2021年2月14日 (日)

jazz喫茶マスターの憂鬱

2102151サン・ジミニャーノ(San Gimignano)はトスカーナ州にあり、石造りの高い塔が競って立ち並んだ古都で、一番気に入った。イタリアのあっちこっちでも見たが、観光客相手に自分で描いた絵画を売っている。そうだ、これだ!スーパーリアリズムは描けるからサン・ジミニャーノの風景画を描いて、彼女と同じように観光客を眺めてやろう。あっち側の席の方が面白そうだ。

2102152IAIを辞して、何人かでjazz喫茶をやろうと意気投合したが、実際には誰もやろうとしなかった。でありますから、2004年にjazz喫茶amp工房を1人プロジェクトxで開業し、あっち側の席へ収まった。マスターと呼ばれていい気になって3年ほど居座ったが、やたら自分を聞いて欲しい族、音にケチをつける輩、過去は失敗だなどと傍若無人、終いには人生相談まで来てしまい、あっち側の席のjazz喫茶のマスターは憂鬱だらけ。とてもじゃあないが、一関ベイシーのスガワラさんのようにはなれない。あっち側の席は夢にしといた方が良かったかも知れない。音は究極まで来てしまい、後は寿命との相談でどこまでやれる。コロナ禍中に非常識人間に来られたり、無関係な修理依頼が来たり、ブログは憂鬱だらけ、よってブログもひとまず休止としよう。

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2021年2月13日 (土)

音色力学 dcs Elgar DAコンバータ回路真空管化手法2

2102131x転ぶ、転ばない...
ベイシーにあるあんぷおやじ専用の椅子、転ばなければGabor Szaboな。スガワラさんはリンの超高価なcdpを目の前にしても決して転ばなかった。もっとも25トンのレコードを目の前にしては、転びようも無いのでしょう。アナログだ!レコードだ!とエラい先生方が騒いでも、たいていの方はcdのデジタルへ転んでしまう。どっちが正解かって?そりゃあアナタ転ばない方ですよ、転ばない不動の方が信用できるし。もっとも、アナログとデジタルの両方をやると複雑さはとんでもなく、寿命を縮めてしまう。シマッタ、もう手遅れだ~。

2102132その複合技術の複雑に、また入る。これが原価500円くらいのdcsエルガーに付いている3端子レギュレータの±15v回路。最終価格260万円もしたエルガーですらこんなチープな回路で、設計者の度胸が良いのか?面倒なのか?この3端子レギュレータは相当なクワセモノで、別にオーディオ用に作った訳ではない。訳ではないが、オーディオエンジニアが楽が出来ると勝手に使い始めて広がった。

2102133dcsエルガーを水晶粒から掘り起こす。掘り起こすが実際は工業用の掃除機で水晶粒を吸い出すため、基板にダメージを与えないか細心の注意で作業を進める。

2102134これで掘り起こし完了です。何度もここをいじっているのでハンダの熱で基板が妖しくなり、リード線を出してジョイントしている。これが功を奏して作業は至って楽です。

2102135先ずは+15vのジョイントを離し、10Ωの抵抗を付ける。その抵抗の両端へオシロスコープのプローブを付ける。これで準備完了です。


2102136電源をオンして電流を測定する。+15の電源は1.53vで153maの消費電流と出た。


2102137まてよ1.53vも電圧降下したのでは電流は正確でない。そこで1Ωの抵抗に交換した。いずれも精度±1%の抵抗を使用。


2102138これが正解です。-15vの電源の消費電流は179maとなる。

2102139+15vの消費電流は161maとなる。いずれの波形もリップルだらけで「これが電源エンジニアのやることかい」とお叱りを受けるでしょうが、チットばかのハムより音色の良いofc純銅電解コンデンサの方が良い。もっともofc純銅電解コンデンサを設置してから2年も経ったから容量抜けして、丁度メンテナンスをやるタイミングでもある。この程度の電流ならばgz37管で間違いなく±電源は出来る。

21021391x訃報:チック・コリアさん逝く。
jazzを聴けと言われて、いきなりマイルス・デイヴィスの「イン・ア・サイレント・ウェイ」で、初心者には難しいjazzだった。むしろ「ビッチェズ・ブリュー」の方がプログレロックみたいで聴けた。フェンダーのローズを操る鬼才もまた、居なくなった。

