« 2019年8月 | トップページ | 2019年10月 »

2019年9月29日 (日)

無帰還力学 3相誘導電動機でダイレクト駆動ターンテーブルを作る9

09290コスタリカ在住のコスタリカと愉快な仲間達さんから蝶の画像を(セセリチョウの仲間、ラテン名: Paches loxus gloriosus英名: Glorious Blue-Skipper)お借りした。凄い蝶の写真が満載で、我ら蝶家にとってコスタリカは憧れの国だね~。庭のアーティチョークにセセリチョウがとまっていた。家人が「蛾!」とゆうものだから蝶と蛾の区別を説明しながら、セセリチョウにはアオバセセリと言って羽の内側がコバルトブルーの美しいものもあると、講釈を垂れる。蝶の多くはとまっている時は羽根を閉じて、その色は茶褐色が多く美しくない。羽根を広げると自己主張でとんでもなく美しい色が現れる。オーディオ機器もこんなんで良いのではないでしょうか。見た目無骨不細工でも、音を出した途端に美しくなるのが格好いい。

092916極の磁束パターン図が見城先生の「最新小型モータが一番分かる」にあったので拝借した。磁力線など通常は見れないから大いに参考になり、多極電磁鋼板設計では磁束深度は極数が増える毎に浅くなるから、太いシャフトも使えることになる。コアの外周側も重要で、ここの面積も十分に確保しておかないと磁気抵抗が増える。なお電磁鋼板は無方向性の安物で結構、厚みだけ念入りに検討すれば良い。

092901ロータ44スロットは360/44=8.18度となり、12極の1極当りの角度30度に対して3バー以上がクロスするから間違いない。名工ミルトさんの400vの28スロットは12.9度となり、2バーはクロスするから良いのではないでしょうか、素人考えだが。多くクロスさせればトルクリップルが減ると容易に想像は付く。2.2kwでは33スロットで10.9度でこれも問題ないと思う。なおこれについては実際に電磁鋼板をワイヤカットする段階までに解明するつもり。市販品の3相誘導電動機を使う場合には検討の余地は無い。

092911次が本題の巻き線変更になる。36スロットで12極を作るには1極1スロットにする。余談だが、見城先生がamp工房へみえた時48スロットで試算されていた。もし48スロットのモータが手に入れば16極も出来て素晴らしいが、今の所小型モータで48スロットは確認されていない。それが2.2kwの6pでもしやと思い、入手した。

09292巻き線設計が面倒で難航を極めた。巻き線の基本は2スロットを使い1つの楕円コイルになるから、u相分で6個のコイルになる。よって3相では合計で18個のコイルをスロットに入れる。このコイルのポリウレタン線はofc純銅ポリウレタン線で、ソレンのコイルをばらして使う。電圧はせいぜい20v程度だから、耐圧は気にしない。

09294その接続図がこれ。メーカであれば6個の連続コイルを巻いて順次挿入していけば良いが、我々は巻き線の接続変更にも対処しなくてはならず、木枠にコルを巻いて作り、それを「行って来い」の2スロットに挿入する。重ね巻きだからu相が終わった時点で各コイルは接続しておく。最後にまとめてやったら分からなくなり、多分接続間違いをする。

09295参考までにu相の巻き線の詳細を出す。v,w相も同様の巻き線をし最後にyポイントの結線を行う。殆どこのスター結線だが、昔何処かのモータでデルタ結線とゆうのもあり、回したことがある。その際も外部にスター結線抵抗を接続して、仮想中点を作り3相の極数や回転の位相関係を測定する。

09298アイルランド戦勝利!
2006年組にはマイケル・リーチと山中亮平が居る。インタビューではマイケル・リーチは日本語がすんなり出ず詰まる場面もあり、英語で話せば良いのだが、なんせ真面目に答える。高校時代からのファンタジスタ山中亮平の左足キックは世界トップレベル。リーチと同室だったツヨシは応援に行っているだろうし、2006年組のラガーマンと家族は何人も応援に行ったらしい。こっちは無理と思い録画を頼んでモータの研究に没頭していると、家人から「勝った!」との情報が入り慌てて戻る。1回目は奇跡なんでしょうが、2回目となると最早奇跡ではない。

|

2019年9月27日 (金)

無帰還力学 3相誘導電動機でダイレクト駆動ターンテーブルを作る8

092700x富士宮k工業のm氏がみえて現代ロボットの現況を伝授してくれた。こっちはロボットを引退してはや20年が経ち、すっかり浦島太郎になっている。東芝の垂直多関節ロボットが200万円以下(価格は企業秘密で言えないがともかく安い)で購入できるとは!早々に引退しておって良かった。価格競争も過剰域に達しているようで、原価低減に明け暮れるのではロボットエンジニアも受難の時代だ。3相誘導電動機ダイレクト駆動ターンテーブルでオーディオ界に風穴開けたろ!の一環がレコードの自動演奏なのだ。以前の計画ではロボットは作るとしていたがもうヤメだ、このロボットを使い繊細な指先のみを開発すればよい。レキシントン盤ストッカー(カーボンブラシでサンドイッチされてクリーニングと静電除去構造で50枚でも100枚でも入る)からレコードを取り出し、ターンテーブル面へ置く。フィボクリスタルレコードスタビライザを置く。回転スイッチを押しレコードを回す。アームをつまんで所定の位置へカートリッジをスムーズに降ろす。ロボットは待機位置に戻り電源を切りフリーズする。レコード演奏の終わり信号を受けたら逆シーケンスを行う。これならば標準に作ったターンテーブルで問題なくロボット化できる。操作はスマホのアプリケーションから全てできる。

092701こちらが新規設計の3相誘導電動機で、ロータのmax外周はΦ400mmとなる。ステータスロットの形状だけで生涯を費やす難問でやっちゃあいられず、フツーの形状で良しとする。Φ400mmにサイズダウンしたことでスロット数が72~108スロットと少なくなる。仮に1スロット1極とした場合スロット数/3となるから24極~36極となり、電気角は30度~20度となる。中空シャフトはそれでもΦ200mmを確保できて、前代未聞のフィボクリスタル防振シャフトは実現できる。さっさとこの新規3相誘導電動機の開発に移れば良いのだが、無尽蔵に埋蔵された3相誘導電動機を使ってダイレクト駆動ターンテーブルを実現するのも責務と思うから、先ずはそちらを完成させる。

09272こちらが名工ミルトさん担当の日立3Φ400v400w6pの誘導電動機で、400vと電圧が特殊なため売れず新品でも5,000円で買えた。400vの巻き線でも構わないのが超低周波駆動で、インダクは殆ど関係なく直流抵抗の依存度の方が大きい。たった5,000円でemt927のモータより強力だから面白い。重ね巻きの6極巻き線はツナギ替えで12極にはならないので、巻き線は全部撤去し新たなコイルを作り挿入する。

09271しくじったと思ったのがステータのスロット数で28しかなく、同じ日立の600wでは44スロットあった。要するに外形の小さいモータは選択してはいけないのだ。まあ、これも物理角の検討をすれば問題ないと分かるはず。前後のブラケットは鉄鋳物でok、所がステータハウジングはアルミ鋳物でここはイタダけない。小型で作業のし易さからこの6極モータを12極モータに巻きなおし、決定!

