2017年7月21日 (金)

振動力学 水晶粒防振電源トランスを作る 設計10

0何でも作る流儀としながらも縁の無いのがスピーカとカートリッジ、まあ技術を持ち合わせていないコトもあるが。スピーカはaltecの強力なる信者で毛頭手を出す気はない。カートリッジでは貴重な経験をした。イケダ9の5n銀線巻きrexの音は凄すぎで、日本刀でバッサバッサ切るような迫力があり、これほどのカートリッジは類を見ない。しかしコルトレーンの再生には緩やかな遊びも必要で、emtのtsd15に決めた。スピーカやカートリッジは凄いモノも結構あるが、音の入り口と出口は芸術の芸の付く典型的な世界で、凄さや性能よりも如何に芸術するかの難しさがある。画像は現在停止中の初期イケダ9。

1_2何でも作る流儀は遂に電源トランスを作ってしまったが、超便利、超合理化、超高効率、超安価などクソくらえで(スマン職業病の反動)それらのアンチテーゼに位置する水晶粒防振トロイダルトランスは、大きく、重く、低効率、高価で、しかし確実に音質は向上する。まあ、amp工房のお粗末な研究室でもトロイダルトランスは出来るくらいだから、滅法面白い。1次にスライダックを入れて、maxのac100vまで序々に上昇させる。1次と2次には電圧計を繋いで電圧をモニターする。1次電流=励磁電流は抵抗10Ωを入れて、電流をモニタする。
3我々ロボット屋は電流検出も得意で電流センサーも作ったりする。今回はおおよその値が分かれば良いので、dealの巻き線抵抗10Ωを使った。
22次側を開放した無負荷状態で2次電圧をac100vに合わせる。
4この時の電流値を読むと276mvで、10Ωで割って27.6maと電流が出た。励磁電流は少なく合格、もっと電流が流れても構わない。これでインピーダンスが3.6kΩと計算され2πfLからインダクタンスを逆算すると、だいたい9hとなりhiokiハイテスタの測定値とはエライ違いだ。
5次に負荷抵抗470Ωを2次側に接続して負荷電流を流してみる。100v/470Ω=210maで容量が20vaと小さいが、古典管ラインアンプのb電源用だからこれでも十分。
6電流値は226maと出てほぼ計算どおり。
7続いて2次電圧波形を観察すると、とんでもなく汚い。これは公益事業法に則って電力事業を営む電力会社の責任だ!と言いたい所だが、空調機を始めとしたインバータ機器、太陽電池発電のdcdcコンバータにグリッドインバータ、全てが効率を追求した結果だから仕方がない。
91トランス類は重ね巻きが基本でトランス内部は温度上昇が問題になり、ポリウレタン線のディレーティングが起きて規格値まで電流は流せない。所が水晶粒の防振構造は放熱機能もあり規格値の電流が流せて、Φ0.6mmで3aは流せる。よって300va程度のトランスまではΦ0.6mmとなり、巻き線も随分楽になる。viola のリファレンスパワーアンプbravo(ブラボー)みたいなアンプは作らず、せいぜいカニンガムのcx350古典管パワーアンプになるから、ステレオ分でも100va程度の1aとなってΦ0.4mmでもいける。

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2017年7月19日 (水)

振動力学 水晶粒防振電源トランスを作る 設計9

0今年のインディ500マイルレースで佐藤琢磨さんが勝った。琢磨さんが所属するアンドレッティ・オートスポーツは、我々古いモータスポーツファンにはお馴染みのf1チャンピョンのマリオ・アンドレッティの息子さん、マイケル・アンドレッティがチームオーナーを務めている名門で、何台ものチームカーを要し、白人至上主義の世界で日本人が勝つことは奇跡みたいな出来事なのだ。琢磨さんは”自分を信じて戦った!”と名言を残したが、これが中々難しく自分を信ずることに疑心暗鬼になりがちで、それを除去するには限りなき努力をするしかない。かくして水晶粒防振電源トランスに限りなき執念を燃やす。

1一大事!
hiokiのlcrハイテスタ3531の取り扱い説明書には、「鉄心入りインダクタンスは電流に依存します」のたった1行しか書いてない。合点がいくと同時に今まで何をやっていたのか?大体が空芯コイルのインダクタンス測定で、あまり気にしていなかったのが失敗の元。磁化曲線から透磁率μ=B/Hとなり初期透磁率はせいぜい1x10-3乗程度、最大で7x10-3乗程度となってインダクタンス測定はどれだけ電流を流すかで大幅に違ってくる。いや、実は最初から分かっていた単純な話で、hiokiハイテスタではインダクタンスの傾向値が分かれば良い、とするのが正解。

