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2019年5月30日 (木)

音色力学 古典管ラインアンプ カニンガムcx350 9

5241_1オーディオには場違いな画像だが、サボテン工房で苦労して育てたガラパゴスウチワサボテンが開花して、国内初の快挙?(国内での開花報告は不明)と勝手に決めている。我らの仲間には世界を又にかけた植物ハンターもいるが状況は厳しく、ワシントン条約CITES(Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora)で動植物の移動は厳しく制限される。そゆう背景からガラパゴス物は希少価値から大いに珍重されている。オーディオならば音質改良に何ヶ月単位でも答えは出るが、サボテンは5年くらいで開花を向かえ交配して種を蒔き次の開花に5年、品種改良の期間は10年サイクルと掛かり、とてもじゃあないが寿命は足りない。ガラパゴス諸島から端を発しガラケーなどと不届きな発言をよく聞くが、何とかson鵜匠の紐(光ファイバー)の先の鵜にならないだけマシと粋がっていると、孫から「スマホ無いの?」と聞かれれば「買います買います...」。ガラパゴス諸島での動植物の不正採取が後を絶たない現実が、オリジナリティ一義の示唆であり、またビジネスチャンスと心得るべし。

5282出展:タムラ製作所
タムラ製作所とはロボットのサーボアンプ用電流センサーで長い付き合いをしているから、自然と贔屓にしている。また、トロイダルトランスの設計ではスペックを参考にさせてもらっているが、とてもじゃあないがこんなに優秀なトランスは出来ない。最新ではアモルファス電磁鋼板を使用したf-5000シリーズで佐久間さんも使用している超高透磁率のトランス、何と10hzから-3dbとなっており脱帽!高い方は100khzと群を抜いて伸びており、いらん世話くらいなワイドレンジなのに、誰だいトランスがナローレンジと言ったのは?

5283xシングルの場合のインダクタンスに興味があって今回改めてf-5002のデータを見ている。インダクタンスは18hとなっているから10hzにおけるzは1.1kΩ程度、これに負荷抵抗3kΩを並列すると800Ωまで下がってしまいインピーダンス特性(グラフには無いが)はご覧のようになる。このインピーダンス特性で分からないのが低域で、インダクタンスが18hとさほど大きくなくても10hzまで出せるノウハウは?また超高透磁率で巻き数は少ないとすれば、高域の100khzまで伸びているのは納得できる。しかもですよ、10hzのトランスの歪が0.01%で、これは敵いません。cx350シングルアンプの出力振幅は、仮に8Ωの定格出力を4wとした場合、e=√wxrで5.7vとなる。これにインピーダンス比3kΩ:8Ωから巻き数比が19:1と出て、5.7vx19=107vとなる。この時の交流電流は10hz時のzが800Ωですから、107/800=133maと出る。但しこれはrmsだからピーク値は133max√2=189maとなる。非透磁率300,000のアモルファスコアでdc100ma、ac200maも流して飽和しないのは磁気ギャップが相当にあるのか?

5284そこで我が方のトロイダルトランスを見直してみる。900ターンx2で1800ターン、これでインダクタンスは12hx2=24hとなる。所がミルトさんはac180vと250vで測定しているため透磁率のゾーンの違う所と判断して、ac100v60hzで再測定してもらうことにした。このac100vとは前述のcx350の励振電圧となり、このディメンジョンに合わせる。真夜中ミルトさんに構わずtelする。「あんぷおやじー、夜勤はダメですよ!」と心配してくれる。「いやね、今日は胃カメラを飲んだため麻酔で午後はず~と寝てて、夜中に目を覚ましたので作業ですよ」。暫くしてtelあり、それによるとac100vで10Ωの両端電圧が347mv、電流は34.7maとなりz=2.881kΩと出た。これでインダクタンスを計算すると、7.7hとなる。これを計算式に当てはめるとL=900x900x0.0064x0.0018/1.162=8hとなり、やっと計算と実測が一致した。

5285 従って2層分加算しても15h程度で、インダクタンスは足りず3層巻いて23hと出てようやく条件が整う。ここにタムラのf-2005のスペックがあるが、30hz保証で21h、我等のトランスは性能が悪いからこれより多いインダクタンスにする。ミルトさんの巻き直しはΦ1.00mmポリウレタン線の手配中で、入荷次第巻いてくれるそうです。タムラ仕様の検証から、また当方の実験から見えてくるコトは繰り返しになるが低域が欲しければ巻き線を沢山巻き、トランスのコアボリュームは大きくする。

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2019年5月28日 (火)

音色力学 古典管ラインアンプ カニンガムcx350 8

5254さて、ここでもう一度佐久間さんの偉業について触れておこう。最近また県立総合へ通う日々が続いている。検査のためで、検査して1週間おいては結果の確認の繰り返し、控えの席は患者で溢れ返り、まるで野戦病院の如しです。待ち時間が多く、佐久間さんの直熱管アンプ放浪記と続を丹念に読んでいる。すると例のトランスでサンドイッチしたボリューム方式が、ある日を境に全部に適応されてくる。但しボリュームは8Ωではなくて150Ωとなっているが、まあニッケルクロム線の巻き線抵抗ならばほぼ同じ音色となる。決定的は「続 直熱管アンプ放浪記」で、ボリュームは全て巻き線型ボリュームの100Ω~300Ωに集約されている。これが佐久間駿流儀の音色力学で、佐久間さんは芸術的嗅覚でこれを嗅ぎ分けた。カーボンボリュームやお化け切り替えスイッチ+カーボン抵抗ボリュームは、いくらがんばっても太いニッケルクロム線の音色は出ない。まあこれらチープなカーボンボリュームで良しとしているオーディオシステムは、音色感度が極めて鈍い、とゆうことになる。

5278また、佐久間さんの音はトランス多用でナローレンジと判断される御仁も多いが、それは当たらない。佐久間さんの好むjazzやクラッシックは年代物が多く録音自体がナローレンジだし、使っているスピーカシステムもナローレンジだし、佐久間式チューニングはナローレンジの方向へ向かっているだけで、アンプ自体はナローレンジではない。物事を判断するには客観性が大事で、前述のような全てを見通してからナローかワイドか判断すべきでしょう。第一トランスのレンジが狭いなどと言ったら、世界に冠たるタムラ製作所のオーディオトランス設計者が怒るに決っている。

5271名工ミルトさんに古典管ラインアンプ用トロイダル出力トランスΦ400mmの1回目の巻き直しをお願いした。連日のトロイダルトランスの巻き直しで、少しずつではあるがオーディオ用の各種トランスのノウハウが手に入ってくる。しかしながら如何せん遅すぎた。若ければ確実にベンチャーを興していただろうが、我ら凡人は思想信条の熟成には時間が掛かり過ぎ、残念なのであります。900ターンを2層巻いて、更に300ターンを追加巻きしてもらった。早速cx350でラインアンプとしての特性を採ると、パワーチャンデバ負荷抵抗を2kΩとした場合には20hzからフラットに出始めて、これは凄い!但しラインアンプ用で次段インピーダンスが高い場合の話で...ここから1つの結論が見える、低域を出すには沢山のインダクタンスを!となり巻き数を増やし、磁気飽和対策で通常のトランスならば磁気ギャップで調整するがトロイダルトランスでは透磁率で調整する。今回の透磁率の低い鈍コアならば現在の1000ターンから2000ターンに倍化しても問題ないが、1次2次ともでは4000ターンも巻かねばならない。

5272ラインアンプ用の出力トランスの巻き数が決った所で、ハッと気が付いた。せっかくだからこのまんまでcx350シングルパワーアンプの実験もしよう。スピーカはScan-Speak 15W/8530K00の水晶粒完全防振構造化したものを、実験室から引きずり出した。cdpはソニーの337esdとした。但しcx350シングルパワーアンプもどきは1個しかないのでmonoで実験する。