09273 方針が決まったところで3相誘導電動機の逆起電力を測定する。本来外部で回転させてモータの特性を採るのだが、そんな装置ありゃあしない。そこでモータのシャフトにロープを2回り掛けて一気に引き上げて回転させ、その逆起電力を見れば良い。

09274しっかりした3相交流でこれが3相誘導電動機の真骨頂なのだ。サーボモータ化する場合エクセルの3角関数を使ってサイン波テーブルを作るがあくまでも面当てで、本来はこのサイン波をad変換してテーブル化してサイン波駆動の原資にすべきなのだ。電磁鋼板は残留磁束も多く3相誘導電動機は逆起電力が容易に測定できる。

09275ミルトさんが突然「これを3相のサイン波発生器に使えば良いじゃあないですか?」と言う。確かにそうだが周波数安定の為外部でモータを定速回転させなくてはならない。画像はそれに似たような仕組みで綺麗なサイン波を発生させている。まあそれよりcdに33回転と45回転の120度位相差の2相サイン波を記録しておき、daコンバータで出力させw相はopampで作り、3相サイン波として3相誘導電動機を駆動すれば、cdのワウフラがコピーされてシンプル且つ高精度回転になる。しかしアイディアとしたら面白く、amp研究室のメンバーは全員が段々発明家みたいになってきた。

09237洗濯機のモータだから身分が低いのか?見た目が不細工だから身分が低いのか?そこらにゴロゴロ生えているから身分は低いのか?sのすべりがあるから身分は低いのか?しかし世の中sだらけで滑ったの転んだのをやっている。pll同期だのpid制御だのすべからくsの存在があり、完全同期などあり得ん。そこで積極的にsコントロールをしたのがエントリー済みの「無帰還力学ターンテーブルddモータの3相誘導電動機の考察」なのだ。例えばpid制御の比例項は設定-誤差で、誤差が無くなれば比例項はゼロで出力はゼロとなり、3相誘導電動機の同期速度と同じ運命を辿る。仕方がないのでオフセットをつけて積分項でジワジワ目標値に合わせると、ワウフラが大きくなって使いものにならない。この先は企業秘密だから教えられない。とゆう訳でsの存在の無いものは無い、だからs量を一定にすれば速度も一定となり、俄然3相誘導電動機が生きてくる。

|

2019年9月25日 (水)

無帰還力学 3相誘導電動機でダイレクト駆動ターンテーブルを作る7

09251サーボ剛性を上げないとオリジナルレキシントン盤に躍動感は出ない。サーボ剛性を上げると振動が出やすくダイレクト駆動は出来ず、emt927のようにアイドラ駆動かpd171のようにベルト駆動になる。剛性の落ち具合からベルトよりアイドラの方が上で、このいい加減がターンテーブルの音になり、モータが音を出している所以なのだ。高剛性で低振動、この相反する無理難題が3相誘導電動機の多極モータで解決できると思っている。とゆう訳で3誘導電動機でダイレクト駆動ターンテーブルを作る場合、最低でも6極は欲しい。4極はモータが無くて試していないが、多分無理でしょう。極数は分解能に値し、単純な話高分解能の方がゲインを上げ易い。ゲインが上がれば高剛性になり低速でもモータの回転数は安定する。極数を増やすには巻き線変更でもいけるが...いや絶対巻き線変更して極数を増やすべきだ。これには大容量の3相誘導電動機を入手して解析し、巻き線変更の方策を探る必要がある。

09252そこで3相誘導電動機2.2kwの6pをオークションで入手した。とんでもない重量物で、サガワが納品に来て音を上げたらしい。たまたまコーヒーを飲みにみえていた名工ミルトさんが犠牲となり、運び込んでくれたと聞いた。木枠梱包で小さいカナヅチではクギが抜けず、堪らずノコで木枠を切った。モータ単体でおおよそ30kgはあり、やはり嫌われ者なのだ。これが現代モータである多摩川精機のブラシレスdcサーボモータtms3506の3kw(2.2kwより大きい)は10kgと軽量で、1/3にも重量効率が上昇している。

09253今回は中古品を7,000円+送料と、とんでもなく安く入手できたが汚い。汚いが内部は綺麗だから問題ない。定価ベースでは10万円を超えるシロモノ。ともかくこのまんまじゃあ何も出来ないので解体して部品に落とし、軽くして清掃整備できるようにした。

09255邪魔な端子箱を撤去する。面白いものでモータ会社で結構な違いが有り、これは富士電機の3相誘導電動機だが使い慣れた日立とは違う。全体的にズングリとしたデザインで年代モノと想像がつき、これは良いかも?

09256両サイドのモータブラケットをノミとハンマーで叩き、序々に抜きかかる。最初のチェックはモータコイルで焼損などの痕跡は無いか?コイルの巻き直しはやっているか?など調べる。共に問題なくオリジナルであることが分かる。

09254ベアリング抜きは失敗した。勘合力が強くて抜けず、ノミに力が入りシャフトにダメージを与えてしまった。教訓、ベアリング本体を破壊するように叩いて抜き、シャフトは保護する。ここからがガラクタに7,000円も投じた真骨頂で、ロータのスロット数を勘定する。なんと33スロットで奇数!ここで思い出した、1966年のホンダのロードレーサーrc149は125ccで、5気筒の奇数にも係わらず回転奇数次高調波振動は出ず、何と34馬力を20,500rpm(リッター当り270馬力)で叩き出した。今まで観察したのは全て偶数のスロット数でこれは富士電機と日立の違いで、富士電機は奇数スロットで振動の少ないモータの開発にチャレンジしていたのだ。又しても3相誘導電動機の底なし沼を見てしまった。

09257こちらはステータのスロット数で36スロットの標準モータ。結果ステータ36スロットに対してロータ33スロットの組み合わせとなる。3相誘導電動機でダイレクト駆動ターンテーブルを作る場合、サーボ剛性よりも振動の少ない方を優先して決めていく。先ずは毎スロット1極とした場合、36/3=12極と出て最高12極まで増やせるが、ロータのスロット数が少なく12極にした場合影響がなければ良いが、ここは物理的検証をしてみる。スキュー角度は6度くらい。大容量も2.2kwが限界で(持てない!)スロット数も36と500wクラスと変わらないから、これを上限としよう。気持ちは2倍の72スロットとか想像して2.2kwを入手したが、基本を大きくしただけで残念!小型3相誘導電動機の標準的な4pモータのスロット数は24と36で、24であれば8極まで出来るし、36スロットならば12極まで出来る。余談だが、手持ちの日立の6pはロータが44スロットで、完璧に12極に巻き線変更が出来る。これらから今後は日立に限定しよう。

09259画像を見て欲しい、いかにも腰が据わり良い音が出そうに見えるでしょ。ロータだけでも10kgはあり、この重量が音を決める。回転制御で一番の重要はロータイナーシャと負荷イナーシャの比率で、限りなく1が良いのだが、たいていはプラッターが重くなり1:10くらいもザラになりサーボ剛性が上がらない。これらに載らないのがアイドラ駆動とベルト駆動で、結果適当に回ってしまう。プラッターが120kgではなくてロータの120kgが正解なのだが、ターンテーブル設計者にサーボ制御設計者が居ないからそうなる。意地でも重たいモータに拘る理由がここにあり、ロータを重く出来るアウターロータに拘る所以なのだ。是非ともこの比率の小さいサーボ剛性の高いターンテーブルを作ってみたい。さて巻き線改造すれば電源が3相10vの3相誘導電動機12pとなる。この3相10vが振るっていて、周波数が低いためインダクは少なく殆ど電流駆動する。この段階で真空管駆動はかなりのパワーを要して、cx350では無理で別な出力管を考える。出力トランスはΦ400mmの鈍重タフトロイダルトランスでいける。3相200v用で巻いていたコイルを3相10v程度に巻き直すのだから巻き数は少なくなり、楽な方向へ向かう。

|

2019年9月23日 (月)

無帰還力学 3相誘導電動機でダイレクト駆動ターンテーブルを作る6

092391昨日のamp研究会は名工ミルトさんの提供してくれた情報のモンスターターンテーブル「TechDAS、重量350kgの旗艦ターンテーブルAir Force ZERO、4,000万円」がもっぱらの話題となった。これがkouhei君の言っていたプラッターが120kgの超怒級ターンテーブルなのだ。とかく金額の話になりがちだが、amp研究会では駆動モータについて議論した。ミルトさんが「中古のような美しくないモータが50台位しか無いらしい?」と言う。「そんなバカな...4,000万円もするターンテーブル用のモータならば開発費を1,000万円位は楽に出るはずだから、多摩川精機でも安川モートルでも、更に日立でもオリエンタルモータでも開発してくれるのに、なぜだ?あんぷおやじに相談してくれたならばこの4社の何れかに頼むのだが」

092392そこで駆動モータが何なのかをネットで調べてみた。西ドイツPapst社製3相12極シンクロナスACモーターを使用と出て、在庫品のテレコ用のモータを確保したとあった。画像を見ると即座にモータの判断はついた。先ずはシンクロの機構だが、リラクタンストルク同期(時代背景から)ではなくてヒステリシスシンクロナスであることが推定できる。なお西ドイツの同期モータとなれば見城先生が滅法詳しいので、今度みえた時に話しておこう。12極は6電気角でベルトレシオを仮に20とすれば(33rpm/60)x20x6=67hzと出る。

092305一応Papst社を調べてみた。Elektrobau Mulfingen(ebm)にPAPST Motoren GmbHは買収されて、ebm-papst社になっている。現在のモータはブラシレスdcサーボが多く、画像のモータは(3-phase, electronically commutated external rotor motor、 Output range between 5 and 125 watts)とブラシレスdcアウターロータサーボモータとなって、アウターロータ支持者としたら好感が持てるモータ会社です。

