« セロニアス・モンク考とk2 20bit 了 | トップページ | 電磁力学 励磁型(フィールド型)スピーカモータ開発その9 »

2020年10月 4日 (日)

The Complete Prestige Recordings Miles Davis と k2 20bit 考

2010041マイルス・デイヴィスのk2 20bit盤はアマゾンで手に入れた。何とかオークションでは案外高額だったので、念のためアマゾンを調べたらライナーノーツ無しのせいかcd1枚分のお代だった。cdの入手ではしくじりも多いけど、たまには得することもある。The Complete Prestige Recordings Miles Davis でマイルス・デイヴィスが1951年~1956年の6年間プレステッジ・レコードに在籍していた時代の名演奏8枚組コンプリート・ボックス、例のコロンビア移籍の為のマラソン・セッションWorkin'、Steamin'、Realxin'、Cookin'もあり、マイルスを持つならコレ!です。

2010042最初にコルトレーンがマイルスに招聘された時の演奏も満載でありがたい。そのプレステッジがk2 20bitになったのだから、もう買うしかありません。プレステッジのボブ・ワインストックは40歳でレコード会社から隠居してしまうのは、jazz史に残る偉業とは裏腹にうまくいかないことが多かったのだろう。ボブのやり方は如何に引き伸ばして稼ぐかで、マラソンセッションは以下のようにレコードリリースを大幅に引き伸ばしている。
PRLP 7094 Cookin' With The Miles Davis Quintet
Miles Davis, trumpet; John Coltrane, tenor sax Red Garland, piano; Paul Chambers, bass; Philly Joe Jones, drums.
Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, October 26, 1956
PRLP 7129 Relaxin' With The Miles Davis Quintet
Miles Davis, trumpet; John Coltrane, tenor sax; Red Garland, piano; Paul Chambers, bass; Philly Joe Jones, drums.
Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, May 11, 1956
PRLP 7166 Workin' With The Miles Davis Quintet
Miles Davis, trumpet #1,2,4-7; John Coltrane, tenor sax Red Garland, piano; Paul Chambers, bass; Philly Joe Jones, drums.
Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, May 11, 1956
PRLP 7200 Steamin' With The Miles Davis Quintet
Miles Davis, trumpet; John Coltrane, tenor sax Red Garland, piano; Paul Chambers, bass; Philly Joe Jones, drums.
Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, May 11, 1956
このように1956年5月11日、ハッケンサックのヴァン・ゲルダースタジオで一気に録音して、lpナンバーのように見事に飛ばしている。

20100471997年、we300b真空管の復刻版(hf-300)を作られた岡谷電気の常務さんが来社した時、jazzレコードの音を聴いて、録音機材はampex300で録音テープはスコッチのxxx番と言われて、知識の深さにたまげたことがある。お代を払い画像のマスターテープを借りて、リマスター作業はスタートする。いつまでも磁気テープが存在するとは思えず、何れデジタルデータのみがマスターになると容易に想像できる。問題はその時で、2度と分厚い音の再現は未来永劫不可能となる。

2010048xリマスタールート1
マスターテープを借りて真空管式ampex300or350を回し何らかのad変換器に掛けてデジタルデ-タ化する。マスターに近似で分厚い音のcdが出来る。これは音色力学の驚異のリマスターcd 「Light In The Attic Records」のGabor Szabo Jazz Ragaで証明されている。

2010043xリマスタールート2
k2 20bitや現在の一般的手法においてはトランジスタ式スチューダーa810を回し何らかのad変換器に掛けてデジタルデ-タ化する。マスターに程遠く綺麗だが分厚くない音のcdが出来る。jvcにおいてはスチューダーa80を相当にカスタマイズして音質のカイゼンを図っており、気持ちは分かる。

2010044見つけた、1996年に出来たjvc自社製のアナログコンソールではフィルター、シェルビング「シェルビングEQとは、特定の周波数から上(または下)の周波数をブーストしたりカットします」およびパラメトリックeqが当然ある。これはk2 20bitに限らず備わったeqで、セロニアス・モンク考は「どうもヴァン・ゲルダーはボンツキベースに録りがちで、初期廃盤のvdj-25010~24の時はたまりかねてリマスターエンジニアがボンツキを抑えた」作業をやったのでは?

2010045k2 20bitはこの仕掛けでad変換器が要となる。この大袈裟でないリマスターシステムで、マイルスもコルトレーンもセロニアス・モンクも作られた訳だから、良い音にするには経路はシンプルさが必要なんでしょうね。

2010049出展:mj無線と実験の1996年6月号に掲載された「日本ビクターの新マスタリングスタジオ」The Complete Prestige Recordings Miles Davisのポール・チェンバースのベースがボンつかないのは、このシェルビングeqで低域をカットしたと想像しよう。1996年はもう24年も経つが、このアナログデジタルハイブリッドの傑作のマスタリングスタジオで作られたk2 20bitを超えるcdが出現しないのだから、音作りは思うようにいかないもの。それにしても無線と実験は抜きん出たオーディオ誌で、既にオーディオ歴史となり、未だに調査分析では大いなる手掛かりを残してくれている。

|

« セロニアス・モンク考とk2 20bit 了 | トップページ | 電磁力学 励磁型(フィールド型)スピーカモータ開発その9 »