじった時のことを考えれば購入できない。更に巴川製紙で言うような高密度の紙の入手もアマチアには無理があり、耐電圧においては相当なディレーティングの必要がある。もしディレーティングで2kvと出たら現状と同じ4段とし、コンデンサ8個でいく。とりあえずご覧の設計図として、オイル含浸紙は7μを3枚~数枚重ねて考える。

2次に静電容量の計算をする。120mmx1200mmの電極面積は144,000mm^2、距離は0.05mm、誘電率は2.8で計算すると0.07μfと出て、かなり実現的な値となる。真空管アンプのカップリングコンデンサならば7μ1枚で耐えるから計算すると0.5μfと出て、これはいける!もしこれらが現実となればamp研究員には朗報であり、高価なDuelund社のコンデンサを買わなくて済む。開発に一層のリキが入るが、巴川製紙が絶縁紙の研究をしていたなど塀の外から見たのでは分からなく、感謝でしかない。

|

« 素材力学 オイル含浸高耐圧紙コンデンサを作る3 | トップページ | 素材力学 オイル含浸高耐圧紙コンデンサを作る5 »