092398こちらは見城研究室にある入手困難な50年も前の西ドイツ製3相ヒステリシスシンクロナスモータで、良く似とる。これですべてがピンときて、これじゃあ無理だね。なぜならばヒステリシス材のコバルトクロム鋼などが需要枯渇で作らなくなってしまい、これは前出4社でもやらない。リラクタンストルク同期モータで12極の開発とゆう手もあるが、極数が増えるとxgが低下して効率が落ち、リラクタンス切り替えの微振動も気になり、ヒステリシスシンクロナスモータを越えられないような気がする。まあ、極限までモータの振動を抑えるならば3相誘導電動機となり、amp工房で12極の3相誘導電動機を開発すれば3相12極シンクロナスACモーターを凌駕出来るのでしょうが、こっちも24極~48極の3相誘導電動機を開発してダイレクト駆動のターンテーブルを作るから、人様のモノをやっちゃあいられない。いずれにせよ、どうも世の中モータで苦労が絶えません。

092301amp工房はモータ研究所でもあるから、ここでターンテーブルに使えるモータについておさらいをしておく。dp-80はエディカレントモータで誘導渦電流でトルクを発生するから、ddターンテーブルにはもっとも適し、且つモータ構成素材が簡単だから誰でもモータが作れる。但しシンクロナスではないから速度帰還を掛ける必要がある。

092304次がリラクタンストルク同期モータで、l社のターンテーブル開発時にモータも開発した。ベルト駆動では全く問題ないがダイレクト駆動ではやはりロータカットエッジ部の振動が気になる。これは3相誘導電動機を作ってから極数に合わせてロータをカットするため、それじゃあはなっから3相誘導電動機で何とかなりませんかね~を思わせてくれたモータで、emt927に使われて有名なモータです。

092302次は本話題の西ドイツPapst社製3相12極シンクロナスACモーターのヒステリシスシンクロナスモータで、ロータに硬磁性材料のコバルトクロム鋼やアルニコ系特殊磁鋼を使い、ヒステリシス磁化による位相のズレでトルクを発生させる振動の少ない傑作モータで、24極くらいにすればダイレクト駆動に最適なモータ、但し前出の硬磁性材料の入手難で今日では作れない化石モータ。もっとも他のヒステリシス金属材で実験してみる価値はあるが、現在は3相誘導電動機の方が優れていると思うからやらない。欠点はリラクタンストルク同期モータほどの強力なモータは出来ない。

092303最後は3相誘導電動機でamp工房モータ研究の最大のテーマ。これを額面通り作れば精度の悪~い無骨な洗濯機のモータにしかならないが、額面を無視して高精度に仕上げれば超低振動となりダイレクト駆動ターンテーブルでは最強のモータになる。極数は24極~48極、ロータスロット数は極数のq倍の3倍の+αにして巻き線が3次5次7次高調波を押さえ込む分布巻きとなり、これらのパラメータを極限まで追い込み、ロータとステータと軸受けなど回転にかかわる部分の高精度加工をやれば超低振動ダイレクト駆動モータが出来る。

|

2019年9月21日 (土)

無帰還力学 3相誘導電動機でダイレクト駆動ターンテーブルを作る5

09210沢山あると「別に」で興味は薄れ、希少なものには群がる。レキシントンオリジナル盤や夏目漱石初版本がそれにあたり、誰のせいかは知らないが最近益々高額になっている。その「別に」の代名詞が3相誘導電動機で、これが産業革命を支えたなど忘れ去られた存在になっている。日立の歴史を紐解けば日立鉱山用のモータを作った所から始まっている。3相誘導電動機は電磁誘導のトランス式だから、これより滑らかに回るモータは存在しない。

09218amp工房のオーディオシステムは古典管とトランスしか無いから、モータも回るトランスになるのがベストだし、トランスは沢山作っているから自然に3相誘導電動機は出来る。それに画像を見てもらえれば分かるが、ステータ(固定側)もロータ(回転側)も日本の得意な電磁鋼板で出来ている。ステータは銅線、ロータはアルミ線、ここにネオジウムやサマリウムコバルト等のレアメタルは存在しないから、中国に頭を下げる必要もない。産業用に作られ、工場の裏方で黙々と回っている地味な3相誘導電動機は見た目無骨で、その印象にとらわれ易い。実は一番ターンテーブルに適したモータなどと、誰もが思わない。最先端と称して妖しいモータが氾濫する現代、足元からじっくり見直したらどうだろうか。そしてただ効率(サイズとエネルギー効率)が悪いだけでの身分が最下位は、何とも気の毒な気がする。ところが効率など全く関係ないのがオーディオ、そうでしょうよviolaのブラボー4boxは1,500万円もして一体どこが効率なのだ!でありますから、効率に関係なく滑らかさが求められるモータならば3相誘導電動機と必然的になり、amp工房最終章の開発はターンテーブル専用の3相誘導電動機となる。

09211夜半、名工ミルトさんが密談にみえる。誰々が亡くなっただの、後何年しかないだの、後ろ向きの話は多いがとりあえず今は健在を感謝して、3相誘導電動機ダイレクト駆動ターンテーブルでオーディオ界に風穴開けたろ!と鼻息荒い。「およそデザインされた痕跡は無い」などと、オーディオ評論家の先生方は見た目デザインに対しても厳しく、そこも考えねばならず、また楽しい。同級生に地方では珍しい優秀なデザイナーも居り、最後はデザイナーの登場となる。前回の案にアームベースを付けてみた。

09212ロボットベンチャー時代にグッドデザイン賞を何個ももらったが、大賞に届かなかったのが心残りではある。したがって奇想天外な3相誘導電動機ダイレクト駆動ターンテーブルでは部門大賞を狙う。こっちのデザインはミルトさんがモータベースを半球体にするとシャフトの長さが足りないと意見され、頂部をフラットにしてその面からアームベースを2本出したデザイン。この方が背丈は低くなる。アームベースは上画像と同じで大地まで突き抜けている。3相誘導電動機もアーム荷重も水晶粒にブスッと差し込んで固定はしない。これを水準器を使い精度良く合わせる。グッドデザインの応募にはコンセプトも重要、「高精度と高剛性のハイエンドオーディオ機器にあって、チープな紙管を使って...」とまあ、こんな感じの出だしになる。

09214名工nakaさんに3相誘導電動機のかご型ロータの研磨をお願いした。本職は流石に美しい研磨をしており、見とれてしまう。ミルトさんとあんぷおやじ分2台のロータとシャフトの研磨で、一番の重要はメタル軸受けに当たるシャフト部で丁寧に研磨してもらった。ロータ部の研磨することでアルミ線(アルミバー)と電磁鋼板の形状がはっきり見えるようになる。

09213ここの形状からロータのスロット数が明快に読めて44スロットとなっている。続いて2次コイルアルミバーの傾斜角度(スキューと言う)を測定すると8.5度と出て、殆ど標準的なモータであることが分かる。更にアルミバーが見えるか、いや隠れるかのギリギリの構造で、高調波振動に差が出てその部分の観察もできる。

09215本タイプは若干の開放型で高調波振動には少々弱い。我らの開発もロータスロットの形状に大いに悩み、電磁鋼板ギリギに穴を開けてofc純銅棒を通そうと考えている。今回の研磨で3相誘導電動機ダイレクト駆動ターンテーブルを作るの巻きモータの改良は完了し残すは加工のみで、どこまで自分たちで加工するか只今ミルトさんと思案中。

092163相誘導電動機ダイレクト駆動ターンテーブルを作るに当たり次なる重要なテーマはレコードの防振構造で、予てからアナウンスしていたものを実施した。当面amp工房ではレコードが掛からないため音色チェックはミルトさんの所でやる。紙管Φ300mm高さ55mmにガボール・ザボのjazz・ragaオリジナル盤を接着し、内部にフィボクリスタルを充填する。これに以前エントリーの防振スタビライザが付けば、水晶粒による両面サンドイッチで最強の防振構造となる。

09217xエンジニアの仕事も事務屋の仕事も、センサーベースか人為ベースかで大きく分かれる。人為ベースの会計処理はたった1円でも合わないと大事になり、〆られず残業になる。センサーベースで位置情報を1パルスくらいミスっても何事も無かったように、さっさと帰れる。事務処理とロボットでは事務処理の方が遥かに高度な技術を要求され、早い話がロボットの方が楽だよ!しかしながらセンサーベースの仕事で事務処理より高度がオーディオで、センサー(カートリッジ)で最低1の情報でも取れなかったらお終い、と厳しい。だが、たいていはまあいいかと見て見ぬフリをして深く考えない。レコードの情報を余すと事無くかき集めるには水晶粒防振構造しかない。画像のように上も下も水晶粒で埋める、これがレコード革命の極意ですぞ!

