dcs Elgar DAコンバータ のノイズ考
お盆休みでt-mon君だけのamp学校は電気&電子理論の勉強と、jazzコンサートになった。コルトレーンこの1枚「クル・セ・ママ」を大音量でかけ、テナーサックスをコルトレーンとファラオ・サンダースに重ねてバリバリ吹く。それをt-mon君に聴いてもらい「どう、生楽器とcdの音は融合していたかね?」「cdの音がかなり生っぽいです」セルマー・マークⅥに5スター・ミディアム・メタルのオットー・リンク・マウスピースと#4リコ・リードのコルトレーンに対して、ヤマハの少々高級品のテナーでは音色はだいぶ違うが、dcs Elgar DAコンバータのお陰でcdの音が細密画になってきた。そして仕上げはdcs Elgar DAコンバータの電流出力解析の現場を見てもらう。中学2年には難しいかも知れないが、そんなのお構い無しにどんどん説明を重ねる。いずれこうした経験が役立つ時が来る。
画像はdcs Elgar DAコンバータ 5bit Ring DAC の基板で、初期の1990年代は950も954もElgarもpulseもその殆どがこの基板を使っていた。余談だが、dcs950が登場する4年前の1989年にこのRing DAC方式のadコンバータdcs900bが誕生して、一斉に世界中の録音スタジオに入り活躍したため、今考えればdcsの音を聴いている状況にあったのだ。t-mon君とma recordingsを調べたら、dcsのadコンバータ900bと904のcdが見つかった。「古い900bの方が音が滑らかです」とはt-mon君、調べるとカルダスケーブルを使用しているとあり、恐るべし超耳!
そして現在、Vivaldi DAC(ヴィヴァルディ ダック)は更なる進化を遂げた8~9世代目Ring DACを搭載とあるが、30年の間基本は同じで細かい改良を重ねた所謂バージョンアップ。dcsの言う更なる進化とは?細かい改良はノイズを減らし精度を向上させ繊細緻密な現代風な音の改良で、古いjazzを再現するために少々粗くても構わないが太い音の方向性とは違うのでしょう。そして今回はノイズ孝です。
ノイズ考はring dacの出力電流調査中にやたらと気になり始まった。波形観測場所はオフセット付きのtp12、帰還抵抗は2kΩ、この時のサイン波電圧はacレンジで3.76v、i=3.67/2000=1.8marms、x√2=2.6maピークと概ねこんな感じ。しかしこの波形がノイジーなのだ。。
tp12は中間点だから、バランス出力端子へ観測場所を移動しノイズを調べた。1khzサイン波1vのcdを再生して出力電圧を見ると概ね1vは出ている。バランス出力端子の+とgndの最短で測定しているから、測定ミスによるノイズの混入は考えられない。dcs Elgar DAコンバータではこのノイズを聴かされているのか?
そこで同一条件で前回も登場のソニーのcdp-950(1987年、49,800円)を測定してみる。daコンバータもアナログ回路も簡単で、物量の投入も少ない。
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1khz1vの波形をrcaの出力端子で見た。拡大した500mvレンジで見ても全く問題ない。これが世界に冠たるソニーの製品で、全方位的に問題ない。言っちゃあなんだけど、dcsとは企業規模が丸で違い技術の優秀性でもずば抜けている。
次はdcs Elgar DAコンバータのソニーと同じ条件の波形で、ここからがノイズ考です。音を比較したら比較対象にならないほどノイズが多いdcs Elgar DAコンバータが凄い、もっともお代も比較にならないほど凄いが。なんだい歪み率に続いてノイズレベル(s/n比)も音質とは全くかけ離れたデータになるのか。オーディオエンジニアが大いに困るのは正当的理屈の崩壊で、帰還opamp回路に応答以上の高速ノイズが入った場合どんな挙動が起きるか分からずノイズが筒抜けになってしまい、まずい!そのまずいも関係ないのか。
実はここがオーディオにおける大いなる問題点で、データと音色は全く無関係だから妖しいオーディオになり、迷信や神格化など奇想天外が生まれる。かくいうあんぷおやじ流儀もその妖しい1つにしか過ぎないが、唯一無二だけは自慢できる。ここまでくればノイズ考の答え簡単で、優先すべきは音色力学で歪みもノイズも後回し、歪みやノイズの研究で一生終える訳にはいかない。
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