2前回決まった手法はコアの上下に12mmのmdfを貼り付けて、mdfの角はRに削る。ここへΦ1.0mmのポリウレタン線をグルグル整列巻きする。このmdf=木は圧電素子で少なからず防振効果がある。今回から面倒で巻き数など勘定しないことにした。とにかくコアの外径Φ300全周に巻いて1/2にすればトランスの出来上がり。一応600ターン巻き透磁率は5x10-3乗とすると5hと出て、実際に透磁率はもっと大きいし巻き数も600ターンを超えるからインダクタンスは更に大きくなる。

3何度も巻いたり解いたりでΦ1.0mm線はキンクだらけ、これを布でしごいて出来るだけ滑らかになるように前処理するのが面倒だ。mdfの上下プレートに半周のケガキ線が入れてあり、そこまで美しく巻く。

4半周分のインダクタンスを測ると495mhと参考値が出る。

5続いて全周巻く。
最近は慣れたもので無駄な力を入れずサクサクと巻ける。昔モータ先輩の会社へ出入りしていた時代、技術部長を捉まえてもっと綺麗に巻いてよ!と随分無責任なコトを言っていたもので、自分で巻くようになってからは大変さが良く分かる。

6半周分のインダクタンスを測ると314mhとダウンした。理由は何となく分かるがたいした問題ではない。

7続いてトランス形態であったものを直列接続してインダクタンスを測る。1.15hと出て314mhの2の2乗倍で概ね合っている。hiokiのlcrハイテスタ3531の測定値は相対比較に使えば良い。遂に、遂に電源トランスは出来上がった!

Mx特性表出展:JEF
アモルファストランスやファインメットトランスの音は良い!と言われてもなぜ?が付きまとう。透磁率は相当に大きく巻き数は少なくなり、これは有利だがコアが厚く出来ず通常の1/10程度で電磁鋼板を巻くから、重ね数が大きくなり振動力学的には不利。この2種の電磁鋼板は高価過ぎて使う予定は無いから検討は進めないが、常になぜ?を探求しないとしくじるコトになる。amp工房では水晶粒防振構造の電源トランスになるから電磁鋼板は、電源トランスならば無方向性電磁鋼板のハイライトコア、出力トランスとmcトランスならば方向性電磁鋼板のオリエントコアで十分となる。ハイライトコアとオリエントコアの違いは主に透磁率で、2~3倍は違うから出力トランスのようにインダクタンスを大きく欲しい場合には巻き数が少なくて作業が楽になる。

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2017年7月17日 (月)

振動力学 水晶粒防振電源トランスを作る 設計8

Ascensionx1967年7月17日午前4時、ジョン・コルトレーンは肝臓癌のために亡くなった。当時の朝日新聞はjazz界の巨匠が亡くなったことを慌ただしく伝え、日本では後追い自殺者が出たことも伝えたが、これについては小さな記事で当時ですら余り知られていなかった。どこの誰かはとうに忘れたが、この事実を伝えていくことがコルトレーンフリークの責務と思っている。あれから50年の半世紀が過ぎた現代はコンピュータに支配されたデジタル社会になり、すべからく1と0で物事を評価しようとやっきになっている。この時代だからこそコルトレーンの最終章「Ascension Meditations Expression 」3部作の混沌が1と0の評価とは無縁に光を放つ。本日はコルトレーンを流し続けて冥福しますが、よくよく考えたら日常コルトレーンしか流さないamp工房でありました。

01x水晶粒防振電源トランスを作る設計編の割には実際にトランスを巻いて、設計とは言えないのじゃあないかね?いや設計計算は十分やり尽くし、見えない所の確認だから設計と言える。水晶粒防振リング(青丸印)をトロイダルコアの外周へ巻いて、その上から巻き線して美しく仕上がった。出来た!と300ターン巻きインダクタンスを測ると何と30μh、またしてもやってしまった。黄色丸印のコアエッジが鬼門でここの角度が最大の重要箇所なのだ。