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2021年2月11日 (木)

音色力学 dcs Elgar DAコンバータ回路真空管化手法1

2102071x2017年5月のニュースではもう古いのですが、dCSのVivaldi DACを内蔵したSACDトランスポート「Vivaldi Transport」の金メッキ品は、なんと1,200万円もする。販売数が少ないものだからハイエンドオーディオの高額は天井知らずとなり、昔の手作りオーディオマニアから益々遊離していく。もし仮に、この1,200万円が手に入ったとしたも、怖くてdcsエルガーのようにズタズタには改造は出来ないから、手足をもがれたも同然となる。

2102072そこでズタズタに改造出来るdcsエルガーの再登場です。daコンバータの製作は長いが、とてもじゃあないがdcsエルガーには勝てない。その勝てない理由はデジタル側にありで、daコンバータの場合デジタルの音が良くなければ全体に音は良くならない。「デジタルはデータだから音質には関係ない!」と言われる御仁も多いが、フィボクリスタル半球体cdの音を聴けば「デジタルが音を決めている!」と直ぐに気付く。

2102076それを理解したのがcelloのR-dacで、トム・コランジェロがオーディオスイートのベストなアナログ基板を持ち込んだが、デジタル側はアポジーエレがやったフツーのチップセット(pcm63等)だったから、dcsに勝てなかった。dcsの5bitリングdacを超えるデジタル処理は当分出てきそうにも無い。あんぷおやじ流儀も最近まで、デジタルなんか音質に関係無い、アナログで音質を決めているのだからとi/v変換に真空管を持ち込んだりしていたが、何ともならなかった。

2102073しかし今更デジタルフィルターの開発は無理、従来通りのアナログをいじるしかない。dcsエルガーを第1次と2次で電源を強化して、今回は電源力学から真空管に登場してもらい、第3次で電源を銅プレートの整流管化する。画像の±15v電源がofc純銅トロイダルチョークコイルとトランス、銅プレートのgz37管とofc純銅電解コンデンサ、で武装すれば、電源が音を出している理屈から真空管の音色となり、何だか凄そう。

2102075そりゃあそうでしょうよ、1個150円の3端子レギュレータで作っていたアナログ電源が巨大な電源ユニットになるのだから、大きさだけは凄い。画像のΦ350mmトロイダルはチョークコイルで2個要る。gz37管で±15vの電源の可能性は既に実験済み。複数の電源を内蔵したdaコンバータシステムにおいて、±15v電源の立ち上がりが真空管によって遅れ、弊害が起きないかdcsエルガーの過度現象を調査しなければならない。

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2021年2月 9日 (火)

電磁力学 磁束漏れの怪?

2102092x出展:日本溶接協会
現場の機械が故障したらいち早く直すのも電気係りの仕事で、時々電気班に同行する。同僚同士が技術力を競い合い、誰が先に故障の原因を解明するか競争で勢いがあった。日立清水の鋳造工場の一角には、江戸川乱歩に登場するような暗幕の怪しい部屋が2,3室ある。その中は独特の臭いがあり、またブラックライトも使われており益々怪しい。鋳物のキズ探傷装置で磁気探傷と言う。たいていは磁化用の直流電源が壊れて、修理もさほど難しくは無い。ただ暗幕とブラックライトで怪しいイメージが強烈に残っている。キズから磁束が漏れ出し、磁粉をふりかけるとキズの文様が浮かび上がる仕掛けで古典的キズ検査法だが、現在も続いているとは驚きです。

2102091x「磁気回路に穴をあけるなんざあ、たいしたこたあない」と高を括ってm氏の質問に「どうぞ冷却用のファン穴を開けてください」と言ってしまった。励磁コイルと駆動コイルで数百wの発熱が見込まれるため、相当な風量を流す必要がある。磁気回路の実験開始で磁束密度が上がらない、困った!困った時はネット情報で延々と検索するが、正確そうな情報は出てこない。妖しい情報や素人情報が氾濫して万事休す、の所へ昭和40年代に少し係わった磁気探傷の説明文を見て、目からウロコです。

