弟子のkouhei君 光電式カートリッジのグランドマスターで世界へ!
10kwの巨大スピーカモータ用200khz超高速pwmサーボアンプの秘策を練っていると、突然電話が鳴る。セロニアス・モンクと一緒で電話嫌いだから「留守です!」と電話を切ってしまえばいいがそこは現代、電話の相手が表示されて久し振りのkouhei君からだった。「製品が発表になりanalogに載りますから本屋で見てください」”本屋で見てください”の言葉に細やかな気遣いが読み取れ、ならばと即アマゾンへanalog誌を手配する。
「凄いじゃあないか、いよいよ世界デビューだね、で何を開発したの?」「光電式のカートリッジで旗艦モデルのグランドマスターです、カートリッジは120万円でイコライザアンプは400万円、自分はカートリッジの開発担当してイコライザアンプは70過ぎのお爺さんが担当しました」「凄い!アラブの石油王が買うヤツだね」「そうです、購入して頂いてます、音はもはやアナログではないんです、デジタルをも凌駕するシン・アナログです」「分かるな~、イケダのカンチレバー無しを聴いた時、日本刀で切られるような凄さを感じたが、そうゆう傾向だね」
進学のアドバイスも就職のアドバイスもし、優秀な成績で大手企業へ就職したが、中学からのオーディオ熱は行動を突き動かし、大手企業を退社して小さなカートリッジガレージメーカへ転職した。スピーカ少年だった弟子が、いつしか青年となり荒野を目指している。オーディオ、特にハイエンドオーディオが衰退していく中、ガレージメーカで経費の掛からない所が生き残り、大手企業では出来ない独創的で、とんでもない高額なハイエンド商品が原資豊かな階層へ売れる。
残念ながらanalog誌にはkouhei君は載っておらず、代表者が載っていた。何れkouhei君が幹部になったあかつきには、3相誘導電動機を使った超弩級のダイレクトターンテーブルを提供しよう。あっ!その時はあっちの世界へ逝ってしまい、手も足も出せないのか...画像の光電式カートリッジのグランドマスターが120万円、簡単に高いなどと、お代だけで片付けてもらいたくない。120万円には120万円の重みと責任と夢があるのだ。開発とは、目標仕様製品の完成、予算、期限と決められた3重苦があり、寝食忘れて良くぞがんばったと思う。
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