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2019年6月29日 (土)

振動力学 カニンガムcx350古典管パワーアンプ 続2

6210出展:日立評論
大先輩達が寝食忘れて研究した真空管の素材解析が見つかった。何と日立評論で昭和28年11月の投稿で、現在はしっかりと歴史に埋もれている。h社時代は日立評論も読んでいたが流石に真空管の研究などあるはずも無いし、当時は真空管の素材力学まで到底及ばなかった。昭和28年11月の記事によると、傍熱管のスリーブ(カソード)の材質について詳細に研究してあった。同時に真空管を作ろう構想は吹き飛んだ。こうゆう基礎研究を長年続けたからこそ優秀な真空管が出来た訳で、音の良いofc純銅真空管に挑めば相当長い期間が掛かり寿命が持たない。かくして1つを諦めた。年をとるとゆうことは何かを諦めるコトなんだろう。日立の先輩に感謝!

6213少し時間を戻します。音色力学において唯一真空管がトランシスタに負けるとすれば、振動に極端に弱いことです。動作中の真空管を叩けば、それぞれ球違いによる個性的な音がスピーカから出る。そこで古典管を水晶粒防振をすると、背筋を伸ばしてピンと歩いているようにしっかりする。真空管の制振、防振のアクセサリーが各種出ている、とゆうことは真空管の振動は問題ありと認識している証なのだ。

6212トランスだけカニンガムcx350古典管パワーアンプ実験機でも、水晶粒防振構造にして正確な音質評価をする。正式にはofc純銅板で円筒を作るが、実験ではΦ120mm紙管とした。放熱は最悪でそこだけを気をつければ実験において問題ない。赤のフェルトは塗装が掛けられない事情で張っただけで、他意はない。

6214カニンガムcx350を円筒の中へ入れて左右上下均等なポジションを出す。

6215慎重に細目の水晶粒を充填する。充填量で音も違うがやや多めが良く、大体が水晶粒を操るのはテキトーが多い。

6216ここで登場が冷却ファンで、acファンにスライダックを付けて風量コントロールする。本業柄水晶粒へ温度センサーを入れてcx350の温度でファンコントロールするのも簡単だが、トランスだけアンプだから余分なことはしない。

6211これが決め手でトランスだけカニンガムcx350古典管パワーアンプは俄然音が整い始めた。昔、割烹わかすぎの若旦那に、盛んに真空管アンプは「鼻水を垂らしているようだ」と形容されていたが、水晶粒防振構造を編出してから、トランジスタアンプのようにしっかり駆動する、と変わった。ここは激変するからやられた方が良い。但し放熱問題は慎重に考えなければならない。

450さて図太い音を生み出したウェスタンエレクトリック( Western Electric)が凄いのか?時代が凄かったのか?デフォレスト450の回路を見ていると、時代が凄かった!と結論付く。時代の何が凄いって?良質な抵抗やコンデンサが無い時代だからトランスだけになった。ほ~れ、何でも有りの時代より、少し足りないか、無い時代の方が人間の英知は養われたのだ。あれもない、これもないと嘆く前に、あれもある、これもあると気付いて心豊なる生き方が、良いと思いますよ~。

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2019年6月27日 (木)

音色力学 カニンガムcx350古典管パワーアンプ2題による音色革命

06271ビル・エヴァンスにどれだけお代を投じたのだろうか?音の良いcdの情報が入れば直ぐに買うし、Analogue Productions の22枚組45-RPM Bill Evansもある。オリジナル盤も僅かだが持っており、どうもRiversideモンは音が分厚くなく、これが画竜点睛を欠く。そもそも1967年にjazzを聴き始めて、最初の出会いがビル・エヴァンスのEpic Records「Pike's Peak DAVE PIKE」でありました。まあ、運命の1枚とでも言いましょうか、コーラルのベータ8から出る歯切れの良いバイブラホンとピアノにやられて、連日聴きまくった。ピアノが特に良いねえ~と印象を持ち、深みに嵌った経緯なのだ。amp研究会を始めた当初、小学生だったt-mon君からビル・エヴァンスが好きと聞きいた。「小学6年でビル・エヴァンスが好きだなんて、何て凄い子供だ!」と思いながら、気前良く最高の音質としていた「k2,20bitの3枚組み」白箱を渡した。今回改めて3回目を買い直して聴き、当然最高の音質...だったはずが、トランスだけのcx350パワーアンプの音色革命の前に最高ではなくなった、これは一体?

06272昨年暮れにテンポラリーでcx350パワーアンプを作った。本番用にはまだ実験すべきことが多くて、やむを得ない方法だった。電圧増幅段は2c52(レイセオン)を使いcr結合でcx350管をドライブした。cx350管グリッドは固定バイアスとし、フィラメントはmj15024で安定化した。カソードはgnd直結として電源密結合を実現した。とまあここまではフツーのアンプだが、この先からかなり狂ってくる。先ずは電源トランスで水晶粒防振ofc純銅トロイダル電源トランスΦ300mmを作る。続いてΦ350mmトロイダル出力トランス、ここが最大の山場になり且つ高透磁率コアの難しさを知ることとなる。

06273次は第一のハイライトでofc純銅電解コンデンサを作る。だいぶ上達していきなり350v60μfと十分な容量で作れた。このコンデンサを2個作り120μfで電源を固めた。

06274次ぎのハイライトは画期的で、カルダスケーブル3.5スクエアをΦ300mmの水晶粒防振したトロイダルコアに巻き付け、カルダスチョークコイルを発明した。これでチョークインプット方式にしたらもう事件であり、今後のアンプ一切にこの手法を導入することにした。この段階で十分過ぎる音質となり皆さんに聴いて頂くが評判は上々で、しかし従来の延長線上の音であることに後で気が付いた。

06275ブレークスルーとはこのことで、従来の概念で推し量れないアンプを作ってしまった。それが画像のまだバラック状態のトランスだけで作られた、カニンガムcx350パワーアンプなのだ。最高の音質としていた「k2,20bitの3枚組み」白箱は音が薄くなり、代わりに主役に躍り出たのが「Bill Evans The Complete Riverside Recordings」の赤箱で、高音まで音は太く、ビル・エヴァンスの録音が悪いと思っていたこっちのシステムが悪かった。ここでスガダイロー君のcdを作っているレコーディングエンジニアanaiさんの言葉「あんぷおやじ~、一般ではamp工房のような装置で聴けないから上も下もイコライズするのね~」そうか!「k2,20bitの3枚組み」はトランスだけのアンプで上も下も余分に出て肝心な中身のレベルが下がって、音がつまらなくなったのだ。ここでようやく「ordinarily」の普通に戻り、普通がベストで、音の良い普通でないcdはことごとくアウトとゆう事件になってしまった。お宝のジョニー・ハートマンも音の良いsacdより、インパルスの普通のcdの方が音が良い。まあ、これは福音で大量にある普通のcdが図太く聴けるのだから、素晴らしいことだ。

06276x図太い音を生み出したウェスタンエレクトリック( Western Electric)が凄いのか?時代が凄かったのか?分からないが、とにかく凄い!古いものなら何でもよろしいとした漠然懐古趣味は毛頭無く、現役の?ロボット用サーボアンプ屋で一応ハイテクに身を置く。現代にコルトレーンのような凄いjazzがあるならば、真空管式daコンバータでもadコンバータでも作るが、もう無い!

06277昔ワシントンdcのjazzクラブへ行った時「もうjazzは死んだ、俺達はその昔のスイングするjazzをやるのだ!」と言いながら演奏するjazzメン達と意気投合してしまい、気がついたら御一緒した大手企業の課長さんとあんぷおやじは、しっかりと何枚もの彼らのレコードを握り締めていた。レッド・ホット・jazz名前は忘れない。jazzは死んだのではなくて、クラシック化したのだ。だからクラシックjazzは図太く再生してこそ、jazzは生き長らえる。

06279Bill Evans Trio The Last Waltz Milestone 8枚組み、vicj-60656~663、k2,20bitは「今世紀最後の大発掘!」と称して、2000年に売り出された。ホテルの受付嬢にキーストン・コーナーの場所を尋ねるが「知らな~い」との返事で、自力でサンフランシスコの街中を探し歩いた。1989年のことでビル・エバンスが亡くなって僅か9年後には、jazzの名門ライブハウス「キーストン・コーナー」まで消滅(1983年閉店)していた。
062791 そのキーストン・コーナーでのラストレコーディングは音が悪く、cdはお蔵入りとなっていた。トランスだけのcx350アンプになって、ダメもとで聴いてみた。半ばプライベート録音なのか?マイクのセッティングは余り良くない。マーク・ジョンソンのベースはアンプスピーカの直近へマイクを置いたのではないだろうか、全編に渡りボンつきダーダーベースで、ウッドなんだがエレベみたいになっている。ところがミキサーなどシンプルなせいか、ライブ感やリアル感は中々のもので、ビル・エヴァンスのボールドウィンは音が空中に突き抜け、凄いピアノで遂に々...19年も経ってラスト・ワルツはお宝になり、キーストン・コーナーの聴衆と一緒に手が痛くなるほど拍手し、創造主へ感謝の手を合わせた。