 

|

2019年9月19日 (木)

無帰還力学 3相誘導電動機でダイレクト駆動ターンテーブルを作る4

09191前回のamp研究会での約束通り、名工ミルトさんはΦ400mm半球型プラッターの製作途上の現物を持ち込んでくれた。この半球体はフリーブローと称して、熱した金型へアクリル樹脂板を押し付けて半球体を成型している。Φ400mmサイズ半球体の精度は上出来とは言えないが、33rpmの低回転数では何とかなるなると踏んでいる。アクリル半球体内部で3相誘導電動機のシャフトを固定し水晶粒を充填させる。一応透明のアクリル樹脂だから外側からフィボクリスタルの水晶粒が見えて、世界一美しいプラッターとなる。レコードを置くプラッター面は現状のamp工房dp-80と同様に薄い不織布で覆い水晶粒を過充填させて膨らませ、そこへレコードを密着させて水晶粒防振効果を最大限に発揮させる。

09192xxそのイメージから図面を起こす。赤色はプラッターでフィボクリスタルを充填してある。青色はモータベースで3相誘導電動機の固定で水晶粒へ埋没させてある。またモータベースのトップはプラッターと同様のΦ400mmの半球体で作られている。プラッターの半球体は打楽器のテンパニーを模しており、水晶粒の防振効果を最大限に発揮させる構造体にしてある。アームはモータベースから生えさせて水晶粒防振するから、唯一大地から切り離しても振動対策出来る手法になる。宙空へ磁気で浮くターンテーブルがあり「腰の据わった音が出る訳がない」などと悪態をつかれてたりしているが、プラッターを水晶粒で充填し宙空で寺内貫太郎みたいにじぐるって振動を消費させれば良い音が出る。無理難題を解決するのが3次元接触水晶粒防振構造の威力なのだ。当方のアームベースも腕部分の剛性はまるで無いが、アームの下部へ5kgくらいの鉄棒を付けて水晶粒へ埋没させ固定と振動防止を行う。

09197xx更に特許構造の水晶粒防振スタビライザがこれ。レコード表面の75%が水晶粒のスタビライザで覆われ現存する防振構造スタビライザでは最強となる。ストッパーでスタビライザは固定されレコード面とスタビライザ面はスリップする。その際に埃等は集塵できる機構も備えている。何よりもすべり=粘性負荷で3相電動機の回転安定度に一役買う。但しdp-80やdp-100などの速度帰還型は、速度が乱れ易いため対象にしていない。当面は無帰還型の3相のサイン波で回したemt927と3相誘導電動機ダイレクト駆動ターンテーブルに限定している。このすべり材についてはノウハウで言えない。水晶粒の厚みは重量によりすべりが変わるため、調整可能なように上部の開放型もある。cdメディアの水晶粒防振層は僅か10mmでとんでもない事件となったため、基本は防振層10mm厚の軽いすべりでも十分と考えている。このスタビライザによりレコードの上面も下面も水晶粒でサンドイッチされてレコード面の防振効果は最強となり、dcs Elgar DAコンバータ 5bit Ring DACにやられてしまったレコードオリジナル盤の復権を果たそうと考えている。

091932持つべきは信頼できる仲間で、富士宮k工業のm氏とk氏が新加工機の打ち合わせに見えてくれた。彼らとのお付き合いは一定の距離感があり、お互いを尊重しているから価値ある人間関係と思っている。さて本題が終わった後は早速3相誘導電動機の電磁鋼板の加工について議論する。画像の難物電磁鋼板の加工は問題なくできると聞いて、俄然やる気が出た。画像はイメージ図で最大径542mmは少し無理があるようで、ここは小さくしなければならない。外側がステータで20極とすれば20x3x2=120スロットと出る。内側はロータでスロット数は120より大とする。市販品の3相誘導電動機ダイレクト駆動ターンテーブルを作るの巻き終了後は、いよいよ理想とする多極3相誘導電動機ダイレクト駆動ターンテーブルの研究へと向かう。世界一のターンテーブルとか、完璧なターンテーブルと称して超高額なターンテーブルが世界では作られているが、これらにはどうしてもズレを感じてしまい、一石を投ずるためにもうひと踏ん張りすることにした。又これらは全て特許構造になり、メーカはマネせんで欲しい。

|

2019年9月17日 (火)

無帰還力学 3相誘導電動機でダイレクト駆動ターンテーブルを作る3

09171お金持ちはお代を払いたがらないからお金が残り、結果お金持ちになるらしい。昔、お金持ちのオーディオ機器を修理したら請求額の半分にされてしまい、忌々しい。これじゃあ近所のコンビニでレジ打ちしていた方がまだましだ。かくしてamp工房では以降一切の修理業務はお断り。パーカショニストのnakaさんがラックスのsq38fdの修理を持ち込んだ。nakaさんは身内だから例外的に引き受けたが、amp研究会で修理することと、修理費はamp研究会の原資にすることを条件にした。1968年に50ca10や6ca10は大型3極管としてnecが売り出し、直ぐに飛びつき2台ほどパワーアンプ作ったがさほど良い音ではなかった。だからsq38fdは得意な修理対象なのだ。名工ミルトさんがサクサクと的確に修理作業をするものだから、こっちは測定器を操るだけで随分楽をした。中間のボリュームの不具合と、回路部品の実装の不味さで回路を変更した。信じられないレベルだが、当時は我々もこんなものだったからエラそうには言えない。

09172「レコードの音はモータの大きさで決る!」の解は「振動」で、大きくても振動の出るモータはダメ。大きな慣性を滑らかを持って回し機械的振動と電気的振動を抑える、これが極意ですぞ!ネットオークションに我が日立の素晴らしく大きなモータが8万円で出ていた。よっぽど落札しようかと思ったが重量を確認して断念した。113kgではチエンブロックが必要で、jazz喫茶amp工房がモータ工場になってしまう。余談だが、日立清水が月2,000tの鋳物生産量を誇って鼻息が荒い時代、モータのハウジングとエンドブラケットの鋳物製造ラインの自動化をやったことがあり、この辺はやたらと詳しい。それが鉄板溶接の丸ハウジングになりプレス品になり、時代の進化は全て音に悪い方向へ向かう。昔の鋳物モータ(現在でも大型モータは鋳物)を探そうぜ!

09173こちらも素晴らしく大きなモータでプリウスの発電用モータ。当時「50kwの駆動モータと10kwの発電用モータのどちらを回しますか?」とa化成のエンジニアに言われて「10kwでお願いします」と言ってしまった。なんてこたあない、jazz喫茶amp工房で50kwを回すとなると休業にしなくてはならず、断念した。今のプリウス発電用モータは集中巻きになってしまったから使えない。このように外装とロータシャフトを作ればプリウスモータ53kwも使える。

09175ひょうきんとお思いでしょうが、巻き線変更が何れ発生するから大きいモータの方が眼の衰えた我ら高齢者には作業がし易く、大型モータ選定の動機であります。モータ巻き線は現状のポリウレタン線を撤去してムンドルフのネットワークコイル(ofc純銅ポリウレタン線)をばらして巻きなおす。これも3相誘導電動機でダイレクト駆動ターンテーブルを作る大きなポイントとなる。

09174その巻き線変更の際に起こるのが極数、ステータスロット数、ロータスロット数の関係式の登場でややっこしい。ミルトさんがモータを巻いた経験上から「そんなに難しいですか?」と聞く。「はなっからモータを作る時は難しくないが、売っている3相誘導電動機を改造する際がややっこしい」と答えた。画像は見城先生がみえた時に巻き直しの相談をし、その際に書いて貰ったもの。ここへ踏み込むと生涯を極数、ステータスロット数、ロータスロット数関係式の底なし沼に捧げねばならず、やっちゃあいられない。

09176emt927のリラクタンストルク同期モータがこれ。スロット数は24あるから4極の場合は24/3x4=2>1となり基本に忠実なモータで空間高調波と呼ばれている電気振動の発生を抑えやすい。優秀とゆうより基本に忠実なフツーのモータと言える。