1コアから離して円形に巻く基本はコアエッジの角度を、折り曲げた位置を0度として90度方向へ変化させなくてはならない。そこでmdfで10mm全方位的にギャップをつけるドーナツ板を作る。これに10ターン巻いてインダクタンスを測る。

2インダクタンス344μhはまあ悪くはないが少な目で、どうやらこの方式は決め手にならないようだ。この段階から本番と同じΦ1.0mm線で実際に巻く太さとした。

3そこで水晶粒防振構造を考えた初期にケーブルでやった方式、テープへ水晶粒を貼り付けグルグル巻く方式をやってみた。

4インダクタンスは550μhでベストに近く、将来はこの手法を発展させる。

5次にコアエッジの角度を90度方向へ変化させるべく水晶粒防振リングをコア断面上下に付けた。

6この時のインダクは554μhで値も十分に出た。最終結論はコアエッジの角度だけとなる。

Viola2なぜ、難解なトランスまで作るのか?viola のリファレンスパワーアンプbravo(ブラボー)を聴けば、アンプを製作しようとする意欲は失われる。原資豊かな方は迷わず鬼才トム・コランジェロの遺作を手に入れるべきで、アナログアンプの最終章と言える。駆動力と緻密さでは勝てないが、水晶粒で武装した古典管と純銅電解コンデンサと対向巻きトロイダルトランスとetc...これらのシステム総合力と、人後に落ちない情熱で音色と位相特性では勝てる可能性が出てくる。

Carav言いかえればホキ美術館にある現代アートのスーパーリアリズムがviola流儀で、サン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会にあるカラヴァッジオがあんぷおやじ流儀となる。そしてjazzオーディオの最終章は鉄との戦いで、鉄を制するものはオーディオを制すると言えよう。その鉄とはケイ素鋼板を使ったトランスとモータで、先ずはトランス類の開発をやる。最初の難関電源トランスが完成すれば、出力トランス、mcトランス、プレートチョークと全てのトランスの製作が可能となり、異次元のトランス群が出現することになる。そして最終章の最後に理想のターンテーブル用acモータを作る。

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2017年7月15日 (土)

振動力学 水晶粒防振電源トランスを作る 設計7

0x演奏のことだろうか?麻薬のことだろうか?ボクサー級のマイルスのパンチを浴びて袋叩き状態だった。見かねたセロニアス・モンクはコルトレーンに”サキソフォンを吹きたいからからって、こんなことまで我慢することはない。私のところで仕事をしてみないか。”(j.cトーマスコルトレーンの生涯より引用)早々とクリーンになっていたマイルスは、コルトレーンに麻薬と演奏の両方を何とかしてもらいたくてパンチしたのだろう。事実1957年に再びコルトレ-ンはマイルスバンドに復帰して、1959年には不朽の名作カインド・オブ・ブルーの録音に参加して歴史に名を残した。命日が近づくとコルトレーンに係わった人々にも思いを馳せる。マイルスも飛びっきり良い奴だった。

1飛びっきり良い御仁のミルトさんからΦ300mmトロイダルコアに半分巻いて1hが出そうと連絡があり、慌ててこっちも本業を放り出してトロイダルトランス設計に打ち込んでいる。先ずは執念で巻いた1300ターンを丁寧に解く。解いたΦ0.5mm線は再利用出来るようにボビンへ綺麗に巻いておく。

2円形に巻くのが基本でトロイダルコアの外径部に水晶粒防振リング(黄色丸印)をはめ込み、その上にΦ0.5mm線を11ターン巻く。
。。

3インダクタンスは660μhと出て、以前よりはすこぶる大きいがまだ少ない。

4次にコアの上下に水晶粒防振リング(黄色丸印)を付ける。この構造の方が巻き線の防振には優れている。

5インダクタンスは659μhと最初の方式と殆ど変わらない。インダクタンスが変わらなければ最初の構造の方が楽なので、水晶粒防振リングは外径のみとした。

6トロイダルコアは内径と外径に差があるため、内径にΦ1.0mm線が密になるように巻く。内径240mmだから内周は754mmとなり、Φ1.0mm線の仕上がり外径をΦ1.2mmとすると、630ターン程度は巻けてその1/2がトランス巻き線で約300ターンとなる。上記インダクタンスから1ターン当たりのインダクタンスは60μhとなり、300ターンでは18mhとなるがまるで少ない。まあ、あんな巻き方では誤差だらけだから、いっちょう本番巻きをやってみるか。Φ1.0mm線をギリギリと巻き、目標値は300mhとする。

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2017年7月13日 (木)

水晶力学 なぜ水晶なのか!

