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2019年9月21日 (土)

無帰還力学 3相誘導電動機でダイレクト駆動ターンテーブルを作る5

09210沢山あると「別に」で興味は薄れ、希少なものには群がる。レキシントンオリジナル盤や夏目漱石初版本がそれにあたり、誰のせいかは知らないが最近益々高額になっている。その「別に」の代名詞が3相誘導電動機で、これが産業革命を支えたなど忘れ去られた存在になっている。日立の歴史を紐解けば日立鉱山用のモータを作った所から始まっている。3相誘導電動機は電磁誘導のトランス式だから、これより滑らかに回るモータは存在しない。

09218amp工房のオーディオシステムは古典管とトランスしか無いから、モータも回るトランスになるのがベストだし、トランスは沢山作っているから自然に3相誘導電動機は出来る。それに画像を見てもらえれば分かるが、ステータ(固定側)もロータ(回転側)も日本の得意な電磁鋼板で出来ている。ステータは銅線、ロータはアルミ線、ここにネオジウムやサマリウムコバルト等のレアメタルは存在しないから、中国に頭を下げる必要もない。産業用に作られ、工場の裏方で黙々と回っている地味な3相誘導電動機は見た目無骨で、その印象にとらわれ易い。実は一番ターンテーブルに適したモータなどと、誰もが思わない。最先端と称して妖しいモータが氾濫する現代、足元からじっくり見直したらどうだろうか。そしてただ効率(サイズとエネルギー効率)が悪いだけでの身分が最下位は、何とも気の毒な気がする。ところが効率など全く関係ないのがオーディオ、そうでしょうよviolaのブラボー4boxは1,500万円もして一体どこが効率なのだ!でありますから、効率に関係なく滑らかさが求められるモータならば3相誘導電動機と必然的になり、amp工房最終章の開発はターンテーブル専用の3相誘導電動機となる。

09211夜半、名工ミルトさんが密談にみえる。誰々が亡くなっただの、後何年しかないだの、後ろ向きの話は多いがとりあえず今は健在を感謝して、3相誘導電動機ダイレクト駆動ターンテーブルでオーディオ界に風穴開けたろ!と鼻息荒い。「およそデザインされた痕跡は無い」などと、オーディオ評論家の先生方は見た目デザインに対しても厳しく、そこも考えねばならず、また楽しい。同級生に地方では珍しい優秀なデザイナーも居り、最後はデザイナーの登場となる。前回の案にアームベースを付けてみた。

09212ロボットベンチャー時代にグッドデザイン賞を何個ももらったが、大賞に届かなかったのが心残りではある。したがって奇想天外な3相誘導電動機ダイレクト駆動ターンテーブルでは部門大賞を狙う。こっちのデザインはミルトさんがモータベースを半球体にするとシャフトの長さが足りないと意見され、頂部をフラットにしてその面からアームベースを2本出したデザイン。この方が背丈は低くなる。アームベースは上画像と同じで大地まで突き抜けている。3相誘導電動機もアーム荷重も水晶粒にブスッと差し込んで固定はしない。これを水準器を使い精度良く合わせる。グッドデザインの応募にはコンセプトも重要、「高精度と高剛性のハイエンドオーディオ機器にあって、チープな紙管を使って...」とまあ、こんな感じの出だしになる。

09214名工nakaさんに3相誘導電動機のかご型ロータの研磨をお願いした。本職は流石に美しい研磨をしており、見とれてしまう。ミルトさんとあんぷおやじ分2台のロータとシャフトの研磨で、一番の重要はメタル軸受けに当たるシャフト部で丁寧に研磨してもらった。ロータ部の研磨することでアルミ線(アルミバー)と電磁鋼板の形状がはっきり見えるようになる。

09213ここの形状からロータのスロット数が明快に読めて44スロットとなっている。続いて2次コイルアルミバーの傾斜角度(スキューと言う)を測定すると8.5度と出て、殆ど標準的なモータであることが分かる。更にアルミバーが見えるか、いや隠れるかのギリギリの構造で、高調波振動に差が出てその部分の観察もできる。

09215本タイプは若干の開放型で高調波振動には少々弱い。我らの開発もロータスロットの形状に大いに悩み、電磁鋼板ギリギに穴を開けてofc純銅棒を通そうと考えている。今回の研磨で3相誘導電動機ダイレクト駆動ターンテーブルを作るの巻きモータの改良は完了し残すは加工のみで、どこまで自分たちで加工するか只今ミルトさんと思案中。

092163相誘導電動機ダイレクト駆動ターンテーブルを作るに当たり次なる重要なテーマはレコードの防振構造で、予てからアナウンスしていたものを実施した。当面amp工房ではレコードが掛からないため音色チェックはミルトさんの所でやる。紙管Φ300mm高さ55mmにガボール・ザボのjazz・ragaオリジナル盤を接着し、内部にフィボクリスタルを充填する。これに以前エントリーの防振スタビライザが付けば、水晶粒による両面サンドイッチで最強の防振構造となる。

09217xエンジニアの仕事も事務屋の仕事も、センサーベースか人為ベースかで大きく分かれる。人為ベースの会計処理はたった1円でも合わないと大事になり、〆られず残業になる。センサーベースで位置情報を1パルスくらいミスっても何事も無かったように、さっさと帰れる。事務処理とロボットでは事務処理の方が遥かに高度な技術を要求され、早い話がロボットの方が楽だよ!しかしながらセンサーベースの仕事で事務処理より高度がオーディオで、センサー(カートリッジ)で最低1の情報でも取れなかったらお終い、と厳しい。だが、たいていはまあいいかと見て見ぬフリをして深く考えない。レコードの情報を余すと事無くかき集めるには水晶粒防振構造しかない。画像のように上も下も水晶粒で埋める、これがレコード革命の極意ですぞ!

 

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