5275先のトランスの1次側を900ターンx2の直列接続にし、これの1/18(レシオ)で300ターン追加巻き線から100ターンを出した。結果1次1800ターン、2次100ターンの出力トランスに変身した。2次側に16Ω接続すると1次側は16Ωx18の2乗=約5kΩ相当になる。そこでcx350の動作特性からプレート電圧とグリッドバイアスを引き出しセットする。350管の問題点は大きな励振入力が必要で、しかしhp 8903B Audio Analyzerで最大の6vまで出すと励振用で用意したramsaのwp-1100が31vの出力電圧でクリップしてしまい、正式な実験にはならない。それでも周波数特性はある程度見られて20hzは波形歪みが大きく、30hz位からは何とかなる。ここが正式になれば更に低域実用周波数は狭まる。

5273ここからさっきの文言「1つの結論が見える、低域を出すには沢山のインダクタンスを!」、また巻き直しかい!ミルトさんに迷惑を掛ける。計算式に乗らないのは動作条件がインダクタンス測定時と350シングルアンプ時では異なり、透磁率に差が出ることでやむを得ない。現状では限界のcx350シングルパワーアンプ実験装置が出来たので、早速音出しをしてみた。こんなバラックでも、のっけから良い音が出てたまげる。

5276Scan-Speak 15W/8530K00は86dbと能率は悪く、altec515bは105db驚異的能率で19dbの差がありこの程度のパワーでも聴いてられないくらいの音量になるはずで、しかも低域は品格のある音で、これで完成としても良いのではないだろうか?自分用ならば迷わず完成とするが、ミルトさんの分も兼ねているから迷う。

5277そこでwp-1100の代替品アムクロンのce2000txモータ用アンプを持参してもらい、ミルトさんに来店頂いた。例のジェイ・マクシャンのcdをかけると「しなやかで品のある音!」とミルトさんはたまげる。キリストの言葉に「貧しき者は幸いなり」とあるが、それになぞらえて「耳貧しき(耳が悪い)者は幸いなり」としよう。ミルトさんもあんぷおやじも耳が悪い、こんな極端なトロイダルトランスを作って音を激変させると、ようやっと音が分かる。金田式のre55金属皮膜抵抗の音の良い方向が分かったり、ダイエイ電線の音の良い方向が分かる凄耳に比べたら駄耳で、当時は随分劣等感があったが最近はそれで良いと気付いたのだから、人生何が起きるか分からない。ミルトさんに1000ターン分の1層追加巻きをお願いした。これで1次3000ターン、2次レシオ18として170ターンカルダスケーブル巻きで、cx350シングル出力トランスまで決定した。

5279まずいインスタントコーヒーを飲みながら(閉店後は面倒でタダコーヒー)ミルトさんと密談する。「今度のamp研究会で面白い実験をやろう」「何をしますねん」「グリッドバイアス、プレート電流、プレート電圧の決定は世界初でいこう!」「どうゆう風に?」「t-mon君に良い悪いの2択で決めてもらい、それで各種ハードパラメータを決定してアンプ設計者がやらない」「それは凄い!」

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2019年5月26日 (日)

音色力学 古典管ラインアンプ カニンガムcx350 7

5253なまじ理解されると賛同もあるが異議や否定もあり、しかし難解な前衛では理解が及ばず評価は定まらない。これが真のオーディオ前衛と思ってやっているから、理解を得ようとか、賛同してもらおうとか、そうゆう気持ちサラサラ無い。カニンガムcx350古典管ラインアンプの外観が完成した。amp工房カラーのスタンダールの赤と黒で、最上部のグルグル回しのΦ400mmアッテネータツマミは赤のフェルト張り、その他は黒のつや消し塗装になる。外径は上部がΦ400mm、下部2ユニットがΦ450mmになり、高さは変動するが670mm~700mm程度となる。この黒い塊が2個でラインアンプを形成する極めて前衛的な作品で、1960年代ならばこのまんま二科展か?いや独立美術展がいい、出展すれば入選間違いなし。で、タイトルはさしずめ「音の出る2個の奇妙な黒体!」とでも。現代アートと称しているが、もう50年以上も前に出し尽された古い前衛(既に古典化している)から脱却できない前衛作家に、時代を進化させる為に「もっと出せよアイディア!もっと出せよ真の前衛!」と言いたい。

5244名工ミルトさんが古典管ラインアンプ用のトロイダル出力トランスΦ400mmが巻き上がったと、重たいモノを持参してくれた。待ってましたとcx350のテストベンチに掛ける。今回からHP 8903B Audio Analyzerに活躍してもらう。この一流なAudio Analyzerはずうずうしくも20hzから100khzと、計測器では随分ナローレンジなのだがhpファンにはこれがいい。また歪み率測定は随分操作が楽で、これも気に入っている。但し残留歪み率は0.1%位はありそうで、歪み率第一主義者にはとてもじゃあないが使えない。こっちは古典管の無帰還だから歪み率なんか10%でもいいや!としているから問題なく使える。

5245巻き線はΦ1.0mmのソレンのofc純銅ポリウレタン線で、若干ニス等の残留物があり公称の仕上がり外径で計算したターン数は巻けなかった。1次と2次では重ね巻きの構造上の問題から、密に巻いても巻き数差が出る。おおよそ900ターンで13~14hとインダクタンスは1100ターン巻いたと同じ位の値になる。これは透磁率が設計値より大きいことを示しており、トロイダルトランス計算上のネックとなっている。これをオーソライズするには何度も巻いて解いてを繰り返す必要があるが、そこまではやれない。

5246x早速動作させてみるがΦ350mmの高性能コアと違って鈍く、dc100maまで流してみるが磁気飽和は無く先ずは成功と言える。但し設計上は20hzとしたが、トランスで重要な結合係数が悪くて20hzのデータは極めて悪い。多層重ね巻きのフツーのトランス形式にすれば結合係数の上がるのは分かっているが、その為に水晶粒防振効果が薄れ音色力学の衰えるのは嫌だ。とゆう訳のトレードオフで、多分にも性能の悪いトロイダルトランスになるのはやむを得ない。

5248x次はこのトランス付きラインアンプの歪み率を測定する。トランジスタアンプになってから歪み率は0.01%級が当たり前で、もうひと桁小さい驚きのアンプもある。一体何処の測定器で計測しているのだろうか。1974年に無線と実験で出版した、真空管アンプ上杉先生の「管球式ステレオアンプ製作80選」から歪み率についてデータを頂いた。これを見ていただければお分かりのように(赤丸印)真空管式無帰還シングルアンプでは、歪み率数%がザラにある。また当時は既に帰還アンプ全盛の時代になっていたが、上杉先生は正直に「帰還アンプの音について益々分からなくなった」と記述している。余談だが、アンプ作家で真にお手本は上杉先生で、なぜかと言えばメーカだからで、メーカとユーザ(アマチア)では天と地ほど差が出る。

5247これが50hz時の我が方の歪み率で相当に悪い。ところが周波数を上げればたちどころに1%台までと良くなり、低周波は例のトランス結合係数と合わせて難しい。今までならば50hzでこのデータでも良しとしたが、最終章だからミルトさんに無理言って何回か巻き直してもらおう。低い周波数まで出すならば巻き数は多く巻かねばならなず、磁気飽和していないから現在の900ターンの2倍の1800ターン以上、いやそれ以上巻いて磁気飽和を起こさせ、そこから減巻き線で答えが出る。

5258とゆう訳で、これら理解の及ばない前衛アンプ群の販売をする気はない。音が良くてもデータが悪ければそれこそケチをつけられるし、ここが前述のメーカとユーザの違いで、信念を曲げて(音を悪くしても)データを良くし体裁を整えるメーカにはなれない。以前エントリーの3相誘導電動機を使用した無帰還ddターンテーブルならば、データと音質共に間違いなしだから自信を持ってメーカになれる。

5259 静岡市出身の画家「笹尾光彦さんの絵画展」へ行ってきた。とゆうよりjazz先輩に会いに行った訳で、10年振りの再会になるが余り老けてはおらずお互いに安堵した。村松友視さんともベイシー菅原さんの出版記念パーティ以来の再会になり、相変わらず気を使う作家先生は菅原さんと何となく似ている。笹尾さんの絵はデザイナー出身者らしいインテリア調で、売れる絵とはこうゆう絵だよと思わせる。

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2019年5月24日 (金)