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2019年6月25日 (火)

音色力学 Western Electric 87A Amplifier の音太解析

06251Western Electric 7A Amplifier の回路はトランスしかない。これを原始的と捉えるか?はたまた最先端と捉えるか?勿論後者で、7aにやられてカニンガムcx350古典管パワーアンプを作った。これが滅法図太い音で大いにたまげた。この7aアンプに使われている金属素材はトランスの銅線だけで、オール銅は音を膨らませて(太筆のようにボケる)音を太くすると確信した。長年素材力学は「オーディオは純銅に限る!」と進めてきたが、jazz表現を豊にする金属素材は銅に尽きると思う。時代の進化と共に別な素材に置き換わり、そのことによる損失より便利さや原価低減を優先したばっかりに、jazzの音楽の大切なものを失う事実に気が付かなかった。気が付いた時は時既に遅しで、Western Electricの諸々は高嶺の花になってしまった。さて、それならばweの親分Western Electric 87A Amplifier の解析をやり、音太音色力学の根源を探ってみよう。

06256x回路図はこれ。1922年のWestern Electric 7A Amplifier から12年が経った1935年に登場したWestern Electric 87A Amplifierは、トランスだけから姿を変えて抵抗とコンデンサを使っている。これは抵抗とコンデンサが進化して、実用に十分耐えるようになった結果でしょう。また出力管に284dを使っており、送信管にも係わらずこの時代はまだ金属板(ニッケルか?タンタルか?)でグラファイトなど使っていないから音色力学上の問題は無い。87aはなんと言ってもトロイダル型出力トランスで、超有名なd-95659やd-98539が使われており、we 7aの時代とは比べ物にならないくらい程性能と音が良くなった。

06253xxここで抵抗とコンデンサの部分を調べてみよう。上記回路図からメータ部(青ぼかし丸部)を省略して分かり易くした。青丸印のカップリングコンデンサは容量が少ない場合の苦肉の策で、現在のように大容量のコンデンサが容易に出来る時代はこの回路は使わない。注目はカソードの付属物スタンダード赤丸印の抵抗とコンデンサで、87a回路では僅か1個ずつしか使っていない。コンデンサはオイルペーパーコンになり、抵抗はニッケルクロム線になるから音色劣化は僅少。ここで音色加減算が行われ、トランスの銅の方が多く支配するから音太になる、と解析した。教訓だが、現代は赤丸印のコンデンサに音の最悪な電解コンデンサの100μfクラスを使っている。これをwe87の回路に戻したらどうだろうか?音の良いofc純銅オイルペーパーコンデンサ1.0μfを赤と青丸印部に投入して電解コンデンサを除去する。低域の時定数は青丸印の抵抗で決める。凄いことになるは間違いなし。

06255こちらがwe87のリアパネル。トランスとチョークコイルがぎっしりで、現代の真空管アンプとは随分趣がちがう。現在もトランス結合が根強く残っているのは、古典管の大きな励振電圧を稼ぐためよりも、音色が良く音楽表現が素晴らしいに他ならない。くどいけど、それが音色力学の銅を多用するに繋がる。weのトロイダル型出力トランスd-95659やd-98539を超えるトランスが現れないのは、we300aを超える3極管の登場が無いのに同じか。

06258見ても見えない、聴いても聴こえなない。見えれば描くことは出来るし、聴こえれば音を作ることが出来る。これは絵の上手さとか耳の良さとは殆ど関係なく、頭脳に形成された感性によると思う。見えて聴こえる御仁ならば間違いなく、Western Electric 7A Amplifier やWestern Electric 87A Amplifier の回路に感動を覚えるはず...
余談です。
画像はフィレンツェのウフィツィ美術館で見たカラバッジオのバッカスで、これに衝撃を受けて大嫌いな無頼画家に参ってしまった経緯がある。カラバッジオの絵には何よりも色の濁りが無い。絵画の勉強を本格的に始めた頃は印象派だったが、濁った色まで操る凄い時代で、これこそが時代の進化だと気付くのにウフィツィまで行ってだから、何十年も掛かってしまった。オーディオは「濁りまで操る凄い時代を遠慮して、あくまでも濁りの無い色で再現しなさい」とカラバッジオから諭された。

06259Western Electric 7A Amplifier で興味深い記事を見つけました、ご参考に。
Western Electric, 7A , 216A, 1922-24 ?
Flawless design, no hum, no resistor noise, no capacitor blocking.This is one of my favourite Western Electric amplifier design.At the days when it was made the components was not a thing to brag about,but keep in mind that this was a repeater amplifier – made for telephone communication.Build it today with high quality tubes and transformers and you will have a top class amplifier. Western Electric was a sub-division under the Bell lab. ( Graham you know – ding ding , does that ring a Bell ? ) 
特にこの文章です「Build it today with high quality tubes and transformers and you will have a top class amplifier.」世界にはweに限らずアンプを深く理解した猛者が居ることをお忘れなく。

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2019年6月23日 (日)

ビル・エヴァンス タイム・リメンバード

06231静岡サールナートホール3階の映画館受付フロアは狭く、ビル・エバンスフリークが封切りに駆けつけたため、ごった返していた。見覚えのある顔や明らかにjazzミュージシャン風情も居て、並々ならぬビル・エヴァンスへの関心の高さがうかがえる。kuraiman社長氏からビル・エヴァンスの映画「タイム・リメンバード」の情報があり、お寺仲間の博学ヴァイオレンス住職にチケットを手配してもらった。1967年にビル・エヴァンスのレコードに出会ってから52年の半世紀が過ぎて、初めてビル・エヴァンスの謎に迫ることが出来た。サンフランシスコからニューヨークへと幻影を追った長旅もこれで終わった。謎はいくつもあったが第一はピアノで、音色はボケているが全てスタインウエイでフルコン以外にb型も見えた。これでビル・エヴァンス再現の新たな戦いの旅が始まる。

06232傑作はワルツ・フォーデビーではなくてピース・ピースと決めていたが、ポール・モチアンがこのピース・ピースの音楽展開を絶賛していたのだから、わが耳に狂いは無かった。サンフランシスコで会ったjazzヴォーカリストのジョン・ヘンドリックスが何度も登場し、ビル・エヴァンスの思い出を語った映像を見て、jazzクラブ,キム・ボールへ足繁く通ったことが突然価値のあるものに思えてきた。

06233隣でうとうとしている家人を突っつき、ヴィレッジ・ヴァンガードの場面はしっかりと見させた。なんせヴィレッジ・ヴァンガードの階段下で(丁度ビル・エヴァンスの座っている反対側)、もぎりをしていた今は亡きロレイン・ゴードンさんと拙い英語で嬉々と話をしていたのが家人だったからだ。こっちはビル・エヴァンスの座っている場所に立った瞬間、武者震いが走った。

06234_20190623043401更に時は流れ最後のニューヨーク、フロアマネージャを捉まえて「1961年6月にビル・エヴァンスの歴史的な録音がここであったが知っているか?」「知りません...」には歴史に埋もれ始めた現実を知ったが、ゲイリー・ピーコックだったかな?「あと100年ビル・エヴァンスのピアノは支配する」に全てが言い尽くされた。

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2019年6月21日 (金)

超単純化力学 オーディオアンプはトランスで作る!