0清水港のドリプラ2Fにあるインド雑貨店には大小さまざまな水晶玉が大量に置いてあり、目を血走らせながら何度か買いに出かけた。プニャ~ンとシタールが流れ、ちょっと妖しげなインド香が漂い、これまたシバ神みたいな衣装をまとったエキゾチックな店の女子を捉まえて、
”水晶玉には超能力があってさあ~、音が浄化されるんだよ~!”
と自慢げに能書きをたれると、
シバ神は”は~?”とつれない。
シバ神は商売だから極めて冷静に水晶玉を売り、こっちは水晶熱に浮かされ神がかってほとんど怪しい。

2we300bはなぜ音が良いのか?2a3シングルプレートはなぜ音が良いのか?カルダスケーブルはなぜ音が良いのか?これらの疑問を聞いても誰も教えてくれない。仕方がないから自分で考え答えを出した。では防振構造になぜ水晶なのか?dr o崎研究所と合同で研究と解析を進めていたがdr先生が体調を崩され中断し、amp工房単独で研究を続けている。その答えは”圧電素子”なのだ。

4圧電素子のなんぞや?はネットで調べて頂きたい。問題はその圧電素子の種類に、石英(水晶)(SiO2)、絹、木材、エナメルとあり、ここが重要なのだ。頭脳明晰な彼方はピンときたでしょう。なぜ絹巻き線なのか?なぜエナメル線なのか?の答えがここにある。圧電素子=防振機能で絹巻き線の音の良さが証明され、これに気付いた絹巻き線の考案者は凄い。圧電素子=防振機能でエナメル線(ポリウレタン線)をクロス構造にしたカルダスケーブルは凄い。でありますから、amp工房ではアンプのケースにmdf(木材=圧電素子)を使っている理由もここにある。

3_2水晶粒の防振機能は鉱物水晶の持つ2種の物性によるもので、1番目は従来から知られている水晶粒同士が擦れて力学的エネルギーを効率的に熱的エネルギーに変換するもの、2番目が前述の圧電素子だから振動圧によって電気分極が発生し力学的エネルギーが電気的エネルギーに変換され、水晶粒群内部で電気的循環消費が行われるもの。実は2番目の物性が微振動に対してより効果的に防振すると推論している。

Leexクレイトン-ハミルトン・ジャズ・オーケストラで活躍し、カリフォルニア州立大学(California State University)の教授でもあるJames Ford(tp) ジェイムス・フォード(トランペット)さんがamp工房へリー・モーガンを聴きにみえた時”なぜ水晶玉なの?”と興味津々に聞くものだから、つい”ダイヤモンドなら100万$もしてしまい無理でしょう!”とジョークしてしまった。鉱物水晶は霊験あらたかでもないし、オカルトチックでもないし、極めて冷静に”圧電素子”なのだ。

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2017年7月12日 (水)

水晶力学 MJ 無線と実験 8月号

Mj8無線と実験を取り始めたのがジョン・コルトレーンが亡くなった1967年に遡り、オーディオも本格的に始めた年で、以来50年間オーディオ誌の中では一番のお付き合いをしている。当時はオーディオ黎明期でトラ技ですらオーディオをやっていたような時代で、オーディオ誌は百花繚乱の時期を迎えようとしていた。所が現在はただMJ一誌のみの厳しい時代になったもので、貴重なオーディオ技術誌と言える。

Mj81今般MJ編集部k川氏の依頼で、水晶粒による防振構造について執筆しました。粗原稿を見事にまとめて頂いたk川氏に感謝であります。この先も水晶粒防振のアプリケーションを次々と開発して、jazzオーディオの新境地を開いていきます。先ずはMJ誌の購読をお願いします。

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2017年7月11日 (火)

振動力学 水晶粒防振電源トランスを作る 設計6

0画像出展:wikipedia
イタリアの北部、カッラーラ(Carrara)の大理石産出現場にミケランジェロは8ヶ月間も閉じこもり”ただ私は石の中に見えるものを掘り出すだけ”と名言を残した。思うに見たって見えないから、見えないからこそそこで創造活動が行われ、彫るべきモノを心の中に見出したのだろう。8ヶ月間が長いか短いかは分からないが、凡才のわれ等は執念深く時間を掛けることにおいてはミケランジェロに負ける気はしない。かくしてトロダルトランスの磁気抵抗、透磁率、自己インダクタンスを呪文の如く唱えて睡眠不足の幽霊状態になっている。

1_2計算上は間違っていないΦ1mmポリウレタン線を200ターン、トロイダルコアの断面にへばりつくように巻いて、たったの13μh!