音色力学 古典管ラインアンプ カニンガムcx350 6

5241古典管を扱うとゆうコトは常に死と隣り合わせている危険な仕事で...いや自分が危険ではなくて古典管が死と隣合わせているのだ。古典管50管で一番珍重されているナス管のs-21型は、概ね1928年から1932年までの僅か5年間に製造は集約される。残念ながら技術革新は進み1933年にはst-19型となり、ナス管ではなくなってしまう。まるでブルーノートのレキシントン盤にも似たようなオリジナルの貴重さがある。よって現在の2019年からすれば何と91年も前になる。そんな太古の昔の古典管が生き延びていること自身奇跡だし、寿命が?と心配した人間の方が先に寿命が来てしまった。でありますから、最終章の今回はナス型古典管を全~部使うことにした。

5242左右のペアを組む為に古典管50管のデータ取りを開始する。プレート電圧とグリッド電圧固定でプレート電流を測定し、入力を加えて出力を測定する簡単なもの。データは大雑把に分けてs-12型グループのナス管と、s-19型のst管となり、製造の年代が違うため概ねipはそんな結果が出ている。入手方法は色々だがデータが飛び跳ねた状況は無く3Σに殆ど入っており、90年も昔がこの状態は素晴らしい。

5243ところが喜びもつかの間で、レイセオン250管がネオン管になってしまった。プレート電圧を上げていくとある電圧から突然電流が流れ始め、画像のような放電状態になる。実に美しいが電流はどんどん増加して、最早真空管の体をなしていない。信頼性の高いレイセオンなのに?遂に1本完全に死んだが、これについては文句は言えない。入手して何年も放置しておいたから、最初からか?amp工房へ来てからか?は全く分からない。これが古典管のリスクでン万円がパーになった。後は全部合格で、目玉のカニンガムcx350ペアナス管は晴れて名工ミルトさんの所へ行った。

5252x閉店後ミルトさんが密談に来る。Φ400mmライアンプ出力トランスの巻き直しと、Φ350mmアッテネータの2個のトロイダルトランスも持ち込んだ。次にそれぞれのアッテネータコンストラクションのお披露目だが、相変わらず凄いアイディアでたまげる。「シャフトを延ばした先にΦ70mm位の紙管でツマミを作り、それを水晶粒で防振するのね」何とミルトさんは防振ツマミのアイディアを出してきた。「素晴らしい!世界中何処を探しても防振ツマミなど存在しない、こっちのレーシングハンドルは多分にこけおどし的要素で考案したが、音は悪い方向になる、うんん...」考え込んでしまった。「そうだ、水晶粒防振cdカバーと同等を作れば良い、Φ350mmアッテネータトランス箱はΦ400mmの紙管で作ってあり、その上部に高さ70mm位の水晶粒防振構造の回転体を作り、その部分を手で回す、Φ400mmの巨大な防振ツマミが出来て、且つデザイン的には同じ径の上部だけが回り、これは奇想天外だ!」

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2019年5月22日 (水)

音色力学 古典管ラインアンプ カニンガムcx350 5

5221過日、大泉町の八ヶ岳クラブへ行って来た。開店当初から約30年も通っているが、取り巻く状況は随分と変わってしまった。ルパン3世の峰不二子初代声優の二階堂有希子さんは柳生博さんの奥方で、我々はカツコ先生と呼んでいた。しゃきしゃきの江戸っ子のようなカツコ先生も、体調不良でお店には出ていない。マネージャーを捉まえて「いい男だから水谷豊の相棒辺りに出ていたのでしょ?」「いやいや、自分は役者ではない」「そんないい男が役者でない訳が無い」「実は元家内が役者で...」遂には白状させる。音楽の話になると、フロント係りがブルースシンガーと紹介してもらい、仲良くなった。ギャラリーへ行くと今度は日本語しか喋れないスウェーデン人?が民芸の織物を販売していた。あまり熱心に織物を勧めるものだからつい話し込んでしまった。なんとロックギタリストでロックではメシが食えないので、織物を柳生さんのギャラリーを借りて販売していたのだ。織物ロッカーは管球ギターアンプにも詳しく、2人で口角泡を飛ばして真空管の話をしていると、周囲は怪訝な顔。

5228 もう1つのギャラリーでは松本市の貿易商がグラス製品などを販売していた。女優さんのような美人で可愛い店員さんに熱心に勧められたが、何万円もするグラス製品は買えない。余りにも一生懸命で悪くなり「ひとつ良いことを教えて進ぜよう、アナタのこえが実に優しく聴こえるがなぜだか分かりますか?」「分かりません?」「それはね~落ち葉なんですよ、落ち葉は雪と同じで分厚く積もると吸音材になり高音を先に吸収するから、皆さんの声がヒソヒソ話のようになるのです」美人だからつい説明してしまった。「松本は雪がよく降ります、確かにその雪で辺りは静になります、良いコトを教わりました~ありがとうございます」「余分な話をしました、自分も少し信州人だから理屈ぽいのね...」

5226_1古典管ライアンプはボリューム(Attenuator)の発明(構想)に入る。ここで佐久間さんのボリュームの凄さについて解説しよう。先ずはrca1623で出力トランスf2005を駆動してインピーダンスを8Ωに変換し、太いニッケルクロム線を巻いた8オームのボリュームに入る。可変されたオーディオ信号はoptの逆の8Ω:15kΩで元に戻されrca50管を駆動する。たかが8Ωのボリュームの為に高価な出力トランス(銅素材)を2個も使っている、それはなぜ?音色力学で500kΩボリュームのカーボン抵抗素材の音の悪さに気付き、ニッケルクロム抵抗素材の巻き線型にしたのだ。世界中のどんな著名なアンプ作家でもここは見落としているが(いや、気付いても解決策が見つからないのかも?)、佐久間さんは既にそこへ到達していた。df(ダイレクトヒーティング)のメンバーはこの凄さを理解して、佐久間式を知らないオーディオマニアへ「正確」に伝えてもらいたい。

5227我が方は最初からカーボンボリュームは以ての外だしニッケルクロム線も断念して...いや気持ちがぐらつきマーク・レヴィンソンLNPのスペクトロール巻き線型でお茶を濁そうとしていた。名工ミルトさんから「もう最後だから究極でいくべし」と諭されて意を決した。発明などと大袈裟に言ったが、なんてこたあないwe7aアンプで既にやってあるのを真似しただけ。赤丸印がインプットトランスとアッテネータを兼用した複合トランスになる。確かに凄いがこれだとラインアンプに古典管を2本使うことになる。古典管のニッケルや鉄材や銅や真鍮の複合音色と、単にofc純銅の音色力学を比較するとofc純銅の勝ちと決めて、インプットトランスとボリュームトランスを分けた。共にΦ350mmのトロイダルコアで水晶粒防振トランスを作る。

5222ミルトさんはコンストラクションデザイナーとしても一流で、且つあんぷおやじ流儀の奇想天外さにも勝るとも劣らないミルト流奇想天外を編出してたまげる。「あんぷおやじさんより先に入札して手に入れたcdp-337esdのトレイメカ、ここの機構部品から黄色丸印のリニアガイドとメタルブッシュを取り外す」「なるほど、ステレオだから2本必要ね」「この部品だけでも購入できるのね」街の電気屋さんでソニーの代理店もやっているから、ややっこしいモノまで入手できる。「あ、それなら10台くらいトレイメカが倉庫に転がっている」「このガイドにスプリングを付けて自在にスプリングバックさせれば、精度の悪いトロイダルトランスの内周をスライドできる」「素晴らしい」。

5223早速トレイメカを出庫し1台はミルトさんに差し上げて2台を解体した。改めてソニーの廉価cdpの337esdを見てみると、まるでロボットそのもので10万円を切る売価で良くぞ作れたと思う。mc(工場出荷価格)は全部で2万円以下と想定できるから、このメカは全部込みでも1,000円程度で作らねばならない。これは凄い、どうした最近の日本のものづくり、がんばれ生産技術者!そこから2本のガイドを取り出しどっちも使えるが、精度感から手前のロボットメカと同じ構造のものを使うことにした。この先端にボリュームのワイパー部をofc純銅で形成して、Φ350mmトロイダルトランスのofc純銅巻き線部内周をスライドさせるのだ。

