振動力学 パブロ・カザルスの憂鬱
昔、すみやにえらくクラシックに詳しい上品な店員さんが居て、何かと教えていただいた。「バッハ無伴奏カザルスを聴いてごらん」「ようがす、頂いていきやしょう」これがキンキンカンカンして、とてもじゃあないが聴いていられない。なんて酷い録音なんだろう?やがてハイエンドオールcelloになったが同様で、殆ど聴かなくなってcdも行方不明。jazz喫茶amp工房になった2004年、すみやにはその店員さんがまだおられ「あの~、カザルスの録音は酷いですが...」「音ではなくて音楽を聴いてごらん」「ようがす、emiを頂いていきやしょう」その後すみやは解体状態で、2度のその店員さんに会うことは無い。音楽を聴こうとするが悲しいオーディオマニアの習性で「音」に拘る、パブロ・カザルスの憂鬱であります。

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