。。

2_2ならば全面に巻いたろ!
Φ0.5mmポリウレタン線を執念で巻いた1300ターン、トロイダルコアの断面にへばりつくように巻いて、たったの1mh!

3先週の日曜日の夕方、名工ミルトさんが”トロイダルコアに巻き線してみたがアドヴァイスが欲しい”と持ち込む。何とこっちで究極を考えているカルダスマルチストランドワイヤーを巻く方式に同じだ。インダクタンスは330mhあると言う。仮に330mhだとインピーダンスは120Ωとなり、このまんまトランスにすると830maの励磁電流で非常識と言われるが、あんぷおやじ流儀では合格とする。

4_2こっちのhiokiのlcメータにかけると520mhと出てインピーダンスは200Ωとなり、このまんまトランスにすると500maの励磁電流で一層合格となる。理由は cello performance amplifier がa級の75wアンプで電流の垂れ流し状態であの音を出しているから、トランスの効率が悪くて電流を垂れ流しても音さえ良ければ許容できる。

5_2これを見たらもうトランスは出来ると確信し、巻き数で9:2に分割してもらった。まだ実機には程遠いがac20vを印加するとしっかり2/9電圧の4vが出力されて、トランスの体を成した。余りにも凄いので素晴らしい!と褒めると謙遜して”数式が分からないから工夫して巻いた”との返事。かの万能の天才ダ・ヴィンチだって無学の徒と言い残して数々の天才を後世へ伝えた。

6_2遂にブレークスルーで暫し考えた。タムラのトロイダルコアは断面が長方形の上に厚い絶縁紙を巻きエッジの部分はRを付けてある。ここだ!ミルトさんの巻いた線は絶縁電線でトロイダルコアの断面にへばりつくように巻いてもRが付きコア断面から少し離れている。

77太陽電池スマートグリッドをやった時のトロイダルコアを観察すると、コア断面は楕円形状になっているから、ギリギリ力一杯巻いたってエッジ部分は自然にRがつく。だいたいが平面巻きなど無く、何重にも巻くから自然にR状態になり、さらにボビンに円形すらあり、巻き線は円でなければならないのだ。

8画像出展:北村機電
昔お世話になった北村機電さんのRコアトランスは実に良く出来ていてコア断面が円形になっている。でありますからこれを現在の楕円コアにするのではなく、円形にすれば理想のトロイダルコアになる。これなんか完全に円形巻き線となっている。

Mg0そこで磁界分布について調べると論文が出てきた。参考文献:フェライトトロイダルコアに関する電磁界分布の一解析法、法政大学電気電子工学部、小林、早野、斉藤各氏。
ご覧のように磁界の分布は円から楕円形の軌跡を描きトロイダルコアの断面にへばりつくように巻くと、電磁界分布からわざわざ避けるように巻いたことになる。これだ、この線を追っかけよう!

7_2 後は平面対向巻きにしてどれだけインダクタンスが取れるか、どれだけトランス結合係数が取れるか、になる。以前のエントリーで水晶粒防振トランス究極モデルの構想図を描いたが、これは理に適っていてにわかに現実味を帯びてきた。但し断面は長方形だが、それも間違いで正方形が正解となる。それと磁気抵抗を疑っていたがそれも間違っていたから、こうなりゃあたたみ掛けてラインアンプ用のΦ450mmで重さ20kg~30kgもする、水晶粒防振電源トロイダルトランスを作ったろ。結局の所自然の支配下のテクノロジーでもある訳だから自然の法則から逃れられず、古典管の水滴型ガラスバルブ、トランスの円形巻き線、やっぱり自然の法則なのだ。オルフィレウスの永久運動機械についてアイザック・ニュートンは”永久運動機械を作るものは無から有を得ようとしている”と切り捨てたが、電源トランスは必ず有でそれを改良することは優を得ることになり、きっと面白いことが起きる。

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2017年7月 9日 (日)