5224x先を越されて目が覚めた。いや若干逃げ腰になっていたフシもあるが、オーディオパーツで一番重要なボリュームにやっと重い腰を上げた。そうなりゃあこっちも奇想天外を繰り出すことにしよう。ボリュームのツマミにレーシングカーのハンドルを使うことにした。momoファンならmomoの木製を使えば良いし、我等は原資の関係からΦ350mmのドリフトタイプを選んだ。ラインアンプの重量はトランス類の50kgに水晶粒の重量を加算すると80kgくらいになり、レーシングカーのハンドルをグルグル回してもびくともしない。

5226その構想図がこれ。モノラルタイプでこの巨大が2個連なる。最上部はボリュームのツマミのレーシングハンドル、その下がΦ350mmのトロイダルアッテネータにΦ350mmインプットトロイダルトランス、続いてcx350アンプ部にΦ400mmトロイダル出力トランス、しんがりはΦ300mmトロイダル電源トランスに電源部となる。ミルトさんから「最近の奇想天外は楽しいね!」と言われて、ハッと我に返った。焦り過ぎていた、このオーディオプロセスこそがオーディオにおける醍醐味と楽しさなのだ。以前のように納期を責める上司や客先も居ない、なのに長年の職業病で自ら納期プレッシャーを掛けてしまう。相棒のソフトマンの口癖「出来た時が納期や!」

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2019年5月20日 (月)

音色力学 古典管ラインアンプ カニンガムcx350に変更 4

5201パーカショニストのnakaさんがケガをして入院していた。体調不良の中、久しぶりにamp研究会へ参加してくれた。ワークがお腹に直接ぶつかり大事のようで、しかし医者からは「お腹の贅肉が内臓を守ってくれてダメージは比較的少なかった」と言われたとのこと。そこで中国の故事になぞらえて「人生万事塞翁が馬や!」と慰めた。我が人生も常に塞翁が馬の馬に救われ良くぞ生き延びたと思っているから、nakaさんがんばれ~!とエールを送ろう。そのnakaさんがkuraiman社長氏の分と合わせて2台のcr型イコライザを作り始めた。両面スルーホールの良質基板が安価で提供されており、迷わず購入を薦めた。回路がsrppだの12ax7だのは大した問題ではなく、音色力学と水晶粒防振構造を施せばそんじょそこらのイコライザアンプより凄いことになり、そうだnakaさんの会社からamp工房監修でこのイコライザアンプを配布すればよい。

5202さて本題です。街の電気屋さんの名工ミルトさんが閉店後、Φ400mmのモンスタートロイダル出力トランスを担いで来店してくれた。そこで密談をする。「貴重な50管を沢山後生大事に仕舞っておいても寿命がねえ~、それに残して逝った所でガラクタ扱いが関の山...」ミルトさんに言われ「いや~、神様みたいなディフォレスト(de forest)やカニンガム(cunningham)を使うのは勿体ない」「もう後5年も聴けないのね~?」

5204「確かに...今は解体して無いがカニンガムcx350管ラインアンプの威力は凄かった、それにテンポラリーだが現在のcx350管パワーアンプの音色力学はcx345の比ではない。やはり、やらねばならないのか!」戦後の物資貧しき我ら団塊世代の多くは美味いものを後に残す習性があり、先ずはcx345を食して、何れcx350を食そう!では最早まずいのだ。先ず美味いものを食そう。

5203素のままではcx345の方が上手く鳴るが、水晶粒防振構造化した巨大なナスs-21型の50管は全く別物の威力を発揮して、お代だけのコトはあると納得した。ナス管の考察は以前のエントリーから「そのナス管s-21型とst-19型について振動力学的に考えると中々面白い。先ず、なぜst-19型にしたかの推論だが、ガラス管の強度を増すためと容易に想像がつく。450のs-21型はプレートが長くなり必然的に丸ボールから流線型のナスになり水滴の法則になった。自然の法則からすれば最古の丸ボールとナス水滴型が正解で、s-21型の方がst-19型より振動分布の均一性と寄生振動が起きにくい、などから音が良いとなる。st-19型はどう贔屓目に見ても自然の法則に反するが、なぜあのよう先端をすぼめてしまったか?且つ生産技術的にはガラス管の厚み均一性にも問題が出易いし、考えるとこれも面白い。デザインはより生態的であるべき、とゆう持論からするとst-19型のデザインは後退してしまった、となる。前にも書いたが、1965年、無線部のf君が自慢げに見せていた大型のナス管(多分国産のux-250)を、50年経った今頃研究しているのだから人生は全く分からない」

5205ミルトさんの言葉には妙に説得力があり、意を決して50管を全部...全部ですぞ、使うことにした。そして古典管倉庫から全部引き出し、見ろや50管を随分と貯めこんだこと。
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5206ディフォレストにカニンガムにレイセオンにナショナルユニオン、それにst-19型のrca50等など。ミルトさんもst-19型のrca50を3本持っており、同じrca50を1本提供すればミルトさんのマルチシステムのシングルパワーアンプは出来る。

5207そこで第一番にディフォレストのaudion450をテストすることにした。以前もデータ取りを簡単にしたが使う前提では無かったので、今回は正式なデータ取りとなる。

5208 amp工房のicu(集中治療室)へ450管をセットして、各部の波形にデータに歪み率を測定する。ここで威力を発揮するのが呆れるほど多いオシロスコープ群で、電流測定などはコモンラインが取れないため1ヶ所測定するのにオシロスコープ1台を使う。勿論商売柄アイソレーションプローブや電流測定プローブも持っているが、これらが案外波形の正確性に欠けロボットでは良しとしていたが、オーディオではダメとした。それに現代は観る世紀で、大事な古典管の数箇所の波形がいっぺんに観られれば、こんなに楽なことはない。重大な決断によりラインアンプとマルチシステムのパワーアンプは全て50管となり、ddターンテーブル3相誘導電動機駆動アンプはcx345になる。そしてイコライザアンプはいくらがんばってもナス型古典管ではゲインが足りず無理、ここは2c52を使う。

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2019年5月18日 (土)

骨董力学 Hewlett・Packard hp3325aファンクションジェネレーター復活!

5171ヒューレット・パッカード (Hewlett-Packard Company) はアジレント・テクノロジー(Agilent Technologies)と測定機器を扱う部門の社名が変わり、更に最近また社名が変わった。この社名が変わったコトはhpの魔術的な響きも消え失せて、ただの測定器の会社になった印象を与える。ヒューレットもパッカードもスタンフォード大学出身でパロアルトが創業地だから、正に我ら電子技術者のメッカ、シリコンバレーの申し子みたいな偉人と尊敬している。営業技術のf君と√101をレンタカーを走らせながらパロアルトの車庫(創業地)を探したが、事前の調査不足で結局訪れるコトはできなかった。でありますから、Hewlett・Packardのジャンク品が出ると思わず入手してしまい、2台目のhp3325aがamp工房へ来た。

5172しかし不要な骨董品の蒐集家でもないから、なんかの言い訳を付けねばならない。最初のhp3325aは表面パネルのキーキャップが1個不足している。だから2台目は部品取りにしようと決めたが、あれ?完全破壊の燃えた雰囲気もないし、もしかしたら...と修理力学が起動してしまった。こうなればもはや止められない。電源を調べると±15vと5vの安定化電源の出力が出ていない。黄色丸印の電源基板を調べる。

5173hp3325aクラスはサービスマニュアルがネットから入手できるから、修理する気にもなる。こうゆう場合の修理にはコツがあり、出来るだけ楽に修理できるようにやたらと分解しない。先ずは回路図を眺めるがたいして難しくない回路で助かり、-15vがダウンすると全ての電源がシャットダウンする仕組みになっている。電源スイッチから連動した-15v起動トランジスタに狙いを定め交換するが直らない。外したトランジスタも正常だった。

5174電源が全部シャットダウンされても+5vと+15vは僅か電圧が出ており-15vは完全にゼロボルトで、なんだい短絡ではないか!そこで-15vの行き先を追っかけると背面に付いたdaコンバータとパワーアンプ基板(1号機修理基板)へ行っており、ここの-15vコネクターを外すと短絡が解消されて正常になる。こうゆう場合やたらと分解しないの鉄則から、-15vが印加されているopamp群(黄色丸印)に狙いを定める。