09177こちらはスロット数が16しかなく3の倍数ではないから3相モータでないことが分かる。16スロットは2の倍数だから単相モータのヒステリシスシンクロナスモータになり、これは使えない。

09178画像のモータは36スロットある。これは36/3x6=2>1で基本モータ。これの極(p)を増やすにはロータスロット数にもよるが毎極、毎スロットの対(q=1)にすれば36/3x12=1=1では見城先生の言われるセオリーから外れるが、3相誘導電動機の体は成す。更に通常は50hzや60hzで回しているが2hzや3hzの超低周波駆動は誰も評価していないから、案外活路があるのかも知れない。現在2.2kwの3相誘導電動機を手配中で、大きさが大きくなれば回転周速度も上がり同じ回転数でも磁界を切る速度は上がりトルクは大きい。慣性も大きくなるが摩擦のカイゼンが成されれば大きいモータの方が御し易い。もし使えなったら、又しても大型ゴミが...
はなっから開発では20極か24極か48極にする。その場合のスロット数は120と144と288となり世界に類を見ないモータで理想的、でありますからどうしても作りたい思いがある。次回はその手法についてほんのさわりを解説する。

|

2019年9月15日 (日)

無帰還力学 3相誘導電動機でダイレクト駆動ターンテーブルを作る2

09156ターンテーブルとターンテーブル用モータにベアリングは使えない。世界一と称するターンテーブル用モータにベアリングの使用が見受けられたりして、なにをか言わんやだ...どうもオーディオ技術の正統的が守れないのは、栄枯盛衰が激しく技術者の定着や技術の継承が出来難いことと、誰でも音が出たり、誰でもターンテーブルを回したりできることから、奇想天外と妖しさがごっちゃになっている。
emt927を支持するのは電気的には問題は多いものの、肝心要の機械系が群を抜いてしっかりしている。dp-100と言えどもemt927もような腰の据わった音は出ない。emt927のリラクタンストルク同期モータを分解した画像がこれ。上側のエンドブラケットに砲金のメタル軸受けが打ち込まれている。下側のエンドブラケットにはスラスト受けの鋼球がある。ご覧のようにモータの軸受けにベアリングは使われていない。残念ながらターンテーブル用モータはこの方式を崩せない。teacの黎明期に見城先生やn村モータ先輩達は、ドイツの交流モータを徹底解析して日本のオーディオ用交流モータを作ったと回顧されていた。他社でも似たような研究をしたのでしょうから、このモータ構造が一般化したと思う。

09151とゆう訳で、汎用3相誘導電動機を使ってddターンテーブルを作る場合の最大の害であるベアリングを抜くために、エンチョーへベアリングプーラー(ベアリング抜き)を買いに出かけた。以前見かけたがいくら探しても無い。店員に聞いたって専門的過ぎるから分からんだろうと諦めて引き上げた。モノタローやミスミにはあるからネットで買えばいいや!と負け惜しむ。

09152ところが買わなくて良かった。シャフトの左は185mmもありフツーのプーラーでは抜けやあしない。右のように短ければ問題なく抜ける。勿論ロングサイズもあるがこのモータで当面はターンテーブルを製作をするので、ベアリング抜き専用の治具を作るコトで対処する。この185mmのロングシャフトが実に巧妙で、水晶粒防振半球体プラッターの内部固定には必要なサイズなのだ。だから短い場合にはシャフト延長しなくてはならない。

09157夜半に名工ミルトさんがモータを持って駆けつける。まだベアリング抜き専用の治具が間に合わないので力技でベアリングを抜くことにした。30mmx20mmの角材をベアリングの上側に押し当て、かご型ロータを叩かないようにベアリング直近の角材をハンマーで思いっきり叩く。角材が割れて飛び散る。何回か叩いているとグッグッとベアリングが下がる。

09158通常焼嵌めではないがベアリングを若干過熱して挿入しているため、軽い焼き嵌め状態になっているから抜け難い。ベアリングの片側のみ叩くのでベアリングがコジ易く回しながらバランス良く叩く。これをやるとベアリングのリテーナーにダメージを与え殆どベアリングが使えなくなるが、どうせ使わないのだから問題ない。問題はシャフト側にダメージを与えないことで細心の注意を払う。

09154ベアリングが抜けたところで次はシャフトのプレ研磨をする。黄色丸印の所がofc純銅磨耗型メタル軸受けの接触面だから丁寧に研磨する。最終的にはパーカショニストのnakaさんが研磨屋さんだから、本職に研磨してもらう。

09153x次が音決めハイライトの精密aaa級水晶球軸受け部の開発となる。ベアリングを抜いた形状を眺めていたら、なんだいシャフトの端面をテーパ加工するのは面倒だから、ofc純銅の丸材から軸受け部だけ作り画像の軸端にはめ込み、ネジ止めすればイイや!となった。現物を眺めると自由な発想が生まれ易いから、まずはモノを観る。

09155この画像はemt927のターンテーブルシャフトのスラスト方向軸受けで、テーパの形状は十分に理解できる。ロボットベンチャー時代にボスから指令が飛び、ボールネジとボールガイド(LMガイド的)の開発を行った。当時ボールネジの権威者が明治大学に居たものだから、相棒のロボット開発部長は明治大の教授へ教えを乞いに出向いた。その一部始終を眺めていたが、ロボット開発の最大のハイライトで実に面白かった。その開発過程から、ボールとボール受け角度の問題が最重要課題であることは容易に察しがついた。その察しからemt927のような形状にはせず、直線テーパとして精密aaa級水晶球の球体に点接触させる。門前の小僧習わぬボールネジとガイドを読むだが、細かいことは企業秘密で言えない。あんぷおやじ流儀は冗談からコマで、ミルトさんが軽い気持ちで「先にターンテーブルを作ったろ!」と言ったものだから、そのまんまの3相誘導電動機でも回るが如何せんまずいかろうと、本格的深みに嵌ってしまった。

 

|

2019年9月13日 (金)

無帰還力学 3相誘導電動機でダイレクト駆動ターンテーブルを作る1

09122画像出展:トヨタ
無尽蔵に埋蔵された3相誘導電動機を使ってダイレクトドライブ(dd)のターンテーブルが出来れば、emt927の上物は天文学的金額だの、dp-80のお代は上がってしまっただの、dp-100は垂涎の的だの、acモータの争奪戦は無くなる。また確実にこれらのモータを凌駕できる、なぜならばレコードの音はモータの大きさによって決るから。巨大モータ...ん、そうだプリウスだ!大きいモータとなれば画像のトヨタプリウスモータの53kwも一考の価値あり。500vとして1kw=1.5aで概算すれば定格負荷で80aか、無負荷1/20としても4a位はタラタラ流す必要があり、良い音が出そう。プリウスモータは補修部品として販売しているから、お代さえ支払えば誰でも入手できる。100万台より大きい数を作っているのだから世界一の量産acサーボモータで信頼性抜群、53kwではと躊躇はあるものの、是非試したいモータでもある。もう一言、このトヨタ方式分布巻きじゃあなければダメ、某社の集中巻きなど論外。

09121横道に逸れた、名工ミルトさんからamp工房のdcs Elgar DAコンバータ 5bit Ring DACのトランス結合が難航しているため、遅れ時間を利用して「3相誘導電動機でダイレクト駆動ターンテーブルを作ります」と申し出があった。そこで現状でベストとなる方式の検討をする。既に20kgの水晶粒防振プラッターの試作機で33rpmを問題なく回しているから、検討すべきは機構部に限定される。

09123最大のポイントは水晶粒充填重量級プラッターで後に出てくる精密水晶球に負荷を掛けて圧電するため、当初の20kgから30kgへと重量は増加させる。この30kgはミルトさんとあんぷおやじが持てる限界の重量で、本当は50kgくらいにしたいところ。ミルトさんからはプラッターサイズをΦ400mmにしたいと申し出があり、それにも合致する。全ての構造体は水晶粒で防振され、防振の効率を最大に上げるため球体となる。そのデザインはミルトさんが考案中で、乞う御期待。

09128汎用3相誘導電動機はフツーのベアリングでスラスト荷重を受けているため、音には最悪。そこでスラストは精密水晶球で受けて、上側のベアリングは撤去してofc純銅磨耗型メタル軸受けとする。シャフトは研磨して油膜が均等になるように配慮する。磨耗型にした理由は我らの寿命から勘案したことで、長寿命型ならば従来通りの砲金にすべき。