2102093元大学の教授の文章の中に「磁束線連続の法則」と出てきてシメタと検索するが、そんな法則の解説文など出てこない。出てこないが、文章から理解すれば発生する磁束数と帰還する磁束数は不変とゆうことになる。そうか!比透磁率は空気が1で飽和しかかった鉄の比透磁率は200や300だから、200倍と磁気絶縁抵抗の低い空気中へどんどん漏れ出し、そして戻るのだ。

2102094ん?このレシオ200は何処かで経験したような、そうだ妖解コンデンサの絶縁抵抗が低いと同じだ。磁気も電気も回路は同じで、磁気漏れも電気漏れ(漏電)も元へは戻るのだ。この穴から磁束がガバガバと漏れ電磁石となって発電所、いや発磁力所のアンペアターンを消費してしまい、仕事量にならない、まだまだ仮定の話ですが。磁気回路に絶対穴を開けるな!とでも何処かに書いてあれば...

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2021年2月 5日 (金)

反戦絵画とjazzと弘田三枝子さんと

2102053出展:wikipedia
投下されるナパーム弾!
あの時代は僕ら一介のサラリーマンでも「何か行動を起こさなくては...」の空気が漂っており、ベトナム戦争を題材にしたシュールレアリズムの反戦絵画を、多く描いた。活動家でもないし、徒党を組むことは一番嫌なタチだから、単独行動が常で一人絵画で反戦した。当時の画家仲間の合言葉は「do not kill in Vietnam!」でした。LAトーランスのソフトウエア開発室の人材採用では、ボートピープルだったトムを優先的に採用したのもそれがあったから。ベトナム戦争は深い教訓で、アリに巨象が勝てない現実を見せつけられた。1969年はまだ車を持てない時代でバス通勤、新清水駅に日立バスが止まるとjazz喫茶5spotへ行くか、時間調整でパチンコ屋へ入る。この時良く流れていたのが弘田三枝子さんの「人形の家」だった。パチンコのジャラジャラ騒音と「人形の家」とで、とにかく凄い時代だった。

2102054jazzを歌わせたらピカイチで、jazz仲間が全員ミコちゃんファンだったから示し合わせて、スイングジャーナルの女性ボーカル部門の1位にミコちゃんになってもらおうと応募をしたものだ。昭和の偉人伝でナカニシ・レイさんは、その「人形の家」の作詞も手がけられ、戦後の引き上げ時に日本に見捨てられた体験を描いたダブル・ミーニングと分かり驚嘆した。「人形の家」はナカニシ・レイさんの怨歌だったのか!反戦絵画の真っ只中に居て、「人形の家」を聴いていてもただのラブソングとしか分からない状態も、今思えば深い出来事であった。

2102051それが分かったものだから慌ててミコちゃんのレコードの買い直しと、cdを入手した。jazzかぶれで、シャレコマなんか冗談じゃあねえや!と粋がっていた時代だから、日本語の「人形の家」はからっきしダメで、英語版のlpだった。

2102055今回のニューカマーは1965年のニューポートjazzフェスティバル出演後に、ビリー・テイラー・トリオで録った幻盤をcd化したもの。このcdの入手にはエラい苦労をした。レコードのオリジナル盤(日本コロンビア)の方が入手は容易。上手い!文句なしに上手くこれで18歳か?恐るべしだったのだ。お二方ともコロナ禍の2020年にお亡くなりになった、ご冥福を...
そして昭和の開いていたページは次々と閉じていく。

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2021年2月 3日 (水)

密度力学 見えないものは音束密度と磁束密度

2102031トランスだけ銅プレートgm70管パワーアンプの再組み立てが終わった。中学以来メガネになり、しかし何十年も0.4より悪くなったこともない。儀式でメガネを掛けて見えない音束密度を見る。お店を開店したした時はクレルのksa50と銀線で、若旦那曰く「洞窟から音が出ているようだ」一生懸命洞窟を見たが見えない。転機は真空管アンプに戻った時からで、音束が少しづつ見え始めた。今は完全に音束密度が見えるようになり、直ぐに改良カイゼンが良い方向か悪い方向か分かるようになった。銅プレートgm70管パワーアンプの音束密度は最強で、エヴァンスのピース・ピースはこれでもかと美しい音色、コルトレーンのクル・セ・ママはmonoだが狂気の音散り、ガボール・ザボのスペースはボストンまで行って見えなかったjazzワークショップが見える。