5175ここからが腕の見せ所で、パターンカットして短絡を調べる。①を切ってもダメ、②をきったら短絡が解消して、ほーれ感が素晴らしい!下手をしたら基板がズタズタになりかねない。見ると-15vに接続されたタンタルコンデンサがあるではないか、これは電源のパスコンで短絡はこれに違いない。③のタンタルコンデンサを外して短絡は解消し、ここへフツーの電解コンデンサを付ける。

5176 もしかしたら前回のパワーアンプ部修理も外れで、タンタルコンデンサをグラグラさせたから一時的解消に違いない。30数年前の製品だから電解及びタンタルコンデンサは、とうに寿命を迎えている。

5177電源を投入すると見事に動いた。これで修理は完了だが、このタンタルコンデンサは随所に使われており、今後も修理は続くのだ。そして晴れて2台をエージングしていたら、丸1日経ったとこで1号機がダウンした。前述の通り完治していなかったのだ。全く我らと一緒で無病息災などないから、骨董体に鞭打ってがんばらなければならない。

5178そして1号機の修理、
to be continued...

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2019年5月16日 (木)

静岡市出身の画家 笹尾光彦さんの絵画展

05161xjazz先輩から1通の手紙が届く。「同期の友人です。5月25日土曜日は村松との対談があります...」当日は午後からギャラリーに居ます。
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2019年5月14日 (火)

音色力学 古典管ラインアンプ カニンガムcx345 3

5141古典管ラインアンプ用のテストベンチにはどこぞの研究室よりも凄い測定器が列を成している。だが計器校正室も無いし、本当にその値が正しいのかどうかはいささか妖しく、人間社会によう似とり少しぐらいワルでもいいとしよう。まあいいか!とやせ我慢しても一番困るのがrms測定で、同じポイントを測定してもデジボルからミリバルからオシロからそれぞれ値が違い、えい面倒だ多数決にしよう。

5142名工ミルトさんの力作Φ400mmトロイダルトランスが届いた。トロダルコアだけで16.5kg、それに水晶粒を巻きつけて20kgを軽くオーバーしている。先日のamp研究会では「大きさの指標になるものを同時に写さないと大きさのイメージがつかめない」と意見があり真ん中へ12cmのcdを置いてみた。d4studioさんも初めて水晶粒防振トロイダルトランス群を見た時「こんなに大きいとは思わなかった!」と言われていた。このサイズと重量が我らが扱う限界と考え始めて、直径1mなんかもう到底出来ない。

5143このΦ400mmはラインアンプ出力トランスとパワーアンプの出力トランスになる。ラインアンプではインプットトランスと後述のトロイダルアッテネータが追加される。ミルトさんから「モノラル構成にしよう」と提案があり、もうここまで巨大化したならばモノラル止む無しとなった。

5144トランスにはミルトさんのデータがついている。
2019年5月12日デ-タ
Φ400mmトロイダルトランス
巻き数   514t
電流    103ma
印加電圧  180v
z=180/0.103a=1727Ω
l=4.6h
計算上ではl=514x514x0.0075x0.0018/1.162=3.1h
計算では3.1hだったものが実測で4.6hとゆうことは、透磁率を0.0075としたが実際は0.01に近い大きな値になっている。2次側はあんぷおやじの担当でレシオ15:1の2次側を巻いた。そもそもの目的はカルダスケーブルを巻いて出力トランスが出来るかの実験で、インダクタンス4.6hでは低域200hz程度が限界で、本来は1100tを巻く。そこでミルトさんと密談する。「何メータ巻いたかね?」「おおよそ100メータね」「すると1100tでは200メータになるのね、お足がいくらあっても足りない」「足りない」。かくして1次側はofc純銅ポリウレタン線を巻くコトに決定、2次側の100tはカルダスケーブルを巻く。

5145続いてトロイダルアッテネータへ移る。たかがボリュームでハンドルを持って回さなければならない水晶粒防振構造トロイダルアッテネータとは?何度も構想しては諦めていたがやはり聴いておきたい究極のアッテネータで、ofc純銅で出来ているから音色力学上最強となる。

5146とりあえず理屈が実現できるか実験をする。Φ350mmトロイダルコアにΦ0.6mmのポリウレタン線を密に巻いた、ミルトさん作のトロイダルコイルがあったので流用した。巻き線の上を約100mmに渡ってヤスリで削り導体を露出させた。1khz、5vをhpの8903bから出力させトロイダルコイルの両端に印加し、露出100mm部分を銅線ワーパーでスライドさせると見事に出力電圧が変わり、出来た!

5147そこで問題点の実験をする。Sound Lab electrostatic speaker A1の可変高電圧で使っているスライダックを改造した時、巻き線2、3本同時にワーパーしたら短絡電流が流れてコイルが燃えた。ワイパーを1mmの巻き線1本に当てるような精密なコンストラクションは取れないので、2本から3本同時はやむ得ない。数本短絡したら4.8v1kzが4.5vと大きくダウンして短絡電流の大きいコトが分かった。そこで2mmのofc純銅板の端面をR加工してワーパーにしたら、殆ど4.8vのダウンも無く良い感触があった。これで世界初のofc純銅巻き線水晶粒防振構造アッテネータが出来る。で、どれだけ音が良くなるの?まあ僅かと思う。但しその僅かな差に無限の距離があり、且つ唯一無二の存在になる。長年の未解決アッテネータ&ボリュームのブレークスルーは、何時かは誰かがさせなければならない。

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2019年5月12日 (日)

音色力学 古典管ラインアンプ カニンガムcx345 2

5125芸術に常識的進化などほとんど無く非常識的進化=その時代の前衛としてきた。画像はニューヨークMoma美術館にあるダリの「記憶の固執」で、高校生時代に強烈にインスピレーションを授かった絵画、どうやら人生の生き方まで変えられたフシがある。この時は撮影している我が姿も写り込みダリ芸術へ参加してきた。その後イタリアルネッサンスに更なる衝撃を受けるが、人生最終章で時既に遅しだった。ただイタリアルネッサンスの巨匠達は芸術家で科学者であることが多く、現代オーディオはテクノロジーと芸術の融合だからイタリアルネッサンスに大いにヒントがあるように思う。余談だが、ダリ時計を本気で作ろうと思った時期があった。たいていは外形がグニャと曲がったものばかりで面白くなく、機械針で3次元的にグニャとした時計は面白いと考えた。

5121音色力学は真空管に尽きる。更に時代の音エネルギーは空気(空気感などではなく実際の空気)が支配していると決めたから、空気が未だ汚染されていない1930年代の古典管に限るとした。かくして古典管ラインアンプにカニンガムのcx345を使って製作は始まった。おまけになるが、優秀な発明家でもビジネスはからっきしダメ、そうゆうタイプ発明家のカニンガムやデフォレストを大いに支持するのであります。

5122Φ400mmのとろいトロイダルコアを使って水晶粒防振構造の出力トランスは現在名工ミルトさんが製作中。以前の検討段階のエントリーではcx345をプッシュにして出力トランスもプッシュにしていたが、とろいトロイダルコアのお陰でシングルアンプで進ことになった。

5128アンプ回路図はこれ。あんまり何にも無く簡単だから議論の対象にもならない。この回路は無に近づけた手法で、音色力学を探求するとこれしかない。入力はΦ350mmトロイダルトランスアッテネータ(ヴォリューム)で可変され、同じくΦ350mmのトロイダルインプットトランスで14dbにゲインされcx345に入る。グリッドバイアスはこのインプットトランスから注入する。出力トランスは2k:2kのパワートランスで20ma程度の電流供給能力を持ち次ぎ段のパワーチャンデバを駆動する。抵抗とコンデンサは1本も使っていない。

