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2022年9月19日 (月)

pwmアンプハードウエア7

2209131「録画しておいたよ~」と家人が言う。何かと思えば昔のボスが五郎丸さんの番組への出演だった。「国力の無い日本が世界へ出るためには同じ時間働いたんではダメだ...」と強調されていたが、それに付け加えるならば効率の問題で、ジャッジの2mの体格を維持するにはそれだけのエネルギーを消費する。我ら平たい顔族は、お茶漬けサラサラの少ないエネルギーでがんばらねばならない。そもそもiaiの原点はこのロボットで、i工業さんへ出向いた時に課長さんから「円弧補間できますか?」と問われれば、位置決めしかやったことのないくせに「出来ます!」と答えてしまった無謀。ですから受注した後は苦労の連続で、ボスの言う通りの徹夜が続いた。40年が過ぎた日曜日の早朝6時、telが鳴る。誰かと思えばこのロボットメカを作ったk工業のm氏で、凄い人だ。こっちのピンチを見かねて「取りに伺いますか?」でした。開発には寝食忘れて仕事に没頭する猛者が居ないと、新発明など到底出来ない。

2209132新方式pwmの動作試験は佳境で正に寝食忘れ状態。あ、もう1つ付け加えるならばロボットが無性に好きなこと、いやアンプが無性に好きなのだ。これがないと四六時中やっちゃあ居られない。アムクロンの5000vzを2台使って駆動した電流波形で、42a~45aも流している。アナログアンプがリファレンスでこの波形となる。負荷抵抗にもよるが、1Ωで70aも流せるオーディオアンプは他には無い。violaのブラボーにしてもマッキンのmc1000にしても、無理です。

2209133新方式pwmの電流波形がこれになり、amp工房では最大電流のレベルとなる。上のアナログアンプとこのデジタルアンプの電流波形を比較すると、カタチは概ね合っている。よって新方式pwmアンプは設計した通り正常に動作している。動作しているが、下にやられた!

2209134名誉の為に明かさないが、ある技術書のこの文章が引っ掛かり何度も々実験を重ねた。新方式pwmは「コイルの電流の行き場を失い、電流が流れたり止まったりする」とある。ならば上画像のような電流波形にはならないはずだ。


2209135xxまた「インダクタンスの設計が難しくなり、新方式pwmはコイル以外の負荷にしか適応できない」ともある。インダクタンスは自分で設計しているから、おおきにお世話だ。pwmの方式を設計するに当たり基本はハンドシュミレータで、コイルに流れる電流の挙動を丹念に追う。tr1のオフでコイルの電流は同じ方向に電流を流そうとする。tr4がオンしているから、tr2のfwdを経由して循環電流として流れる。

2209139論より証拠がこのデータで、tr1がオンするとコイルに電流がチャージされる。tr1オフの後は上の説明通りの電流挙動でディスチャージされる。マイナス側の電流だから下向きに増加して行く。プラス側でも同様でオン時間が長くなればディスチャージが追いつかなくなり、コイル電流はどんどん増加する。

22091393論より証拠の次データ。オシロスコープ分解のギリギリの時間軸2msecにおける20khz50μsecのpwm波形と、その時のコイルに流れる電流。青のギザギザはコイルにチャージ、ディスチャージを繰り返しながら電流の増加減少をするから、こうなる。

2209138参考までに相補pwmの電流波形を示す。新方式pwmの電流波形も相補pwmの電流波形も同じになる。まさにこれは教科書通りの波形なのだ。

2209136x実はこの技術書でもう1つやられた。フェーズシフトpwmの解説で、赤線の部分。「インダクタンス負荷の回生電流がボディダイオードを流れない為出力があばれません」、とは一体なんだ?

2209137以前やったフェーズシフトの電流波形で、コイルをオフすれば続けて電流を流そうとして回生し、次のオンで必ずpwm特有の短絡電流が流れてあばれる。画像の上の黄色丸印がそのあばれ電流となる。

22091391当時盛んにやったのがやはりハンドシュミレータで、このような絵を何枚も描きながらシュミレーションの精度を上げて行く。時には間違い、動作させてエライことになる。何事も格好よくスマートになんか出来っこない。どんな技術書よりも、高度なmatlabよりも、コイル1個の基本動作を丹念に追っていけば必ず答えは見つかる。この辺りの作業はオーディオ用アンプの開発も全く同じになる。

22091392シャクだから言わしてもらえば、嫌になるくらいpwmをやらなかったら、本など書けない。書けないが格調高くしようと見栄を張ってやってないことまで書いてしまから、こうなる。3次元接触水晶粒防振構造で、どなたさんかが「あんぷおやじ~ウソ付かない!」と言っておられたが、やったことしか書いていない。さて新方式pwmは自信が無いものだから、変にグラつき時間の浪費をしてしまった。結論は大枚叩いてまで技術書は買わないことです。

22091394追記:
新方式pwmは台北の大同プロジェトの時頂いた、Future Energy Electronics CenterのJih-Sheng (Jason) Lai賴教授(バージニア工科大学)が、2009年11月2日に台北で行ったpeds2009のプレゼン資料の中に、 Asymmetrical Half-Cycle Unipolar PWM (非対称半周期ユニポーラ PWM)として載っている。tr1オフの時のコイル電流はtr4がオンしているからtr2のfwdを経由して循環循環電流として消費する、これが正解です。2011年に大同プロジェクトはスタートしたから、当時は最先端の資料で、はっきり言ってこの分野で日本は遅れていた。今頃当時の資料を繰ってたまげた。上記技術本の比ではないお宝技術資料はありがたいし、技術指導に行ったはずがこっちが大いに学んだのだ。

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