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2020年9月 6日 (日)

電磁力学 励磁型(フィールド型)スピーカモータ開発その3

2009051xスマホやITやAIと違って古~いテクノロジーの磁石の話です。フェライト磁石もネオジウム磁石も日本人が発明したのだから、皆さんは是非誇りに思って欲しい。「あの~、Φは500mm位になりますが」「あっそれ、nc旋盤でも3次元加工のマシニングセンターでも加工出来ますよ!」とm氏の力強い言葉。ならばとんでもないシロモノを考え出そうと、昼夜を問わず妄想は突っ走ります。フィールド型の場合は励磁電源に回生エネルギーが流入するから、dc直流と言えどもdcアンプで駆動する必要がある。たいては電源コンデンサ回生でお茶を濁すが、ここはアンプを投入した方がよろしい。かくしてpwm電流帰還型デジタルアンプで励磁dc電源を作ったろ。

2009057余談だが、この励磁電源の回生エネルギーの吸収を考えていたら、sp10などの磁石付きddターンテーブルの問題点が明快に見えた。ギクシャクと音がひりつく原因をコギングトルクによるものだとばかりに、決めつけていた。問題は磁気抵抗のRm=l/μsで、これ以上は差し障りがあるから詳しくは言えない。言えないが、あんぷおやじ流儀の3相誘導電動機でddターンテーブルを作るのが正解と、計らずも裏付けが取れた。しかし気付くのが遅過ぎで、それがしごく残念なり。画像のdenonのdp-80も正解です。

2009514出展:日立金属
高性能磁気回路に登場するパーメンジュールについて、一応知識は入れておこう。オーディオショップのあかほりさんではゴトーのホーンの代理店をやっており、当時盛んにパーメンジュールと聞かされて、何やら魔法の世界の金属のようなイメージを持っていた。wikipediaより「Fe-Co合金、Fe-30~50%Co合金は純鉄よりも高い飽和磁束密度を持つ合金です。後述のFe16N2の発見までは物質の中で最も高いものでした。米国Bell研究所において研究が行われ、1929年にFe-50Coの合金Permendur(パーメンダー)が開発され、1932年には加工性を改善した2V-Permendur(Fe-49Co-2V)が開発されました。現在でも、高い磁束密度が必要とされる電磁石の磁極やドットプリンタのヘッドなどに使用されています」 残念ながら、パーメンジュールは日本人の発明ではなかった。パーメンジュールは磁束密度が上がり性能は良くなるが、288-16gや375のようなjazzは鳴らなず、ここは高性能電磁鋼板のアモルファスなんかと、よう似とる。特筆すべきは1.5テスラ出すのに90a/mととんでもなく効率は良く、普通の鉄材ならば3000a/mも流さなければならない。

2009515磁性材料の特性表を掲載しておきます。パーマロイは透磁率においては最強だが、磁束密度が取れなくて脱落です。この表からもスピーカの磁極に使うならばパーメンジュールが最適となっている。但し成分表からコバルト(Co-49%)鉄(Fe-49%)バナジウム(V-2%)となって、コンゴ紛争で高騰したコバルトを49%も使っているから、相当に高額となる。

2009052x水晶粒防振ofc純銅トロイダルトランスの制作上の経験から、図太いjazzを鳴らすならば性能の悪い厚板で透磁率の低い電磁鋼板に限る。からしてパーメンジュールなど遥か神の存在のように見えるs25cでどうだい。m氏曰く「巨大な素材でも問題なく手に入り、何よりも安い」。磁気回路の設計においてベテランは「計算しても合わないから最後は作りながら確認しよう」であり、トロイダルトランスの時と同じだ。今回は磁気回路の形状が大いに問題になり、1個300kgもするようなシロモノをゴロゴロ作る訳にもいかず、悩ましい。励磁スピーカに通常使うs10cで1,5テスラ出すのに2000a/m、これに対してs25cは2600a/mと若干効率が悪い。早い話が巻き数を増やして電流を多く流せば良い。

2009513x所がです、飽和磁束密度に近い1.5テスラの透磁率は、s10cもs25cも似たようなものになってしまう。こりゃあ、都合の良い雰囲気が漂い始めているが大丈夫かね。この表を見てもらえれば透磁率は磁束密度=磁化力(a/m)によって大幅に変り、計算上ここを意識していないとしくじる。節約型の電磁力学、励磁型(フィールド型)スピーカモータ開発では高価なパーメンジュールなど到底使えず、一番経済的なs25cとして、若干頭は悪いが火事場のなんとか力で切り抜けようと考えている。最後はチカラ技ね...ね!
2009056オーディオにおいて陥り易いのが正論正義で「理論的に正しければ必ず良い音がするはずだ!」これで幾多の理論派が生まれては消えたことか。正論正義など立ち位置で随分と変るのが世の常だが、立ち位置でも消えないのが288-16gや375やコルトレーンjazzで、この先も理論派の洗礼は受けつつも残り続けると思うよ。

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