2102033音束密度は見えるまでに何年も何十年も掛ってしまった。何年も掛かったのでは困るのが磁束密度で、連日ウンウンしている。電気電子回路はオシロスコープや各種測定器が完備されて見える化が進んで、たいていは問題点が暴露される。磁気回路も見える化が出来ていると思ったがまるでダメ。磁場測定用のガウスメータを2台購入した。偶然だが2個が別々なメーカになってしまい、返ってこれで良かった。別なキャラの2台で測定して値がほぼ一致していれば正しい磁場で、1台だけでは中華のこともありガウスメータを疑ってしまう。2台はほぼ同じ値で磁場測定は出来るようになった。しかし見える化の道具はこれだけです。

2102032この純鉄の塊(180kg)の中を磁束が通り、外から見ただけでは皆目見当が付かない。当初はガウスメータの磁気センサーを差し込めるΦ5mmの穴を開けて突っ込めば、磁束が測定できると踏んだ。鉄の深穴開けは簡単には出来ないから、あまり現実的ではないのだが。

2012126_20210203044901組み立て用でm10位のボルト穴が開いており、そこへガウスメータのセンサー部を突っ込んでみた。磁束は見事に穴を逃げながら鉄中を流れて、穴には漏れ磁場しか発生せず、この方法では測定出来ないコトが分かった。さて、見えないものを見る...このプロセスは音束密度と同じで、見えるように推論する作業になり、ひたすら純鉄の塊を見ている。あこれですね~、スピーカの後に付いている磁石を励磁型にした巨大なもので10kw、これに直径2mのコーン紙を付ければ位置帰還もあるから300hzまではmfbのリニアモーションをする。

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2021年2月 1日 (月)

Gabor Szabo Dreams Ebalunga!!! ebl-003cdとebl-003lpの詳報

2102018以前のエントリーから「ナベタニ弁護士の発案でベイシーの椅子を新調しようとゆうコトになった。好きなjazzミュージシャンの名前と本人の名前を金プレートに刻み、ベイシーを訪れた時誰かが座っていたらどいてもらう権利付き。12使徒の末席だからコルトレーンもだめでエヴァンスもだめ、そこでGabor Szabo と銘したかったがチョットしたjazzの見栄でアート・ペッパーにしてしまった...」Gabor Szabo にはスマンことをしたが、dj界で有名にした功績?で許されよ。

2102011Gabor Szabo Dreams Ebalunga!!! ebl-003cdとebl-003lp の両方が揃った。Dreams を録音した1968年のクレジットは「Arranged By, Producer, Piano – Gary McFarland、Bass – Louis Kabok、Cello – George Ricci、Design [Cover] – David Stahlberg 、Drums – Jim Keltner、Engineer [Gotham Recording Corporation] – Eddie Rice、Engineer [Western Recorders] – Andy Richardson、French Horn – Brooks Tillotson, Ray Alonge, Tony Miranda、Guitar – Gabor Szabo, Jim Stewart、Liner Notes – Bill Ardis、Liner Notes [Quote] – James Joyce、Percussion, Congas – Hal Gordon、Violin – Julius Schacter」となっている。

21020191ここで録音エンジニアの「Gotham Recording Corporation」のEddie Riceを追っかけるとスタジオの画像が出てきた。少々不鮮明だが真空管式のミキサーなどが見えて、1968年はまだトランジスター化されていなかったのだろう。だからDreamsの音色は輝いていると思う。「New York City studio active from the 1950s through 1970s. Known as the site of early recordings for Jac Holzman's Elektra label」
sk-7オリジナル盤には丸にMRの刻印がある。「Monarch Record Manufacturing Company - Plating and pressing plant in Los Angeles, CA. Re-branded as Electrosound Los Angeles in January 1985. Discs pressed by Monarch usually have a stamped, encircled "MR" in runouts (sometimes found reversed). The etched letters "MR" were also used occasionally during the '60s and '70s, and exclusively post-1985 -- refer to profile images for examples of each 」録音原盤の情報を探ることでGabor Szabo Dreams Ebalunga!!! ebl-003cdとebl-003lpの謎は解けるのでしょうが、時間が掛かる。

