« 素材力学 Sound Lab electrostatic speaker A1幻の音2 | トップページ | 素材力学 オイル含浸高耐圧紙コンデンサを作る1 »

2018年3月17日 (土)

素材力学 Sound Lab electrostatic speaker A1幻の音了

0ロボットベンチャー黎明期は今で言う殆どブラック状態で、他社のやらない難解な開発を次々と受注するものだから、開発スタッフから年中”無理です!”と言われていた。ただ、他社のやらない開発を成功させて売り上げを上げ且つ技術力を向上させるには、この特攻隊的無謀さが必要で、暇になった現在も相変わらず特攻隊なのだ。コッククロフト・ウオルトン回路は見たことがある程度で作ってしまったため事故を起こしたが、この事故により徹底的に研究したから理解が深まり音の良い回路へと進化して、まあ良いか。

1LTspiceシュミレータは優れもので、これがタダで良いのだろうか?早速今回も大活躍で、問題点をさっさと明快にしてくれる。スライダックを50vから75vに電圧を上げた状態がこの画像で、出力は-12,500vも出ている。シュミレータプローブをc5の0.022μf1,000vのコンデンサに当てると何と3,000vも印加されており、リークが始まりイオン化されて奇妙な臭いが出たのだ。50vの通常の状態でも既に2,000vが印加されて2倍の電圧では、もういけません。コンデンサの数から段数を判断した恥ずかしい間違いで、この回路では4段になり1段当たり2,000vとなる。メタライズの時は3,000vの耐圧があり余裕だったが、銅コンデンサにすればそうはいかない。
11こちらがスライダック電圧を30vにした場合のシュミレータで、高圧用の電源トランスの出力電圧は625vピークとする。リップル波形がコンデンサに印加される電圧でp-pで1250vとなり0.022μf1,000vの耐圧をオーバーしてしまう。この時点で0.022μf1,000vを2個直列にして耐圧を2,000vとした。出力-5,000v弱は情けない音で直ぐにやめた。
21続いてスライダック電圧を40vにした場合のシュミレータで、高圧用の電源トランスの出力電圧は833vピークとする。コンデンサに印加される電圧は833vx2で0.022μf1,000vを2個直列の耐圧を2,000vでいける。昨日この状態でm+aさんに聴いてもらうと”...”で、どうやら失格のようだ。amp研究員の諸君、m+aさんの”...”時は結果も”...”でありますから、改善しよう。
22 そこでスライダック電圧を50vに切り替える。高圧用の電源トランスの出力電圧は1,042vピークとする。コンデンサに印加される電圧は1,042vx2で0.022μf1,000vを2個直列の耐圧を2,000vで少しオーバーするが、この程度はガマンしてもらう。やっとm+aさんが納得の表情を見せたから、この電圧でいこう。出力は-8,300vとなる。なんてこたあない、幻の音の時と同じ環境になったに過ぎない。
2参考までに、スライダック電圧を45vにした場合のコンデンサ耐圧配分になる。c1のみ電源電圧、それ以外は電源電圧x2となる。
3ようやく方針が決まり回路をフィックスする。ジャンセンの銅コンデンサは直列接続で容量が減となるため0.1μf1,000vを選定して、片チャネルで8個の倍の16個、両チャネルで32個となり、原資が...いつも貧乏オーディオと称しているが、40ドルx32個は結構エライ負担になり、Sound Lab electrostatic speaker A1を恨めしく思う。だから言ってるでしょ、ハイエンドオーディオは高級クラブのお姉さんみたいだって。
4普通ならここで諦めて投資に入るが、普通でないから次なる一手に出る。電源密結合の方針から段数は減らすべしと答える。コッククロフト・ウオルトン回路の電圧降下は(i/fc)x(n/3)(2n2+1)となり、最初の項(i/fc)は同じだから省略して、段数nだけで計算すると2段と4段では6:44にもなり段数は少ない方が正解となる。
31電源のスライダックを止めてアイソレーショントランスと直結にする。その時の高圧トランスの電源電圧は2084vピークとなる。コンデンサは4個直列で0.025μfとなり幻の0.022μfに近似、耐圧は1個当たり1,000v強、ダイオードは2個増やして4,200vとする。この時の出力電圧は-8,300vでスライダック50vの4段と同じとなる。22年前に高圧電源トランスをここまでフレキシブルに作っておいたのかと、我ながら先見に感心する。幻の音を再現するには、幻状態の再現では得られず、その先を行くことが要求される。c1相当は現状のコンデンサが使え0.1μf1,000vは両チャネルで24個となり随分楽になった。

|

« 素材力学 Sound Lab electrostatic speaker A1幻の音2 | トップページ | 素材力学 オイル含浸高耐圧紙コンデンサを作る1 »