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2019年9月23日 (月)

無帰還力学 3相誘導電動機でダイレクト駆動ターンテーブルを作る6

092391昨日のamp研究会は名工ミルトさんの提供してくれた情報のモンスターターンテーブル「TechDAS、重量350kgの旗艦ターンテーブルAir Force ZERO、4,000万円」がもっぱらの話題となった。これがkouhei君の言っていたプラッターが120kgの超怒級ターンテーブルなのだ。とかく金額の話になりがちだが、amp研究会では駆動モータについて議論した。ミルトさんが「中古のような美しくないモータが50台位しか無いらしい?」と言う。「そんなバカな...4,000万円もするターンテーブル用のモータならば開発費を1,000万円位は楽に出るはずだから、多摩川精機でも安川モートルでも、更に日立でもオリエンタルモータでも開発してくれるのに、なぜだ?あんぷおやじに相談してくれたならばこの4社の何れかに頼むのだが」

092392そこで駆動モータが何なのかをネットで調べてみた。西ドイツPapst社製3相12極シンクロナスACモーターを使用と出て、在庫品のテレコ用のモータを確保したとあった。画像を見ると即座にモータの判断はついた。先ずはシンクロの機構だが、リラクタンストルク同期(時代背景から)ではなくてヒステリシスシンクロナスであることが推定できる。なお西ドイツの同期モータとなれば見城先生が滅法詳しいので、今度みえた時に話しておこう。12極は6電気角でベルトレシオを仮に20とすれば(33rpm/60)x20x6=67hzと出る。

092305一応Papst社を調べてみた。Elektrobau Mulfingen(ebm)にPAPST Motoren GmbHは買収されて、ebm-papst社になっている。現在のモータはブラシレスdcサーボが多く、画像のモータは(3-phase, electronically commutated external rotor motor、 Output range between 5 and 125 watts)とブラシレスdcアウターロータサーボモータとなって、アウターロータ支持者としたら好感が持てるモータ会社です。

092398こちらは見城研究室にある入手困難な50年も前の西ドイツ製3相ヒステリシスシンクロナスモータで、良く似とる。これですべてがピンときて、これじゃあ無理だね。なぜならばヒステリシス材のコバルトクロム鋼などが需要枯渇で作らなくなってしまい、これは前出4社でもやらない。リラクタンストルク同期モータで12極の開発とゆう手もあるが、極数が増えるとxgが低下して効率が落ち、リラクタンス切り替えの微振動も気になり、ヒステリシスシンクロナスモータを越えられないような気がする。まあ、極限までモータの振動を抑えるならば3相誘導電動機となり、amp工房で12極の3相誘導電動機を開発すれば3相12極シンクロナスACモーターを凌駕出来るのでしょうが、こっちも24極~48極の3相誘導電動機を開発してダイレクト駆動のターンテーブルを作るから、人様のモノをやっちゃあいられない。いずれにせよ、どうも世の中モータで苦労が絶えません。

092301amp工房はモータ研究所でもあるから、ここでターンテーブルに使えるモータについておさらいをしておく。dp-80はエディカレントモータで誘導渦電流でトルクを発生するから、ddターンテーブルにはもっとも適し、且つモータ構成素材が簡単だから誰でもモータが作れる。但しシンクロナスではないから速度帰還を掛ける必要がある。

092304次がリラクタンストルク同期モータで、l社のターンテーブル開発時にモータも開発した。ベルト駆動では全く問題ないがダイレクト駆動ではやはりロータカットエッジ部の振動が気になる。これは3相誘導電動機を作ってから極数に合わせてロータをカットするため、それじゃあはなっから3相誘導電動機で何とかなりませんかね~を思わせてくれたモータで、emt927に使われて有名なモータです。

092302次は本話題の西ドイツPapst社製3相12極シンクロナスACモーターのヒステリシスシンクロナスモータで、ロータに硬磁性材料のコバルトクロム鋼やアルニコ系特殊磁鋼を使い、ヒステリシス磁化による位相のズレでトルクを発生させる振動の少ない傑作モータで、24極くらいにすればダイレクト駆動に最適なモータ、但し前出の硬磁性材料の入手難で今日では作れない化石モータ。もっとも他のヒステリシス金属材で実験してみる価値はあるが、現在は3相誘導電動機の方が優れていると思うからやらない。欠点はリラクタンストルク同期モータほどの強力なモータは出来ない。

092303最後は3相誘導電動機でamp工房モータ研究の最大のテーマ。これを額面通り作れば精度の悪~い無骨な洗濯機のモータにしかならないが、額面を無視して高精度に仕上げれば超低振動となりダイレクト駆動ターンテーブルでは最強のモータになる。極数は24極~48極、ロータスロット数は極数のq倍の3倍の+αにして巻き線が3次5次7次高調波を押さえ込む分布巻きとなり、これらのパラメータを極限まで追い込み、ロータとステータと軸受けなど回転にかかわる部分の高精度加工をやれば超低振動ダイレクト駆動モータが出来る。

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