6231x単純化力学は遂に「Western Electric 7A Amplifier」に辿り着き、更に超単純化を進め極限に到達した。そしてオーディオアンプは「トランスで作る!」に極まり。Western Electric 7A Amplifierの回路からアクセサリー等を除いた回路図がこれ。インプットトランスは1次2kΩ,2次50kΩでゲイン14db、グリッドのハイインピーダンスはこの際目を瞑ろう、出力トランスは1次4.5kΩ,2次16Ω。回路電圧は+b電源が430v、負biasがー80v、フィラメンと電圧がac7.5vのトランス中点付近(調整する)でgndへ接続、入力10vrms時出力4w、歪み率10%と概ねこんな感じです。桃山ルネッサンスの巨匠長谷川等伯が楓図(智積院蔵)で隆盛を極め、晩年は枯淡の境地の松林図屏風になる変遷にも重ね合わせ、イタリアルネッサンスの巨匠ミケランジェロが若干24歳でサンピエトロのピエタ像を彫り、晩年は枯淡の境地ロンダニーニのピエタ像になる変遷にも重ね合わせる、我が変遷か?確かに心境は枯淡かもしれないが、出てくる音は長谷川等伯の楓図やミケランジェロのサンピエトロのピエタ像に似て艶やかであります。

6232 トランス作りも高効率pvインバータをやっていると専門になり、呆れるほど沢山巻いて解いた。でありますから「トロイダルコアも同じやんけ!」と軽い気持ちでこの難問に取り組んだ。この開発のエンドユーザは自分だからストレスは全く無いし、出来た時が納期でありがたい。現存する全てのトランスは所謂汎用で、素人さんからプロまで誰が使ってもそこそこ性能が出るようにがんじがらめな設計の上、ボンレスハムの紐みたいにギリギリ縛り付けられているから、さあ大変!このがんじがらめとギリギリを止めれば、銅材の音色力学で妙なる音色は間違いないと踏んだ。最初の手配は2017年6月でΦ300mmトロイダルコアとなった。目的は電源トランスでΦ300mmとしたが、たいした根拠は無い。後に最後まで苦しむ透磁率問題があったから、精密計算をしたところでたかが知れている。巻き線は平面対向巻きを編出し、アイソレートに大いに威力を発揮した。

6233 次は最高傑作でΦ450mmと巨大化した。がんじがらめとギリギリを止めるには、トロイダルコアに水晶粒を巻きつけて、先ずはコアの振動防止をしなくてはならない。苦心惨憺の挙句、タケノコを編出した。画用紙を長方形に切り、テーパに丸めてテープし水晶粒を充填しそれを重ね、断面積は一番効率良く磁束交差する円形とする。まるでアルマジロの鎧が如し。コアに水晶粒防振が出来れば次は巻き線だが、これがテキトーでピッチ不揃いだったりテンション不揃いだったりする。巻き線が終われば水晶粒へ埋没させるから、巻き線の防振は完璧。何よりも驚異はカルダスケーブル巻きを実現したことで、現存するトランスでは最強となった。但し最高傑作とは?重量が40kgにもなり...

06234ここまでくれば次は高性能コアをやるしかない。Φ350mmで薄板電磁鋼板とし透磁率を高めた。このコアはmcトランスやインプットトランスやアウトプットトランス用とした。ここで平面対向巻きの概念はもろくも崩れ去った。変数に周波数が入ってくると状況は一変し、平面対向巻きの周波数に対する結合係数が変動し、f特は最悪となった。この時点で結合容量には目を瞑るとして、重ね巻きの一般的な巻き線とした。但し、タダでは転ばず急激に悪化する周波数特性を逆手にすれば、チャンデバの要らないマルチアンプシステムが出来る。更に高性能コアは何のために必要か?この根本問題にぶち当たる。ファインメットやアモルファスやパーマロイの超高性能電磁鋼板が音を出すのか?否である。これらの電磁鋼板は触媒であって、音を出すのはe-が通るofc純銅線なのだ。決定的は高透磁率電磁鋼板で直ぐに磁気飽和を起こしてしまい、磁気ギャップも付けたがトロイダルコア1個をダメにして終わった。

06235余りにもファインメットやアモルファスやパーマロイの超高性能電磁鋼板に踊らされたフシがあり、その反省とアンチテーゼでとろくて鈍重な電磁鋼板とした。ミルトさんがvsfを巻いたΦ400mmトロイダルコアで「重量はこのくらいが限界じゃあないかなあ~」と言われた。コア重量16.5kgこれに水晶粒防振してカルダスワイヤーを巻けば重量は20数kgに収まる。

06237このドンガメが大成功で音がやたらと太い。上記超単純化アンプの実験機はこのトロイダルトランスで鳴らしているが、元来515b用で用意したトランスにも係わらず高域まで十分出ている。遂に1つの結論に達する。トロイダルコア断面積100mmスクエアでコア直径1000mm、これを水晶粒防振してカルダスケーブルの5.5スクエアを巻く。巻き線はデジタルで巻けるだけ巻いて細かい数などどうでも良く、その巻き数で巻き層数を決める。カルダスケーブルはそれ自身で防振機能を持つから何層に重ねてもたいした問題にはならない。全てのトランスがこの巨大物となり設置場所は大問題になるが、原資豊かでズ太い音のjazzを好まれる方には最適なシステムとなる。Φ300mmで2機種、Φ450mmで1機種、Φ350mmで1機種、Φ400mmで1機種と気がつけばトロイダルコアに大散財したが、パフォーマンスでもブラボーでも出せない音が出たから、まあいいか!
結言:オーディオアンプはトランスを作るだけで終わる。

06238後記
あたらしいココログは時々ぶっ飛び書いた記事が消えてしまい、傑作と思った文章の再現は出来ない。巨匠エリントンに「この演奏で良いのでしょうか、もう一度やりませんか?」コルトレーンが控えめに聞くと「同じフィーリングになれる訳がない、これで良いのだよ!」と諭された。消えた文章は同じフィーリングになれないから2度と書けない。困った~ココログめ!

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2019年6月19日 (水)

振動力学 カニンガムcx350古典管パワーアンプ 続1

6171古典管カニンガムcx350は打てば響く凄い球で、潜在能力の高さに無限の可能性を感じてしまう。なぜ50管なのか?その取り憑かれ方にこそ個人の摩訶不思議な事情がある。あんぷおやじ流儀は、cx350のナスs-19型は水滴形状で振動力学で有利だし、cx345よりパワーは出るし、1928年~1932年までの真空管製造技術は黎明期で、無骨な手作りだが時代を切り開く使命に燃えたエネルギー感が如何にも期待に答えそう。また同じ50管が数社で作られているから未知なる発掘の可能性も秘めている、等など。とまあ、勝手に決めているのだが、古典管属はwe300aを始めみんな凄いのでしょう。その凄さをどう生かせるかは、アナタの努力と創造主のご沙汰次第です。古典管ラインアンプカニンガムcx350はエントリーno13まで進み、突然cx350管パワーアンプに変身してしまった。アフタアワーズ、名工ミルトさんに密談で寄ってもらう。「ミルトさんねえ~、ラインアンプもパワーアンプも全部同じにしよう、違いは出力トランスだけになります」「ようがす!」こうして密談は成立。基本はcx350の単管アンプだから、ラインアンプもパワーアンプも同じが正解なのだ。

6172とゆう訳で横道に逸れよう。
アムクロンのce2000txは古典管cx350パワーアンプのドライブ段として機能しており、両者の接続にはカップリングフィルムコンデンサが使われている。ここをofc純銅オイルペーパーコンデンサにすれば完璧になる。しかしコンデンサは無いし...思案しているとハタと気が付いた。インプットトランスがあるじゃあないか!これはmcトランスの実験用で、現在の巻き線は1次300t2次2500tでトランスゲインは18dbもあり、これならばドライブトランスとして使える。

6173早速接続して音出しをすると、音のやせた状態が解消し太くなった。これはカップリングフィルムコンデンサの宿命で、ofc純銅オイルペーパーコンデンサにしない限りは解消はしない。ofc純銅コンデンサよりも強力はインプットトランスになり、フツーの銅ポリウレタン線を巻いてもコンデンサ類より遥かに良い。インプットトランスを使うことで回路の抵抗やコンデンサは姿を消した。アムクロンce2000txはドライバ段だったものがラインアンプに変身してインプットトランスの1次側を駆動し、2次側はー80vとcx350のグリッドに接続すればもうお終い。全般的に銅素材を増やすと音がボケて膨らむ、これを真鍮や銀を使って締めに掛かると、銅の妙なる音色に生涯会えない。ボケて膨らんだ音をどうエネルギーに変えるか?