2102012レコードの003lpはスカイのsk-7と全く同じジャケットで少々ガッカリした。

2102013cdのような見たことも無いイラストが全く無くオリジナルを尊重したカタチだが、レコードの場合はリマスタと更にカッティングマシンの問題があって、オリジナル盤に勝てないのだからカタチを崩しても良いのではないでしょうか。

2102014003cdの正面

210201500cdの背面

2102016003cdの内部1

2102017003cdの内部2

2102019003cdの内部3

21020193ampex350で録って真空管式カッティングマシンで切られたオリジナルのsk-7にしても、ヴァン・ゲルダーのレコードのような音の分厚さは、無い。ここが録音年代の違いか、録音エンジニアの腕、またはスタジオの違いか分からない。まあしかし、オリジナルレコード盤に音の分厚さが少ないものだから003cdで起きた事件は、デジタル化することでアナログで埋もれてしまう情報も出てくる訳で、イギリスのリマスタエンジニアのmr Martin BowesとCage Studiosに感謝したい。ガボール・ザボのドリームを聴くならば苦労してもGabor Szabo Dreams Ebalunga!!! ebl-003cdと、おまけでebl-003lpを手に入れるべきです。

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2021年1月30日 (土)

電源力学 gm70管用トロイダル電源トランスの組み込み作業 了

2101308何時ものように新清水駅裏のjazz喫茶5spotへ立ち寄る。マスターのk長谷さんが「xxx君が交通事故を起こしてしまい、援助で彼のレコードを売っている、高く買ってあげてよ」と言う。レコード箱を見ると100枚くらいはあるだろうか?直ぐに欲しかったGabor Szabo Dreams を見つけて、お代2,500円を払って身請けした。今考えるとタイミングが良すぎで、どうも妙である。つい先日まで流れていた新譜のGabor Szabo Dreams sk-7 をxxx君が持っている訳がない。一見横柄で気難しそうなマスターだが実は気の優しい人物で、自分のレコードを提供したに違いない。50年前の真相らしきがものが今見えてきて、何とも可笑しい。このGabor Szabo Dreams の冒頭「Galatea's Guitar」に衝撃を受けてしまい、これは幸運だった。1969年に身請けしたレコードを2021年の今もひたすら聴いており、生涯聴くレコードになるなど予想もしなかった。

21013001目の上のタンコブが-c電源調整用のポテンショメータで、ニクロム線の巻き線抵抗で出来ている。これを取り去らない限りトランスだけのパワーアンプとはならない。現存する抵抗の中では音質はベストだが、銅線には敵わない。フランスのなんとか抵抗は音が良いだとか、なんとか工業の金属皮膜抵抗は音が良いだとか、耳が悪いものだからさんざん惑わされて、疲れ果てた。そこでエイッ面倒だ、いっそ抵抗を止めてしまえばこの悩みは消える。思い立ってから相当年月が過ぎて遂に実現した。

2101301最後の砦は画像のスペクトロールのポテンショメータとディールのrs5巻き線抵抗になる。スペクトロールはマーク・レヴィンソンのlnp-2lに使われていた計測器のよな精度感もなく、合理化された安物のポテンショメータに、もう魅力は無い。またrs5の50kΩのニクロム線の径は髪の毛よりも細く頼りない。

2101302上画像の2個の抵抗がカルダストロイダル・インプットトランスの入り口に付いていた。無くなったものだからトランス周りは随分スッキリしとして、気分も晴れ晴れとなる。

2101303これで銅プレートgm70管パワーアンプの電源部とアンプ部の配線は終わる。この配線を見て汚いと感ずるか、合理的と感ずるかはお好きにどうぞだが、徹して従来の方式を取らないのが開発者魂です。

2101304その後は躊躇する通電で、先ずはフィラメントと負バイアス電源を入れる。gz37管には水晶粒は充填していない。gm70管は60wのトリタンで水晶粒を超えて灯りが洩れてくる。この段階では+b電源コンデンサは日立製となっている。

