« 振動力学 10kw高速サーボアンプ開発その1 | トップページ | 電磁力学 Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, じゃあなくて WOR Studios, NYC! »

2020年6月 2日 (火)

素材力学 ルテニウム振動式整流器26

205310xClifford Brown, Max Roach - Study In Brown (EmArcy MG-36037)Clifford Brown, trumpet; Harold Land, tenor sax; Richie Powell, piano; George Morrow, bass; Max Roach, drums. Capitol Studios, NYC, February 23, 1955 これの「George's Dilemma」 のマックス・ローチのカップを叩く音がどう出るか?が、オーディオ装置の今向かっている方向性を指し示している。ピアノのリッチー・パウエルはバドの実弟になり、リッチーのカミさんの運転する車で事故に遭い、クリフォード・ブラウンもリッチー・パウエルもカミさんも亡くなってしまった。wikipediaの記述から「リッチー・パウエルとブラウンは、シカゴにおける契約のために、夜更けにリッチーの妻ナンシーの運転する自動車に乗っていた。暗い雨の夜道(高速道路ペンシルベニア・ターンパイク)を抜ける最中に、ナンシー夫人は運転を誤り、3人とも事故死した」何とも痛ましい話です。

205292新たな謎の解明の為に実機と等価にしよう。先ずはカルダスチョークコイルを水晶粒から掘り出した。負荷抵抗は変わらず8kΩとして400vで50ma流す。通電開始するが大丈夫そう。おそるおそる電圧を上昇させて1次側電圧104vで止め、これはカルダスアイソレーショントランスの電圧になる。オシロスコープは3台使用し各部の電圧を同時にモニタして異常をいち早くキャッチする。

205294これがカルダスチョークコイルの電流で高感度で表示するとインダクタンスが少なく若干飽和しかかりだが、巻き数を十分な値にするとハイブリッド電源でなくなるから、これで良いのだ。電流検出抵抗は10Ωで次の段階では現実に則して0.1Ωにする予定。ピーク電流は230maとなっている。

205295またしても新たな謎にまたしても振り回されることになってしまった。ルテニウム振動式整流器から出力されたdc電圧と、トランスの逆半サイクルのピークにおける電圧差は何と860vにまで及び、センタータップ整流はdc電圧の2倍の耐圧が要るの証明です。

205296トランスへ付けた1.5Ωの抵抗は大きく、電流検出が明快に分かります。不動の半サイクルのトランスへの流入電流はピークで40maにもなる。更にyewの701921の電圧検出の波形の頭が潰れておかしい。測定を中断して調べてみた。カタログでは100:1の時 ±700v(DC+ACpeak)となって±700vだから1,400vのレンジ測定と勝手に解釈したのが間違いで、700vまでしか測定できなかったから、860vまで掛けた自分が悪い。この段階でyewの絶縁プローブは使用を諦める。

2052991そうだ中華の妖しい差動プローブがあった、これを使ってみよう。1/200のレンジとしてほぼまともに測定できて、中華にしては上出来です。


2052992これが中華差動プローブの波形です。電圧も200倍して404vと出てまあまあの精度、これで仕切り直しです。交流のピーク値辺りのポイントで、不動の半サイクル側で逆方向に電流が流れています。
。。

205298そこでリードリレー接点に印加される電圧の測定になるが、フローティングだから必ず独立したオシロスコープで測定します。プラスとマイナスの電圧差は約850v、これが接点に印加された電圧です。
。。

2052993するともうこれしかありません。赤1のcr2オン半サイクル時に、青2のcr1オフ時に電流が流れている。ヒントは電圧をdc200v~300v~400vへと上昇していく過程で起きており、低い電圧では問題ないが高電圧で電流が流れる。青電流の値を積分すると8ma程度になり、赤電流の80maの1割が戻っている。ん?どこかで経験したような...

205312_20200528043601そうだルテニウム振動式整流器開発初期段階で起きたリードリレーの耐圧不足に同じだ。接点間の電圧差は850vにも及び、これに耐えられないのだ。

205313xしかし1,000vのリードリレーがなぜ?カタログの型式とは違うけど実物はs8-0504vu/rsとなっており、末尾のvは1,000vの意味なのだが。

205314_20200528044301こちらがその仕様表。acでもdcでも1,000vの1aと書いてあるじゃあないか!なのになぜ持たないのだ。これはもういけません、またしても新たな謎です。

2052994そうだ仮配線してルテニウムの音だけを聴いておこう。電圧はフルに掛けられないからスライダックで調整しながらやればよい。dc200v位でcx350管からジリジリと大きな音がして、慌ててスライダックの電圧を下げに入った瞬間、3pの電源コネクターからバチッ!と大きな音と火花が出て基板が破壊した。万事休す...気を取り直して解明に入る。cx350管のジリジリはフィラメントが暖まる前の無負荷状態の∞インピーダンスで大きなスパイクノイズが出て管内放電、次はルテニウム接点オフ時のトランスから数千ボルトの電圧が発生して端子間で放電した。そのショックでsh7124cpuがぶっ飛んだ。これが即座に判断できた内容で、こんなのいくらシュミレータに掛けても分からない。リードリレーの耐圧不足対策と、この高電圧発生の対策を本格的にやろう。トランスの2次側にダミーロードを付けて100ma程度の電流を流し、バリスタの500vを付けて800v以上の過電圧を吸収し、パッシブロードで成功しているからアクティブ(cx350管)ロードの∞に対応する為にdc側にダミー電流を流し、フィラメントトランスを別トランスとして+b電源オンで直ぐにプレート電流は流れるようにし、作戦は十分ある。それにしても基板の作り直しとは面倒だな。

2052994_20200531052001トランスがセンタータップになったから31df6を2本直列接続して耐電圧を1200vとして、cx350管のグリッドバイアス負電源も31df6を1本の半波整流とし、とりあえずトランスだけcx350管アンプを復元した。Clifford Brown, Max Roach - Study In Brownのジョージズ・ジレンマのマックスローチが叩くカップの音がテーブルのエッジの辺りで聴こえて、以前より1mも音の位置が前進しているではないか。お~、何てこった奇跡か?ん、そうか研修用でテーブルを50cm前進してあった。クリフォード・ブラウンのエマーシー盤がレキシントン盤よりも凄いエネルギーが出てしまい、こうなればレキシントン盤のWOR studio 録音も確認するしかない。「これで十分、これじゃあルテニウムなど無くても良いじゃあないか!」と横着大魔王が囁き、い~や、まだまだ...続きます。

|

« 振動力学 10kw高速サーボアンプ開発その1 | トップページ | 電磁力学 Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, じゃあなくて WOR Studios, NYC! »