6177x上画像のパワーアンプは抵抗を1本も使っていない。コンデンサは電源の電解コンデンサのみで古典管回路には1本も使っていない。これで1922年~1927年製造のwe 7aアンプの再現は見事に成功した。実に97年前のアンプの方が音の良い方式!とは誰1人思うまい。電子工学の正当性は動作における正当性と一致するが、音楽駆動力とは一致しない。現代電子工学からすれば「こんな回路で!」となるでしょうが、抵抗やコンデンサの出現理由が分かれば、少しはwe 7aアンプを理解してもらえると思う。

6174「we274bやux-280古典整流管の方が31df6ファーストリカバリ・ダイオードより素材力学的に音が良いはず?」と思い始めて探しに掛かるが、あっ!いかんまた悪い癖...先ずは手持ちの整流管5dj4で音質を調べることにした。材質はニッケルプレート(黒化=カーボン)とフィラメントのタングステン酸化バリウムの構成で、まあ半金属のsiよりは音色力学は良いと理屈は言っている。

6175う~んと唸ってしまう。音色では勝る所もあるが、肝心の重心が20cm上がってしまった。ここなのね~、ニッケルやタングステンは音を強固で硬質的にして良いのだが、重心の上がる方向は流儀に反する。かくして整流管計画は瞬間に終わってしまい、ux-280に大枚叩かなくて良かった。原因は整流管の内部抵抗で、数10Ωありこれが電源密結合を阻害する。

6190 オーディオ4種の神器でも最重要は電源密結合で、ここをあだや疎かにするなかれ。整流管は回路図上電源トランスの近傍に書くのが常識で、ここで錯覚に落ちやすい。実際にはcx350の頭上にあるわけで、これを目の上のたんこぶと言う。いっそ古典管を交流で動かしてたんこぶが取れれば凄い音になること、間違いなし。

6176_1整流管がダメとなれば「ルテニュウムコンタクターの高速メカニカル整流器の開発」を急いで、半金属のシリコンダイオード31df6を除去するしかない。ここのところ高速メカニカル整流器もアイディアが進みフツー(若干高速型)のリレーのコイルを巻きなおして低電圧大電流で高速型に改造して、接点にはofc純銅を貼り付ける。これを銅の筒に入れて水晶粒防振をして、ピンを付けコネクターでワンタッチ交換できるようにして消耗品対策も怠らない。

6178余談だが、
段々上海駿河屋さんの音に似てきた。過激暴力的jazz表現は他に類を見ない凄さで、たいていは理解の前に拒絶する。特に緻密繊細なハイエンド思考者には全く受け入れられない。見抜いたのは割烹わかすぎの若旦那で「凄過ぎ!」と讃えた。ただストラディバリがノコギリを弾く感には参ってしまう。その過激さに緻密さと透明度を加え、ストラディをノコにしなくなったのがamp工房なのだ。

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2019年6月17日 (月)

宙(そら)工房 岡田博己君の「水と光の表情 風景写心展」

6181「o田です、工業の時の」突然電話が入る。「え!o田君...」柔道着を小脇に抱えて美術部室へ通う文武両道の天才肌の同級生が居た。
書道は有段者でスケートも選手で絵は上手いし、ポスターを描けばレベルは違うし、何でもできる。お互いの結婚式には出席したが、その後の波乱万丈の人生は強烈に省略し現在に至り、何十年振りかの再会になる。絵は中断のようで現在は自分で編出した手法の写真を撮っており、その個展の案内です。

6182案内を見た瞬間にo田君の日本画を思い出した。確かな技術でその日本画を写真で表現する新たな表現手法に、遂に到達した独自の世界観は発明にも等しく感服した。半世紀が過ぎて、o田君もあんぷおやじも人生落とし前をつける時なのだろう。

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2019年6月15日 (土)

量子力学 古典管フィラメント考 了

6151出展:クラシック・ヴァルブコレクション 出版:誠文堂新光社
大塚久さんの力作クラシック・ヴァルブコレクションを読んでいるうちに、遂に見つけてしまった。第一次世界大戦中の真空管「aeg-テレフンケン re16」は、プレートが銅で出来ている。ディフォレストのオーディオンにしてもグリッドは銅線をグニャグニャ曲げて作っていたから、初期段階は銅材が結構使われていた。しかし真空管内部はフィラメントの熱に晒されて軟い銅は変形が起き使用に耐えず、音の余り良くないニッケルやタングステンに替わった。真空管技術の伝統はこうして作られていき、jazzオーディオにおいて真空管の担う音の重大性など誰も予想できなかったから、銅の出る幕は無くなった。原資豊かな中堅企業などが真空管の復刻を盛んに行っているが、素材力学の重大性に誰も気付かない。ニッケルやタングステンや今日のハイテク素材を揃えて古典管を追っているが、追っている限りでは本当のjazz再生用真空管の登場は無い。
出でよ、本物の真空管開発者!

6152銅マンガニン線のハッとする美しさにやられて、もっとハッとさせようとオヤイデへΦ1.0mmの銅マンガニン線を手配した。1mで0.56Ωだから2Ω/0.56=3.6m必要となる。これをΦ150mmの紙管へ巻きつけた。Φ1.0mm銅マンガニン線は硬質でスプリングバックで直ぐに解けてしまう。これを丁寧に巻くには相当難儀する。音質のテストだからとピッチ不揃いの汚い巻き線で良しとした。

61535分で巻けるから直ぐに音が出る。予定通りの音質で初期の銅マンガニン線Φ0.07mm5本パラにと比較したら、音は太くなった。線径と音の太さは直接的でないが、初期の0.07mmは在庫品を無理して使ったためで、いささか細すぎた。と、ここまで音質カイゼンが進めばたいていは十分に満足して終わるのだが、オーディオ忙走族は忙走が始まったら、もう誰にも止められない...

6154xe-の動きは前エントリーの通りかどうかは妖しいが、金属原子の世界へ入って見てみたいものだ。e-の出所はトランスだよな~、さすればトランス内部でe-の動きの良いモノとは?ハッと電灯が点く如く閃いた。そうか、せっかくトランスでe-の動きを良くしても、ダイオードやトランジスタや抵抗やコンデンサで捻じ曲げられ、e-は苦労しているに違いない。トランスだけにしたac点火が正解だったのだ。ところが古典管は直熱管だからフィラメントが交流では盛大にハムが出る。そこでハムバランサの登場、これもe-の動きを悪くする。意地でもトランスだけでやったろ!慌てて名工ミルトさんにtelする。仕事が終わった帰りに寄ってもらい、密談する。「ハムの出ないフィラメント専用のアイソレーショントランスを作ろう。結合係数は最悪になるが、ここは意地でも平面対向巻きにしようぜ」「ようがす!」と相変わらず凄いファイトで巻き線を引き受けてくれる。

6155次の日の夜cx350用フィラメントトランス(上画像)が届いた、早い!Φ400mmトロイダルコアへ1次側Φ1.0mmポリウレタン線を500t、2次側に38tと巻いて、画像の如く1次と2次の間がとんでもなく空いているアイソレーション構造とした。ミルトさんの静電容量測定では85pfと思ったほど小さくならない。通電確認をすると案の定ハムは出る。シマッタ~、トランスの問題ではなくac点火の場合は仮想中点のバランスポイントを接地をしないとハムは出るのだ!まあそれでもハムを無視して、音だけを確認してみた。とんでもないガボール・ザボのグレッチ&シタールが出現して、ミルトさんと顔を見合わせる。遂に々核心に近づいたか?翌日オーソドックスな手法で7.5vへセンタータップを付けてgndへ落とす、ピタッとハムは止まりメデタシ。平面対向巻きトロイダルトランスの巻き線のピッチを広げてacバランスの微調整を可能にすれば、ハム問題は解決する。ハムが消えたら60hz付近の相殺勘定で消えていた低音がドスドスと出始めたから、さあ大変!

6156直熱管フィラメントのdc点火法はハム除去においては有効だが、jazzエネルギーを消すマイナスの効能もあり、amp工房ではイコライザアンプ以外は交流点火とする。またcx350フィラメント専用トランスを投入するコトで、プレートとカソードの身分は同等となる。こうなりゃあ、メインシステムのカルダストランスから電源を分岐して正式に音質を評価しよう。

6157今度はcdp-337esdのdac部分の役不足に気が付き、遊んでいたdc-80ディスクリートdacを登場させる。このdc-80は使用に当たり、簡易水晶粒防振構造にしてある。途端に解像度とjazzエネルギーが上がり、ディスクリートdac重要性の再認識となった。

6158そうなればcdpも役不足で、メインシステムのフルチューンcdp dp-80からデジタルをモガミの2497でdacまで送り込む。かなりメインシステムから実験システムへ移行しているが、実験の成果の検証でやむ得ない。

6159古典管cx350パワーアンプは単管アンプで、専用のラインアンプを必要としているが間に合わないためアムクロンを使った。このアムクロンのce2000txは古典管cx350パワーアンプのドライブ段として機能しており、古典管とトランジスタアンプのハイブリッド構成となる。ce2000txとcx350の接続にはフィルムコンデンサが使われており、ここをofc純銅オイルペーパーコンデンサにすれば、実験システムは完璧になるが、コンデンサが無い。あっ!現在のcx350パワーアンプにコンデンサがたくさん内蔵されている、これを外して...
いかん、いかん、フィラメント考が主題なのに本末転倒になるになるところだった。この際だからハム発生要因の解析をやり、平面対向巻きトロイダルトランスの巻き線構造でハム退治をすればこのトランスが生きてくる。トロイダルトランスの2次側はカルダスケーブルの5.5スクエアの太線を巻いて、フィラメントへ良質なe-を力強く送り出そう。
これが古典管フィラメント考の結論です。
61591x余談です、
1930年のカニンガムcx350は実に90年前の工業製品です。実験は過酷で、プレート電流を200ma位も流したりプレート電圧に500v超を加えたり、フィラメントに至っては9vも加えたらミルトさんに「やけに明るいね~」と言われたり、地獄の責めをしている。にも係わらずビクともしないカニンガムさんに感謝と万歳を!