5129電源回路はこれ。整流器の半導体離脱の研究は未だ先で、今回は音色を悪くする半導体の使用量を限界まで減らした。定電圧回路で使用していたmj15024と15025は今回から止めて、その代りΦ350mmかΦ300mmのカルダストロイダルチョークコイルを投入した。dd、tt用3相誘導電動機のサイン波発生でsh2cpu開発環境が復活すれば、半導体離脱整流器の開発は一気に進む。

5127昨日はt-mon君のラインアンプ開発で、古典管の動作特性を採り回路方式の決定をやった。我らと同じトロイダルトランスを使うラインアンプは流石に費用が掛かり過ぎで、中学生には無理。そこで銅マンガニン線プレート抵抗とカップリング純銅オイルコンデンサを使うcr結合方式にしてある。rca171では目標ゲインの10dbまで到達出来ず6dbで、これでも十分だが余裕を持たせるためにrca112に替えて合格となった。歪み率はグリッドバイアス0vで一番低かったが、グリッドに1ma程度の電流が流れる為フツーの負バイアスにした。重厚長大とまあフツーのラインアンプ2機種は同時進行です。

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2019年5月10日 (金)

無帰還力学 3相誘導電動機とdp-80の3相サイン波発生器

50103テクトロニクスのawg2021をag1200の代わりに入手したが、使いづらくて閉口している。この任意波形発生器(Arbitrary Waveform Generators)たるものがクセモノで、何でも出来る代わりに難しい。Tektronix 2ch awg2021のマニュアルは英文で難解、日本語のマニュアルだって技術系が書くものだから分かり辛く夏目漱石にでも書いてもらえ!と言いたくなる。fgモードを紐解くが位相差は付けられずag1200に劣る。仕方がないので任意波形発生モードに踏み込み、何とか2相のサイン波を発生することが出来た。

50104awg2021は2相しか出せないのでw相はw=not(u+v)だからopamp回路に入れるが、hpの3325aに起動を掛けてw相を作った。この2台のファンクションジェネレータがあれば3相のサイン波発生器は出来る。両方ともオークションのb級品だから、ハイエンドオーディオ機器投資金額に比べたら随分安く入手できる。

50102ただもうヘタクソなマニュアルを読むも面倒で自分で作ったろ!いやロボットのacサーボモータ駆動の時代から日常茶飯事が3相のサイン波発生器の製作で、膨大な数を作っている。実際には内部の3相サイン波の扱いはデジタルデータだからモニターする為にdaコンバータを内臓させて、ソフトの動作状況をモニターしている。現在3相サイン波を発生できる基板は生基板状態で相当数在庫しているが、完動品は画像のsh7145ツインcpuボードが2枚ある。この基板はプリウスモータを回した実績のある優れもの、これでターンテーブルddモータ用の3相誘導電動機を回す。1枚の行き先は名工ミルトさん用と決っている。

501053相誘導電動機もdp-80もエクセルが回している。先ずはエクセルのsin関数を使い、データを作るところから始まる。ここからが凝り性の真骨頂で、サイン波を0.1度まで分解するか、いや0.01度まで分解しよう。まあ概ね0.1度もあれば3相の120度位相精度は十分でしょう。

50101xそれより問題が3相の駆動周波数になる。画像は3相のサイン波発生プログラムで、iqaが外部に付けられた駆動トルク設定用の10回転ポテンショメータのad変換値となる。このプログラムを200khz電流制御サーボとした場合、1サイクルは5μsecとなる。ターンテーブルddモータの3相誘導電動機の考察エントリーから最大周波数を割り出すと5hzとなり、時間換算で200msecとなる。この0.2/0.000005=40,000の分解能が確保されて5/40,000=0.0001hz(ag1200は0.01hz)まで設定できる仕掛けとなる。これも駆動周波数設定用の10回転ポテンショメータを使い、33回転用と45回転用で2個用意し精密に周波数を合わせる。ここが一番重要な部分になる。

50106概ねこんな感じで3相誘導電動機とdp-80の3相サイン波発生器は出来るが、ハイエンドユーザーの為に外部クロックを開放しておく。esoteric g-01x(マスタークロックジェネレーター・ルビジウムモデル)1,620,000円、これらの威力はcdpで承知しており、アンセルメが2人でスイス・ロマンドを指揮しているくらい正確無比で素晴らしい。ロボット用のプアなxtalを止めてルビジュウムを3相誘導電動機ddターンテーブルでは使おう。

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2019年5月 8日 (水)

無帰還力学 ターンテーブルddモータの3相誘導電動機の考察 了

5079カルメン・マキさんはベトナム反戦運動盛んなりし頃の1969年にデビュー、我らは勝手に反戦の女神と決めてファンになった。当時の合言葉に「do not kill in Vietnam」がある。amp工房へ入ると出迎えるのが画像の「do not kill in Vietnam」画(f80号)とジョン・コルトレーンです。絵のタイトルは「愚行の輪」シリーズで当時の連作になり、この未熟な作画を見ると1968年11月9日とあり県芸術祭出展作品で、土方定一先生には皮肉にも技術が高いと評価して頂いた。今改めて観ると描写技術は確かに稚拙だがアイディアは面白く、奇想天外さは今般のターンテーブルddモータの3相誘導電動機化に繋がっているように思う。徒党を組むのも嫌いだから1人プロジェクトxで反戦の意思表示をして描き続けた。1986年に初めてワシントンdcを訪れ、ベトナム戦争戦没者慰霊碑(Vietnam Veterans Memorial)へ駆けつけた。何メータも続く大きな石の墓標に刻まれた多くの名前の中から、我が子の名前を見つけ手をあてがい泣き崩れている老婆の姿を見た時、自分の中の「do not kill in Vietnam」は思い上がりと気付かされ、この件の落とし前はついた。

5068いよいよ3相誘導電動機ddターンテーブル化実験も佳境で、先日のamp研究会では水晶粒防振構造のプラッターを組み込み、本番同等のテストをした。「底板をΦ350mmの紙管へ入れて側面からネジ止めしよう」「いや、紙テープで張っただけで強度は出る」と自信満々に名工ミルトさんは水晶粒防振プラッターを組み上げる。紙テープをベタベタ貼るだけだから直ぐに組みあがり、3相誘導電動機のロングシャフトへネジ止めする。余りの速さにミルトさんに脱帽!

5069それに水晶粒を充填するのだが、3相誘導電動機の固定はせず頭でっかちは不安定極まりない。モータを暴走させたら一発でひっくり返る。そこがほれ、速度帰還が掛かっていないから決して暴走はしない。sp10もdp-80も速度帰還をしくじるとブンブン回り、これも無帰還力学の勝利なのだ。元々Φ300mmの紙管で高さ100mmが約20kg、横着して純銅電解コンデンサ用のΦ350mmでやったから20kgは優に超えるが、実験には丁度良い。

5070続いて蓋をしてその中央へストロボ盤を貼り付け、これで完成となる。

 

5071もう慣れたもので遠慮会釈なく直ぐに3相誘導電動機を回す。見事に回りショートストローク大口径ボアは実に安定している。

5072こちらが論より証拠画像。ラックスマンpd-171試作プラッターの時と同じで実にスムーズに回転する。

5073念のため参考データを採っておく。3相誘導電動機の駆動電圧はおおよそ4.5vrms。

 

5074 その時の駆動電流はおおよそ0.5arms、モータ出力は√3eicosΘ=4wとなる。

5075強大慣性負荷&粘性負荷を搭載しても何ら問題なく回り、興奮しているのはあんぷおやじ1人だけで、amp研究室のメンバーは極めて冷静にニコニコしている。5月5日のamp研究会は3相誘導電動機の650wを回し、実負荷搭載の200wまで回して成功させ歴史的な日となった。これにてターンテーブルddモータの3相誘導電動機の考察は了とし、次の登場は製品化の開発時となる。そして今急がねばならないラインアンプへと突入です。

50763相誘導電動機は3相の内、1相が欠けても回る。これがトランスのv結線みたいなものだがその活きた2相に過電流が流れプロテクタがしっかりしていないと、何れ焼損する。今回はあえて2相で回す実験をしたが、パラメータさえ変更すれば33回転の同期もとれ滑らかに回る。パワーは1/10以下と大幅に落ちているからモータ焼損はあり得ないし、この手法はステレオアンプで回せるメリットがあり、経済型を追求する場合にはあり...かな?