09127こちらのofc純銅磨耗型メタル軸受けインロー部も研磨しておく。ここの研磨とofc純銅磨耗型メタル軸受け外径は左甚五郎加工となる。工業用製品ならば焼き嵌めとなるが、ターンテーブルでは時々メンテナンスでofc純銅磨耗型メタル軸受けの交換となるから、取り出せるように考慮する。

091263相誘導電動機でダイレクト駆動ターンテーブルを作るの巻きのもう1つのハイライトが、以下の構造体となる。下側ベアリングは撤去する。更に軸端をテーパ加工して研磨する。

09124下側のエンドブラケットにもテーパ加工して研磨する。エンドブラケットには余り拘らず、できれば工作機械の鋳物ベッド材を古材屋で入手して、専用の加工を施した方が良い。

。。

09125そこへ精密aaa級水晶球を入れて圧電&粘性負荷抵抗とする。水晶球は衝撃にモロく直ぐ割れるが、時定数を持った荷重の加え方をすれば破壊は少ない。もっともこの精密水晶球は消耗品と考えておいた方がよろしい。地球の重心方向への荷重を水晶球で受ける音質改善は計り知れない。ofc純銅磨耗型メタル軸受けは上部の振れ防止だけに徹し、プラッターとモータロータの支えは精密aaa級水晶球になり結論は、プラッターが水晶粒防振構造でスラスト軸受けが水晶球で、ターンテーブルが等価的に水晶体になるとゆうこと。参考までに、一般的に使われている宝石(サファイアなど)軸受けは摩擦係数が小さ過ぎて粘性負荷にならないことと、圧電素子でないから使えない。この精密水晶球のサイズと圧電荷重の関係がノウハウになり、ここは教えられない。これも特許構造で個人が使われる分には一向に構わないが、企業はマネせんで欲しい。

|

2019年9月11日 (水)

振動力学 究極フィボクリスタル球体型cd用スタビライザと、その先...

09101阿部薫「暗い日曜日」のcd3曲目の「bass clarinet solo improvisation」バスクラリネットを、cx350管1本4wの限界大音量で聴いていると、突然電話が入る。パーカショニストのnakaさんからで、電話の向こうは「...」「了解した~!」と勝手に大声で返事をした。バスクラにやられて茫然自失で、電話の声なんか聞こえやあしない。名工ミルトさんが「エリック・ドルフィですか?」と聞く、「い~や、阿部薫だ!」...「エリック・ドルフィより凄い、阿部薫は魂を吐き出そうともがいてバスクラを吹いている」とつぶやく。中学2年のt-mon君も「凄い、凄い!」の連発。「ともかく阿部薫で何も手に付かなくなって困るから今日はこれっきりにしよう、胸苦しく、体の芯が寺内貫太郎みたいに熱くなって適わん」日本の前衛jazzは耳なし芳一の琵琶にも等しく、怖さも含んでいるから本家のアメリカのフリーjazzよりも凄まじい。

09102「何もしないと阿部薫に叱られるから、フィボクリスタル球体型cd用スタビライザを作ったろ」と提案する。t-mon君は勉強で見学、ミルトさんを中心に作業を進める。Φ170mmの透明な2つ割りの球体を取り出す。その半球体の一方にcd盤Φ120mm接着の為の切断を行う。トースカン様なもので丁寧に切断ケガキラインを入れる。紆余曲折はあったが金属円筒ルーターの歯をドリルにくわえて回し、グラインド切断するコトにした。

09103先ずは低速回転で様子を見ながら、手で半球体つかみ均等な力と均等な回転を加えてルーターに押し当て、ジリジリと僅かずつ切断する。ルーターが使い古しだから切削力の低下で、相当な力を加えてないとグラインド切断できず苦労する。ミルトさんと交替しながら1時間強で見事に切断した。切断面の滑らかさは特筆モンで感動してしまう。これは凄い!アクリルやプラスティックの半球体の切断手法ではベストが見つかった。フライス盤やマシニングなど要らず、チープなボール盤1台で加工できるのがいい。

09104Φ170mmの球体は「商品仕様(スペック)カラー:クリア本体サイズ(約):径170mm素材:プラスチック」とゆうシロモノで、東急ハンズから購入したが1個しかなかった。左から上部半球体、切断した下部半球体、切断片。

09105様子が分からないのでアロンでcd盤を点付けして仮組みしてみる。なんとも美しい出来栄えに自画自賛。その後のとんでもない事態が起きようなど分かろうハズもなく、ニコニコしながら眺めているamp研究会でした。

09106cdもレコードも水晶粒防振構造化が完璧に行われれば、今までに聴いたことの無い音(本当の音とは言わない)が表現できるはず。cdは、メカニズム本体とcdメディア盤の水晶粒防振構造化が一応究極に近づいており、その先は...
画像のガボール・ザボのjazz ragaはインパルスのオリジナル盤をはなかっから2枚もっており、クリフォード・ブラウンのレキシントン盤も2枚持っている。コルトレーンに至っては3枚のオリジナル盤所有もザラで、これにはamp研究会のメンバーも呆れ顔、現在試作中のレコード完全水晶粒防振構造化の画像がこれ。「最近、あんぷおやじ流儀の水晶粒防振構造モドキを製品化して特許申請中と出てきたものだから、今後当方のノウハウを完全には明かさないことにする。私はモノマネが大嫌いだし、コルトレーンや阿部薫と真摯に向き合えばモノマネなどできないはずだ!」レコード盤の片面は諦めてもらって水晶粒を充填してレコード盤そのものを水晶粒防振する、よってa面とb面別レコードになるからオリジナル盤は2枚必要となる訳で、10年程前からお宝となるオリジナル盤の蒐集は最低2枚としていた。阿部薫のアルトとバスクラから魂の叫びを吐き出させるならば、この手法しかない!

911xレクイエム911!
ブルックリン橋袂のリバ・カフェはお気に入り。ここからマンハッタンを眺めるのが、自分を鼓舞させるには最適と思い世界貿易センタービルを眺める。それが瞬時に消えてしまうのだから、人間とは創造破壊を繰り返す唯一の生物なのだ。

|

2019年9月 9日 (月)

前衛力学 阿部薫「暗い日曜日」(一関ベイシーライブ録音)...了

09091「暗い日曜日」が届いたからさあかけようとすると、初めてのjazzのお客さんが来てしまった。いきなり阿部薫ではまずかろうとシェリー・マンの2.3.4をかけて、次にコルトレーンのブルートレインをタラタラと流しておいた。よっぽどamp工房が気に入ったのか?cd2枚分を聴き込んでも未だ帰らない。ようやく帰りそうな雰囲気がみえたので「阿部薫知っている?」と声をかける。「知りません」「それじゃあエリック・ドルフィは知っていますか?」「ハイ、知っています」「それじゃ親戚みたいなものだからチョット聴いてください」こっちは早く聴きたいものだから、ついお客さんまで巻き込んでしまった。1971年の録音で、演奏は手持ち3枚のcdの内一番阿部薫の技量が分かる。「独学で演奏技術と音楽理論を学んだ」とあるが全く同感で、我が方もロボット屋だが全て独学で学び、団塊の突っ張った意地みたいなものを感じ、大いに共感する。

090921971年の録音は機材がプアーなのか鮮度は良いけどフツーの録音で、とてもじゃあないが売り物になる音ではない。阿部薫の場合は総じてそんな感じの録音が多い。音と音楽の攻めぎ合いがオーディオなれば、阿部薫の録音はプアーだから音楽にオーディオすべきでしょう。なによりたまげたのは1971年12月6日live at baseでベイシーのライブ録音だった。菅原さんが1枚も2枚も噛んでいたとは知らなかった。monoのオープンテレコを9.5cmで回し、クリスタルマイクをセッティング無しで録ったとあり、すっかり腑に落ちた。

09094x阿部薫の最大の理解者「間章」も阿部薫が死してから間もなく亡くなり、伝記を書く人間が居なくなった。そこで登場が画像の著書だが、ポンペイ遺跡のモザイク画みたいなもので色の付いたタイルをベタベタ貼り付けあるから、距離を置いて目を霞めて見ないと阿部薫像は分からない。ノイズメディアの川崎克己さんの文章は録音者としてのクールだし、立松和平さんの文章は滑らかで流動食のようにスラスラと流れ込み、ベイシー菅原さんの文章はイチイチ腑に落ち、五木寛之さんの文章は文豪の文章そのものに感心してしまう...まずい!この本はもう封印しよう。あんぷおやじの使命は阿部薫像を理解するに非ず、如何に孤高の阿部薫が表現できるかにある。テンポラリーのトランスだけ古典管amp群でこれだけの阿部薫のアルトとバスクラリネットの表現ができている訳だから、完成を急がねばならない。

09093x同い年の贔屓目と、コルトレーンとエリック・ドルフィの親戚みたいなもんだから短時間に追っかけたが、与えられた使命が明快になったところで追っかけは終いにする。阿部薫の死後相当に時が経ち、1960年代の文明文化が一斉に蜂起した渦中の前衛jazzを超えるものは現在無く、商魂逞しい連中が幻盤と称して次々に復刻している。結局あの時代は超えられないのか?