2101305これがgz37管で作った負バイアス電源となる。センタータップの全波整流としたため、ofc純銅電解コンデンサ123μfだがリップルは見えない。

2101306こちらがgz37管で作った+b電源だが電圧が低く、負荷抵抗のせいか?実際のカルダスアイソレーショントランスに接続して、gm70管を繋ぐと丁度600vとなる。

2101307無事音が出たから紙管を延長して、日立の電解コンデンサから名工ミルトさん作のofc純銅電解コンデンサ600vの58μfと38μfに交換する。久し振りに+b電源にofc純銅電解コンデンサで、音色豊かな音に戻り安堵する。奥側がトランスタワーで下からチョークコイル、+b電源トランス、負バイアスフィラメントヒータトランス、最上部にofc純銅電解コンデンサ、表面にgz37管が2本となり、手前のgm70管パワーアンプ部の方が遥かに小さく、電源力学からすればこのスタイルが正解なのだ。

2101309満を持してGabor Szabo Dreams EBL-003CD をかける。ヤバイぜ、これは一体何なんだ、スカイsk-7オリジナル盤の比ではない新解釈だ。こんなコトってあって良いのだろうか?慌ててGabor Szabo Dreams Ebalunga!!! EBL-003LP(25£=3,600円) のレコードをオークションで4,500円(送料込み)で落札した。このEBL-003CDとLPは2020年のオーストリア盤だが「Remastered by Martin Bowes at Cage Studios (UK)」、このリマスタが予想を遥かに超えて、最後に宝くじを当てた。音でなく、音楽でオーディオをやっていたからの奇跡に違いない。

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2021年1月28日 (木)

電源力学 gm70管用トロイダル電源トランスの組み込み作業

21012812018年5月、最初に手配したΦ300mmのトロイダルコアは優秀で、電源トランスからチョークコイル、インプットトランスからアウトプットトランスまで、何処でも使える。設計の根拠はほとんど無く妖しいが、エイッ、ヤッ!の気合で手配した。そりゃあそうでしょうよ、オーディオ用のトランスなんか経験もなく、もっぱらスイッチング電源の高周波トランスだった。まあ、幸運とゆうか誰にでも出来るのがトロイダルトランスなのでしょう。磁路を長くして磁気ギャップの代用にし磁気抵抗を稼げば終わり。だからamp工房最大のトロイダルΦ450で全部作れば、磁気飽和なんか生じないから重さを除けばベストです。

2101283そのΦ300でベストのトランスが出来た。gm70管用のトロイダル電源トランスで、フィラメントやヒータの低電圧巻き線を除いて全て均等巻きにした。ここが1つのポイントでフィラメントやヒータも均等にすべきだが、流石に巻き層が増えるため遠慮した。先ずはΦ350mmカルダスチョークコイルをトランスタワーの底に入れて、水晶粒で防振しその上に+b電源用のトランスを置く。

2101282そうこうしている内に名工ミルトさんが「出来たよ」とofc純銅電解コンデンサの耐電圧600vを持ち込んでくれた。ミルトさん曰く「600vの電解コンデンサは全てが良く出来ている」「お代は?」「送料込みで17,000円」「相当数ofc純銅電解コンデンサが出来るから、決して高くないね」「そうです」となれば560vのこっちで手配したjjの電解コンデンサの使用は止めて、当初の600vの電源電圧でいこう。

2101284次に+b電源用のトランスのofc純銅ポリウレタン線にリード線をハンダ付けする。これで下ごしらえは完了で水晶粒を充填する。一時紫水晶を購入した時期があり、音的には良いのでしょうがごま塩みたいで美しさを損なっている。もうこの時点でトランスタワーの高さ方向は限界が来てしまい、紙管の延長を検討する。

2101285x次はタコ足の-c電源フィラメントヒータ用のトランスを置き、ofc純銅ポリウレタン線にリード線をハンダ付けする。こっちのトランスを3階建ての最上階に置いた理由は-c電圧の調整で、gm70毎にばらつき修正でトランスのタップを変える。電圧分解能は0.16v/tとなり、1ターンで0.16vと微妙に調整できる。この段階でgz37整流管を2本準備しておく。

