« オリジナル力学 ブルーノート1500番台レキシントン盤 | トップページ | プリンター騒動記 »

2020年10月16日 (金)

音色力学 ampex200,300とag440とコルトレーンと

2010061伊豆のdcアンプマニアさんに長らく借りていたトランジスタ式のテープデッキ、スチューダーa810で、氏が録音した荒武裕一朗君のjazzピアノなど実に良い音で録音されており、流石録音のベテランです。アメリカの有名jazzクラブで隠し録りを頻繁にやったが、オフマイクでは記録としては成り立つがオーディオ的には無理だった。そのうち気付くが、jazzを聴きにわざわざニューヨークのヴィレッジ・ヴァンガードまで来ていても、録音が気になってしまい巨匠ルー・ドナルドソンの演奏に入り込めない。これではイカン!と思い、キッパリと紐族(テープマニア)から足を洗った。

2010062トランジスタ式のテープデッキ、スチューダーa810とばかり思っていたが、最近入手した基板画像から判明したが、何とopampだった。 トランジスタよりopampは更に音の線は細くなり綺麗になるから、現代リマスターではそのような音になるのだ。しかしopampを否定するモノではない。現代録音のミキサーは全てopampで作られており、全員が全員、opampの音を聴いている訳で否定のしようがない。ただ、amp工房ではコルトレーン時代の録音しか聴かないからopampは認められない。

2010063コルトレーン時代のampex200を見てみよう。テープリールのサイズは10インチを超えて大きい。ampex300の時代になると正式な10インチとなる。大きとは良いことで重厚長大な戦艦ヤマトだから、下手な防振構造をとらなくても自分自身で防振するから潜在的に音は良い。

2010065キャプスタンモータはヒステリシスシンクロナスモータのポールチェンジで900rpmと1800rpm、同期モータだからn=120f/pとなり8極と出る。よって4極と8極を切り替えて2スピードを確保している。画像から伝わってくるモータの大きさはまるで昔の洗濯機で、ここが軟弱な現代モータと違うところ。テープデッキもターンテーブルもモータは極端に大きくすべし。

2010067ampex200キャプスタンモータの回路図がこれ。ヒステリシスシンクロナスモータの回転原理はこれ「固定子に通電すると回転子は固定子磁界にて磁化されるが、ヒステリシス現象にために固定子起磁力より遅れて進行する磁束密度が生ずる。固定子起磁力方向と回転子内の等価磁極中心方向とが一致する方が空間の磁気エネルギーが大となるので、この遅れのために回転子にトルクを発生する。」の通り誘導型だから原理的に滑らかに回る。リールモータも同様でこっちはブン回すだけだから回路も単純です。

2010064ここまで音の良いオンパレードで次はオーディオ回路です。この画像で分かる通り図太い真空管とトランスの組み合わせで、現代真空管アンプ作家のお手本みたいだ。流石にampex200の作られた1949年は古典管の時代ではないから、gt菅になっている。

2010066回路図はこれ。600オームの送り出しは6f6のプッシュプル回路と大きな出力トランスで、これじゃあ太い音がする訳だ。音色力学からopampの半金属のシリコンと真空管のニッケルや銅とどっちが音が良いかは、論ずるまでもない。これだからスチューダーa810は情報量多し綺麗で、しかし音は分厚くないとなる。

2010068最後はampex ag440でこの時代からトランジスタ化された。なぜag440を取り上げたかと言うと、コルトレーンが1967年に亡くなった後、1969年にアリスが当時の最新鋭のテープレコーダag440を2台購入して地下のスタジオを完成させたからとあたったからで、コルトレーンとは無縁が分かる。アリス・コルトレーンがコルトレーンの遺志をついで矢継ぎ早にこのハンティントンの地下スタジオで録音をしているが、音は200,300の時代より薄くなっていると思う。思うがこの時代の録音は聴かないから断定は出来ない。

20100691 ag440の回路図はこれ。完全にトランジスタアンプ化されたがopam時代よりはいくらか音は分厚いはずだが、大差ないと思う。差があるとしたらモータの大きさや種類、機構部分の剛性からきているはずだ。

2010069コルトレーンと旅したテープレコーダ音質紀行の最後に登場が、ag440のキャプスタンモータです。モータのメイハンから一言、ampex redwoodは最後の渡米1999年に訪れた場所で、カリフルニアのレッドウッドにあったのか。次はたまげたac motor made in japanの文字、そしてmotor by takanawa mfg co.,ltd、ん、見覚えが、なんと熱帯魚のポンプのクマドリモータを作っている高輪製作所と分かった。コルトレーンも凄かったが、日本のモータ技術も凄い!

|

« オリジナル力学 ブルーノート1500番台レキシントン盤 | トップページ | プリンター騒動記 »