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2019年12月 8日 (日)

デジタル力学 20,000wデジタルパワーアンプの開発1

12080たんとはいらね~主義だが、縁ある方のcdなりレコードは恩義で手に入れることにしている。とゆう訳でジャケットの秀逸なベルリオーズ幻想交響曲作品14、ロイヤル・コンセルトヘボウを振ったマリス・ヤンソンスさんのcdを入手して、追悼を兼ねて終日聴いた。jazzでコルトレーンで小編成が専門だが、クラシックの楽器が多く集まった時の音の重なりユニゾンは、印象派の色の重なりにも似て実に美しい。特にコントラバスが加わった重厚さと美しさはクラシックも良いものだな~と参ってしまう。

12081デジタルは嫌いだ!古典管が好きだ!な~んて言って居られないのがロボット屋の宿命で、15年以上も前に回したプリウスモータ10,000w(10kw)の上を行くデジタルアンプを開発しなくてはならない。最近はデジタルアンプばやりで、デジタルモノアンプ(WONDOM 1 X 2500W Class D Audio Amplifier Board - IRS2092 For Medical equipment and Driving Coil)2500w相当のアンプ開発の話も来ている。ただこのwondom、$199はamp工房に馴染まない。600v強の電源電圧で30aを流したいとすれば力率1で600x30=18,000wとなるから、20,000kw以上のアンプとなる。盟友m氏の依頼だから何を置いても開発しなくてはならない。まあwondomの2,500wなんかにゃあ負けちゃあいられない。

12082残念なのが15年以上も前に開発した15,000wのデジタルサーボアンプは、置きのスペースから大いに邪魔になり解体してしまった。残念でないのはデジタルアンプの生基板(マウントなし)が2枚も出てきたことで、これは試作に大いに役立つ。次々と部品が集まりアッパー&ロアアーム用電源、xyキャパシタ、nanaエレの電流センサー、150a600vのipmなど等。

12083特にipmは何個か見つかり良くぞ残っていたものだ。ipmが得意な企業に画像の富士電機と三菱があり、他に東芝もある。画像右の富士電機7mbp150ra060は多く使用したもので一番安心感がある。
DC bus voltage450v
DC bus voltage (surge)500v
Collector-Emitter voltage600v
INV Collector current DC150a
12086ざっとこんなスペックにスイッッチング特性が加わる。
Switching time (IGBT)ton IC=150A, VDC=300V 0.3μsec、toff3.6μsec
オンで0.3μsec遅れ、オフは最大3.6μsec遅れてオンオフの時間の違いがアッパーアームとロアアームのデッドタイムの必要性となる訳。またリコメンドスイッチングは20khzとなっているのも、ここの制限による。

12084電源電圧がが問題で、負荷インダクが数10mhとなり周波数が上がれば600v位の駆動電圧が必要で、在庫の7mbp150ra060では無理。そこで1,200v級のipmを手配した。同じ富士電機の7mbp75ra120は1,200vの75aとゆうスペックで余裕が十分にある。ipmはタフに出来ており普通の設計(メーカの指示通り)と普通の使い方(仕様以内)をしていれば、まず破壊はない。それの主たる技術がマルチエミッタの電流検出機構で、過電流を検出したらベース遮断してアラーム信号を上げる。これをトランジスタの破壊に至る以前にやってしまうから壊れない。上記デッドタイムは波形歪みに現れ、極力短くしなければならない。もし20kwのオーディオアンプとするならば、20khzのサンプリングでは10khz以下のf特になり、歪み率は1μsec/50μsecで4%位は確実に出る。その昔、ipmを使い始めた時デッドタイムを250nsecにしたことがあった。時々エラーが出て止まったが500nsecでは問題なく動いた。けどフィールドに出すものはメーカの指示通りにしなくてはならない。もし500nsecでいけるとなれば0.5/50は1%となって、案外いけるかも。

12087x余談だが、デジタルモノアンプ(WONDOM 1 X 2500W Class D Audio Amplifier Board - IRS2092 For Medical equipment and Driving Coil)のアンプ$199は凄い!とエラく感心していたが心臓部はInternational Rectifierのirs2092で、なんだいただのアッセンブリ屋か~。赤がブートコンデンサでアッパーアームの電源を作り、ir社の得意な技術。だめです±電源なんて、デジタルならば+電源だけにしよう。めちゃくちゃ安いコストの原因が分かり、長年International Rectifier社を使い続けてきたロボット屋は感動から幻滅に変わるのでありました。

120891 WONDOM 1 X 2500W Class D Audio Amplifier Board - IRS2092に使われているAdvanced Process Technologyのfet、irfb4227はVDS max 200 V、
IRP max 130 Aとパワフルで、しかもオンオフ時間が30nsec前後ととんでもなく早い。まあ、電圧が低いからこれだけの性能が出せる。それにしてもデジタルアンプになってからはオーディオ屋とロボット屋は最接近中で、オーディオ屋がロボット屋へにじり寄ってきた。sw周波数800khz(サンプリング1.25μsec)、デッドタイム25~105nsec、irs2092とは一体何者ぞ!

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