振動力学 水晶粒防振電源ユニットを作る 了

0次男坊の生きものや「菊家」が清水(市)の七夕祭りに露店を出したので、陣中見舞いを兼ねて何十年ぶりかに七夕へ出かけた。シャッター街になってしまった清水銀座は、どうせ人出もたいしたこたないと決め付けて出かけたが、昔と同じ位の人出と賑わいで清水(市)もまだまだ元気だ。たいていは通行人か傍観者で露店を眺めるが、露店に入って内側から通行人を眺めるのは、中々できない経験で面白い。

1さてkuraiman社長氏の水晶粒防振電源ユニットの製作も佳境で、mdfで箱の製作に入る。トランス5個で50kg位になるから箱の強度が問題で、内側に角材を入れて更に接合面に接着剤を塗布して補強する。

2猛暑なのだが早朝5時は清々しく、ハケを握り一気に黒塗装をやる。早朝5時は高齢の方の散歩人が結構居て、黒塗りに悪戦苦闘?している姿をジロジロ見てはいくが、声を掛ける人は居ない。

3赤丸印の隙間に細目の水晶粒を充填していく。この隙間をあけるのに結構苦労した。

4水晶粒が中々入らないので細い棒を使いゴリゴリ押し込む。充填が完了したところで粘着力の弱いテープで仮蓋をしておく。本体箱に水晶粒を充填しながら、この仮蓋テープは徐々に剥がし、外部の水晶粒と一体化する。

5これが配線中の水晶粒防振電源ユニットの勇姿。動かすがとてもじゃあないが一人では出来ない。

6最後にfurutecのgtx-dを取り付ける。残念ながら水晶粒の充填はkuraiman社長氏宅になるから、水晶粒無しで音出しすると雑味感無い音にこれはいける。アイソレーショントランスの役目は電源に混入する高周波ノイズを除去するのだが、電源との密結合を阻害するので案外難しい。高周波ノイズはトランスのコイルで減衰するから入れるべきだが、結合容量によってスルーしてしまうから痛し痒しで、結局の所市販品ならばトランスの構造を理解してから使うべき。

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2017年7月 7日 (金)

振動力学 水晶粒防振電源ユニットを作る2

0新東名の新清水インターチェンジを下りると宍原で、初めて来た人は山ん中でたまげるに違いない。ここから甲府に向けて52号線をひた走ると中部横断自動車道の増穂インターチェンジへ到着し、後は楽になる。ところが六郷に新インターチェンジが出来ており、これで一般道の走行距離が50kmと大幅に短縮された。六郷で乗り、駒ヶ根高原の「こまくさの湯」へ向かう。昔、駒ヶ根に事務所を持っていた関係でこのパブリック温泉は仕事場になっていた。人生最大のピンチ負の時代にはよく各地の温泉を訪ね歩き、鼻下まで深々と湯船につかり温泉の気を目一杯吸い込むと少しずつ勇気が沸いてきて...やはり温泉には神様がいらっしゃるようだ。

1オーディオの神様はどうやら電源にいらっしゃるようで、時々姿を現しコルトレーンのリードを噛む歯軋りが聞こえる。かくして現在考え得る最強の電源ユニットを作っている。kuraiman社長氏電源ユニットのコンセントは(壁コンセント)はfurutecのgtx-dで、定価はなんと16,500円もする。高いので1個口なら安かろうと調べると、これまた13,000円もしてたまげた。勿論パナの安物にofc純銅板を巻いた手作りも考えたが、kuraiman社長氏のオーディオ装置はリファレンスにしておくべきと、furutecにした。
2そこで2個口を1個口の2連にしてしまおう作戦に出た。分解すると銅のバスバーで2個口は連結されており、この中央を切断すれば分離され、1個口の2連になる。このシリーズは金メッキ品とロジュウムメッキ品になるが、金箔は食べても大丈夫だから金メッキ品にした。
3純銅でできているから切断は楽なもので、ご覧のように2分割できた。これで1個口の2連になり16,500円/2=8,250円となり、これでも高すぎるがなんぼも売れないオーディオ用だから仕方がない。しかしコンセント歯等の各パーツは組み立て時にゴリゴリ押し込むのではなく、ポルシェタイプシフトのようにグニャと入り、作りは一流品でやはり日本製は世界一と思う。
4_2出力コンセントが完成した所でncwトランスの仕上げ改造に入る。ベース改造は粗取りでこれからが本番の改造になり、更にトランスをボツにする危険が伴う。黄色丸印部分が1次コイルと2次コイルの隙間で、ここにセパレータの樹脂が入っているから出来るだけ除去する。赤丸印は2次コイルと鉄心の間の何重にもなるテーピング材で、除去する。
5_2黄色丸印の樹脂セパレータ部は細いノミを持ち合わせていないので、マイナスのドライバを使いコイルに傷つけないように打ち砕きながら奥へ進む。赤丸印の多重テーピング除去は最大の難関で、僅かな隙間へ糸ノコを通してコイルに傷をつけないようにゴリゴリと切る。
6_2取り出した多重テープとゆうよりクッション材(赤丸印)は振動絶縁のために使うような素材で、テープより分厚い。黄色丸印2箇所に穴が開き、ここへ水晶粒細目を充填して仮蓋をしておく。このクッション材もそうだが、オーディオにおける防振と振動絶縁をごっちゃまぜにしているからややっこしい。防振は振動エネルギーを熱又は電気エネルギーに変換して消費させる。振動絶縁は外部に対して振動を伝えないから振動そのものは内部で消費される。このクッション材やゴムなどの軟体動物では防振効果は薄い。

