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2021年10月21日 (木)

Lowther PM6A 騒動記 製作編了

2110191xLowther PM6A 騒動記のスタートは1968年のコーラルベータ8からで、最近までamp工房にあったが処分してしまった。当時はエラそうに「ベータ10は25cmで分割振動が起き易い、よって20cmのベータ8の方が良い」等と、のたもうておったが25cmの方が高くて買えなかっただけ。ローサーpm6を鳴らしてみてキャラが似ていることに気付いた。メカニカル2wayは高音がキラキラと張り出した場合の処理は不可能で、トーンコントロールが必要。ベータ8もpm6もここは似ている。iai時代になるが、静岡市の企業から円形と楕円のコーン紙の接着剤塗布に、ロボットが使えないかと呼ばれた。何とベータ8,10のコーン紙を作っていたと言う。社長は自慢げに「あのコーン紙は私が開発した、薄黄緑色なのは秘策のこれを入れたからで、他では出来ない...」

2110192完成して正式に配置した。次々と聴き込むが中高音ばかりがやけに目立って、最初は分解能の高さを自己弁護の材料にして無理やり自分を納得させていたが、段々我慢できなくなり対策することにした。

2110193そこでローサーpm6の最小箱を調べた。サイズは350mmx480mmx190mmと小型、板厚分17mmを差っ引いて内容積を計算すると約20Lとなり、かなり小さい。但し背面に小さな穴を沢山開けたバスレフ構造になっている。こっちの円筒箱は20Lに欠ける容積の密閉箱だから論外で、最初に設計をやらないからこうなる。まあ、当たり前の話でpm6の問題ではない。

2110194容積を増やす為に水晶粒防振層を薄くし、円筒を延長することにした。延長の仕方は紙管を接着して乾いたらガムテープをグルグル巻きにして補強する、かなり荒っぽい作業になる。内容積は約35Lの確保で、密計でも大丈夫と踏んだ。

2110195音を出して重要なことに気付いた。昔、安曇野のハイエンドオーディオショップでディアブロのトランスミッションライン型スピーカを聴いたことがある。その時、音像がスピーカの後に定位してたまげた。店主にそのことを告げると急に態度が変り、別室で最上級のオーディオシステムを聴くことが出来た。最初のpm6箱は円筒が短く音象は後気味、容積を増やして円筒を長くしたら普通の音像位置となった。現代スピーカはタイヤのゴムチューブみたいなエッジだから音象は後に定位する、と決めていたが、そうではなくて音響回析を有限要素法によって解析し、キャビネットが進化してそうなった。だから515bも円筒に突っ込んでバッフル面を最小にすれば音像は前に出なくなるはずで、クワバラクワバラです。

2110196もういけません。どう転んでも半金属のトランジスタアンプではpm6は事務的に鳴り、色艶を付けるには真空管に頼るしかない。メインのgm70管アンプもままならない多忙中に今更真空管アンプは困った。そうだ銅式でないカニンガムcx345シングルアンプならある。倉庫からミカン用の分厚いダンボール箱を探し出し、cx345シングルをダンボール箱へ放り込んで水晶粒をドバっと流し込んだ。それに冷却ファンを取り付け、ミカン箱の絵は不細工だから表面に棟方志功の版画を貼り付けて、塗装は無しとした。火事場の何とかチカラで1時間で真空管アンプになった。

2110197これにて全て完了、万事メデタシとはならなかった。今は故障中だが、銅式gm70管アンプで鳴らすaltec515bシステムの高能率105dbがあるから、ローサーpm6の98dbに幾らがんばってもらっても無理。Sound Lab electrostatic speaker A1スピーカもローサーpm6も、もう1匹の兎で両方を得ることは出来ないのだ。入荷した時の断線しかかりは完治し、ビビリは箱の問題で解決し、cx345シングルアンプで繊細極まりない音で鳴っており、pm6でしか出来ない個性的表現力は評価出来る。1968年来のローサーpm6の落とし前は付いたから、鳴らしてみたいスピーカの全てが終わった。

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