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2019年12月 4日 (水)

素材力学 ルテニウム振動式整流器5

120411957年録音のブルーノート唯一のこのレコードは名盤中の名盤で、生涯を懸けて演奏しなくてはならない。クラシックならばマーラーやストラヴィンスキーを現代のマリス・ヤンソンスさんが指揮をとり名演を繰り広げるように、ブルート・レインはjazzのクラシックになり、現代のjazzオーディエンスは新しい解釈で演奏し曲の凄さを発見しよう。このブルー・トレインでは、近所に住んでおり身内のように年中コルトレーン宅へ吹きに入り浸っていた、鬼才カーティス・フラーにも声が掛かる。アルトキーで描かれたブルート・レインはトロンボーンキーでは難儀するようで、カーティス・フラーは大変だったと回顧している。鬼才の大変さは、それだけ名曲とゆうことになる。抜群の推進力のフィリー・ジョー・ジョーンズ(マイルスは音がでか過ぎるとジミー・コブに替えてしまった)と仲良しポール・チェンバース、若干19歳のリー・モ-ガンにケニー・ドリューと凄いメンバーが揃い、ハッケンサックのヴァン・ゲルダー両親宅の録音は奇跡を呼んだ。冒頭12小節のブルースコードにおける3管(サックス、トロンボーン、トランペット)のユニゾンは、美しくも深く裏へ々と響く(裏がjazz)音の塊に目を瞠る。ofc純銅多用で出来た音でcdで、いやcdだからこそをレコードでは潰れてしまう繊細な、しかし無限なニュアンスが出る。とゆう訳で最終章は意地でも銅化なのであります。

12042x妖しい電源トランスが中心で作られたルテニウム振動式整流器の実験風景です。何が妖しいって、サウンドラボa1用だから水晶粒防振構造化の為にバラしたら、銅線には緑青がわき絶縁紙はマイカで、1967年日立入社当時もトランスをバラしたが絶縁紙でマイカにはお目に掛かっていない。きっと戦前の大正時代のトランスに違いない。オークションの出品者からは「積年の在庫をありがとうございました!」との言葉の意味が良く分かった。サウンドラボa1で1万v発生では1,400vまで出すが、へこたれるかも知れないから絶縁油を注入しよう。とゆう訳で恐る恐る始めたテストで、「パン!」と音がして煙が立ち上がった時はトランス万事休すかと思った。それはダイオードの破壊で救われたが、安物買いは苦労する。

12043こちらがその回路図。lm339のコンパレータ入力は15vを目安としているため1/20している。r6の1kΩはしくじった場合の保護抵抗で最終的には撤去する。電源突入回路は省略。

12044先ずはcr1とcr2が重なってオンしないことの確認をする。デッドタイムは60μsec程取れているから全く短絡の危険は無い。8.33msecの内の60μsecは問題になる大きさではない。参考までに、プリウスモータ10kwを回した時のアッパーアームとロアアームのデッドタイムは2μsecも必要としていた。20khz50μsecの中での2μsecは大きい。

12045続いて全体動作に移る。入力電圧を序々に上げながら各部の動作波形を観察する。全て波形は正常でしごく順調です。ここでは整流波形を未だ見ていない。


12046xお~、なってこった!ac280vくらいから更に上昇させていったら、負方向へ電圧が滲み出した。水色はcr2の整流波形で正常、赤はcr1で時々異常、リレーに個体差がある。シマッタ!耐圧不足だ、Cynergy3リードリレーは開閉電圧がac140vしかなくて、自分の発生する磁界で勝手にオンしてしまった。31df6の破壊と同じで、センタータップ整流では2倍のピーク電圧+αの耐電圧を考えなくてはならない。まあ当たり前の話だが、こうゆう奇怪な現象も周知しておく必要があり有効な実験と言える。勿論耐電圧を上げれば良いのだが、リードリレーの応答速度は遅くなるのが常で、思案しよう。

12048そうか、ロボットベンチャー起業時1976年を思い出そう。先代と開発した超音波加湿器にはリードスイッチが使われており、随分研究したものだ。当時はリードスイッチとマグネットを組み合わせていたが、今回はリードリレーで似たようなもの。しかし何でもやっておくものだね。頼まれれば嫌と言えない性格で「ロボット屋が何で加湿器...?」と、少々抵抗はあったが。

12049rsにパワフルなリードスイッチがある。ac1,500vで3aの開閉能力は素晴らしく、接点のロジュウムはカルダスrcaジャックのメッキに使われ、音は確認済み。但し問題は動作時間で3.5msec without bounceとあるから遅い!エラく遅い。リードスイッチはリードの強磁性体(音が悪そ)に磁力を接近させると引っ張られて接点が閉じ、磁力を開放するとリードのスプリングバックで接点が開放される。最近はトランス屋でコイルを巻くことは抵抗なく、駆動コイルを作り±電源でコイルを駆動すれば+通電でオン、-通電でオフ...もしかしたら高速になるのかも知れない。これでいければリードスイッチは消耗品でどんどん交換すれば良いし、これならばチョークインプット電源の開閉が出来て俄然応用範囲は広がり、毎度ながら転んでもタダでは起きない。漏れが発覚して名工ミルトさんに密談に来てもらった。「とゆう訳で、リードスイッチを使って整流器専用の高速リレーの開発をしよう」「了解した」「当面は出来ないので、これでトランスだけパワーアンプの製作に入ります」「了解した」。新たに高速リードリレーの開発も生まれてしまい、当面ルテニウム振動式整流器の開発は中断とします。

120491マリス・ヤンソンスさんが76歳で亡くなった。jazz喫茶amp工房開店当初から亡くなるまでお店に通い続けたクラシック音楽界の重鎮o田さんに誘われて、バイエルン放送響を振ったマリス・ヤンソンスさんをサントリーホル前列2席目は汗が飛んでくるくらいの席で、ストラヴィンスキーの火の鳥を聴いた。サントリーホールの広大な空間を、ヴァイオリンのユニゾンで空気を歪ませてしまう稀有な体感をした。ショルティに続くファンである偉大な指揮者の早すぎる死は残念です。

 

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