09097xx

「エリック・ドルフィーを父とし、
ビリー・ホリディーを母として
俺は生まれた。
そして俺は
エリック・ドルフィーを、
俺のアルトの演奏によって
どうしても超えねばならない。
それは義務なんだ。」

 

 

|

2019年9月 7日 (土)

音色力学 空前絶後の音

09071音色力学における空前絶後の音とはコルトレーンの「アセッション」で、空前絶後過ぎて理解できない御仁は「歴史的駄作」と悪態をつく。抽象画が嫌いな理由は、理屈先行の画家でない評論家モドキが突然絵の具を投げつけたら偶然抽象画が出来てしまい、同僚の評論家達は「偶然美」などと高評価だったりする。こっちは嫌いなデッサンもコツコツやり真面目に描いているから、絵も描けないヤツが何だ!となる。その点jazzは良い、音だけ出てサックスをデタラメにプカプカ吹いても誰も前衛jazzとは呼ばない。ここが音楽と絵画の決定的な違いなのだ。「アセッション」は音の洪水かも知れないが、決してデタラメに音を投げつけたりしていない。歴史的駄作ではなくて歴史的問題作で、コルトレーンは発売直後ボブ・シールに「これは余り出来が良くない」と言った。「テイク1を選んだのはお主だろうが」とボブ・シールが反論すると「スマン、テイク2にしてもらえないだろうか」かくして第2版の登場となり、たいていは第2版になるが、所有lpは第1版(Edition 1)でしかもmonauralのお宝なのだ。

09074メンバーは前衛的なコルトレーンの友人たちで構成されているから空前絶後の音になった。感覚とは進化するもので、先ずは聴く耳を持つこと。これを最初に聴いたのは1970年代だったが、「クル・セ・ママ」がどうやら聴けるレベルに感覚がなった時に、この「アセッション」の登場は更なる感覚の進化を要求された。今でもはっきり思い出せるのが「アセッション」を聴いた後の「クル・セ・ママ」はお茶漬けサラサラに聴こえたコトで、その感覚は今でも続いている。

09073フランス文学者の中条省平さんが「阿部薫」はコルトレーンの親戚みたいなものだと言った、い~や、言っちゃあいないがそう聞こえた。コルトレーンの親戚みたいなjazzミュージシャンは率先して聴くようにしている。その典型がエリック・ドルフィで、コルトレーンはエリック亡きあと遺品のフルートで良く演奏するようになった。だからエリックには感謝して聴く。この度新たに親戚のような「阿部薫」が加わり、「アセッション」を聴く感覚にも似たものを要求される。

09072空前絶後の音はベイシーの菅原さんが「阿部薫 1949-1978」に寄稿された短文で、相変わらずの名調子。この空前絶後の音の文章で同感したのが「60年代とは一説には1950年代の中期から1970年代の初頭を指している」で、阿部薫は1970年代初めに2度来ているが、思い出はセピア色で1960年代の出来事にしか思えない(正確には画像を読まれたし)...新東名上りの新静岡saのカフェ・タリーズで、まあまあ旨いアイスコーヒーを飲みながら、家人に阿部薫の菅原さんの寄稿文を話すと「あら素敵、菅原さんの文章は音色が良いのね」...音色の良い文章とは!音色力学をシロウトにやられた。

|

2019年9月 5日 (木)

「コルトレーンの生涯」初版本入手とjazz本

09051文庫本がボロボロになるくらい読み持ち歩いたから、一念発起「コルトレーンの生涯」の初版本を入手した。別に読むわけではないが、なんせ初版本だぜ。昭和50年7月17日初版発行が良い。良くないのが装丁とデザインで最悪、なんともダサくてこれがスイングジャーナル社の実力だったのか?悪態ついても既にスイングジャーナル社は無い。インパルスのレコードのジャケットでも版権を借りてでもやれば、既に見事にデザインされているから申し分ないはず。紙質も戦後のマンガ本のようなワラバン紙で、これも頂けない。まあ、紙に関しては第一次オイルショックの煽りもあって時代の世相にも思う。生涯のお宝本ににしては、ガッカリでした。

09052こちらが文庫本で、文庫本だから装丁デザインの文句は言わない。2002年10月16日の初版本だが、日付から意気込みは感じられない。タグを沢山付けて直ぐに重要な項目が出るように工夫してあるから、ダルマ本みたいになってしまった。読むならこっちです。

09055勿論ハイエンドの時代だからステレオサウンドは常にとっていた。当時は無線と実験を会社で2冊自宅で1冊、ステレオサウンドは会社と自宅で各1冊、他に技術誌など雑誌は沢山とっていた。このステレオサウンドのno.88は結構分岐点の雑誌で、サウンドラボa1の解説にやられて後に購入した。なによりも菅原昭二さんの「ぼくとジムランの「酒とバラの日々」が始まり、その内容も然ることながら文体に引き込まれた。

09053その時から、こりゃあ一関ベイシーへ行かねばならないと思い始めた。思い始めたがロボットベンチャーのno2とゆう重責から身動きは取れない。それがです。ひょんなコトから弁護士を交えた仕事となり、そこで登場が弁護士鍋谷先生(公人ゆえ実名、菅原さんの本にも度々登場)でありました。当然趣味の話になればjazzとなり、「先生、一関に凄いjazz喫茶がありますが」「あ、それベイシーのことでしょうか?」「そうです」「いやー、仲間でしてね...」かくしてベイシーの12人に使途に加えられ、席に名前を刻む栄誉まで与えられた。「ベイシーの選択」も「聴く鏡」も装丁もデザインも一流で何ら不満はなく、自信を持ってお勧め出来る。

09054しんがりは阿部薫の「1949-1978」で装丁もデザインも何ら不満は無い。菅原さんも寄稿しているが、各界の著名人の寄稿で成り立った本で、通しで読むとゆうより気に入った人がどうゆう内容を寄稿したかで読んでいる。21世紀になって、時がだいぶ過ぎてより輝くのが真の芸術で、阿部薫とは凄いjazzミュージシャンだった。

|

2019年9月 3日 (火)

前衛力学 阿部薫「解体的交感」Ⅱ

09031「解体的交感」のパート2に差し掛かり若干穏やかな始まりに、突然バチバチとスクラッチノイズが拡大されて凄い!と驚いたが、cdpアキュフェーズのdp-80付近からもバッパッと音が出て慌ててcdpを止める。dcs Elgar DAコンバータ 5bit Ring DACはcdpが外乱でジッタが増え、pllの限界を超えるとあたかもレコードのスクラッチノイズのようなプチ!プチ!ノイズを出す。cdカバーを外すとフィボクリスタル半球型cdスタビライザの底がハデてしまい、思い切り水晶粒をばら撒いてcdの精密メカに水晶粒が散乱して青ざめる。ポリカの半球体とcdrのポリカ板を専用の接着剤で接着しているが、接着量のバラツキでハデた。とてもじゃあないが、最高の音質だが売り物になりゃあしない。まあ、その売り物にならない所もすこぶる良いのだが。

09032接着量のバラツキだから全部解体して作り直すべきだが、剥がれたところを補修して誤魔化すことにした。理由は殆ど球体のスタビライザを考案中で、半球型にかまっちゃあいられない。接着剤を充填し重しを載せて本日の残業はお終い。明かりを落として研究室を出ようとしたらフィボクリスタル半球型cdスタビライザの中が妖しく光っている。写真では分からないが水晶石が自分で光を放っており、来たな!と思った。帰るのを止めて、別な半球型スタビライザを載せて「解体的交感」を聴き続けた。翌日padovaの店主に話したら水晶ではなくて光る鉱石があるらしい。そこでネットで調べたら光る石がゴマンと出てきてガックリ。けどこの石は確かに天空のラピュタの飛行石みたいに光って見えた。

