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2019年4月 6日 (土)

音色力学 古典管ラインアンプ カニンガムcx345 1

0_5 ジョン・レノンはギブソンのj-160eを使い、それに影響を受けたガボール・ザボはグレッチからj-160eに持ち替えた。マイクはu-47のテレフンケン版で、使用真空管は伝説のtelefunken vf14になる。これから遡ること1950年代初め、ノイマンは米国でu-47の販売を始め、ヴァン・ゲルダーはそれ手に入れ大いなる武器としてworスタジオの連中を蹴散らした。ここにjazzヴァン・ゲルダーサウンドが誕生する。日立を辞して清水機電を設立し、最初の頃の仕事は主に熱力学特殊機器で、溶鉱炉用の高性能フィルター付き空気乾燥機を作ったコトもある。鉄にしても他の金属にしても空気中で溶解するため、どうしても時代の空気が鉄やニッケルや銅等の金属素材に焼きつく。それが良くも悪くも時代の空気(音)となり、1930年代製造のwe300bに復刻版が追いつかない大いなる所以なのだ。増してやpm2.5が蔓延する現代では?でありますから、1929年のカニンガムcx345にどうしても拘るのであります。音のファクターに時代の大いなる力(空気)のあることも、お忘れなく。

3_10 ショップで買ってもオークションで手に入れても50歩100歩で、きちんとしたショップで買ったcx345が熱暴走したり、逆にオークションの怪しげな(失敬!)なものでもgmが十分にあったりする。要するにとうに保証期間の過ぎた骨董品は全て得体が知れない訳で、宝くじを引くようなモノと考えた方がよろしい。kuraiman社長氏と名工ミルトさんに先にcx345の上物を渡してしまい、少々頼りの無いものが残った。電源密結合が基本でカソードに自己バイアスの抵抗を入れないから、熱暴走には弱い。しかし古典管で目の覚めるような音色力学を実現するにはこの方法しかない。

1_10 gmがだいぶ小さくなってしまい特性表には載らないのでテストベンチに掛けて、プレート電圧電流、グリッドバイアス、ヒータ電圧、負荷抵抗等のパラメータ全てを可変して特性を導き出す。まあ、これら骨董品の多くはプレート電流が流れない。

2_10特性表では180v-35vの時24maだが実際には15maしか流れずgm1850がかなり下がっている。ショップのgm表記はどうも当てにならない。


4_10次段がパワーチャンデバでそこのシュミレーションをやらないと正確なcx345の負荷は出ないのでやってみた。結果はhighとlow合わせて2kΩになり、出力トランスを設計変更した。画像が模擬的にcx345で出力トランスをドライブしている。Φ400mmのofc純銅トロイダルトランスは1次2次とも2kΩの1:1となる。電流は2kΩで37ma程度流すのでチョットしたパワーアンプになっている。

00 回路図はこれ。inadjはΦ300mmofc純銅単巻きトロイダルトランスをスライドさせたアッテネータ、iptはΦ300mmインプットトロイダルトランスで5倍のゲインを持たせた。cx345はくたびれてaは1.7程度、optは今回手配のΦ400mmofc純銅トロイダル出力トランスでインピーダンスは30hzで2kΩとした。cx345のフィラメントの直流点火は半導体とのトレードオフで使うのをヤメ、ハムバランサーとして銅マンガニン線で最終的にフィックスして音色力学を損なわないように配慮した。

Morix日本の近代画家では熊谷守一がお気に入りで出身地の岐阜県恵那に美術館(熊谷守一つけち記念館)がある。面と線を単純化して現代で言うなればイラスト的だが、晩年そうなっていったようである。恵那の美術館で購入したレプリカ猫(レプリカでもエラく高い)は唯一自宅に掲げられた絵画になる。あんぷおやじ流儀も線と面の単純化で古典管ラインアンプcx345の回路は謂わばフォーヴィスム、しかし音色力学はスーパーリアリズム。

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