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2018年4月25日 (水)

古典力学 フランケンシュタイン実験室の電源スイッチ 了

0総合病院の待合室は我らのような団塊で溢れかえり、生涯競争の原理の中に置かれているような気がする。明治38年の夏目漱石最初の作品「我輩は猫である」の初版本、まさか!復刻本はレキシントン盤の復刻盤と似たようなもので、雰囲気だけは当時を伝えている。さて忠実に再現したものだから、何やらの規則に則りページが閉袋になっている。でありますから、この本を読むにはタイから買ってきた民芸品の水牛ペーパーナイフが活躍するのであります。シリシリ切りながら読んでいると、隣で読書していた女性が声を掛けてきた。
「何をなさっているのですか?」
「あ、これ漱石の初版本で閉袋を切らないと読めないのです」
「あら素敵!私も漱石は持っていますが初めて知りました」

2名工ミルトさんがピカピカに磨いたフランケンシュタイン実験室の電源スイッチを届けがてら、コーヒーを飲みにみえた。昭和42年、半年の現場実習を終えて職場に配属された。執務職(設計)だが先ずは現場のベテランのお供をして、各種電気機器のメンテナンスに飛び回る。当時の大型モータは巻き線型誘導電動機で2次側回路をスリップリングで引き出し、抵抗の切り替えで電流を調整しながら起動していた。その電気室は電気屋しか入れないから、この剥き出しのフランケンシュタイン実験室の電源スイッチが沢山使われていた。
1_2この古臭い電源スイッチの方が音が良いのだから参ってしまう。ミルトさんがナイフと受け刃の勘合具合に「実に滑らかで素晴らしい」と讃え、試すとポルシェタイプのミッションのようにグニャと入り、なんとも言えない品がある。銅の切削加工品に真鍮の部材をロウ付けして、ボルト部の強度を増してある。このたかが電源スイッチに開発者の英知が結集しており、時代は進化と言う名の下に如何に合理化するかで良い音を見失ってきた。現在リレーで電源を開閉しているメインスイッチを、ofc純銅板を貼り付けたフランケンシュタイン実験室の電源スイッチに交換して、水晶粒で埋めてしまおう。

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