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2019年5月 6日 (月)

無帰還力学 ターンテーブルddモータの3相誘導電動機の考察 7

5060恩師が亡くなった。若き日に「人間、破格たれ!」を教わり、破格とは限りなき自由な発想と思想で、どうやら恩師の教えを最後まで守れそうだ。真に火中の栗を拾う本普請の教師で、時には本気で殴り、時には共に泣き、今時の評点を気にする教師とは根本的に違う。こうゆう独創的な教師は戦後の波乱万丈から生まれた経緯もあり、国が豊かになり段々升目に押し込むような教育方針では、出現し難い教師と思う。物質的豊かさと心の問題をどう上手く折り合いを付けていくかが、現代を生きる我らに課せられた命題と思う。

50613相誘導電動機は自動車のエンジンに似ている。ボアとストロークの関数でエンジンの特性は決まり、今回は以前入手したhitachiの650wを回してみる。出力は大きくなりロングストロークの小径ボアタイプはどのような特性になるか、データを取ってみる。

5062先ずは儀式でシャフトの端面にm4のタップを切る。ミルトさんが居ないため1人でやるが垂直にならず難しい。まあ実験だからいいか。お隣にあるモータはmjのk川さんがお送りくださった、重た~いエディカレントモータ。ここまで準備して後はamp研究会で回す。

5063amp研究会当日、前日から甲府へカルメン・マキさんのライブに1泊で出かけていたkuraiman社長氏とパーカショニストのnakaさんが、高速参勤交代で戻り参加してくれた。他には久しぶり参加の住職にt-mon君にミルトさん、このメンバーが歴史的な出来事を目撃することになる。先ずは無負荷運転で、この段階で見通しはつく。ストロボ盤のシマシマがあんまり安定しない。まあ、回ることは回るが無負荷のせいと判断する。

5064そこで一気に負荷を搭載することにした。ここで名工ミルトさんの登場、相変わらず手際良くラックスマンのpd-171試作プラッターを取り付ける。元々ダメ元だから気楽に調整をしていると見事に回り、思わず「事件です!事件です!」と叫ぶが、amp研究室のメンバーは「???」であまり興奮しない。「世界初!」と強調しても「はあ~?」とつれない。パーカショニストのnakaさんの工場で沢山使われている3相誘導電動機が、ターンテーブルのddモータに使える突拍子もない事態に、にわかには理解し難いのかも知れない。それでも理解しようとkuraiman社長氏は熱心に覗き込んでいた。終始事態を目撃しているミルトさんはコトの重大性を把握している。

506533回転の証拠画像。但し若干行きつ戻りつ的に見えてプラッターとストロボ盤の取り付け精度も怪しいのでなんとも言えない。ロンストローク小ボアでは少々調整の難しいところもあり万全とは言えないが、3相誘導電動機の使用可能範囲は大いに広がった。

50663相誘導電動機の駆動電圧はおおよそ2.4vrms。


5067 その時の駆動電流はおおよそ0.7arms、モータ出力は√3eicosΘ=3.5w、650wのモータが1/185になると33回転で回るのだ。相変わらず3相のバランスも狂っており前述のメカニカル精度と合わせて、まあ合格となる。

50782機種の3相誘導電動機を回してみた結論は、ショートストロークの大口径ボアの勝ちと決まった。これは自力で設計して作る場合の扁平モータが正しいことの証明にもなり、ddターンテーブル用の3相誘導電動機は平たい顔族の画像のような扁平モータの探索になる。

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2019年5月 4日 (土)

無帰還力学 ターンテーブルddモータの3相誘導電動機とヒステリシスシンクロナスモータの考察6

5031とにかく理屈をこねているより先に行動の人が名工ミルトさんで、早速sosのメールが入る。「昨日3相誘導電動機が入荷したのであんぷおやじさんの数値を参考に回してみました。ag1200出力2.9hz、0.5v、amp出力約6.8vで正確な33回転が得られましたが、無負荷のため小刻みなコキング発生。(注:これはコギングではなくて振動になる)2.9hz、6.8vの超低電圧無負荷でもコギングの発生を抑える事は可能か?低回転のためアンプのパワーを食うらしく冷却ファンが盛んに回ります」。そこで早速telする。「ゴールデンウイークでお客さんも来ないから暇でしょ?」「はい」「じゃあ、直ぐにモータを持っておいでよ」

5032ミルトさんの3相誘導電動機も新品に近い美品で素晴らしい。早速モータの整備を始める。シリコンシーラントで密閉されたインローを大ハンマーとノミで叩いて分解、インローのシリコンシーラントをカッターナイフで丁寧に削ぎ落とし、後に簡単に分解組み立て出来るようにする。続いてシャフトの研磨、ベアリングのグリス除去、これでだいたいは仕上がり再組み立てする。

5033ミルトさんの手が借りられるならばと、ラックスマンpd-171の試作プラッターをロングシャフトの端面に取り付けることにした。モータはデカいしシャフトは長いし、高さのあるボール盤など持ち合わせていないので、電気ドリルで垂直に気を付けながら穴を開ける。これが案外軟い鉄材で10mm位の深さに簡単に穴が開いてm4のタップを切る。なぜm4かと言うと、正式に開ける際に影響がない小さなネジとしたためです。芯出しはかなり怪しくダイナミックバランスなんか取れようもないが、まあいいか。無事プラッターが取り付いた。正式にはラジアルボール盤のある知人の機械加工屋さんへ持ち込む。

5034底面に水平確保の大型ワッシャーを入れてある。このロングシャフトは水晶粒防振プラッター厚さ100mmの際に、水晶粒に直付けで防振を施すから長いほうが良い。

5035ミルトさんに手伝ってもらうと仕事は速く、1時間で完了した。そこでいきなり回転させる。「お~、33回転の同期が取れている!」ミルトさんが叫び、ストロボ盤を見るとなんと振動っぽい動きは皆無で、この段階でターンテーブルddモータの3相誘導電動機の完了が見えてしまい、ヒステリシスシンクロナスモータの開発は必要無くなった。まだ...何もやっていない段階なのに、これはエライことになった。しかし正直ホッとしている。原資も無いのに、ヒステリシスシンクロナスモータの開発となるとリスクが大きすぎる。以降のエントリーからヒステリシスシンクロナスモータ開発は消えます。

5036長年ターンテーブルの開発をやっていると、ストロボ盤のシマシマの動きでたいがいのターンテーブルの健康状態は読めてしまい、3相誘導電動機ddターンテーブルは素晴らしい。速度帰還の掛かったモノはどうもこのシマシマの動きが滑らかではないが、しかし自分でpid制御をやっているから贔屓目に見て合格としてしまう。そんなもの一切関係無しに滑らかに同期が取れる。

5037だから言っているでしょ、sp10等のモータはプラッターを外したらガタガタ回りで、これでレコードなど聴けない。ミルトさんの無負荷の時も同じで、コギングと言っているがトルクが強大ですべり無しの同期速度に入る、外れる、の振動が出ている訳で、少し電流を減らして同期から外しすべりを活性化させオフセットをつけておき、このすべり量を一定にする。これが3相誘導電動機をddターンテーブルに使う極意になり、すべり制御が全てを制する。これを模したものが磁石付きddターンテーブルのpid制御で、あんぷおやじ流儀はベストなワウフラを記録している。我が方は無負荷でも無振動の調整は見事にやってのけたが、プラッターとゆう慣性と粘性負荷の搭載で一気にすべり制御が楽になった。

5038次なるはデータの採取と振動の傾向を探る。3相のバランスは取れていない悪環境で33rpmの同期は取れたが、トルクリップルがあり潜在的に振動要素を持っている。よってsh2acpuで作る時は0.1%程度の精度で合わせる。3相サイン波発生器からの電圧は概ね1.6vrms。

5039その時の出力電圧は約10vrmsで、以前のエントリーでは20vrmsとしたがデータの間違いでした。

5041今回は0.2Ωの抵抗を3相へ入れて、実際の負荷電流を測定する。駆動電圧10vの時に1.1aとなり、力率をとりあえず1として√3eicosΘ=19wと出て、概ね20wの3相誘導電動機となる。定格出力200wの3相誘導電動機が1/10の20wになれば超低速でも同期が取れる。