2101286ここからがハイライトの接続作業で、リード線同士を捩りマスキング紙テープでグルグル巻いて接続は完了する。不埒な!となるのでしょうが電気主任技術者がやっているから問題ない。ここで事故の起きた例(ためし)もないが、あくまでも自家用です。一番のポイントはハンダ付けしないことで、基本的に接続点での音質劣化は無い。昔、沖縄のガレージメーカでハンダ付けゼロと全て溶接で接続したアンプを1千万円で売っていたが、気持ちは分かる。

2101287画像はamp工房貿易部のm+aさんがイギリスから取り寄せてくれたGabor Szabo Dream のcdで、とにかく出来が素晴らしい。cdケースは4つ折りで、内部のイラストは見たこともなく、もともとあったイラストなのか?現代人が真似して描いたか?音についてm+aさんは「かなり凄い!」とニヤリとしており、早く聴きたいが本日の作業はこれまでにしよう。

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2021年1月26日 (火)

電源力学 gm70管用トロイダル電源トランスの製作 了

2101261流石に480hpのamgはモンスターで、下手なコーナリングをすると飛び出してしまう。怖いものだから左足でブレーキを踏み、右足でアクセルする技で、タイトなコーナーを抜ける。似たようなモノが高性能な電磁鋼板で、高透磁率でどんどんアクセルし、磁気ギャップでブレーキを掛ける。殆どのトランスはこの手法によるが、トロイダルトランスは基本的に磁気ギャップは付けられないからブレーキの掛けようもなく、大いに困る。今の世の中も似たようなもので、高性能化は行き過ぎを生み、常にブレーキを掛けていないと何かと暴走したがる。

2101262+b電源が出来たものだから次は-cと各種フィラメント電源を巻く。画像のofc純銅トロイダル電源トランスは名工ミルトさん作のgm70管用のフィラメント電源で、これに追加巻き線を施す。

2101263x最初にgz37用ヒータの5vを2回路巻き、続いて負バイアス用を巻く。1次側の設計値は220tだったが、このトランスは目一杯巻きの625t巻いてある。降圧の場合はこの方法の方が分解能が取れて正解です。

2101264これで巻き終わりです。けっこうなタコ足になりました。

2101265次はハイライトのデータ取りです。1次側100vに10Ωの抵抗を付けて無付加電流を測り、インダクタンスを出す。それと各種巻き線電圧の測定もやる。


21012661次の無負荷電流は9.62ma。100v/0.00962=10.4kΩ、l=10400/6.28x60=27.6hと出る。

2101267 次はgm70管フィラメント電圧。

2101268次はgz37ヒータ電源で2回路ある。

2101269最後はgm70管の負バイアス電源でセンタータップとしてある。

21012691次は負バイアス電源の確認になり、gz37を動作させて巻き数の調整をやる。1次巻き線は625t、ac電圧45v出すには280tとして多めに巻いてある。

21012692これが完成で2回調整をやった。ac45vでdcは55v、ac38vでdcは48v、ac35vでdc45vと目標の電圧になった。280t~240t~220tとだいぶ少なくなった。調整は至って楽で、ofc純銅巻き線のポリウレタンを少し剥がしてリード線を出す。決れば正式にハンダ付けするが、止めの時はテープで絶縁処理をする。

210126932個のgm70管用トロイダル電源トランスの製作が完了した。トロイダルコアは漏れ磁束が少なく、トランスとして製作した場合、巻き数比にきちんと合った電圧が出て製作は容易です。m氏の励磁型(フィールド型)スピーカモータの開発やトロイダルトランスの磁気回路に携って何年か過ぎたが、磁気は見えないから苦労するし、見えないから不安に駆られる。その見えないを見える化したのがAnsys の有限要素解析だが、使いこなす力量も時間も無いし、シュミレータで一番重要なテストベクタが出来ないから無理。テストベクタが作れるならば、とうにトロイダルトランスなど出来るとゆう訳。いっそトロイダルコアに穴を開けて磁場検出素子を埋め込んで見たろ、と思ったりしている。

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