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2019年6月13日 (木)

量子力学 古典管フィラメント考 2

6132出展:クラシック・ヴァルブコレクション 出版:誠文堂新光社
真空管の歴史を調べるにはmjで出版された、大塚久氏のクラシック・ヴァルブコレクションが最適です。古典管フィラメント考ではフレミングから始まりディフォレストの3極管誕生の足跡を追い、素材力学を丹念に調べ音色力学を想像する。100年も原理原則は変わらなくて、ディフォレストのオーディオンで「真空管とは?」について改めて勉強している。自分もそうだがたいていは知ったかぶりで、立場がヤバくなると難解な数式をまくし立てて煙に巻こうとする。そうしている限りはコルトレーンに近づいてもらえず、真に謙虚になりひたすら真理を追究していると、つい創造主もポロッと答えをくれる。その繰り返ししか、オルフィレウスの謎にも匹敵した難解なオーディオを進化させられない。

6131タングステンが主役になったところで周期表に登場してもらおう。フィラメントのタングステンは金属元素の12族の第6族に位置し、この縦軸は固い金属ばかりで音まで硬そう。プレートのニッケルは金属元素の12族の第10族に位置しこの縦軸では白金の音色は確認済みで、同類ならば硬質な音になる?このタングステンとニッケルが古典管の主要素材だが、どうも音が硬質すぎる気がして純銅に比べて音色は落ちると思う。もし、自分で真空管を作るチャンスに恵まれたならば迷わず傍熱管にする。プレート、グリッド、カソード全て純銅で作り、傍熱のヒータは音色に関係ないからニクロム線でもタングステンでも何でも良い、これが傍熱管にしたい所以なのだ。

6134先日のアンプ研究会ではcx350のフィラメント回路直流化の方法変更による、音色力学をやってみた。カニンガムcx350は前回のベスト動作条件にしてある。直流化1 ディール抵抗10Ω3パラ、2 銅マンガニン線抵抗2Ω、3 Φ350mmvsf巻きチョークコイル、4 mj15024定電圧電源、の4種音色比較です。評価は見事に分かれ、何を?何処を?聴くかで分かれるようだ。ダメは一致して1のディール抵抗10Ω3パラで、第1位は2の銅マンガニン線抵抗2Ωだが、t-mon君の評価は2位だった。

6135案外評価の上がらないのが4のmj15024定電圧電源で、これにはいささか自信を無くした。ハム吸収も盤石で且つフィラメント電源は安定化している。評価は「こじんまりしてスケール感が出ない」等で、確かに比較してみたらそう感じてこの手法の限界を見た気がした。

6136t-mon君がno1としたのが3のΦ350mmvsf巻きチョークコイルで「音がズ太く重心が下がる」だった。他のメンバーの評価は「音が粗い、細かい音が出なくなる」だった。しかしこの評価は似たり寄ったりで、ズ太くなれば粗い方向へ行くのは経験済み。「ズ太くキメ細かに!」は何処も実現していないし、これをコルトレーンの為に何としてもやらねばならない。vsfをカルダスケーブルとしてチョークコイルを作ればno1になると想像できるが、お代は天文学的で...経済力学では出来るだけ退散してもらいたい気持ちなのだ。いや、無理にでも退散してもらおう。

6138 cdpはソニーのcdp-337esdでノーマルのまま。これでレコードみたいな音が出るのだから名機と通常は呼ぶでしょうが、名機でも何でもなくて使いこなしていないだけと思う。どんどん高性能で高額なcdpは数多登場するが、何れも使いこなす前に次のモデルの登場で、常に未消化の不満足に晒されるオーディオからは足を洗おう。

6139スピーカはaltecメインシステムの右チャネルだけを使い、困った時のモガミで2497で配線した。

6137銅マンガニン線抵抗2Ωに固定してjazzを片っ端から聴くが、ハッとする美しさにやられる。

61391xカニンガムcx350模擬回路でこの事件を検証してみる。トランスから出たe-電子軍団は1250maと強大な電子移動の熱量をフィラメントへ送り込み、そこから約4%が熱電子となってプレートへ飛ぶ。とゆうコトは熱電子の音色の源はトランスであり、おまけの31df6ダイオードになりコンデンサになり銅マンガニン線抵抗となる。半金属が最低使用量だからmj15024よりは音が良い。ほーら、身分最下位のフィラメントが音を出す源で、身分は最上位に転身する。過激な表現をすれば「音を出しているのはフィラメントであってプレートではない!」まあ、実際には三位一体でしょうから身分は平等と考えるべき。

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2019年6月11日 (火)

量子力学 古典管フィラメント考 1

6110最初の渡米は1980年代だったが時既に遅しで、エヴァンスは向こうへ逝ってしまうし、ガボール・ザボももう居ない。この時代既に黒人の身分は最下層から中間層位に上昇していたのだろうか?ロサンゼルスでは黒人は少なく、メキシカンが圧倒的に多く下働きしていた。フェアレディzから降りたダークスーツを着こなした黒人青年の背は高く顔は小さく、思わず「カッコいい!」とつぶやき、我が胴長短足平たい顔族を嘆いた。ヒューマニズムを説いている自由主義大国こそ身分階層が安定的に出来ていると、当時はそう思った。古典管を見るとプレートが身分最上位で、グリッドが中間層で、フィラメントが最下位と自然にそう思ってきた。この偏見は何となく人間社会の階層階級から刷り込まれており、身分の優劣を付けて安心したがる性質による。それがそもそも古典管に対する偏見で、自分自身も大いに反省をするし、身分は自由平等であるべきの真理に辿り着く。今回は人間不平等と違い古典管は自由平等になる話です。

6112フィラメントは初期タングステン線が使われいたが寿命が短く、トリュウムタングステンとなりこの画像の如くカニンガムcx310はまるで電球のように美しい。余談だが、この光り輝きに魅せられたり、送信管の形状に魅せられたりするのも真空管アンプの楽しみ方で、あんぷおやじ流儀のように水晶粒へ埋め込んでしまうのはその楽しみを奪い、自己顕示欲の強い古典管には相スマンと思っている。フィラメントはその後さらに寿命を延ばすために、タングステン線の表皮に酸化皮膜が付けられた。

6114 その構造イメージ図がこれ。酸化皮膜はバリウムやストロンチウム等で出来ており、熱電子はタングステンだけから飛ぶのか?表皮のバリウムやストロンチウムからも飛ぶのか?電気抵抗率を調べるとタングステンが52.8nΩ.mと比較的抵抗値は大きく、融点も一番高くフィラメントに一番適した金属元素、電流を流すとタングステンは高温になり自由電子が熱電子となって飛び出す。実際には酸化皮膜(絶縁体)のバリウムやストロンチウムからも僅かだが熱電子の放出はあるそうだが、バリウムやストロンチウムの音なんか分かりっこないから、フィラメント音色力学の対象はタングステンとしておこう。

6115基本は直熱管だけを扱い傍熱管は扱わない。rcaのフィラメント&ヒーターの解説文で、この構造から直熱管の場合はカソードとフィラメントが同じだから、フィラメントはもっとも重要な真空管の構成機構となる。一方で傍熱管の場合はヒータとカソードが分離されており、ヒータは加熱だけの役目でカソードほど重要な機構ではない。見方を変えれば直熱管と傍熱管は全く別物と考えた方がよろしい。

6116 weの7aアンプでフィラメントの動作について回路図で観察しよう。フィラメント電源の+6vからwe 216-aフィラメント+へ電流は流れ、タングステンフィラメントが加熱されて「タングステン」から熱電子e-が飛び出し、グリッドに制御されながらプレートへ辿り着く。タングステンを出た電流は役目を終えて-6v電源に戻る。

6119しつこいが、we 7aアンプに使用している古典管we 216-aで模すとこうなる。もうお分かりかな~、フィラメントからプレートへ熱電子は飛び出し、プレートとフィラメントは全く同じで身分になる。とゆうかフィラメントの方が最重要で、ここから良質な熱電子が飛び出さない限りは、プレートにどんな良質な出力トランスを入れても生きてこない。
こりゃあ~重大事だ!

