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2019年9月15日 (日)

無帰還力学 3相誘導電動機でダイレクト駆動ターンテーブルを作る2

09156ターンテーブルとターンテーブル用モータにベアリングは使えない。世界一と称するターンテーブル用モータにベアリングの使用が見受けられたりして、なにをか言わんやだ...どうもオーディオ技術の正統的が守れないのは、栄枯盛衰が激しく技術者の定着や技術の継承が出来難いことと、誰でも音が出たり、誰でもターンテーブルを回したりできることから、奇想天外と妖しさがごっちゃになっている。
emt927を支持するのは電気的には問題は多いものの、肝心要の機械系が群を抜いてしっかりしている。dp-100と言えどもemt927もような腰の据わった音は出ない。emt927のリラクタンストルク同期モータを分解した画像がこれ。上側のエンドブラケットに砲金のメタル軸受けが打ち込まれている。下側のエンドブラケットにはスラスト受けの鋼球がある。ご覧のようにモータの軸受けにベアリングは使われていない。残念ながらターンテーブル用モータはこの方式を崩せない。teacの黎明期に見城先生やn村モータ先輩達は、ドイツの交流モータを徹底解析して日本のオーディオ用交流モータを作ったと回顧されていた。他社でも似たような研究をしたのでしょうから、このモータ構造が一般化したと思う。

09151とゆう訳で、汎用3相誘導電動機を使ってddターンテーブルを作る場合の最大の害であるベアリングを抜くために、エンチョーへベアリングプーラー(ベアリング抜き)を買いに出かけた。以前見かけたがいくら探しても無い。店員に聞いたって専門的過ぎるから分からんだろうと諦めて引き上げた。モノタローやミスミにはあるからネットで買えばいいや!と負け惜しむ。

09152ところが買わなくて良かった。シャフトの左は185mmもありフツーのプーラーでは抜けやあしない。右のように短ければ問題なく抜ける。勿論ロングサイズもあるがこのモータで当面はターンテーブルを製作をするので、ベアリング抜き専用の治具を作るコトで対処する。この185mmのロングシャフトが実に巧妙で、水晶粒防振半球体プラッターの内部固定には必要なサイズなのだ。だから短い場合にはシャフト延長しなくてはならない。

09157夜半に名工ミルトさんがモータを持って駆けつける。まだベアリング抜き専用の治具が間に合わないので力技でベアリングを抜くことにした。30mmx20mmの角材をベアリングの上側に押し当て、かご型ロータを叩かないようにベアリング直近の角材をハンマーで思いっきり叩く。角材が割れて飛び散る。何回か叩いているとグッグッとベアリングが下がる。

09158通常焼嵌めではないがベアリングを若干過熱して挿入しているため、軽い焼き嵌め状態になっているから抜け難い。ベアリングの片側のみ叩くのでベアリングがコジ易く回しながらバランス良く叩く。これをやるとベアリングのリテーナーにダメージを与え殆どベアリングが使えなくなるが、どうせ使わないのだから問題ない。問題はシャフト側にダメージを与えないことで細心の注意を払う。

09154ベアリングが抜けたところで次はシャフトのプレ研磨をする。黄色丸印の所がofc純銅磨耗型メタル軸受けの接触面だから丁寧に研磨する。最終的にはパーカショニストのnakaさんが研磨屋さんだから、本職に研磨してもらう。

09153x次が音決めハイライトの精密aaa級水晶球軸受け部の開発となる。ベアリングを抜いた形状を眺めていたら、なんだいシャフトの端面をテーパ加工するのは面倒だから、ofc純銅の丸材から軸受け部だけ作り画像の軸端にはめ込み、ネジ止めすればイイや!となった。現物を眺めると自由な発想が生まれ易いから、まずはモノを観る。

09155この画像はemt927のターンテーブルシャフトのスラスト方向軸受けで、テーパの形状は十分に理解できる。ロボットベンチャー時代にボスから指令が飛び、ボールネジとボールガイド(LMガイド的)の開発を行った。当時ボールネジの権威者が明治大学に居たものだから、相棒のロボット開発部長は明治大の教授へ教えを乞いに出向いた。その一部始終を眺めていたが、ロボット開発の最大のハイライトで実に面白かった。その開発過程から、ボールとボール受け角度の問題が最重要課題であることは容易に察しがついた。その察しからemt927のような形状にはせず、直線テーパとして精密aaa級水晶球の球体に点接触させる。門前の小僧習わぬボールネジとガイドを読むだが、細かいことは企業秘密で言えない。あんぷおやじ流儀は冗談からコマで、ミルトさんが軽い気持ちで「先にターンテーブルを作ったろ!」と言ったものだから、そのまんまの3相誘導電動機でも回るが如何せんまずいかろうと、本格的深みに嵌ってしまった。

 

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