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2020年1月17日 (金)

音色力学 トランスだけのカニンガムcx350古典管パワーアンプ製作14

201091奇想天外な事件が次々に起こる世相だが一番気になるのが気象問題で、温暖化で暖かいなどと言っていられない。トーレンスに事務所を出し年間を通じて訪問していたが、ロサンゼルスは冬も暖かく花々が咲いている。元々温暖な清水の地は益々温暖化でロサンゼルスみたいになってきた。今年の冬のサボテン工房の温室は昼間は50度まで上がり明方は2度位まで下がり、アリゾナの高地みたいな気候はサボテン達に最高の環境になる。そして冬には決して出るはずのないガラパゴスウチワ(ヘレリ)から新芽が出てしまい、ここに温暖化の身近な象徴を見た。異常気象は最早由々しき事態で人間同士の戦争なんかやっちゃあいられない、自然と戦争しなくてはならない時代なのだ。

201171もったいぶるな、さっさとやっとくれ!とお告げがあり、トランスだけのカニンガムcx350古典管「ラインアンプ」の試作を先行させることにした。パワーアンプとの違いは出力トランスだけになり、他は殆ど同じになる。先ずは高インダクタンスチョークコイルで失敗したΦ350mmトロイダルを、インプットトランスとして作り直す。今回は2重目のタケノコをやらず2次巻き線から始める。

2011721次側は概ねΦ0.3mmが2500t程巻いある上に2次側はソレンのofc純銅Φ1.0mmを巻くのだが、ちょっと冒険してカルダスケーブルの1.75スクエアを巻いてみた。一応巻き数は少ないので勘定すると343t巻けた。これで初めてカルダスケーブルのインプットトランスができた。

201173記録は重要で2次側のインダクタンスを測定しておく。1.75スクエア、343t、直流抵抗0.6Ω、ac100v電流47ma
z=2.128kΩ、l=2128/6.28x60=5.65h、インダクが少な過ぎで唸りが出るが、まあインプットトランスで100vも印加しないから良しとする。特筆すべきは直流抵抗で5.65hでも0.6Ωと小さい。

201174続いてインプットトランスのゲイン測定を行う。名工ミルトさんに作ってもらった1khzのcdをかけ、エルガーのボリュームを調整してmono合成トランスの最大値7.8vをインプットトランスへ入力して測定した。mono合成トランスは上海駿河屋さんから提供されたムンドルフL200を巻き解きながらギリギリと巻きつけてある。ofc純銅Φ2.0mmのポリウレタン線を300ターンを2層に巻いて、rch,lchの1次側としてある。2次側はソレンのofc純銅1.0mmが750ターン巻いてあるから、巻き数比は750/300=2.5倍となる。

201175インプットトランスの入力電圧7.8vで出力電圧64vrmsは、深いバイアスのcx350を申し分なく駆動できる。ゲインは何と18dbもとれて素晴らしい。スーパーコア(高透磁率)のせいで1次インダクタンスは140hと高容量だが直流抵抗は90Ωと低く、インプットトランスやドライブトランスとしては良い性能の部類に入る。

201176ここで6sl71段によるcr結合増幅段のcx350仮ラインアンプは解体して、トランスだけアンプへと舵を切り替える。ここに存在するものは電源の整流器31df6、-バイアス用フィリップス電解コンデンサと多回転ポテンショメータ、ここにのみ抵抗は存在する。しかし-バイアス電圧も調整が終わればトランスの巻き線に直付けしてこのポテンショは無しとなる。ofc純銅トロイダル電源トランス、市販改造品3.5kΩ出力トランスにしんがりを締めるのがcx350管となる。

201177インプットトランスを上画像の上に置いたらハムが出てしまい、mono合成トランスと別紙管に収めた。余りにも巨大で誘導の影響を受け易く、回路のメドが付いた時点からハム対策はやる。試しにmono合成トランス出力で直接cx350管を駆動したら、ゲインは低いものの実にクリーミーな音が出た。インプットトランスはカルダスを巻いたとはいえ、Φ0.3mmポリウレタン線のマズイさが暴露されカルダス威力は減少した。これは重大な分岐点で、全てのコイルは太くなければならないのだ。そして前エントリーに繋がり「プレートチョークもグリッドチョークも電源チョークも純粋にインダクタンス成分のみで、直流抵抗は限りなくゼロでなければいけない」amp工房で使用するポリウレタン線はofc純銅Φ1.0mmを最低条件として、Φ0.3mmは使用禁止とした。

201178これがcr結合1段増幅器に使用していた部品群で、概ね20倍のゲインを持っていた。それが入力トランスに置き換わりゲインは約8倍と少なくはなる。Duelund Capacitorの音は良いだの、dealのニクロム線の音は若干落ちるだの、コパルの巻き線抵抗がどうたら...そう言った煩雑さが無くなり、ひたすら純銅の成分に神経を集中できる。

201179音出しをする。もう未知の世界への突入で音が良いの悪いのはどうでも良く、異次元の新しい音にただ々唖然とする。尊敬する真空管の祖リー・ド・フォレスト(Lee De Forest)1929年のaudion 450のトランスだけアンプにたまげ、1922年~1927年製のWestern Electric 7A amplifierの回路に未来を見てしまい、ここにトランスだけアンプの再現ができた。まあ温故知新のLee De ForestとWestern Electric 7A amplifierの回路だから、トランスだけアンプを実現しても新しくは無い。しかしそこから出る音は新しく、キリストの説法「新しいぶどう酒は新しい革袋に入れよ!」に反して「新しい音を欲するならば古い革袋に入れよ!」と相成った。

2011792ただこれはほんの序章に過ぎないことに後で気付く。昨年の5月19日の画像がこれ、1年も満たないうちにここまで来たのだから、早いとも遅いともいえる。トランスだけのカニンガムcx350古典管パワーアンプの製作を通じて最高傑作のトランスの姿が見えた。透磁率の低い厚手で鈍重な低学歴の無方向性電磁鋼板で作ったΦ400mmトロイダルコア(アモルファスやファインメットの高学歴電磁鋼板は嫌いだ!)に、1次側ムンドルフのofc純銅ポリウレタン線のΦ2.0mmを500tの3層~4層巻き、2次側カルダス1.75スクエアを400t以上巻く、これが全てのトランスに適応されて電源トランスも出力トランスもドライブトランスもインプットトランスもmcトランスも構造は全て同じで、巻き数のみ違うトロイダルトランスとなる。

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