5042次は駆動電圧限界値を探る。同期が何とか取れている駆動電圧は3.5vrmsと、とんでもなく低い電圧になった。

5043その時の電流は370marmsとなり、出力は約2wとなった。恐るべし柔軟性!トルクは固定子電流と直交に交わる回転子電流と相互インダクタンスのmを掛けたものだから、電流アンプにするのが正解になる。しかしここで電流帰還用の電流センサーとadコンバータと高速プログラムが必要になり、やった所で音が画期的に良くなるとは考え難い。学術的には格好は悪いが、いや3相誘導電動機を開発に使うところから既に格好悪いし、論文を書いたところで電気学会では受け付けてもらえない。通常の電圧アンプにしておいて、巻き線温度上昇が飽和したら周波数を微調整して同期させる。一切の帰還を掛けず人間サーボロックでいくべきだし、格好悪くても音さえ良ければ問題ない。

5044その時の論より証拠画像。但しほんの僅かずつだが遅れがあるがまあ、少しずつは中々耳では分からない。

5045電流を増加させて振動が出始める駆動電圧は、たまたまramsaのwp-1100の出力限界に等しく14vrms。

5046その時の電流値は1.5armsとなった。この時の出力は36wとなり、2wから36wの間でプラッターの負荷バランスを取れば良い。これはロボット屋でないと分からないが、ロータイナーシャと負荷イナーシャの関係はメカニカル時定数となって、如何にデカいロータで回すかに掛かっており、これで制御はいっぺんに楽になる。小さいモータで大きなプラッターを回すのは難儀する。まあ、何をしても回るけどね。

5047奇想天外も実現してしまえば当たり前で、世界中で出来ることを誰もやっていなかっただけで発明でもなんでもない。特許も出す気は無いから一応ブログ上の著作物としておく。トップランナー制度が厳しくなれば大量の3相誘導電動機が廃棄処分となり、ターンテーブルに応用した所で僅かしか需要はなく救済にはならないが、emt927が欲しくても買えない御仁には朗報かも知れない。ミルトさんのemt930の3相サイン波駆動で明らかになったように、レコードはモータが音を支配していると考えると、emt927,930より遥かに大きい3相誘導電動機の底力は知れず、且つ世界初の無帰還ddターンテーブルの音に対する未知数は計り知れず。これにて3相誘導電動機による無帰還ddターンテーブル化は見通しがつき、emt927&930用古典管3相モータアンプシステムと併せて、来春までに製品化をする予定です。

5048画像は低コギング扁平モータ
もう15年も前になるが、yモートルの社長に音楽先輩がなられた時、北九州へ何度も訪ねてモータのノウハウを教わった。当時は磁石付きddターンテーブル開発真っ最中で、如何にコギングを無くすかに腐心していた。yモートルさんも丁度分布巻きから集中巻きへと原価低減が進み、如何にコギングを無くすかの研究中で大いに参考になった。音楽先輩の社長に是非多相の誘導電動機を作って、世界一のターンテーブル用モータを共同研究しませんか?とお誘いしたら、すぐさま社内報に記事を載せられた。ところが音楽先輩はy電機本社の常務に栄転され、この話は無くなった。いくら磁石付きddターンテーブルをがんばってもdp-80に勝てなかったし、dp-80はemt927に勝てなかった。だから、acモータである多相誘導電動機がベストだな~と漠然と思っていた。その夢にまた一歩近づいた。

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2019年5月 2日 (木)

無帰還力学 ターンテーブルddモータの3相誘導電動機とヒステリシスシンクロナスモータの考察5

5010「とにかくもう1台モータが出ているから直ぐに落札して下さい!」名工ミルトさんにメールを入れて、すかさず「帰りに寄ってください」とtelする。定刻通りミルトさんがやって来て「モータの画像を見た途端にピンときた、しかしアイドラ駆動か?ベルト駆動か?それがダイレクト駆動なんて...」と絶句する。3hz前後の超低周波駆動は微振動を伴うからddターンテーブル化するには極めて難しく、しかし無帰還で音楽振動が取れないものを負帰還で速度制御した所で改善にはならない。要するに裸特性が良くて無帰還が鉄則になる。これは磁石付きddと同じでどうにもならない。それほどddターンテーブルにおける音楽再生は難しい。最近流行の簡易ベクトル制御、dq指令値を与えαβ軸変換ならば演算式も少なく簡単で電気角位置帰還と電流帰還によって低速の速度制御が実現できて魅力的...いやまずい、あくまでも無帰還力学に拘ろう。

5012先日のamp研究会はミルトさん宅の世界初サイン波駆動emt930がどのように音が変化したか、確認しに出かけることにした。参加者はkuraiman社長氏、パーカショニストのnakaさん、t-mon君、ミルトさんにあんぷおやじ。amp工房で実験した機材を正式にセットしてあった。3相サイン波発生器ag1200の電源の取り方でコロコロ音が変わると、随分と重大な事態をミルトさんは把握しており、水晶粒防振カルダス電源のベストから受電するようにしてあった。

5013ミルトさん宅のレコードを聴くのは久しぶりで評価できないので、先週ガボール・ザボjazz ragaオリジナル盤を旧emt930で聴いたt-mon君が評価した。「ぜんぜん音が変わりました、音が太いです」はt-mon君で、こっちはjazz ragaオリジナル盤にこんなエネルギーがあったとは、度肝を抜かれた。もうここまでくればシメたもので音が良い悪いの領域を通り越して、ミルト流儀の音になっているから素晴らしい。もうお分かりですね、ターンテーブルはモータで音が変わりモータで音を決める。凄いモータを作れば凄い音が出る。

50113相サイン波発生器ag1200をミルトさんに譲ってしまい、アポロ計画のファンクションジェネレータでは3相サイン波の発生が上手いかず、仕方無しに高額なテクトロの2ch、awg2021自在波形生成ジェネレータを入手した。fgモードをいくらいじっても2相間の位相差など発生のしようもなくて、あえなくムダになってしまった。もう他力本願はイカン!ag1200も気に入らないとこだらけだしawg2021は更に悪いし、こうなりゃあ開発用の古いパソコンを生かしてsh2acpuの開発環境を復活させ、最強の3相サイン波発生装置を作ろう。前出2機種は12bitのdaコンバータ、こっちは音楽用も兼ねて16bitのdaコンバータにしてある。

5014安川モートルの社長を務められた音楽仲間の先輩は退職後国へ引っ込んで、更に年賀状交換は本年度で終えましょうと挨拶がきていた。段々人脈も金脈も?遠のき、コトを起こそうとした時パワーが出ない。それでも分布巻きのモータのキモは小倉を訪ねたときに十分に勉強してあるから、財産は残っている。今回は見逃すが、最終的には3相コイルの完全なるバランスを取る。

5016世界初?だらけなのだが3相誘導電動機で33回転を回したとき、結構クリチカルで振動が出たり止まったりしていた。未だレコードをかけるレベルではなく安定的に33回転が回るかの検証中で、特に3相のバランスがトルクリップル=振動に繋がるから3相の駆動電流を完全にバランスするようにサーボ系を調整する。テクトロの2ch、awg2021自在波形生成ジェネレータが使い物にならないのでアポロ計画に戻し外部に回路を付けて3相バランスするようにしなければならない。

5015そこまでやってもすべり制御では33回転の同期も取れず音楽振動が出るようならば、もうかご型ロータは諦めよう。

5017最後の切り札がロータの入れ替えになる。見城先生研究室で作られていたヒステリシスシンクロナスモータのロータを参考にニッケル合金で作る。コバルト鋼よりは入手し易いしお代も安い。多分ddターンテーブル用の交流モータではこれが最強になる。


そこでミルトさんと密談する。
d4studio さんはスタジオに旋盤とフライス盤を持ち込んだぜ」
「我らも安い中古の旋盤を折半で購入して自前で加工しよう」
「そうなりゃあ、ヒステリシスシンクロナスモータのロータなんか簡単に加工できる」
「で、その大型旋盤を何処へ設置します?」
「...」

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