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2017年7月 5日 (水)

振動力学 水晶粒防振電源ユニットを作る

0_2先ずは宣伝です。
無線と実験MJ8月号(7月10日発売)にオーディオアイデア集の特集があり、水晶粒防振構造について執筆しました。僅か3ページですが水晶粒防振構造解説のダイジェスト版でノウハウ満載の力作です。無線と実験は1960年代から購読し我がjazzオーディオ人生と完全同期であり、オーディオの栄枯盛衰を記録し続けてきた貴重な技術誌です。是非ご購読ください。

01さてkuraiman社長氏のチャンデバ完成に合わせて、水晶粒防振電源ユニットの製作をやっている。その電源ユニットの主役がアイソレーショントランスで、この選択が難しい。某メーカのトロイダルが良い、某メーカのRコアが良い、いやカットコアだ、いやアモルファスだ、選択の基準は何を持ってしたら良いのだろうか?あんぷおやじ流儀は如何にコイルの防振が出来るか、と如何に1次2次コイルの分離が出来るかの理詰めで決めている。
1_2以前のエントリーから「随分昔になるが省エネが叫ばれていた時代でn大学のt研究室に通っていた頃、新方式の画期的なトランスNo Cutcore Winding Transformerが本当に省エネにつながるか研究室では懐疑的な意見が多く、それでncwトランスについてはすっかり忘れていた。」トランスでは駄物的扱い(失敬!)ncwトランスがあんぷおやじ流儀ではベストなのだ。黄色丸印のように1次と2次コイルに大きなギャップがあり、赤丸印のようにコイルが広範囲に剥き出しになる。
2残念ながらメーカ製をそのまま使ったのでは本領発揮できず、どうしても改造が必要になる。なるがこれが難工事で、もうやらない!指のマメは破れるし右腕は肩まで上がらなくなるし、顔には樹脂破片が刺さるし...作業は樹脂製のボビンを金槌で叩き割るところから始まる。
3続いてミケランジェロなりきりモード。イタリアの北部、カッラーラ(Carrara)の大理石産出場において石の中に見えるものをただ掘り出すだけ、ミケランジェロの名言を呪文のように唱えてハンマーを振るい続け、コイルを傷付けないように掘り起こす。
4ここが最大の難関のコイルボビン切断作業になる。ノミで割っただけではコイルとボビンが綺麗に仕上がらないので、4箇所あるコアとコイルの出口のボビンをコイルが剥き出しになる寸前までノコで切る。正に神業で合計20箇所、もうやらない!
5この状態でようやくベース改造は終わる。しかし研究室中に樹脂の破片が飛び散り、とんでもなく凄いことになっている。
6こちらの黄色丸印が1次と2次コイルの分離風景。ここに全てがあり、これだけのギャップは理屈ぬきにストレーキャップを小さくし、下手な静電シールドも要らない。更にこれだけ広くコイルがむき出しになっており、ここを水晶粒で防振構造化する。
7_2
なぜもうやらない!
かって、1個の改造に半日を要し合計5個の改造は飽きっぽいあんぷおやじには無理。まあ、あんまりお勧めはできませんね!ノミ作業、ノコ作業はしくじればトランスをボツにしてしまう、けどこの効果は絶大で、amp工房のCDP-337ESDの電源はこの方式にしてあり、隠し味なのだ。

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