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2021年8月26日 (木)

チカラ力学 jazzも絵画も時代のチカラなり

2108250エアコン事故を通じて久し振りにレキシントン盤を触った。歴史的な背景からこれを超えるjazzも音も存在しない。凄い音は今の方がよっぽど多いが、チカラ力学が足りない。チカラ力学は演奏の上手さや、録音技術によるものでもない、せっぱ詰まった時代背景からしか生まれない。

2108251オムニホイールの発明者を追ったら預言者エゼキエルまで到達し、それを描いたミケランジェロまで到達してたまげた。レキシントン盤より遥か昔のイタリアルネッサンスへと遡る。画像右下の明るい四角は入り口の扉、撮影禁止の礼拝堂を皆さん上を向いて夢中でシャッターを切っている。まさにシスティーナの奇跡でありました。祭壇の背後にそびえる壁画は最後の審判で、教皇クレメンス7世の命により1535年~1541年に描き、ダイナミックでチカラ力学に満ちている。

21082533xこちらは中央部の拡大だが、流石に安物デジカメでストロボも到達しないからボケている。メディチ家に反旗して反乱軍に加わり捉えられ、本来であれば処刑だが免れ、教皇クレメンスの恩赦で最後の審判を描くから命懸け。しかし堕落したキリスト教や権力者に従わざるを得ないジレンマで己を抜け殻と表現した。麻薬から抜け出そうと修行僧にも似た状況のコルトレーンと重なる。

2108253最期の審判よりだいぶ前、1508年~1512年に教皇ユリウス2世の命によりシスティーナ礼拝堂の天井画創世記(天地創造)を描いた。ここからがミケランジェロの天才たる所以です。中央はノアの箱舟で弟子達と共同で描いたが、チカラ力学は不足して縮こまっている。

2108254それがです、弟子たちを首にして1人プロジェクトxになり、フレスコ画の描き方もマスターし、ここから彫刻家ミケランジェロのチカラ力学が発揮され、まるで大理石をノミで打つようなチカラとなった。

2108255ライバル達の陰謀で彫刻家ミケランジェロに恥をかかせてやろうと「天井画はミケランジェロが最適」とユリウス2世に進言したが、土壇場で火事場チカラを発揮するミケランジェロにライバル達は次第に尊敬へと変る。命懸けのせっぱ詰まった状況でないと、いくら天才でもチカラ力学は生まれない。

21082551xおまけです。
長い間ダリのスペルバインダー(呪縛)に嵌っており、このキリスト像の上から目線など思いつかない「天才だ!」と思っていた。しかしミケランジェロの目線は遥かに自由自在で、きっとこれらを見てダリはヒントを得たに違いない。だからミケランジェロは基礎研究者で、ダリは応用研究者となる。アプリが氾濫する今、我ら開発者や研究者に求められているモノはチカラ力学(せっぱ詰まった状況)であり、ミケランジェロのような基礎研究者なのだ。

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