« 考古力学 さらば磁気増幅器! | トップページ | 音色力学 トランスだけのカニンガムcx350古典管パワーアンプ製作6 »

2019年12月28日 (土)

音色力学 トランスだけのカニンガムcx350古典管パワーアンプ製作5


123011990年代の初頭、電源トランスを抱えたロボット用コントローラは小型化を標榜する上で、その発熱量と重量に頭を抱えていた。メカ設計ボスの身内にスイッチング電源設計の第一人者戸川治朗さんがおり、いよいよの登場となった。小型ロボットコントローラの電源としては世界初のスイッチング電源を得て小型軽量化に成功し、その後のロボットは大躍進をするのでありました。贔屓目もありスイッチング電源のバイブルはcq出版「実用電源回路設計ハンドブック、戸川治朗著」としている。2010年で28版を数え、良く売れた参考書だな~。現在では古いテクノロジーであんぷおやじ流儀のスイッチング電源はcpuで作っている。この著書は古いからこそオーディオでは参考になる原理原則がある。さて先日の研修会当日、講義を始めた途端にバチッ、ブシュ~と音が出て、慌ててオーディオを止めた。ofc純銅電解コンデンサの破壊で、僅か2週間の寿命であった。音無しで気の毒したのはt-mon君、冬休みに入ってラインアンプ作りに来ていた。

12302ここからが右往左往の連続で、名工ミルトさんへ盛んにtelして迷惑を掛けた。しかしトランスだけのカニンガムcx350古典管パワーアンプ製作する上で、もう一度電源に踏み込む良い機会と捉えて踏ん張った。画像は満身創痍のΦ300mmカルダスチョークコイルで「30.57ma、z=3.271kΩ、h=3271/6.28x60=8.5h」になる。満身創痍はカルダスケーブルにモガミofc線にその他ofc線を混ぜて巻き込んだ。早い話が原資不足でカルダスケーブルを十分に巻けなかっただけ。

12303これから作るトランスだけのカニンガムcx350古典管パワーアンプ製作のおいては原資不足から、ソレンofcチョークコイルと設計変更をしていた。ソレンチョークコイルは「Φ350mm、dcs電流トランス用、ソレン803tx3層、1層分803t、11.24ma、z=8.897kΩ、h=8897/6.28x60=23.6h」となる。

12304ミルトさんにtel「チョークインプット電源方式だから真空管が暖まる前に電源電圧が上昇して、400vofc純銅電解コンデンサが破壊した!」すると「フィラメント電源を専用のトランスにして先に投入したら?」とアイディアが示された。コンデンサ破壊は電圧上昇問題と誤解して、先ずはcx350+b電源の巻き線を減らしac318vとした。オシロの表示は若干誤差あり。

12305何度も電源投入実験を繰り返す。altecスピーカ位置に電源がありオンしたら、慌ててcx350テンポラリーアンプの所まで掛け戻りオシロを止める。何度やっても起動時の電圧上昇は420v位で止まり、電流ゼロにおける318vx√2=450v以上の電圧にはならなない。その後の安定電圧は400vと低い。この時点でofc純銅電解コンデンサの破壊は単なる製造不良と判断した。思い当たるフシはギリギリとコンデンサを巻きつけ68μfも容量を確保したことで、耐圧不足になったと考えられる。そこでゆるゆる巻いたofc純銅電解コンデンサは26μfと随分小さくなった。

12306cx350テンポラリーアンプの水晶粒を抜き去ってあるから徹底的にチョークインプット電源の探求をやってみた。先ずはΦ300mmカルダスチョークコイルで8.5h、10オームの抵抗を付けてチョークコイルの電流を見た。通電角は3msecで65度程度、コイルの充電電流はリニアで理想的、この波形からコンデンサインプットの電流波形とは明らかに違う。

12307続いてΦ350mmソレンチョークコイルで23.6h、コイルの充電カーブが折れ曲がり磁気飽和の毛があることを示している。これだから高透磁率のコアは困る、高インダクタンスや小型化には有効だが神経質過ぎる。jazzの分厚い音は鈍重な安物コアの方が良い。すると反論で「ファインメットやアモルファスコアの方が音が良い!」「ならばその高価なコアが音を出しているのかい、教えとくれ」。通電角は3.5msecで76度程度、ここで毎度の我田引水力学が作用して「完全なるチョークインプット電源は真空管アンプに適さない、チョークインプットとコンデンサインプットのハイブリッド電源にこそ活路がある!」その心は、通電角の拡大と充電電流の傾斜緩和、ノイジーなピーク電流の抑圧、更にカルダスチョークにみられるように直流抵抗は限りなくゼロに近く、電源密結合の法則にも則っている。

12308ミルトさんへtel「騒がして申し訳ない、コンデンサの製造不良でチョークインプット電源の問題ではありません、またハイブリッド電源はそのまんまルテニウム振動式整流回路に置き換わるから好都合です」すると嬉しそうに「波形を見て自分もそう思ってました~」。こちらがカルダスチョークコイルの入力部、ダイオードブリッジの出力波形になる。

12309xこちらはソレンチョークコイルの入力部、ハイブリッドのサマが分かる波形で、赤塗りつぶしのエリアがコンデンサの補間波形です。夕方美味いイチゴを届けてくれたミルトさんとコーヒーを飲みながら反省会をやる。jazzラガのパーカッションがmonoでありながら極度に前に出て、以前よりもカイゼンされた、いやofc純銅電解コンデンサまともになったから凄い音だ。ofc純銅電解コンデンサの安定化と更なる純銅化による音質カイゼンが、この先も重要な研究テーマとなる。

123091カルダスチョークコイルの電圧上昇は1.27倍でコンデンサインプットの√2倍より小さい。そこでミルトさんと密談をする。「ソレンチョークコイルは少しだけ音がカイゼンされるが投入したお代程ではない、カルダスチョークコイルは異次元でここにお代を幾ら投じても惜しくは無い、セロニアス・モンクのピアモがはじけるのもカルダスチョークのお陰だ」「然り々」「まともなチョークコイルならば100hとか必要で直流抵抗も大きくなり電源密結合に非ずで音はカイゼンされない、これは全く新しいハイブリッド電源の誕生です!」

123093忘れてはいけない、ofc純銅トロイダルトランスのcx350フィラメンと巻き線はカルダスワイヤーで、これもムンドルフに置き換えて巻いていたが、音の原点は熱電子であるからその源はカルダスケーブルとなり、決して置き換えてはならない。ofc純銅電解コンデンサの破壊から、カルダスチョークコイルの譲れない重要性の再確認したと同時に解析が出来た。確かな理論に裏打ちされたならこんなハイブリッド電源の誕生は無い。その確かな理論とやらにどれだけ裏切られてきたことか、オーディオとはかくもあるものよ。さて禍福はあざなえる縄の如しで、どうも問題点が発生すると必ず次のステップへ上がる。そうか、問題点や事件はチャンス到来なのだ。

 

|

« 考古力学 さらば磁気増幅器! | トップページ | 音色力学 トランスだけのカニンガムcx350古典管パワーアンプ製作6 »