6113_1電源トランスにフィラメント用と称して小型のトランスなんか売っているが、とんでもない。直流化のダイオードの31df6もこの需要に耐えられない、いやはや困った。1つはルテニュウムコンタクターの高速メカニカル整流器の開発を急いで、半金属のシリコンダイオード31df6を除去するしかない。風雲急を告げるとはこのことで、順調に進んでいた古典管ラインアンプ カニンガムcx350の雲行きが妖しくなってきた。少なくともofc純銅トロイダルトランスの2次側、フィラメント巻き線はカルダスケーブルを巻くしかない。どうも古来古典管にお伺いを立てずに身分最下位扱いとして、フィラメント電源を決めていたフシがある。

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2019年6月 9日 (日)

音色加減算力学 オーディオ単純化成否の謎

5090毎度の登場です。
オルフィレウスの永久運動機械に衝撃を受けたフラーフェザンデ教授は、慌ててアイザック・ニュートンへ見分の書簡を送り意見を求めた。書簡を見たアイザック・ニュートンは「永久運動機械を作るものは無から有を得ようとしている」とバッサリ切り捨てた。「無から有を得ようとしている」についてはまさしくあんぷおやじの話で、アイザック・ニュートンに何と言われようとライフワークで「無から有を得よう」と180度と270度にゲインを持った高効率発電機の研究に余念はないし、アイザック・ニュートンに何と言われようと「希薄な有から確かな有を得よう」とオーディオに寝食忘れている。この無と有が織り成す彩が全ての物事を複雑にも単純にもしている。今回はオルフィレウスの謎に匹敵する、音色加算減算力学におけるオーディオ単純(シンプル)化成否についての謎の?お話です。

5091音色力学に徹すると色んなことが見えてきて、実に明快になる。画像はopa541の中身の回路で、出力はnpnのアッパーアームとロアアームで出しており金田式に大同小異、もっともロボットのサーボアンプはデジタルでもアナログでもnchの上下になる。音的にopampがディスクリートを超えられない理由に、シリコンの内臓抵抗とコンデンサがあり、この音色が問題なのだ。ディスクリートの場合は自在にニッケルクロム線抵抗や銅コンデンサなどが使えて、音色では有利となる。昔、金田式のバッテリーアンプの実験をしていた時にふと思いついて、416-8aのマグネットカバー上にアンプを設置してスピーカのリード線を100mmと最短にしてみた。どうだ凄いだろ!と音を出したら実につまらない音で考え込んでしまった。単純化とは?直結とは?しかしこの実験は有意義で、単純化した時の問題点の解明が出来た。

5093以来トランジスタアンプを作る場合はacアンプ(上画像の赤丸印にカップリングの良質コンデンサを入れる)を常として、半金属のシリコンで音色が劣化するのを抑えた。ただ当時は抵抗についてノーアイディで、ディールの巻き線抵抗を使い音色改善するのが精一杯だった。トランジスタアンプを作る場合はトム・コランジェロがやるように良質のコンデンサをベタベタ付けて、シリコン半金属の音色支配から逃げよう。但しトム・コランジェロはコンデンサの選択を間違えたから、celloのパフォーマンスは超駆動力を持つが線が細い。論より証拠で、自分のパフォーマンスは銀線改造で失敗したが、割烹わかすぎの若旦那のパフォーマンスでは音の良いコンデンサをベタベタ貼り付けて音色を大きく改善できた。

50991violaのブラボーに東芝製のモールドトランジスタが使われるに至っては、トランジスタの2sa649が良いとか、mosfetが良いとか、sicが良いとか、それらは所詮シリコン半金属手の平に乗った孫悟空の世界の話で、全く大した問題ではない。ここまでの音色加算減算力学でお分かりのように、シリコン半金属の音色の悪さをofc純銅オイルペーパーコンデンサや銅マンガニンセン抵抗で消毒して、音色のカイゼンを計るのが良い方法と思いますが。

5098音色はともかく、トランジスタアンプで素晴らしいのは駆動力となる。単純化とは真逆の膨大な部品で複雑化したviolaのブラボーは、現代の電気ヒータの如き低能率スピーカもなんなく駆動してしまう。しかしブラボーでもトム・コランジェロはコンデンサの選択を間違えた。幾ら駆動したとしても音色力学だけは古典管アンプに敵わなず、半金属シリコントランジスタの限界もある。もっとも、トム・コランジェロにofc純銅オイルペーパーコンデンサや銅マンガニンセン抵抗をブラボーへ搭載されたのでは到底太刀打ちできないから、余裕で余力を残してくれたのだろう。

5097 伊豆のdcアンプマニアさんには電線病(伝染)と言われる始末だが、これには「416-8aのマグネットカバー上にアンプを設置してスピーカのリード線を100mm」としたことが生きている。当時の回路部品は無個性の音色の薄い部品が多く、その上半金属シリコンに音色を支配されているから、つまらない音になった。それをダイエイ電線のようなフツーの電線を使ったのでは、音色マイナス成分の大き過ぎで音色の向上は望めない。そこでカルダス水晶粒防振ケーブルなどで欠落した音色を補っている。

5092次が真空管アンプの音色力学で、回路技術に凝っている頃は出来るだけ直結にしたが、直結度が増えるほど鮮度と駆動力は向上するものの音色は面白くなくなった。これはなぜだろうか?真空管の構成素材はプレートの黒化ニッケルが筆頭に鉄やタングステンに銅等の複合素材で出来ており、この段階で半金属シリコンよりは音色は良いが、銅素材だけよりは落ちる。直結にすることでカップリングのコンデンサや良質抵抗で補っていた音色が、真空管の素材だけになり音はつまらなくなる、と決めた。従って、画像の佐久間さんのアンプは銅トランス(赤丸印)が真空管の間に入るため、音色の支配力が真空管から銅寄りになり、良くなるのだ。

5095ここからは更に我田引水力学で説明しよう。weの7aアンプが究極のオーディオ単純(シンプル)化であり、これを実現すれば佐久間さんの音色力学を超えられる。このアンプ上で音色劣化は真空管構成素材とアッテネータの真鍮素材になる。一方で音色は銅をordinarilyとすれば青丸印のトランスで元に戻され、その段数により音色加算減算力学が行われると想定できる。weの7aアンプより単純化はチョッと無理な気もするが現在進行中であり、その成果は追々公開しよう。
音色加算減算力学の公式
音色(db)=(抵抗音色+コンデンサ音色)x段数ートランジスタ段数
音色(db)=トランス音色x段数ー真空管段数

以上のように、音色加算減算力学におけるオーディオ単純(シンプル)化成否の謎について挑んでみたが如何かな?まあ、かなり強引な仮説と実験結果による私見だが、これらのことをオーディオ駆け出しの若い頃から質問しても、誰からも明快で論理的な回答をもらっていないから仕方がない。「300bはなぜ音が良いのか?」「2a3はなぜ音が良いのか?」「カルダスゴールデンリファレンスはなぜ音が良いのか?」無数にある...

 

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2019年6月 7日 (金)

音色力学 古典管ラインアンプ カニンガムcx350 13

6050ダ・ヴィンチもミケランジェロも芸術家でありなから稀代の科学者でもあった。風雲急を告げたローマカトリックは芸術と科学の両方を必要としていた、いや渇望していたのだ。そのイタリアルネッサンス期は空気の密度と比重が桁違いに上昇し、遂には押し出されて同時多発的に天才達が姿を現した。残念ながら現代はこの密度と比重が希薄になり、天才や英雄の登場するチャンスは少ない。天才達とは全く別次元だが、幸い我らが係わるオーディオの世界は、芸術と科学の融合が必須になる。しかしどちらかに比重は偏りがちになり、案外難しい。オーディオ製品に理論武装を施し解説文がやたら多い現代のオーディオメーカに、随分昔の抽象画を思い出した。その抽象画の正当性を主張するため、難解な理論武装を持って芸術性を説いたが(美術手帳、当時難解過ぎて面倒で読むのを止めた)感動には程遠く 、ダ・ヴィンチやミケランジェロの超比重の前に歴史から姿を消した。「歴史から消えない名機を作れよオーディオメーカ!」と言いたいが、オーディオ業界は既にその力を失っているのか?いや、もはや時代はそれを必要としていないのかも知れない。

6071xxx左端黄赤丸印100Ωのボリュームの位置が悪いと言ったオーディオ識者が居たが笑止千万、カーボンボリュームと巻き線ボリュームの音色の差は劇的で、回路理論的音質劣化を遥かに凌駕する凄さがある。佐久間さんは芸術と科学の良き理解者で不世出のアンプ作家と思う。古典管rca50管パワーアンプの回路図は簡単だが奥深く、よくぞここまで辿り着いたと思う。音色を劣化させる抵抗部を赤丸印とし表記すると、入力ボリューム100Ωにハムバランサ100Ωに自己バイアス抵抗1.5kΩ(何と巻き線の50wを使用)の5箇所しかない(500kΩは影響なし)。これらのw数は大きいからニッケルクロム抵抗線で出来ており、抵抗を使う以上最良の抵抗であり、音色はカーボンや金属皮膜の比ではない。次は音色が劣化しない銅で出来ているトランスやチョークコイルを青丸印で表記する。カップリング機構で音色を劣化させないモノはofc純銅オイルペーパーコンデンサとトランスになるが、デンマークduelund社のofc銅箔コンデンサ使うならば、このお代でトランスを使った方が安いからここはトランスで決まり。一番重要な電源はチョークコイルだけで抵抗は使っていない。これらを分析をすれば芸術科学力学上、佐久間式アンプが最強になると思うが如何かな?

