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2019年9月25日 (水)

無帰還力学 3相誘導電動機でダイレクト駆動ターンテーブルを作る7

09251サーボ剛性を上げないとオリジナルレキシントン盤に躍動感は出ない。サーボ剛性を上げると振動が出やすくダイレクト駆動は出来ず、emt927のようにアイドラ駆動かpd171のようにベルト駆動になる。剛性の落ち具合からベルトよりアイドラの方が上で、このいい加減がターンテーブルの音になり、モータが音を出している所以なのだ。高剛性で低振動、この相反する無理難題が3相誘導電動機の多極モータで解決できると思っている。とゆう訳で3誘導電動機でダイレクト駆動ターンテーブルを作る場合、最低でも6極は欲しい。4極はモータが無くて試していないが、多分無理でしょう。極数は分解能に値し、単純な話高分解能の方がゲインを上げ易い。ゲインが上がれば高剛性になり低速でもモータの回転数は安定する。極数を増やすには巻き線変更でもいけるが...いや絶対巻き線変更して極数を増やすべきだ。これには大容量の3相誘導電動機を入手して解析し、巻き線変更の方策を探る必要がある。

09252そこで3相誘導電動機2.2kwの6pをオークションで入手した。とんでもない重量物で、サガワが納品に来て音を上げたらしい。たまたまコーヒーを飲みにみえていた名工ミルトさんが犠牲となり、運び込んでくれたと聞いた。木枠梱包で小さいカナヅチではクギが抜けず、堪らずノコで木枠を切った。モータ単体でおおよそ30kgはあり、やはり嫌われ者なのだ。これが現代モータである多摩川精機のブラシレスdcサーボモータtms3506の3kw(2.2kwより大きい)は10kgと軽量で、1/3にも重量効率が上昇している。

09253今回は中古品を7,000円+送料と、とんでもなく安く入手できたが汚い。汚いが内部は綺麗だから問題ない。定価ベースでは10万円を超えるシロモノ。ともかくこのまんまじゃあ何も出来ないので解体して部品に落とし、軽くして清掃整備できるようにした。

09255邪魔な端子箱を撤去する。面白いものでモータ会社で結構な違いが有り、これは富士電機の3相誘導電動機だが使い慣れた日立とは違う。全体的にズングリとしたデザインで年代モノと想像がつき、これは良いかも?

09256両サイドのモータブラケットをノミとハンマーで叩き、序々に抜きかかる。最初のチェックはモータコイルで焼損などの痕跡は無いか?コイルの巻き直しはやっているか?など調べる。共に問題なくオリジナルであることが分かる。

09254ベアリング抜きは失敗した。勘合力が強くて抜けず、ノミに力が入りシャフトにダメージを与えてしまった。教訓、ベアリング本体を破壊するように叩いて抜き、シャフトは保護する。ここからがガラクタに7,000円も投じた真骨頂で、ロータのスロット数を勘定する。なんと33スロットで奇数!ここで思い出した、1966年のホンダのロードレーサーrc149は125ccで、5気筒の奇数にも係わらず回転奇数次高調波振動は出ず、何と34馬力を20,500rpm(リッター当り270馬力)で叩き出した。今まで観察したのは全て偶数のスロット数でこれは富士電機と日立の違いで、富士電機は奇数スロットで振動の少ないモータの開発にチャレンジしていたのだ。又しても3相誘導電動機の底なし沼を見てしまった。

09257こちらはステータのスロット数で36スロットの標準モータ。結果ステータ36スロットに対してロータ33スロットの組み合わせとなる。3相誘導電動機でダイレクト駆動ターンテーブルを作る場合、サーボ剛性よりも振動の少ない方を優先して決めていく。先ずは毎スロット1極とした場合、36/3=12極と出て最高12極まで増やせるが、ロータのスロット数が少なく12極にした場合影響がなければ良いが、ここは物理的検証をしてみる。スキュー角度は6度くらい。大容量も2.2kwが限界で(持てない!)スロット数も36と500wクラスと変わらないから、これを上限としよう。気持ちは2倍の72スロットとか想像して2.2kwを入手したが、基本を大きくしただけで残念!小型3相誘導電動機の標準的な4pモータのスロット数は24と36で、24であれば8極まで出来るし、36スロットならば12極まで出来る。余談だが、手持ちの日立の6pはロータが44スロットで、完璧に12極に巻き線変更が出来る。これらから今後は日立に限定しよう。

09259画像を見て欲しい、いかにも腰が据わり良い音が出そうに見えるでしょ。ロータだけでも10kgはあり、この重量が音を決める。回転制御で一番の重要はロータイナーシャと負荷イナーシャの比率で、限りなく1が良いのだが、たいていはプラッターが重くなり1:10くらいもザラになりサーボ剛性が上がらない。これらに載らないのがアイドラ駆動とベルト駆動で、結果適当に回ってしまう。プラッターが120kgではなくてロータの120kgが正解なのだが、ターンテーブル設計者にサーボ制御設計者が居ないからそうなる。意地でも重たいモータに拘る理由がここにあり、ロータを重く出来るアウターロータに拘る所以なのだ。是非ともこの比率の小さいサーボ剛性の高いターンテーブルを作ってみたい。さて巻き線改造すれば電源が3相10vの3相誘導電動機12pとなる。この3相10vが振るっていて、周波数が低いためインダクは少なく殆ど電流駆動する。この段階で真空管駆動はかなりのパワーを要して、cx350では無理で別な出力管を考える。出力トランスはΦ400mmの鈍重タフトロイダルトランスでいける。3相200v用で巻いていたコイルを3相10v程度に巻き直すのだから巻き数は少なくなり、楽な方向へ向かう。

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