ビル・エヴァンス タイム・リメンバード
静岡サールナートホール3階の映画館受付フロアは狭く、ビル・エバンスフリークが封切りに駆けつけたため、ごった返していた。見覚えのある顔や明らかにjazzミュージシャン風情も居て、並々ならぬビル・エヴァンスへの関心の高さがうかがえる。kuraiman社長氏からビル・エヴァンスの映画「タイム・リメンバード」の情報があり、お寺仲間の博学ヴァイオレンス住職にチケットを手配してもらった。1967年にビル・エヴァンスのレコードに出会ってから52年の半世紀が過ぎて、初めてビル・エヴァンスの謎に迫ることが出来た。サンフランシスコからニューヨークへと幻影を追った長旅もこれで終わった。謎はいくつもあったが第一はピアノで、音色はボケているが全てスタインウエイでフルコン以外にb型も見えた。これでビル・エヴァンス再現の新たな戦いの旅が始まる。
傑作はワルツ・フォーデビーではなくてピース・ピースと決めていたが、ポール・モチアンがこのピース・ピースの音楽展開を絶賛していたのだから、わが耳に狂いは無かった。サンフランシスコで会ったjazzヴォーカリストのジョン・ヘンドリックスが何度も登場し、ビル・エヴァンスの思い出を語った映像を見て、jazzクラブ,キム・ボールへ足繁く通ったことが突然価値のあるものに思えてきた。
隣でうとうとしている家人を突っつき、ヴィレッジ・ヴァンガードの場面はしっかりと見させた。なんせヴィレッジ・ヴァンガードの階段下で(丁度ビル・エヴァンスの座っている反対側)、もぎりをしていた今は亡きロレイン・ゴードンさんと拙い英語で嬉々と話をしていたのが家人だったからだ。こっちはビル・エヴァンスの座っている場所に立った瞬間、武者震いが走った。
更に時は流れ最後のニューヨーク、フロアマネージャを捉まえて「1961年6月にビル・エヴァンスの歴史的な録音がここであったが知っているか?」「知りません...」には歴史に埋もれ始めた現実を知ったが、ゲイリー・ピーコックだったかな?「あと100年ビル・エヴァンスのピアノは支配する」に全てが言い尽くされた。
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