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2020年12月 3日 (木)

素材力学 ロシアgm70直熱送信管の音色を聴く6 ハムと交流点火

20112701今はもう無いが、伝馬町に有名ミュージシャンも通うギター工房があった。そのミュージック・バーン店主のナベさんとは遠縁になり、良くして頂いた。「ツインリバーブを譲ってください」「う~ん、上物が無いからこれにしといて」とブラックフェイス75を渡された。「ハムが少し出るけど、あんぷおやじさんならメンテできるから安くしとくよ」ハムは若干出るがギブソンj160eはお飾りになり、未だに直してない。高インピーダンスで出力が2mv程度ではヘッドアンプが難しく、たいていはハムのブンブン丸になり、エレキアンプの製作は案外難しい。

20112702そして今回はハムのお話。
wikipediaによると「ハム音またはハムノイズ(単にハムとも)とは、電源周波数に準じた低い「ブーン」という雑音のこと。一般に正弦波に近い倍音の少ないものをハムと称する。」となる。この憎きハムを根本から駆除する方式を考えれば、なんとかノーベル賞もんです。

20112703プレート電流にはかなり大きいハムによるリップル電流が流れており、交流点火では無理でしょうとなり、直流点火に舵を切った。ところがRLP 12-291 Everybody Digs のPeace Pieceの音色が悪い。直流化した場合一番問題になるのがフィリップスの電解コンデンサで音を濁し、期待の星の31df6ダイオードは少々役不足なり。

20112704そして次なる手は前エントリーの如く、ofc純銅トロイダルダブルチョークコイル(おおよそ40h)だけの直流電源になり、電解コンデンサが無くなった分、大幅に音色はカイゼンされた。これに気を良くして音色カイゼンでシングルチョークコイル(20h)としてdc抵抗成分も減りac電圧は53vでokとなった。

20112705dc出力にはコイル平滑のインダクタンスシングルで1/2になり、ダブルよりリップルは大きいが、音色は究極と思えるほどカイゼンされた。それでもRLP 12-291 Everybody Digs のPeace Pieceの音色は、今一歩といったところか。フィラメンとdc電圧は19.9vで、最大値22.6v、最小値16.8vは5.8vもリップルが乗っているが、ハムバランスを追い込めば何とかなるが、まだ過程で追い込まない。

20112706直熱管は交流点火か?直流点火か?そりゃあ直流点火が良いに決まっている。但しスイッチングレギュレータを使ったり、3端子レギュレータを使った直流電源は論外だし、音色の良い直流電源の開発は相当に難しい。夜、名工ミルトさんに来てもらい、直熱管は交流点火か?直流点火か?それぞれの主張者の意見を分析した。

20112707直流点火の主張者は交流点火にするとグリッドの負バイアスがフィラメント上で変動分布して、動作が妖しくなる、とあり説得力がある。gm70管であれば±10vrms、ピークでは±14vも盛大に振れるとあればいささか心配になる。心配になるが真空管内部まで入り込んで確認する訳にもいかず、です。こうゆうコトを的確に検証して後世に伝えてもらいたいが、骨董の世界では無理か。

20112708密談は長引いたが結論は交流点火に収まった。その決定に至った要因は、どうがんばっても音色の良い直流電源の開発に時間が掛かり過ぎで、後が無い。それに音さえ良ければ少しのハムのブンブン丸はいいから八郎兵衛主義だし、高能率515bに耳を近づけてもハムが感じられない静寂族には、はなっから対抗しない。そうなれば秘策の交流点火電源の開発となる。早い!翌日にはミルトさんが「電源トランスが出来たよ」と持ち込んでくれた。フィラメント専用にΦ300mmofc純銅トロイダル電源トランスを投入し、この構造こそが交流点火でもハムを減らすことが出来る、優れもの巻き線構造です。

20112709究極の交流点火電源で10v巻き線の中央部分は5ターンx2分ポリウレタンを剥がしてあり、ここをスライドさせてハムを一方に寄せる。その偏りをキャンセルするようにハムキャンセル巻き線から位相とレベルを操作した60hzをグリッドへ注入して、ハムキャンセルする。ハムキャンセルはgm70管の20vから新登場で、その他はcx350管と全く同じ方式のフィラメント回路となった。

201127091ハムキャンセル回路は後回しにしてとりあえず交流点火の音を聴こう。通電するがハム音は意外にも小さい。RLP 12-291 Everybody Digs Bill Evans、Bill Evans, piano; Sam Jones,bass、Philly Joe Jones, drums、からピース・ピースをかける。お~、遂に音色は帰ってきました!拘り抜いたのが正解で、電解コンデンサに続いて31df6を止めたから音色は最強で、良い答えをもらえた。これで全ての音色においてカニンガムcx350管を越えた。このcdと、なんと言ってもコルトレーン、それにガボール・ザボが上手く鳴ればamp工房はokとシンプルなのだ。

201127092xAS-9164 Bill Plummer And The Cosmic Brotherhood 1968、のシタールは三味線のエッジと同じで再生は難しく、最近は音色立体調整で頻繁に使用している。これの5曲目Arc 294 Degreesと7曲目Antaresを再び聴いてみよう。これはヤバイです、音色超立体感はそこにシタールの塊が見えてしまい、手で掴めそう。

201127093直熱管で最優先すべきはプレートや出力トランスではない。フィラメントが最重要でここが音を出している。どうも昔から上が重要で下は粗末が教育の原点に思え、真空管の絵をフィラメントを上にしてプレートを下にしたら、少しは気付いてくれるだろうか。でありますから音の源にスイッチングレギュレータを使ったり、3端子レギュレータを使うなど以ての外と分かるでしょう。プレート電源に高価なチョークコイルを使ったり、高価なオイルペーパーコンデンサを使うならば、フィラメント電源にも是非そうしてあげて欲しい。

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