6072「今度のamp研究会で面白い実験をやろう、グリッドバイアス、プレート電流、プレート電圧の決定は、t-mon君に良い悪いの2択で決めてもらい、それで各種ハードパラメータを決定してアンプ設計者がやらない」とした。この実験は世界初?これは大袈裟な表現だが、芸術の芸の音の世界は今までのアプローチをしていたのでは、佐久間さんを始め先達に敵う訳が無い。そこで科学知識に目覚めていないt-mon君に評価してもらおうと決めた。スピーカはScan-Speak 15W/8530K00の水晶粒完全防振構造化したもので、準備はしたが試聴するには至近距離過ぎる。

6073 そこでamp工房のaltecメインシステム右チャネルへ仮配線した。そうなれば喫茶室全体を使ってamp研究会メンバー全員に聴いて頂き、レポートしてもらえる。事前にこっちは試聴しているが、実に素直な音で且つ低い方もしっかり出て、苦労が報われた音を確認している。余談だが、ジェームズ・バロー・ランシングのjblやその原点だったaltecには歴史に残る名機が多く存在しており、いくらアバンギャルドががんばってもそのアンチテーゼには必ず古典jbl&altecが居る。更にもっと重要はコルトレーンやエヴァンスを超えるjazz芸術家の登場も無い。これらが1950年~1960年代の密度と比重に押し出された傑作だから、その意義を悟り行動の原点にしよう。

6074 amp研究会初の試聴会でみなさん真剣な面持ちで参加してくれている。画像奥から名工ミルトさん、もじゃもじゃ頭のパーカショニストnakaさん、東奔西走kuraiman社長氏、博学ヴァイオレンス住職、そして子息の中学2年t-mon君、それにあんぷおやじだが、あえてオブザーバで自分の評点は入れないコトにした。1番目の実験はcx350管の各種パラメータ変更で見事に差が出てしまい、これには全員がたまげた。

6076カニンガムのcx350管動作条件変更評価、特性表から抜粋、全員が1番はダメ、概ね2番で、3番もあり。cx350管は低い電圧での動作は厳禁なのだ。845球も1,000vの印加しないと本当の音が出ないのも理解できた。3番は若干ヒリツキ感が出るが駆動はするから、後は使う人の好みになる。一応駆動条件から蜂蜜をスプーンでかき混ぜるような音にしたいので2番で進むことに決定(②、400v、-70v、55ma)。これには「ガッツ、太い音」のミルトさんも賛同してくれた。

6077次は古典管銘柄変更による音質評価で、球の差が動作条件の差より小さいなどとゆう「画期的な事件」が起きた。古典管銘柄、カニンガムcx350、rca ux250、ナショナル50、rca 50、デフォレスト450。評価者で若干ばらつくがダメは一致し、しかし名誉に係わるから公表しないことにして、パーカショニストのnakaさんの「ドラムでこんな音はあり得ない」と専門家の意見を尊重すると「カニンガムとデフォレストはrcaより確実にいい!」で決着をみた。amp研究会発足時から比べれば雲泥の差ほど聴く力が増した研究員の皆さんで、古希駄耳は研究員の意見を大いに参考にしている。
nakaさんのインスタのコメントより「アンプ工房 こんな体験他では出来ない、遊びながら学べる事は最高な贅沢、本日のアンプ工房はプレート電圧、グリッドバイアスによる音の違い、古典球50管 5種の音質評価 貴重な体験 真空管の違いよりプレート電圧の違いが かなり音に影響がある、凄い !!毎週毎週勉強になり 有難い...」

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2019年6月 5日 (水)

音色力学 古典管ラインアンプ カニンガムcx350 12

605001602年に描かれたサン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会(San Luigi dei Francesi)のコンタレッリ礼拝堂にあるカラヴァッジオの「聖マタイと天使」は未見で、何が何でも観てみたいが諸般の事情で中々ローマへ行けない。以前のエントリーで「天使が頭上に現れ絵画の構図としたら非常識極まりない」としたが、天使の頭上に現れる絵画は多く存在しており、過去から何がしかのヒントを得てこのような発明で斬新を生み出していると思う。無から有を生み出すは神にしか出来ない技で、人間は無と有の中間、すなわち希薄な有からさらなる有を生み出す訳で、それが歴史の重要な意義でもある。かくして多くの先達が作り上げてやりつくしたはずのトランスを、今更ながら日々製作に励んでいる。無から有ではなくて、漠然としたカオスでしかも希薄な有から、明快で確かな有を生みだそう。

6051とにかく重たい。
名工ミルトさんがΦ400mmトロイダル出力トランスを搬入してくれる。Φ1.00mmofc純銅ポリウレタン線が3層に渡って整列巻きしてあり、この純銅素材だけでもかなり重たい。巻き線データ、5月31日、ミルトさんΦ400mmトロイダル巻き線、ac100v測定、1次巻き線 7.9h 904t、2次巻き線 7.5h 885t、3次巻き線 7.7h 899t、1次+2次=22h、1次+2次+3次=40h、合計巻き数 2688t、2次巻き線 2688/18= 170tとなる。

6052 出力トランスのレシオはプライトロンに習い18:1とした。従って上記計算通り170ターン巻くことになる。1次側はΦ1.00mmofc純銅ポリウレタン線を2600ターン~2700ターン巻き、2次側のカルダスケーブルの3.5スクエアは流石に贅沢で、今回から1.5スクエアとサイズダウンして170ターン巻くことにした。この1.5スクエアサイズダウンには重大な意味も潜んでいる。画像のように0.75スクアエvfsを170ターン巻いたが、まばらになり高域結合係数が落ちる。1.5スクエアのカルダスケーブルを2本同時巻きとしてまばらを排除して高域結合係数を上げる。結果2次側は3スクエアとなって従来と比べても遜色ない。

60535151b用低域Φ400mmトロイダルトランスと、288-16g用高域Φ350mmトロイダルトランスの勇姿をご覧あれ。出力トランスを帯域で分ける方式は意味深く、巻き線技術があればクロスオーバー周波数でハイパス、ローパス6db減衰は可能になるからチャンネルデバイダは必要なくなる。この期に及んで新しい考え方が次々に沸きあがり、希薄な有が明快な有として姿を現しもうヤバイぜ!これでは一向に終息へ向かわない。今回は300hzでクロスさせるから、低域トランスの300hzより高い方を6db減衰させる巻き方は?高域トランスの300hzから低い方を6dbで減衰させる巻き方は?勿論今までのしくじった巻き方で自然に出来ているから、出来るには間違いないがいささか冒険過ぎるし、納期遅れを大幅に出したのではミルトさんに申し訳ない。まあ、とりあえずこのチャンデバ排除のマルチアンプシステムのアイディアも著作物としておこう。

6054一応cx350用のΦ400mmトロイダル出力トランスが出来たので、早速音を聴いてみた。ミルトさん表現の「しなやかで品格のある音」から外れて少々ヒリツキ感が出てしまい、原因は普通のΦ1.00mmポリウレタン線で3層目の899ターンにある。直列接続だから何処かに一部でも音の悪い素材が入ると音は崩れてしまう。続いて「オーディオは測定器の奴隷ではない!」佐久間さんの名言に似せて粋がる程の自信もないから、気にしている歪み率を測定してみた。

6058まず20hzを測る。「20hzなんか必要ないって言ってたじゃあないか!」のお叱りを受けるが、トランス屋としたら限界値は知っておく必要がある。水平軸10msecで50msecだから20hz間違いなし。上下非対称歪みの極致だ。

6059hp 8903B Audio Analyzerで歪み率を測定する。23.23%ととんでもなく大きい歪みで、もういけません。2688ターン巻いても低周波の20hzは無理で、タムラの10hzトランスなんかどうして巻いているのだろうか?

60591しからばこれはトランスの問題なのか?そこでプレートからカップリングコンデンサで励振交流電圧のみを引き出し、ここの歪み率を測定してみた。何と22.65%でここから23.23-22.65=0.58%で20hzトランスの歪みは問題なく、なんだい20hzのトランスは出来てしまったじゃあないか!