09033x阿部薫は「母はビリー・ホリディ」と公言はばからない。

09034阿部薫は「父はエリック・ドルフィ」と公言はばからない。
母がビリー・ホリディで父がエリック・ドルフィなら、阿部薫は良いに決まっている。


09035先日のamp研究会は阿部薫の「解体的交感」鑑賞会となった。お~、コルトレーンの「クセ・セ・ママ」では苦しい表情をしているパーカショニストのnakaさんが聴き込んでいる。「これで太鼓(ドラムス)が入れば音楽に芯が出来るのだが...」とつぶやき、なるほどと思った。「解体的交感」は厚生年金会館小ホールのライブで、演奏が終わると掛け声が掛かり多くの拍手、jazzもロックも区別がつかない某国とは大違い、聞き手の日本の文化力も特筆もの。

09036間もなくしてスタジオセッション1976.3.12が届き、アルトがバッバッと断片的に遠慮会釈なく吼えまくり、どうゆう訳だか画像の絵が頭に浮かんだ。前衛とはどうも分解して、断片化して、高速化する。絵画もjazzも現代音楽も直接的な関係性を持たないが、ある方向の重力に吸い込まれて文化が整列されるように見える。この絵はダリ作で「ラファエロの聖母の最高速度」と邦題が付いているが直訳は変、Maximum Speed of Raphael's Madonnaは「聖母マリアの超高速分解」としよう。

09037 ビリー・ホリディとエリック・ドルフィからインスピレーションを授かり、阿部薫が想像し創造した日本の前衛jazzは世界に類を見ない独創で誇れる。これを50年も前にやってのけたのだから、日本の前衛jazzは真に凄かった。アメリカではプラスティックのアルトを持った前衛jazz奏者にインテリ達はファッションで一斉に飛びついたが、日本の前衛jazzには若者達が理解しようと悲壮感を持って飛びつきファッションでは無かった。しかしこれを超えるものはその後生み出せない文明文化の大渋滞も、豊かさの反作用と見るしかない。29歳で壮絶した阿部薫に感謝!amp工房はしばらく「解体的交感」がギュルギュルと大音量鳴り、ご容赦あれ。そしてスタジオセッション1976.3.12は殆どリアル阿部薫を見ているように生々しく、又してもお宝の1枚になった。

 

|

2019年9月 1日 (日)

前衛力学 阿部薫「解体的交感」

08301x撮影:菅原さん
一関ベイシーの菅原さんはある種万能の天才とも言える。訳あって何度目かの「聴く鏡」を読んでいる。すると何と「トロイダルトランス」と出てきてたまげ、早稲田の文学部のはずだがぬかった。更に「その先に再び現れる」の章では「スライダック調光器をトライアック(双方向サイリスタ)調光器にしたら音がまるで悪くなり、40wの電球を20wにしたら音が悪くなる」と理詰めを発見している。前者は銅と半金属の音色の違いとスイッチングノイズ発生の有無、後者はインバータノイズ電流量対抵抗負荷ノンノイズ電流量の重畳比率で謎は解け、理工系にも滅法強い。カメラマンはプロはだしだし、名刺のデザインも自分でやって美術にも強い。おまけにベイシー建物のレンガ積みまでやったのだから、まるでミケランジェロみたいだ。何より文才は極め付けで、知り合いの直木賞作家より文体は面白い。とゆうコトで「聴く鏡」はぜひ読んで頂きたい。オーディオにおける知恵や面白解釈はもとより、現代社会の分析学、人生の生きる知恵など満載で、これだけの哲学書はそうザラには無い。
08308撮影:kuraiman社長氏
さてkuraiman社長氏は最近立て続けに2度も一関ベイシーを訪問している。1度目は定休日、2度目は本日終了!静岡から一関だぜ、それでもあっけらかんとしているから「社長、良い性格していますよ!」と思わず褒めてしまった。その「聴く鏡」の一節「初めての地に初めてのジャズ喫茶を訪ねる時...もっともいけないのはお店に直接電話を入れマスター等に道順を訊くことだ。作法からいってもこれは下の下とされるが、第一、立ち合いからこれでは「ジャズ」になっておらぬだろう。」とゆう訳で、kuraiman社長氏は作法から「ジャズ」になっており、菅原さんから合格点をもらえる...と思う。

08302訳あっての訳とは、昔、ベイシーで阿部薫の話をした時菅原さんが「凄かった!」と言っておられ、そうだ「聴く鏡」の冒頭に空前絶後の音として書かれているはずだ。「阿部薫1949-1978」に寄稿されており、「聴く鏡」の空前絶後の音の一節「...阿部薫はもの静かな男であった。楽器を組み立て終え、マウスピースを口にくわえると、突如阿部薫は野獣と化した。小柄な躯を宙に投げ出し、のけぞり、物凄いスピードで日本刀を払ったような「悲鳴」が空気を切り裂いた」。その昔、今年亡くなった児山紀芳さんがfmで紹介していたが全く聞く耳持たずで今日に至り、これも残された「宿題」だった。

08303残された宿題と気付かされたきっかけは、又しても中学2年のt-mon君だ。2回ほど前のamp研究会に、t-mon君は藤井さん(tbm)の高柳昌行のcdを持参した。「高柳昌行は確か前衛のはずだが、このcdをよく聴けたね~」「はい、良かったです」と相変わらず口数は少ない。「t-monが聴いてから、気にって買ったものです」住職がすかさずフォローする。xrcd(Extended Resolution Compact Disc JVC Music Inc.)だから手に入れたようで早速かける。高柳昌行以外のメンバーは分からないが心に響く重たいギターで中々良く、前衛ではない。そこで高柳昌行となれば、そうだ阿部薫とやった前代未聞の前衛だと、記憶の宿題が繋がった。余談だが、t-mon君の才能は...もしかしたら...ギフテッドかも知れない。

08304ここまで宿題に繋がれば阿部薫のcdを手配するしかない。それが当時の問題作の「解体的交感」なのだ。kuraiman社長氏が早速調べる。「ビリー・ホリディが母でエリック・ドルフィが父と阿部薫は常々言っていた」と言う。阿部薫は同い年の丑年、学生運動吹き荒れた前衛世代で僅か29歳で才能を消してしまった。レコードは資金の関係で限定100枚の自主制作、現存する枚数は極度に少なく入手は不可能。cdならば問題なく入手できる。

08305この「解体的交感」もコルトレーンのオラトゥンジ・コンサートと同じプライベートライブ録音で、音質は最悪とされている。特にレコードでは聴けるがcdでは音になっていない、くらいの評価もある。1971年、阿部薫は一関ベイシーにやって来て、菅原さんの目の前でいきなり「バーッ!」とやったからぶっ飛び、生音を聴いたから「凄い!」のでしょうが、こっちはfmで聴いた程度では真実の度合いがまるで違う。違うが、負けちゃあ居られない。最強のdcs Elgar DAコンバータ 5bit Ring DACでレコードの音を超えたろ。cdを回す、1970年録音の「解体的交感」が50年経っていきなり「バーッ!」と飛び出し、こっちもぶっ飛んだ。音の隙間が少なく、高柳と阿部が隙間の埋め合いをしているように見えて、凄い。ライナーノーツは前衛jazz=難解と捉えて解説までやたら難解で読むのも面倒、前衛絵画も前衛jazzもやたらと解釈を付けたがるのが、この時代のクセ。ライナーノーツは全部白紙にして、ただ一言「聴け!」がいい。聴いて理解できなければライナーノーツは何ら意味を持たない。

08306他にも1960年代後半から70年代に掛けてのフリーjazzの宿題は「阿部薫」にまとめて面倒みてもらうことにして、ソロアルバム「スタジオセッション1976.3.12」を手配した。フリーjazzの落とし前と、今は巨大になったロボットベンチャーを起業した記念月でもあり、そっちの落とし前も付けてもらおうとの魂胆で、このcdにした。同い年だから生きていれば古希だが...阿部薫が逝ってから何年かして子供の前で鈴木いずみも自ら命を絶った...jazzも私生活も余りにも破滅的で壮絶過ぎ、こうなりゃあ弔い合戦をしなくてはならない。阿部薫の最後を目撃した幻冬舎の見城徹は有度第一小学校卒で、家人の先輩になる。縁とはどうやら果てしなく繋がるものらしい。

|

« 2019年8月 | トップページ | 2019年10月 »