6055それでは常用の50hzではどうなるだろうか?水平軸4msecで20msecだから50hz間違いなし。20hzに比べればだいぶ上下非対称は減った。


6056上記と同じように測定すると歪み率は12.66%で、最大出力とすればまあまあの歪み率で許容できる。16Ω時の1khz電圧は8.12vだったから4.12wと最大出力はデータより大きく、歪み率は50hzに比べて小さく10.8%だった。

6057プレートからカップリングコンデンサで励振交流電圧のみを引き出し歪み率を測定する。12.95%と逆転してしまったから測定誤差となり、50hz時のトランスの歪みはまったく問題ない。低域が欲しければ巻き数を多く巻こう、の実証実験は見事に成功して低域は30hzで-3dbとトランスメーカ並みのデータとなった。ふと思いつきamp工房のaltecメインシステムへ接続して音を出す。それは随分素直な音で、素材力学が完成していない段階でも先を十分に予感させる明快な有に安堵した。

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2019年6月 3日 (月)

音色力学 古典管ラインアンプ カニンガムcx350 11

6021全てはここから始まった。
世界遺産になった三保の松原近くにある塩害で錆び切った工場を借りて、h社の仕事をしていた時代に遡る。時々ヤモリの出るそのボロ工場へo商社のt課長が訪ねてこられ、ロボットで協力して欲しいと要請があった。東京駅真ん前の新丸ビルの1フロアを占有する大手商社の力にはたまげて、良くぞ我がボロ工場へ来てくれたものだと、その意味を探った。必須機能は2000gtの円弧補間でやったことはなかったが理屈だけは心得ており、ずうずうしくも「ようがす、出来やす!」と引き受けてしまった。無理難題を引き受ければ社運が掛かるから覚悟はまるで違い、これが成功の秘訣となるのだ。k工業のm氏のメカは良い出来だったが、我らのロボット制御装置は出来の悪~いもので納得もしないし、自信は持てなかった。それでもロボット黎明期の時代の許容度に救われた。やがてt課長と秦野s製作所s係長とk工業のm氏とあんぷおやじでチームを組み、相当台数のロボットを作った。もう30数年も前のことになる。そして現在、それぞれの人生があり定年を向かえ、又しても奇妙なる再会を果たし(t課長は既に亡く)再びチームを組むことになった。今度はオーディオ技術満載の新加工技術の開発で、今まで培った技術の集大成を爆発させ、ロボットの落とし前を付けようと思っている。

6022無帰還古典管シングルアンプを目一杯振った時(最大出力)は偶数次の歪がとんでもなく大きく、恥ずかしくてデータは発表出来ない。でありますから、歪み率0.1%を聞き分ける超耳の御仁はトランジスタの帰還アンプにすべき。特に低周波の場合はトランスの問題も絡み歪みが大きく、30hzや50hzの歪みは測りたくない。画像はrca50管のデータでここから理論歪み率を出してみる。450v,-80v,55maを基点にゼロバイアス側105ma、カットオフ側15maの電流値を読み取る。{((105+15)/2)-55/105-15}x100=5.5%となる。とゆう訳で潜在的に6%程度は歪む。

6023こちらは2a3のデータでここから理論歪み率を出してみる。250v,-43.5v,60maを基点にゼロバイアス側120ma、カットオフ側13maの電流値を読み取る。{((120+13)/2)-60/120-13}x100=6.1%となる。2a3の場合でも計算上6%となり50管に似たり寄ったり。歪み率は似たり寄ったりでも50管と2a3では音質はまるで違い、ここは重要なポイントだが解明には未だ時間は掛かる...とゆうか、もう50管で全てのアンプを作ると決めたから解明の必要も無い。

602450管も2a3も特性曲線がカットオフ側で詰まるため、上下非対称の波形となり歪が大きいのだ。画像は30hz時のプレート電流波形で目で見てはっきり分かるほど歪み、これはシングル無帰還アンプの宿命で歪みを気にするならばプッシュプルアンプにして帰還を掛ければ良い。 

6025こちらが測定系のシステム、オシロスコープtds784dで入力信号、グリッド電圧、プレート電圧を測定、オシロスコープtds784cで出力信号とフィラメント電圧を測定、オシロスコープtds3012でプレート電流を測定、3台のオシロスコープで同時モニターして大事な古典管を厳しく管理している。

6026プリアンプ(ラインアンプ)はアムクロンのパワーアンプce2000txで、50hzで40vrms励振している時の歪み率は0.0047%でプリアンプとして使うととんでもなく歪み率は低く、violaのパワーアンプbravoなんかをプリアンプに使ったら面白いかも知れない。古典管50のシングルアンプの歪み率は最大10%でも目を瞑るとしてガボール・ザボを聴くとこれが妙なる音色で、現代アンプの0.01%の歪みとは何を主張したいのだろうか?歪み率に一応の決着をみたので、だいぶ遅くに名工ミルトさんへtelする。毎晩軽く一杯やっているようでまるで酔拳だが「トランス巻けました!」と言う。いよいよcx350出力トランスの実験が出来る。

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2019年6月 1日 (土)

音色力学 古典管ラインアンプ カニンガムcx350 10

6011xx一応知る人ぞ知るロボット&オーディオのamp工房だから、時々newビジネスの相談にやってくる会社もある。得体の知れない会社はお断りしているが、たいていは大学紹介で来るから惜しげもなくノウハウを伝授する。神奈川の企業には画像のトランジスタをガラス管に封入して、真空管トランジスタで売り出したら如何?と伝授したが、一向に製品の出る気配は無いから止めたのでしょう。どうもタダではいけませんね。重大なこともタダ同然の価値判断や扱いになるようで、双方にとって良いコトではない。そもそもこのトランジスタには曰く因縁がある。音の良い銅のトランジスタも原価低減が進めば鉄の胴体に鉄の足になり、挙句モールドトランジスタで音はどんどんダメになる。真空管はニッケルや鉄や銅の複合素材で出来ているからそれに勝つことと、トム・コランジェロに対向するために音色抜群のトランジスタを作ってみた。npnシリコンウエハに99.999%Φ5mm純銀コレクタ(静岡オーディオラボ)にエミッタとベースは純銀線に交換、99.995%ofc純銅コレクタ端子兼放熱器と物体の抽象化を計り、これでもかとアイディア満載にしたが、トム・コランジェロには勿論古典管ならまだしも現代管にも勝てなかった。それから随分時間が経って、水晶粒防振構造を編出してからやっと音色力学は素材力学であると気付き、「シリコンウエハ」が音を悪くしていたのだった。怨念半金属のsiの追放作業は未だ完了していない。

6012名工ミルトさんのcx350ラインアンプ用出力トランスが未だ完成ではなく、待ち時間が出来たので磁気飽和と歪み率について実験をしてみた。トロイダル13号機インプットトランスΦ350mmは水晶粒防振すると内径280mmx3.14=879.2mmとなり、Φ0.3mmポリウレタン線を計算上は879.2/0.337=2608ターン巻ける。現実にはロスがありおおよそ2500ターンは巻いてある。

6013このトロイダルトランスをインプットトランスから出力トランスに変更する。早速2次側を巻くが先ずは結合係数を重視して2次に0.75スクエアvsfを密に巻いた。2次巻き数300tとなり2500/300=8.3となりレシオが足りず途中からリード線を出した。一応2次インピーダンスは16Ωとしてレシオは18とした。2500/18=140t、18x18x16=5200Ωで約5.2kΩの出力トランスとなった。

6014高い方は後回しで先ず30hzから測定したが、0.5w程度の出力で歪み率は16%も出てしまい磁気飽和かcx350の問題か分からない。とりあえず歪みについては次回として周波数特性など採ってみると100hz位からは実用範囲で、低域は巻き数を多く巻けば良いの理屈から反してどうもΦ350mm高性能コアは低域が弱い。計算上は800ターンだったから2500ターンでは4倍もあり、磁気飽和が先に起きていると推論した。

6015ファンクションジェネレータにhp 8903B Audio Analyzerを使い、その出力をアムクロンのce2000txでアンプしてcx350をドライブしている。ce2000txは最大電圧90vとcx350を問題なくドライブできる便利なパワーアンプなのだ。

6016cx350のプレート電流は例の非対称歪が出ている。この件は次回のエントリーで報告しよう。

6017元々無理な実験でありこれ以上探求する気は無いので、cdp-337esdとScan-Speak 15W/8530K00を接続して音出ししてみた。驚くほど音は違い決定的は素材力学で、このトロイダルトランスは普通のΦ0.3mmポリウレタン線を巻いており、前回音色でたまげたΦ400mmトロイダルトランスはofc純銅ポリウレタン線のΦ1.00mmを巻いている。重要事項はofc純銅ポリウレタン線であることと線径が太いことで、音色を豊にする条件がはっきり判明してこの実験は実に有意義だった。ここで全てが見通せて、カルダスケーブルを巻くのが最強で、続いてofc純銅ポリウレタン線のΦ1.00mmを巻く。例えばmcトランスも毛のような細い線を巻くのではなく、ofc純銅ポリウレタン線のΦ1.00mmを2500ターンも巻く。まあ、巻き上がった姿は壮絶だが音色は抜群になる。線材をこの2種類だけに限定すれば、全てにおいてシンプルになる。

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